割といい評判を多く見かけるものに対して、個人的には気に入らないよと主張する記事シリーズ。
個人的な好みと偏見に満ちた単なる感想なので、不愉快に感じたら読まないでください。
(2024/9/12追記)こちらはseason1(1~16話)のみに対しての感想です。17話以降は少し読んだところ、改善されてる点は多そうです。
このシリーズを読もうか迷ってる人は、こんな個人ブログを読む前に本編を読んでください。
コミックは連載時より絵が整っているようです。
【最終更新:2021/07/01】
記事の最初の方に全体を通してを追記。
ちょっと書きっぷりを反省しました。誰かを傷つける意図はないことだけ明記しておきます。
ただ、いちファンとしては、このシリーズにおけるデッドプールやマーベルキャラクターの描かれ方にはリスペクトを感じられませんでした。
少年ジャンプ+連載版「デッドプール:SAMURAI」
Webコミック雑誌の少年ジャンプ+で連載されてるMARVEL監修デッドプールのコミックシリーズ。
何度読み返してもしみじみ「おもしろくないなー」と思うのが逆に不思議なので、何に引っかかるのかをメモしておきます。
この記事をわざわざ読む気になってる人はどこかしら同じ思いを抱いてますよね、きっと。
絵が下手なのはまあ一朝一夕でどうにかなるものじゃないので仕方ないとして。
吹き出しがでかくて文字が大きいのはWebコミックだから仕方ないとして。
コマも大きくて余白がスカスカに見えるのもまあとにかく仕方ないとして。
満を持してツッコミ待ちのギャグを言う感じは少年漫画だから仕方ないとして。
全体を通して(7/1追記)
15話まで読んだ上で、結局何を問題に感じたのかと言うと
「キャラクターの魅力が損なわれている/なおざりに扱われている」ことだと思いました。
デッドプールや各キャラクターの意思や信念のような描写が不足している。
言葉による説明があっても、それが裏付ける実際の行動が描かれていないから納得できない。
キャラクター性を自然と脳内補完できる読者にとっては気にならないのでしょうが、先入観を持たずこのシリーズ単体で読もうとすると、各キャラの中身を伴わない言動に引っかかってしまう。
中身がないように描かれたキャラクターは、自分には魅力的に見えません。
このシリーズに登場するマーベルキャラクターたちに魅力を感じられなかったのが、シリーズ自体を好きになれない理由だと思います。
オリジナルキャラはちゃんと内面が描かれてたのに。
もう一つ、悪役がおしなべて頭悪そうなのも好きじゃありません。
読み切りのときもそうでしたが、悪役は能力が低い上にダサいまたは不愉快な態度しか取っていません。
無能な悪役を倒したところで、DPの強さや破天荒さというものは特に伝わってこない。
悪役を下げることで主人公を相対的に上げている、というふうに思えてしまいます。
ネタにばかりこだわるんじゃなく、キャラクターを魅力的に描くというか、そもそもちゃんとキャラクターを作ってほしかったです。名札を付けるだけでそのキャラクターになるわけがありません。
で、以下はリアルタイムで各話を読んだときの感想です。
口が悪いですがご容赦。
リアルタイム感想
第1話
なんか、やりたいことは分かるけどしっくりこないなって感じです。
クリエイターがデッドプールの服着て自作自演してる感じ。
デッドプールをぜひにとアベンジャーズに入れるの?
「デッドプールはまともなヒーローじゃない」というのが一般的な売り文句であり、このシリーズでもそう描かれてるように見えます。
一方、「キャプテン・アメリカとアイアンマンはまともなヒーローの代表である」というのが一般的な感覚でしょう。
ところがこの感覚で読んでいると、話の展開に引っかかります。
プールは明らかに「町中で軽々しくビル爆破しちゃうようなどうかしちゃってるやつ」として描かれてますよね。
これを見ていたにも関わらず、キャプテン・アメリカはデッドプールを「いい奴」と特に含みもなく評しており、スタークさんもプールをチームに入れる案を採用する。
デッドプールのやりすぎな所業をスルーしちゃってて、キャプテンとアイアンマンのキャラ付けはそれでいいんでしょうか。ギャグマンガ的な方向に持っていくつもりなの?
殺人を厭わないプールに対して「彼はいい奴になろうとしてる」とか言うならまだ引っかかりませんが、「誤解されやすいだけでいい奴」と評価するキャップの思考がこの時点では分からない。
で、わざわざ大金を払ってアベンジャーズに入れるってのは、傭兵として雇うってこと?
デッドプールが倫理観なさそうに描かれてるからには、「なんでここまで積極的に勧誘されてるんだろう?」と思わざるをえない。後に納得できる説明があるのかどうか。
やっぱり絵が下手なのは……
上には仕方ないと描きましたが、絵が下手なのはあまりよろしくない。
だから吹き出しをでかくして絵を隠してるのかと邪推します。せめて吹き出しいっぱいにセリフを入れた方がおしゃべりな傭兵らしいのに。
デッドプールが腹を貫かれてても、それをものともせず復活しても、絵がショボいからどの程度すごいことになってるのかピンと来ない。
白黒漫画で派手に見せるには相当派手に書き込まないと大変だってのは分かりますけども。
せめて「派手」を銘打ってる部分くらいはサイコーに派手にした方がいいと思いますが。
せめて「左が全身やられちまった」ところはちゃんと描いてほしかったですが。規制でもあるんでしょうか?
