ベイマックス ザ・シリーズのキャラクター紹介

ベイマックス ザ・シリーズに登場する魅力的なキャラクターたちを筆者の勝手な印象で紹介します。
アニメシリーズ全体については別記事参照。

ベイマックス ザ・シリーズ:帰ってきたビッグヒーロー6
ディズニー映画「ベイマックス(Big Hero 6)」の続編にあたるテレビアニメシリーズ。大学生活のかたわらヒーロー活動を始めたヒロたち6人の、映画のその後を描きます。表情豊かなキャラクターたちが好きにならずにいられない。

キャラクター紹介

シーズン1~2のキャラクターです。大きなネタバレはしていません。

メインキャラクター(コミックとの比較も)

まずはビッグヒーロー6のメンバーである6人。
ほぼ全員科学オタクのはずですが、みんな運動能力もかなり高い。
6人がビッグヒーロー6の中の人であることは秘密。戦闘中に普段通り呼び合ってても誰も気づかないことになってるようです。

映画の元ネタとなったコミック版とキャラクターを比較するとおもしろいので一緒に語ります。興味があったらコミック版も見てみてください。話のおもしろさは保証しませんが、ハニーレモンのいやらしさは請け合います。

イラストはあくまでイメージですので悪しからず。左がコミック版、右が映画・アニメ版

ヒロ・ハマダ(Hiro Hamada)

サンフランソウキョウ工科大学に通う14歳の天才エンジニア少年。ロボットの発明はお手のもの。

卓越した科学技術を活かしてスーパーヒーローになることを発案したのはヒロ。
もともと兄タダシの仇を憎む復讐心が理由でしたが、今はタダシの「たくさんの人を救いたい」という正義の意志を果たそうと努めています。

ヒーローモードでは紫のアーマーに身を包み、ベイマックスに乗って飛び回るほか、磁力を操るグローブを使います。ヒロ自身の戦闘力は決して高くないものの、機転を利かせてピンチを乗り越えます。
装備のアップグレードに熱心で、戦闘時には指揮をとることも多く、実質的にビッグヒーロー6のリーダーっぽいですね。

生意気でいたずら好きな少年らしい面もありますが、自らをなげうって人を救おうとする高潔なヒーロー魂を持っています。それもお兄ちゃんのタダシとベイマックス、ビッグヒーロー6の仲間のおかげ。

真面目にコツコツやるより、効率的に近道を進みたいタイプ。ルールを破って教授やおばさんに怒られることも多いですが気にしない。
頭がいい分、自分の意見にガンコでいじっぱりですが、そのせいで失敗したらちゃんと反省できる子です。
天才肌でひらめきと臨機応変さを重視するので、几帳面なワサビと一緒に仕事をすると気が合わなくて大変。
ひらめかないときはとことんひらめかずスランプに陥ります。

好きなものはロボットと科学技術。いたずらややるなと言われたことをやるのも好き。クマちゃんグミも好きみたい。
ロボットの発明以外に趣味らしい趣味はなさそうで、心底科学オタクという感じです。

専門分野のプレゼンテーションはうまいくせに、一から話を創作するのは苦手という弱点も。
34話のみんなでファンフィクションを考える話はたいへんおもしろいです。

同年代の友達はいなかったようですが、誰にでも物おじせず愛想もよく、科学オタクのくせにコミュ力は高いです。
人の気持ちにも割と敏感で、気を遣った立ち振る舞いができるあたりはかなり大人。そのへんがよくいる天才科学者タイプのキャラとは違うところですね。

ビッグヒーロー6で唯一、青春っぽいプチロマンス感を出すことがあります。本人は女の子に興味ないようですが、カルミやトリーナといった年の近い女の子と絡むとちょっとフラグが立ってしまう。
かといって安易に恋愛感情を自覚したりくっついたりしないのがこのシリーズのいいところですね1