何がしっくりこないかって言うと
全体的にノリがよく分かんないんですよね。
完全にブラックコメディに振りきっちゃってるんなら、キャップとスタークさんがぜひにとプールをチームに入れたがっても変じゃないだろうけど、二人のノリは真面目なストーリー漫画に見える。
演出的にも全体としては真面目なストーリー漫画っぽくしてるように見える。
なのに町中のビル爆破はスルーしている。
真面目なストーリー漫画の中でプールだけ意味不明なことをほざいてるってやりたいにしては、プール以外の「ストーリー漫画」部分がしっかりしてない。
シリーズ自体をふざけてやっちゃおうとしてるにしては、ふざけが伝わらない。
こーやって真面目に突っ込むべきなのか、このシリーズ自体をナンセンスなジョークとみなすべきか分からず、モヤモヤします。
「サムライスクワッド」って名前は相当カッコイイですね
すごくカッコイイです。
あと「丹下段平」の誰に向けたネタか分からない感じはおもしろかった。
大ゴマで「ほら笑え!」ってギャグ言われると引いちゃうからね。
第2話
1話よりは詰まることなく読めました。
サクラスパイダーのおかげで画がちょっと派手になったし、アクションも1話よりマシな感じでしたね。
ただねえ。
デッドプールはなんだと思われてるの?
デッドプールのスタンスと、デッドプールに対する周囲の評価がよく分かりません。
サクラスパイダーやロキは「今までのデッドプールはヒーローにふさわしくない」という評価を持っていました。
デッドプールをよく知らない人はそう思うだろう、という描写ですよね。
つまり、キャップが前回「いい奴」と評してたのと一般的な印象は乖離してるってことですよね。
そうなると、キャプテンが何をもって良い評価を持ってるのか説明してくれないと納得できない。
このシリーズのキャプテン・アメリカがデッドプールをどう思ってるのかが見えません。これから説明されることを期待するしかない。
で、デッドプールは今回1話と同じことやってます。
悪党を容赦なく切り刻み、ガトリングガンを持つ敵に対し、民衆のことを一切気にせず特攻しました。
それがなぜもてはやされる展開になるのか、しっくりこない。
バトル漫画ならいいですよ、でもこれ現代日本なんですよね。血の付いた日本刀を持ってる男に「ありがとう!」って駆け寄る気持ちになるでしょうか。
かつ、デッドプールも何をもって「今回はヒーローっぽい活動した」と実感したのかもよく分からない。
そもそも、デッドプールは自分をなんだと思ってるのか。
ほとんどメタ発言しかしてないおかげで、デッドプールが何考えてるのか分かんないです。
悪党殺しはOK・市民殺しはNGと思ってるのは分かりますが、サムライスクワッドに入る前後でどういう変化があったのかが不明。
「アベンジャーズに入ってれば何しても褒められてラッキー」というようにも見えて、それがいい話風に演出されてるのがなんだか気持ち悪いです。
デッドプールに何をさせたいんだろう。
いいじゃんオリキャラ
サクラスパイダーはスパイダーマンらしく市民を傷つけない立ち回りをしていて好感が持てますが、安易にプールのツッコミ役に回ってるのは悲しいですね。
プールのことを「ヒーローにふさわしくない」と言ってたから、てっきり「悪党ならガンガン殺していいと思ってるところ」を指摘してるのかと思いきやそうじゃないらしい。
キャップもサクラスパイダーもそこを突っ込まないとなると、今後誰にも突っ込まれないんじゃないかと思えてきます。
でも、デッドプールが他のヒーローと違うところって、その殺し屋気質なところだと思うんですけどね。
スパイダーマンとの違いなんてとりわけそこだから、サクラスパイダーが突っ込んでくれるのかと期待したんですけどね。
ロキってデッドプールのこと友達だと思ってるの?
とんでもないことがあったの? 大丈夫?
第3話
みんなわざわざメールの返信くれて優しい。
ロキさん、
ロキさん、わざわざデッドプールに絡みに来るなんて暇なの?
なんか旧知のライバルみたいなふるまいさせられててちょっとかわいそうですね。
ロキさん、デッドプールなんか勧誘に来るなんて他に誰一人乗ってくれなかったからやけくそになってるの?
旧知のライバルどころか元相棒みたいなセリフ言わされてちょっとかわいそうですね。
ロキさん、地球征服をたくらむなんてちょっとディスクウォーズのロキさんみがありますね。
人気キャラだからって安易に引っ張り出された感じでちょっとかわいそうですね。
キャップはやけにデッドプールに親切
ギャグで来日されて普通にしゃべってるけど、どう受け止めればいいんだ?
いや、キャップだけパーティー案に乗ってあげるってギャグは別にいいんだけど、「アイドルみたいな子を仲間に入れよう」って発言もギャグで受け取っていいの? そっちはマジなの?