前歯二本がちょっとでかいのがチャームポイント。
身長はこれから伸びる予定です。

コミックとの違い

ヒロ・ハマダ
コミック版はメガネ少年。真ん中分けでツンツンの髪型といい、日本の平成初期アニメ感を覚えます。
年相応の学校に通いつつ、裏では天才的な頭脳を活かしてヒーロー活動を行ってます。

名前は「タカチホ・ヒロ」。世田谷育ちでお母さんと暮らしてます。

見た目がいかにも典型的に、コミック版は「日本の主人公」、映画・アニメ版は「アメリカの主人公」って感じがします。なんとなく。
コミックのヒロの方は、仲良くなった女の子としっかり顔を赤らめて見つめ合ってました。恋愛脳かぁ…。

ベイマックス(Baymax)

思わず抱きしめたいそのフォルム。
普段はみんなの健康を守るケアロボット。ひとたび悪が市民を脅かすと、スーツをまとってスーパーヒーローに変身します。敵の健康もちゃんと守ります。

映画では一度失われてしまいましたが、タダシのケアプログラムにデータが保存されていたのか、ベイマックスはヒロたちの記憶を保ったまま戻ってきてくれました。

ヒーローモードでは赤いスーツに風船ボディを押し込んで、空を飛んだりパンチを飛ばしたりして戦います。背中にはヒロが乗り込む用の磁気パーツが付いてますね。
機動力とパワーを兼ね備え、チームの中ではやっぱり一番頼りになる存在。
弱点は的が大きいことと、バッテリーに限りがあること、そして機械だってことでしょうか。電気回路に影響するヴィランにはめっぽう弱くなってしまいます。

中にはヒロの作った「人を傷つけずに助ける」ヒーロープログラムがインストールされています2
やることの早いヒロがいろいろなプログラムを仕込んでいくため、ベイマックスにできることはどんどん増えていってます。
ビッグヒーロー6のみんなが好き勝手なことをベイマックスと一緒にやるミニシリーズがあり、Youtubeで公開もされてるのでディズニーXDのサイトから見てみてください。ワサビのヨガはともかく、ハニーのテニスとゴーゴーとスケートは正気の沙汰と思えません。

あくまでロボットであるベイマックスですが、まばたきと顔の動き、身のこなしだけでも愛くるしいこと愛くるしいこと。空気を読まない発言でにらまれることもありますが、そのとぼけた顔も含めて愛らしいです。
もちろんナチュラルに一人の仲間として扱われてます。みんなお礼も言うし謝るし気を遣う。

「ヒロ」と呼びかけるセリフが多いのですが、この声の調子が場面場面でどことなく違うんですね。
ヒロをたしなめるとき、なぐさめるとき、心配するときでそれぞれ感情がこもっているように聞こえます。声優さんは偉大ですね。

ちなみにサンフランソウキョウではロボットがそれほど珍しい存在ではありません。ヒロがベイマックスを連れていることも、大学に限らずいろんな場所で普通に受け入れられています。

コミックとの違い

ベイマックス
親しみというものが皆無ですが、とりあえずすごく強そうです。どう見ても戦闘用ですね。

こちらもヒロが作ったロボットですが、ヒロの亡くなったお父さんの脳構造が組み込まれているようです。

普段はエージェント感あふれる巨漢の姿。ヒロの後ろにくっついてると用心棒にしか見えません。
立ち振る舞いは人間そのもので、驚いたり微笑んだりと人間っぽい表情も見せてくれます。
戦闘モードは白と黄色のアーマーに身を包みます。なぜかドラゴンに変身するモードもあります。

ハニー・レモン(Honey Lemon)

タダシの学友の一人で、化学反応のエキスパート。ラブリーなものを愛する楽天家です。
「ハニーレモン」は本名ではないらしいですが、学生証にはハニーレモンって名前で載ってたぞ。

この世に悪い人なんていない、が信条の心優しい彼女も、罪のない人たちを救うためにヒーロースーツをまとって戦います。ときにはヴィランを説得し、愛を教えてあげることも彼女の役目。