マジだとすると、キャプテンの思考がますます分かりません。シンビオートって普通、危険なものだという認識じゃないのか。
第四の壁ってなんだっけ
ここまででデッドプールの発言の半分くらいはメタネタなんですが、これもちょっとナンですね。
だって他のキャラも割とメタネタに乗っちゃってるんですもん。
日本の漫画だと第四の壁超えは普通によくあるので、デッドプールのメタ発言もそんなに奇天烈には感じません。
しかしあまりにもそのネタが多いから、いっそう新鮮に感じないんですよね。
第四の壁があるからこそ破るのがおもしろいのに、もともと壁なんてないように見えてしまう。
せめて他のキャラは一切メタネタを使わければ際立つような気がするけども。
そんでデッドプールがメタネタばっかり言うせいで、物語の中におけるデッドプールのありかたがいつまでたっても確立しません。
デッドプールは基本的に第四の壁の外にいて、ちょいちょい物語に首を突っ込んで茶々を入れてる感じ。
主人公というよりただギャグを繰り出すだけの存在になっていて、物語の中に居場所がないように見えます。
アイドルの女の子はかわいいです
いいじゃないですか、シンビオート付きアイドル。
でもオリキャラ誘う前に、日本で活動してることになってるマーベルヒーローのことは一言くらい言及してあげたら?
第4話
ロキさんはおもしろいんですが、常にダサすぎていたたまれない気持ちになりますね。
本気だったようです
キャップは真面目に「シンビオートが寄生した女子アイドルをヒーロー仲間に引き入れろ」とおっしゃっているようです。
うーん……。
キャップに顕著なのが、人物像が描かれないままセリフだけしゃべらされていて、何を考えてるのかが分からない感じです。
真面目なの?ギャグなの?サムライスクワッドをどういう組織だと思ってるの?デッドプールのことをどう思ってるの?シンビオートのことをどう思ってるの?
顔に「キャプテン・アメリカ」と書かれたマネキンみたいに感じます。
またロキさん、
ロキさん、奪われた「大切なもの」ってのはフリってことでよろしいですか?
「そんなモノだったんかーい」ってオチに使われるんですよね?
ロキも真面目に出てきてるのかギャグで出てきてるのかが分からずモヤっとします。
「格好良くやってるロキをデッドプールがバカにする」がやりたいのか?
だとすると、うまくいってません。デッドプールがいない状況でもロキはダサくて面白いです。
「ロキは何してもダサくて面白い」ってところを描きたいのか?
だとすると、狙い通りですかね。
もうちょっとスタイリッシュにしてあげてもいいんじゃないかな、と個人的には思いますが。
諸々ツッコミ
ページ数押してるくらいがちょうどいいテンポだと思いますけど、私だけでしょうか。
スパイダーセンスって自分への危機察知だと思ってたけど違うのもあるんですっけ?
アメコミネタの解説入れるんなら、それこそギャグのレベルで逐一しつこいくらいに入れればいいのにと思いました。
入れるときと入れないときの違いはナニ?
入れるとしても柱じゃなくてデッドプールにしゃべらせればコマがスカスカに見えないのに。
4話まで総じて:「デッドプール」の中身がない
「このシリーズにおけるデッドプールの人物像が描かれていない」ってのが最もしっくりこないポイントだと思います。
他の記事でも書きましたが、アメコミキャラは記号化されています。
クリエイターはキャラの鋳型を使うものの、「その世界において」どういう人物でどういう考え方をしてどういう行動を取るのかは、物語を通じて描かれます。
読者/視聴者たる我々はどんな先入観を持っていようと、物語を通して「その世界におけるキャラクター」を再受容していくわけです。
が、このコミックシリーズではそれが描かれていません。
デッドプールがどういう人物なのかは自明の認識がある前提の上、話の中でただ行動しているだけ。
要は「デッドプール」という名札が付いてるだけとしか見えないのです。
作者が持っているデッドプール像をまるっと共有している人にとっては、その前提で問題ありません。
内面が描かれなくても「デッドプール」という名札だけでイメージがついて、違和感もないんでしょう。
しかし、そうではない人にとっては「この世界におけるデッドプールという人物」が分からないまま話が進んでしまいます。
何を考えているか分からないし、周囲からどう思われてるかも分からない。
物語の中でデッドプールが浮いてるから、その中で繰り出されるギャグも浮いていていまいちおもしろく感じません。
人物像のないデッドプールがメタなギャグを言っても「デッドプールが作者をいじってる」というより「作者がデッドプールの服を着てギャグ言ってる」ように見えてしまいます。
しかも自作自演です。とりあえずツッコミ要素を用意して、それにツッコミを入れることで面白いことにしようとしてる。
オリキャラであるサクラスパイダーとかねいろちゃんの方がまだ中身がありそうで興味が持てます。
サクラスパイダーもプールのことどう思ってんのかはよく分かんないですが。
というか登場人物全員、デッドプールのことをどう思ってるのかが分かりません。
とどのつまり、プール氏が物語に溶け込めてない印象がぬぐえません。
第5話
サクラスパイダー、いずこへ。
なんか5話が更新されてからこの記事めっちゃアクセスされてる。みんなおもしろくなかったのかな。
せっかくのシンビオートが
見た目がちっともかっこよくないのはまあ仕方ないということにして。
……ということにしたいんですが、シンビオートって見た目の派手さと迫力が一番の魅力なのに、それがないというのはちょっと。
おまけに4話ではヴェノムみたいにベラベラしゃべってたから期待してたのに、シンビオートどころかねいろちゃんまでセリフなしだとは。
セリフはないし、画面にも割と映ってなくて目立たない。読み終わってもイマイチ印象に残らない。
3話の引きから期待させといてこの扱いじゃ、拍子抜けです。
この後仲間にするから、敵っぽい印象を持たせないためにあえて描いてないのか?
でもせっかく「自分のファン以外はどうなってもOKなアイドル」って倫理観崩壊してておもしろいキャラなのに、ただ操られて襲いかかってくるなんてもったいない。
デッドプールを襲わせる理由なんか、ロキがてきとうに付けられそうなもんなのに。
キャラクターが意思を持って行動した方がおもしろいと思うんだけどな。
代わりに目立つ不快キャラ
急に出てきたアイドルオタクのおにいさんが、シンビオートの出番を奪ってます。
セリフも、画面映りも、思想の描かれっぷりも、シンビオートよりはるかに目立ってます。
えっ、誰得?
不快さの塊みたいな彼はこてんぱんにされて「ざまぁ」となる運命にあることは想像つかなくもないんですが、そういうのがそんなに人気なんですかね?
ロキもせっかくシンビオートを制御できるようにしたのに、それをわざわざ変なおにいさんに渡すって、何がしたい? エロ同人みたいな展開を期待してるの?
シンビオートに寄生されたクールなヴィランとクールなアクションで戦う方を求めてたのは自分だけなのか。
元々誰にも相手にされてなさそうな変なおにいさんをデッドプールが煽り散らすだけって、誰が楽しいんだろう。
ウケ狙いプール
デッドプールの軽口に妙な気持ち悪さを感じるのはなんなのか。
「ほら、おもしろいこと言ったでしょ!」みたいなドヤ顔が見えると言おうか。
しかも敵がプールの言うことを真に受けて反応するから、「ほら、敵が怒ったし、おもしろかったってことだよね!」みたいなドヤ顔をさらに向けられるように感じる。
クリエイターの狙ってる反応を強要されてる感覚がして、なんかキツイです。バラエティ番組の笑い声みたい。
そのドヤ顔もデッドプールの顔より作者の顔に見えて、やっぱキツイです。
あいかわらずデッドプールのキャラクター像が見えてこないもんだから、作者がデッドプールの服着てしゃべってる印象が変わらない。
全部のギャグがつまんないってわけじゃないんですがね。
どうにもロキさん、
今回もダサかったですね。
作者から変態だと思われてるみたいだけど大丈夫?
デッドプールが優しいしゃべり方だ
ふと気づきましたが、「~だよ」「~だね」ってすごい柔らかいしゃべり方してます。
「~だぜ」っていうチンピラっぽい口調じゃないのは珍しい気がする。
いいとか悪いとかじゃなくて、気づいただけ。
あとバトル中に1回だけキャプションで思考を入れるのはなんなんだろう?
2話でもあったけど。普通にしゃべればいいのに。
「原作」って?
デッドプールが数回「原作の」とか「原作にない」とかいう発言をしてますね。
原作とはなんぞ。
ひょっとして特定の作品が「原作」としてあるのか? 読み切りのことじゃないよな。
もしあるんだとすると、デッドプールとか他のマーベルキャラの内面が一切描かれないのは合点がいきます。その原作を見れば、人物像が理解できるのかも。
たぶんそうじゃなく、マーベルコミック全般のことを分かりやすく「原作」と表現してるでしょう。
クリエイターがそういう感覚なんでしょうか。
つまり「原作のスピンオフ」だから、マーベルキャラクターを独自に描きすぎたらアウトオブキャラクターになってしまうと。
だからデッドプールをはじめ、キャプテン・アメリカもアイアンマンも、既に存在するキャラクターだからと言って人物像を描こうとしていない。
もしそうなんだとしたら、読んでてしっくりこないのはうなずけます。
だって私はこのシリーズ内でちゃんと世界が作られるものだと期待してますから。
世界なんてどうでもよく、ただただ「デッドプール」におもしろいことを言わせたいなら、ストーリーマンガじゃなくてギャグマンガに振り切った方がマシでしょう。
シナリオに都合のいい動きを強いるんじゃなく、キャラクターが自分の意思で行動するところを描いてほしいものです。
第6話
今回のデッドプールはちゃんとシナリオに組み込まれてました。
それもあって、普通に少年漫画らしいエピソードで良いんじゃないでしょうか。
好みか好みじゃないかというレベルだと思うので、自分が言いたいことはそんなにないです。
PCで読んでるので音楽ネタは分かってませんが、「アーティストを集めた」ってのはつい真に受けてしまいました。
あと絵がキレイでしたね。
真面目なのかフリなのか
ギャグと受け取ればいいのか真面目にやってるのか分からない感じはやっぱりあります。
デッドプーリオがオタク青年のR18的な欲望を取り上げて責めてたのとか。
そこじゃないだろ。というかあれはロキが言ってただけじゃないっけ。
ねいろちゃんの何が言いたいかよく分からない回想とか。
いいこと言ってる風で「自分のファンであればどんな悪党でも許す」って充分イカレてない?とか。
今回は本人が被害者だったからきれいごとみたいに聞こえますけど、サクラスパイダーが襲われてて同じこと言ってたらひでえぞ。