ヒーローモードではピンクのアーマーを装着。化学薬品を調合したボールを作る「ケミバッグ3」を使って、敵の攻撃を凍らせたりスライムで包んだり。かなり汎用的な能力を誇ります。意外と運動能力も高い。
ケミバッグは普段から持ち歩いており、普段からつい危険な化学反応を起こしちゃう。

大好きなものは友達と、かわいい動物、持ち物をキュートにデコること、そして化学反応の実験
好きなものに囲まれているほどテンションが上がり周りが見えなくなってしまいます。記憶喪失薬をウキウキ調合するな。
とても人懐こいのですが、その化学オタクっぷりに耐えられる人は数少ないようです。
チームで唯一、人のロマンスに興味を示すのは彼女ですが、自分自身については特に何もないようです。

ゴーゴーは一番の親友で、一緒にいるだけでハニーはとても嬉しそう。タイプが正反対で衝突することもありますが、強い信頼関係で結ばれています。
第2話は彼女のオプティミズムがいきなり揺さぶられ、ゴーゴーに励まされて元気を取り戻すキュートな話です。
寝相といびきが死ぬほどひどいのはご愛敬。一緒に住んでいるゴーゴーはもう慣れたことでしょう。

原語だとフレッドのことをときどき”フレディ”と呼んでるのがかわいいですね。
二人は楽天家仲間ではありますが、ハニーはフレッドのヒーローオタク発言に「?」な感じ。でもフレッドに対して呆れずに誉めようとしてくれるのはハニーくらいでしょう。

感受性豊かなハニーは美術にも興味を持っており、絵画がとっても上手。ただ工科大学と美術大学はいがみ合っているもんですからちょっとバツが悪そうです。

映画ではブロンドでしたがテレビシリーズでは赤毛になってます。服が黄色だから金髪だと色がぼやけるからじゃないかと推測。他に赤毛のキャラいないし。もしくはラプンツェル4とかぶるからかも。
でも彼女の好きな色はピンク。

ハニーの身長は約178cm。高すぎることを気にしていて「私は平均身長」と言い張りますが、さらに10㎝くらいのヒールを履いてるので、たいていワサビと同じくらいの高さ。言い訳が聞きません。
しかしその長い手足をしなやかに動かすアクションは実に優雅。
オープニングテーマのタイトルロゴのところでハニーがふわっとジャンプするのがいつ見てもたおやかです。

コミックとの違い

ハニーレモン
当然のようにお色気担当です。如月ハニーのハニーじゃないかな。
2008年のミニシリーズでは、チアリーダーになったり触手にからみつかれたり鞭を持った女王様と化したり見どころ満載。
映画・アニメ版ではおっぱいを身長の方に回したようです。ディズニーにしては刺激が強すぎるからね。

コミックでは魔法系の能力を持っていて、不思議なバッグから秘密道具を取り出すことができます。映画版では魔法のバッグではなく化学薬品バッグに替わりました。

ゴー・ゴー(Go Go)

タダシの学友の一人で、電磁サスペンションを研究。見た目通りクールでシニカル、でも実は面倒見がよく情に厚いツンデレです。
ゴーゴー5はあだ名で、本名は不明。アジアっぽい顔立ちで、設定的には韓国系らしいですね。

悪をくじき弱きを助けるというヒーロー気質は、チーム内でも特に強いほうでしょう。
ぶっきらぼうで自分の気持ちを表現するのは苦手ですが、困っている人を放っておけないお人よしなところもあります。
映画で黒幕の正体を知って落ち込んでいたヒロを真っ先に抱きしめてくれたのがゴーゴーだったのを見逃してませんよね。

ヒーローモードでは黄色のパワードスーツを身に着け、足に装着した車輪を使って超スピードで駆け回ります。車輪はブーメランにもなる便利アイテム。
街の危機を真っ先に察知してチームを収集するのはたいていゴーゴー。
敵に「許さないよ!」などとちゃんと敵に対するらしい声をかけるのもゴーゴーくらいでは。