あのねいろちゃんのキレイな目をブラックジョークだと受け取ればちょっとおもしろい。
誰にもツッコまれずしれっと流されるボケは好きですが、ねいろちゃんをボケと解釈するには手がかりが少ないしなーと。
のちのちこのサブリミナルブラックジョークが回収されていって、「あれは壮大なフリだったのか」という展開だったらすごいですね。
ともあれ、ねいろちゃんの倫理観が本当にイカレてるのかどうかってところを今後の楽しみにしておきます。
「ファン以外はどうなってもいいよてへぺろ」も、口で言ってるだけですしね。
シンビオート消滅したわけじゃないといいけど。
次の悪役はちゃんと魅力のある人物にしてほしいなあ。
第7話
なおもデッドプールの蚊帳の外感が強いです。
茶々は入れるが展開には流されてる感じ。
そんでペース配分が間違ってる気がします。
前半の退屈な経緯説明で妙に紙面を使ってるせいで戦闘シーンのページが足りなくなってるのでは。
穴あきプールはショッキングな絵面で良かったのに。
没個性、か……
ブルース・バナーが出てきました。
しかしキャップと同様に全然魅力的に思えないのは、確かに「没個性」に描かれてるせいな気がします。
バナーである必要がまったくない。
なんかやっぱりマーベルキャラを無難に無難に描こうとして、結局中身がなくなってるように思えてなりません。
戦闘員もなぜあえてヒドラ? だからと言って何をするわけでもないのに。
名札を付けるだけよりオリジナルキャラの方がずっといいと思うんですけど、そうはいかないんでしょうか。
ロキの例があるので、サノスの登場にも嫌な予感しかしないのが残念。
そして作画家さんが「線の細くない人物」が苦手なんじゃないかという疑惑。
女の子はかわいいです。
サクラスパイダーはコスチュームもオシャレだし、アクションが見たかったなあ。
ところでハルクといえば
このマンガのバナーは明らかに映画のマーク・ラファロのイメージでデザインされてますね。
穏やかな雰囲気もそんな感じ。
しみじみ思うんですが、エドワード・ノートンがハルクを演じ続けてたら、こんな穏やかでおとぼけキャラのブルース・バナーには絶対ならなかったよなと。
もっと気難しい科学者気質なイメージで、今のようななごませキャラ扱いはされなかった気がします。
バナーはいつからこうなっちゃったんだ? ソーのせいかな?
いつだったかハルクバスターを着せられてたときには「科学者枠」からも外されててちょっと笑いました。
なごみ系バナーもいいよね。
マンガには関係ない話でした。
第8話
例によって、デッドプールの軽口に対して敵も味方もまともに取り合ってます。
自分はそのせいで寒く感じてしまいますが、まあ好みの問題でしょう。
キャラクターの意思が……
サノスとデッドプールを戦わせたいのは分かるんですが、またキャラクターたちの目的があやふやになってるのが気になります。
サムライスクワッドが、サノスが、いたずらの神様とヒドラのみなさんが何をどうしたいのかさっぱり分からない。
口だけ動かして棒立ちしてるから、台本読んでるみたいです。
ただのコメディなら動機があやふやでもいいかもしれませんが、シリアスパートを入れたいんならそのへんちゃんとしてないと重みが分かりません。
サクラスパイダーも怒ってる割にはデッドプールのボケを待ってあげるし。
このへんの台本感が最終的に「全部フリでした~」ってなったらすごいですね、って前にも書きましたが。
諸々ツッコミ
- 他にすることあるだろ、サノス。
- ヒドラ日本支部の人はどうしてサノスが言うこときくと思ったんだろう。
- タイタン人とアスガルド人の年齢って?
- 活躍どころかしゃべりもしないねいろちゃん。
- デッドプールの話を本当にちゃんと聞いてあげるサノス。
- ダブステップのネタって何かで見た気がするがなんだっけ。クイルが言いそう。
→調べたら映画のデッドプール2だった。でもこのサノスは別にブローリン似ではない。 - ケーブルなんてどうせすぐ生き返るよ。
- ケーブル出てこないよな?
- サノスとケーブルが話題にのぼったけど、意外とメタな映画ネタは言わないデッドプール。
- シンビオートの寄生がなぜリスキーなんだろう。クロちゃんの人格を保つためか。
- バナーは早く起きなさい。
第9話
変にマジメなノリを入れてないせいか、いつもよりおもしろかったですね。
サノスの強さの表現がフンワリしてる気がするのは、まあ好みの問題か。
サノスの意志が感じられずデクの坊みたいに見えるのも、まあ好みの問題ということで。
サクラスパイダーの肉体ってスパイダーマンレベルには強化されてるんじゃないのかな。
まあとにかく、オールマイトさんが来たから安心……安心?
第10話
- オールマイトさんはゲストでした。格好良かったです。
- サノスは本当にデクの坊だったらしいです。「サノス」という名前と顔を使いたかっただけみたいです。
別にサノスじゃなくてもいいじゃないか。
装置を壊したいだけなら、せっかく出てきたのに仕事してないハルクかシンビオートが暴走する方がよかったような。 - 体はハルク、顔はバナー……?
- ロキの言動は全部笑っていいやつだと思うことにしました。
- ロキ、髪伸ばしてんのwwww
第11話
全部オチのためのフリ……そう考えれば……
いや、フリならフリでそれこそちゃんとしてないとフリとして機能したことにならない……
「なんだ、ちゃんとしてるじゃん」と見せかけて「違うんかーい」というのがフリなわけだから……
考えた結果、やっぱりツッコミを入れてよいという結論に落ち着きました。
今シリーズのデッドプールのどこがヒーローだって?
「一緒に行動してみて信念があると分かった」がびっくりするほど共感できません。
デッドプールを見直す要素、どこかにあったっけ?
キャップの指示を受けて行動して、出てきた悪党をフツーに倒しただけじゃないですっけ。
デッドプールの思想が出てきたことなんかありましたっけ。
自分はむしろ中身が見えない見えないと思い続けてきましたけども。
オチのためのフリとして「それっぽいいい話」を作りたかったのかもしれないが、それっぽくないです。
こっちの方に引っかかってオチのおもしろさが薄れてます。
サクラスパイダーがかわいいからってごまかされません。
キャップの評価の理由は
1話と3話で疑問を呈した「キャップがプールを評価している理由」が明らかに。
恋人を失ったときにすごく悲しんでたから、らしいです。
悪意のあるまとめ方にしてしまいました、すみません。
デッドプールが恋人を失ったときに、無力感と後悔に深く苛まれる姿をキャプテンは見ていたそうです。
「バカやったりするのは、何かを失う不安をまぎらわせるためなんじゃないか」と評しているようです。
「いい奴」とか「責任感がないわけではない」と評する説明ですね。
それはそうなんですが、やっぱり「あなたは紛れもなくヒーローです」という結論にはつなげられない。
そこにつなげるまでのデッドプールの言動が、これまでのエピソードに不足しすぎてます。
キャプテンのこの説明で「やっぱりヒーローだった」と裏付けられるような基盤がないんですよね。
若干別の話になりますが、サノスがガモーラを本当の娘のように愛してるがゆえに殺したりとか、ドクター・ドゥームがスーと娘を手に入れるために全世界を洗脳しちゃう話を聞いたらどう思うでしょう?
「ああ、悪党でも人を愛する心はあるんだ」と思うかもしれません。
だからといってこいつらがやってることは悪の所業に変わりない。
身内を愛することは人の人らしさを表現する要素ですが、個人的には「ヒーローらしさ」とは特に結びつかないと感じます。
他人を平気で殺せるギャングだって、自分の家族のことは大事にするんだから。
その愛とか守りたいっていう心をもっと汎くいきわたらせるのが「ヒーローらしい」ってことだと思うんですが。
何が言いたいかというと、大事な人を失ってすごく自責の念を覚えていたと聞いても、それだけでヒーローとしての在り方に結びつけるのが自然には思えないな~という個人の感想です。それが裏付ける行為がないと。
しかし、映画と同じような経緯を想定してるんですかね。だとしたら敵に恨みを買って殺されたんでしょうか。
まさに本シリーズのプールのように敵を煽り散らしてれば恨みも買うでしょうね。
とにかく、この2ページくらいだけの描写で「つまり、これまで見てきたこのシリーズのデッドプールはヒーローだったのだ」と納得はできません。
死ぬかもとか言ってるスタークさん
あんたも来るんだろうな。
コミックの宣伝が入りました
たいへんすばらしい。さっそく買おう。
……と思ったらガチの料理本だったから笑ってしまった。やられた。
Marvel Comics: Cooking with Deadpool
第12話
何もかも台本通りって感じで、ここまで来てもなおキャラクターの中身がないまま。
逆に狙ってるんじゃないかと思えてなりませんが、狙ってたとしても納得はいかないです。
もったいないヴィランのごった煮
なんか凶悪なヴィランを集めたらしいけど、個々人の強さがまったく描かれてないので危機感が分かりません。
プールがやられてるらしいが、何をどうやられてピンチに陥ったのか。
一人超強いヴィランを出して強さを丁寧に描いてくれれば、プールが追いつめられてることに納得できたと思いますが。
この役目こそサノスのクローンにやらせるべきだったような。