自分ははぐれ者みたいな顔をしてますが、実は一番常識人かも。
チームにとっては欠かせないツッコミ役。というかフレッドはもちろんハニーもワサビも天然ボケなので、ゴーゴーしかツッコミを入れられなかったりします。
辛辣な言葉をかけつつもやれやれと許してくれるのがかわいいですね。

きっぱり判断を下す彼女は実際みんなのまとめ役だと言えます。リーダーと言われたらゴーゴーは嫌がりそうですが。

バブルガムを膨らませるのがトレードマーク。どこに隠し持ってるのか。
趣味はローラースケートとキックボクシング、それからこっそり野鳥観察。
研究姿を見せてくれる機会が一番少ないように思えますが、成績は優秀なようです。
科学オタクっぽくない具合では抜きんでてますよね。

人付き合いが好きな方ではありませんが、実は他人から好かれやすいタイプなんじゃないかと思われます。彼女推しのファンも多い。

そして声高に主張したい、太もものセクシーさ。
映画では気にならなかったのに、テレビシリーズでは彼女の太ももについ目がいきます。不思議ですね。レギンス履いててもなおセクシーですね。
フレッドの宿敵リチャードソンは彼女のセクシーさが分かってしまうようで、唯一色目を使ってきます。

コミックとの違い

ゴーゴー
コミックでは「Go-Go Tomago」という名前で、映画・アニメ版でもデータ上この名前で表記されてたりします。「Tomago」はおそらく日本語の「タマゴ」。
コミック版のゴーゴーには、パワードスーツを着て玉子のように丸くなって回転突進する技があります。コミック版では本名「レイコ・タナカ」とされています。

見た目的には映画のゴーゴーとかなり近いですが、コミックの方はそれほど尖ってはおらず普通にフレンドリー。ハニーレモンとは気が合う悪友という感じでキャッキャとしているのが微笑ましい。
身体能力が高くスポーツも得意。体操服姿が非常にセクシーでした。

ワサビ(Wasabi)

タダシの学友の一人で、レーザー誘起プラズマを研究する死ぬほど几帳面な男。
ワサビという変な名前はもちろんあだ名6。本名は不明です。

体格的にはいかにもヒーローらしい彼ですが、潔癖でビビりの性格はヒーローからかなり遠いとも言えます。
高さ、スピード、コレステロール、でかい音、怖いものだらけだ! ワサビは複雑なんだよ…
そんな彼もタダシやヒロのため、映画で一度、「帰ってきたベイマックス」で二度三度ヒーロースーツを着てくれました。
その結果「興奮状態になれば怖くない」と分かったってことで、今では立派なヒーローの一員です。

ヒーローモードではグリーンのアーマーに、下半身には忍者っぽい紺の地下足袋を身に着けます。
両腕のレーザーハンドは金属だろうと何だろうと切り裂ける物理的に超危険な能力。ほとんど近接戦闘専門ですが刃物の扱いは達者で、格闘の心得がありそうな雰囲気ですね。そもそもガチムチだし。

基本的には優しい好青年。あたかも常識人枠ですよというただずまいですが、フレッドとは別ベクトルで相当変人です7
ゴーゴーの容赦ないツッコミ名言も多いですが、ワサビのツッコミ(言い訳)迷言も多いです。ワサビに対して誰もツッコミを入れないからたいていボケっぱなし。

ルールに従って着実に事を進めるのが彼のやり方で、ひらめき重視のヒロとは正反対。
秩序と清潔さに対する愛は他の追随を許しません。彼のPCは完璧にフォルダ分けされてそうですね。
ドレッドヘアはお手入れが大変そうですが、彼のことだからそれはそれはマメにケアしてそうです。

フレッドの持ちネタは歓喜の叫びですが、ワサビの持ちネタは悲痛な叫び。
あるべき場所にものがないと叫び、不潔なものを見ては叫び、敵の攻撃に怯えては叫びます。他の面々がマイペースで落ち着いてる分、ワサビがしっかり叫んでくれるわけです。
叫び芸があるせいか、ひどい目に遭う役もワサビによく割り振られます8