(集まったヴィランたちが微妙にB級ぞろいなのが分かってしまうとなおさら危機感を感じないけど、それはそれでおもしろいからいいか。ロキがポンコツに見えてしまうが。
パイルドライバー、ライノ、アルマジロ、モードック、アナコンダ、マダム・マスク、あとは分からん。)
天地逆転をさせたかったんだろうけど、別にグラビトンにやってもらう必要はないような。
シュマゴラスもマヴカプ3を知っている人向けのキャスティングだろうとは思うけど、キャラを知ってる人には逆にしっくりこない扱いではあるまいか。
どうせなら変なしゃべり方のタスクマスター先生も、出さなくていいです。
結局のところ、またでくの坊たちにすぎないせいでキャラクターがもったいないような気もしますが。
蹴散らされる戦闘員役ならまだしも、デッドプールを初めて追いつめる役どころなのに。
ロキがしゃべり出したらみんな後ろに大人しく控えてるし、ライフモデルデコイの方がまだ自主的です。
あとどう見ても10人くらいにしか見えません。
アメコミ風のページが登場
アメコミっぽく白と黄色のキャプションが出てるけど、気の利いたことを一言も言わないのは非常に珍しいです1。
絵の方は、線も塗りもすごくきれいです。
クレジットがないってことはこれも作画の人が描いてるのか?実は絵がうまかったのか。
↓
カラーページのアーティストはMARVELでも描いていらっしゃるスーパーログさんだそうです。
Twitter見なかったら分からなかったわけだが、なんで名前出されてないんだろう。コミックには載るのかな。
ロキさん久しぶり
最初に出てきたころに「大切なものを奪われた」とかなんとか言ってましたね。
日本製のアニメに「笑いの神」とかからかわれて権威を奪われたってことでしょうか。
このマンガでも絶賛奪われ中ですが。
で、いったいなんでわざわざデッドプールに関わろうとするんでしょう。
デッドプールとズッ友になったところで何一つ得ないのに。金払ってまで。
「台本に書いてあるから」以外の納得のいく説明があるといいですね。
アベンジャーズのみなさんまで
プールのメール読んできてくれたわけじゃなく、サクラスパイダーが呼んだらしい。サクラはいつでも面白い。
バートンさん、カッコイイね!
ブラックウィドウ、乳袋があるね!
キャップ、いつも通り服がダサいね!
スタークさん、作画家さんがメカ苦手っぽいね!
大きく空いてるスペースにはハルクを入れればちょうどいいと思いました。
わかったぞ!
なぞはとべてすけた!
すべてはデッドプールをヒーロー認定するか否かのテストだったのです。
だから変なメンバーをチームメイトにして放置したり、ロキに誘惑にさせてプールがちゃんとはねつけられるかを見ていたりしたのです。
だから死ぬかもしれないとか言いながらキャップはプールたちだけを敵陣に送り込んだのです。
だからどいつもこいつも台本に従ってるっぽいのです。
……いや、ダメか。
プールはこのシリーズで「傭兵じゃなくてヒーロー」だってところを一回も見せてないんですって。
今回のまとめ
- 絵が残念(アメコミ風のページはステキ)
- ロキがダサい
- グラビトンいつテレビ出たっけ
- サクラスパイダーが癒し
- 確かにオールマイトさんが来たときのが興奮した
第13話
細かいところは好みの問題だと思うのでとやかく言わないけども。
個人的には、デッドプールのボケを全員が(敵も味方も)真面目に取り合っていて寒く感じるなぁと思いました。
ホークアイがかっこいいね。
ロキさん……
ロキはどうしてこんなにダサいんだろう。せっかく爪が黒いのにすべての言動がダサい。
何を考えてるか分からないまま、安っぽい悪党風のセリフだけ言わされてるだけだからだろうか。
モブの悪党となんら異なるところが感じられない。5話のアイドルオタク君と同じレベルに見えてしまう。
セリフは中身がないのに顔とかセリフのフォントだけ「邪悪ですよ~」ってこれみよがしな演出されてるせいで、見た目と実がそぐわないからかな。
そしてロキが何をしたいのかがここにきてなお分かりません。
デッドプールをぎゃふんと言わせるのが目的なわけじゃないはず。異次元のプールを呼んだのは急ごしらえの案? もしくは異次元の人間たちをぞくぞくとこの次元に呼ぼうとしている? それはロキにとってどういうメリット?
後で明かされるんならしょうがないっちゃないけど、引っかかるんですよね。
これまでロキのやってきたことに全体的な意図が感じられない。
かつ、デッドプールのことをどう思ってるのかもやっぱり分からない。
最初はしょーもないやつだと思ってたみたいだったけど、前回のヒーロー発言を本気にしてあげたの?
ロキがプールのことを見直すようなきっかけってあったっけ?
そもそもなんでプールのことをそんなに買ってるんだっけ?
最後の茶番がただロキをダサく見せるためだけのものになってて不憫。
プールが本気にするわけないって読者は知ってるんだから。
せめてロキの意図を隠してあげて、読者には「あれ、ロキ本気で困ってる?」って思わせてあげればよかったのに。
脚本の都合でロキが誰一人だませないのがなんだか哀れを誘う。
ロキがおもしろいのは、ただひたすらダサいからじゃないのにね。
あまり惹かれない引き
よりによってしゃべれないデッドプールが召喚されたようです。
映画ファンに向けてのネタだろうけど、おもしろくなる図が見えません。だって相手はしゃべらないんだもん。
いや、あらゆる次元のデッドプールが来るのかもしれない。
それはそれで「ロキさん何考えてんの」ってなるかな。収集がつくわけないが、おもしろくはなりそう。
ヒュー・ジャックマン風のウルヴァリンが一緒に出て来てくれることを期待しましょう。
第14話
勢いのあるしょーもないネタの比重が多めで、いつもよりは引っかかるところもなくよかったと思います。
アクションがいまいちしょぼかったけど。
前回の魅力のない引きはただのフェイントでした。なるほど、裏切られても別に怒る気にはならない。
今回は同じノリのデッドプール×デッドプールだったので、お互いのボケ殺し感がまあまあよかったです。
いつもは周りの人がプールのボケを真面目に取り合ってあげて茶番くさかったから。
「そんなイイ奴みたいなこと言って」のくだりはまさに茶番くさかったが。
オリジナルのホワイトプールがどういうキャラクターなのかは全然知らないが、今回登場したのは単なる「ジャンプラのデッドプール」のコピーだったから特に問題ない。アース617がどうとか言ってたけどまったく関係ないだろうから特に調べる気はないです2。
ロキさんは「完全なヴィラン」とか言ってたけど、本シリーズのプールとほぼ同じだったね。
そりゃ、本シリーズのプールだって別にヒーローじゃないからね。そりゃ同じだよね。
このシリーズのデッドプールは「1コマごとに主義主張が変わる」以前に、そもそも主義主張らしきものを見せたことがないと思うけども。
ロキさん、今回もダサくさせられててかわいそうです。
奸計の神どころか何も考えてないようにしか見えません。
脚本の都合でキャラクターをアホにするのは、よくあることではあるんですけどやめてほしいですね。
シリーズまるっとコメディにしちゃえばよかったのに、と思えてなりません。
第15話
結論、最後まで読んだけど特に第一印象と変わりませんでした。
完全にギャグとして読むにはシリアスな雰囲気がありすぎ、「ギャグベースでときどきシリアス」として読むにはシリアス部分に納得できない。
完全にギャグであれば、ここまでゴチャゴチャ突っ込まず「そういうもの」として片付けられたんだけれども。
ねいろちゃんとサクラが何の仕事もしてないのがあまりにも残念です。いいキャラだったのに。
やっと出てきた雷神
メインヴィランがロキだから、ソーも絶対出てくると期待してました。
MCU風のソーがアホなのはよくある話。まさかのヒゲ&上半身裸&マントでコミックのデザインを採用したのかと思ったけど、よく見たら普通に上着着てました。
ロキのブチギレポイントがいまいち分からなかったけど、「大事なものを取られた」って言ってたのは兄上のことだったわけでしょうか?
それともやっぱりいたずらの神としての尊厳?
「浅いファンが書いた二次創作みたいだね」
自虐すれば許されるとかじゃないんだからね。
というか、このシリーズは二次創作じゃないですよね。マーベルの許可を得て「公式日本版デッドプール」の一つとして出してるんですよね。
にもかかわらず「浅い二次創作みたいになっちゃった」などという自虐をするのは厚顔無恥ではありませんか。
クリエイターさんというより企画編集さんの問題でしょう。とにかくデッドプールの名札を付けときゃ目立つ・売れる、程度の感覚でコストをかけずに作品が作られたのだとしたら非常に非常に遺憾です。
だってマーベルのデッドプール誌はおもしろいんだもん。
とりあえずオチはついたけど
話がどうまとめられるのか期待していただけに、オマージュで終わるのはちょっと残念。
オチを考えるのをサボっただけに見えてしまいます。
マーベルから出版されてるわけでもないし(ですよね?)
ともあれ、小学館から発売されてる「デッドプールの兵法入門 (ShoPro Books) 」の宣伝をしたのでしょう。
最後に
しっかり読んだ上で、きわめて個人的な考えと好みによるツッコミを入れました。
このシリーズが好きな人には嫌な思いをさせちゃいましたね。
作画家さんや脚本家さん個人をけなす意図はありません。
ただ、デッドプールのイメージを向上させる上でいい企画だったとは思えないです。
個人的には、「デッドプールはこういう風に扱われうる」と思うと、デッドプールというキャラクター自体にちょっぴりマイナスのイメージが付いてしまいました。
もし日本の読者が「デッドプールって人気らしいけど、アメコミはハードル高いから日本版のマンガ読んでみよ」とこれを読んで、果たしてデッドプールに興味を持ってくれるのか疑わしく思えます。
ちなみに自分は日本で作られたアメコミキャラのマンガをすべからく嫌っているわけではありません。
例えばマガジンコミックスの「スパイダーマン 偽りの赤」は、アメコミ要素を日本のコミックにうまく取り入れた良作だと思ってます。
ともあれ、「クリエイターの都合でキャラクターの中身を抜き取る」みたいなことは良くないと思う次第です。
主人公も味方も敵も、基本的には魅力的であってほしい。
物語と独立してキャラクターが存在するアメコミでは特に、キャラクターへの愛が第一だと思うのであります。