彼だけ住居が明かされておらず、なにげに謎が多かったりします。なぜ科学オタクなのにその肉体なのかとか。
発言の端々に彼の好きなものやら変な情報を入れてきますが、知るほど謎が深まりますね。ワサビは複雑です。

原語版の声優さんは映画とテレビシリーズで変わってますが、吹き替え声優さんは同じ。ほとんど違和感ありません。

コミックとの違い

ワサビ
刃物使いということ以外、見た目も性格も驚くほど共通点がないぞ。筋肉マシマシの分、ハートが繊細になってしまったようです。

コミックでは2008年版からの新参メンバーで、「Wasabi No-Ginger」の名前で紹介されていました。そもそも名前というより通称な気がしますね。「No-Ginger」は「生姜じゃない」なのか、「生姜はない」なのか。
寿司職人なので「ワサビ」という通称はうなずけなくはない。
どっしり構えた穏やかな男で、どう見てもおやっさんですが、高校に行ってたのでティーンらしいです。

コミック版の能力は、日本刀を使う9のはもちろんサイキック系でもあります。緑のサイキックナイフを生成してクナイのように投げ、遠隔攻撃も対応できます。

フレッド(Fred)

タダシの友人の一人で、自称大学のマスコットキャラクター。お調子乗りのトラブルメイカー、そして大のヒーローファン
フルネームはフレデリック・フレデリクソン四世10
ディズニーXDのキャラクター紹介では「科学オタク」と書いてますが、フレッドの「科学大好き」発言をうのみにしてはいけません。

ヒロがスーツを着たスーパーヒーローになることをインスパイアしたのは、ヒーロー愛にあふれたフレッドの部屋。
単なる大学生の集まりがビッグヒーロー6というヒーローチームの形になったのは、フレッドの功績と言えるでしょう。チーム名も付けたし。
ヒーローとして人を救う活動に最も積極的で、最も楽しんでいるのがフレッドでしょう。

ヒーローモードでは青いトカゲの着ぐるみをまとい、高くジャンプし火を噴きます。
この着ぐるみが奇妙なデザインながら愛らしい。ショックを受けたときに口元を押さえるポーズがいい。
怪獣ファンでもある11フレッドは、自分のこともときどき「フレッドジラ(Fredzilla)」と呼んでます。

映画で明らかになった通り12実家は相当な名家。学生じゃないフレッドですが、ニートではなく貴族だったのでした。フレッド自身は堅苦しいのが非常に苦手なようですが。
また、お父さんのフレデリクソン三世13はスーパーヒーローのボス・オーサム。
イベントに招待してもらったり、フレッドの間でコミックヒーローの情報を探したり、お父さんのデータベースで悪党の情報を探したりと、なにかと便利なフレデリクソン家です。

一番好きなものはヒーローコミック14。怪獣特撮も好きで、ゲームや映画、フィギュアにファンフィクションも守備範囲。SFファンという感じではなく、科学好きという自称はやっぱりうさんくさいですね。ワウワー先生の子供向け科学番組は大好き。
普段はおおざっぱでものをまき散らすのが好きですが、レアグッズはきわめて慎重に取り扱います。
反対に苦手なのはクモ。足がいっぱいあるクモっぽいメカも怖がります。

映画ではパンツ発言で観客をドン引きさせてましたが、テレビシリーズではますますやりたい放題やってます。
彼が部屋に飛び込んで来て「なあ!なあ!なあ!(Guys! Guys! Guys!)」とステップを踏む15ばかりでなかなか本題を言わないのはちょっとした持ち芸。
即席フレッドソングもおなじみ。たぶん黙ってじっとしてると死んじゃうんでしょう。

フレッド自身はハタ迷惑なことばかりするのでうっとうしがられてますが、なぜか許したくなる愛されキャラ。
くるくる表情が変わり、興奮しててもナーバスになっててもおもしろい。
いつでもやかましい彼が落ち込んでいるときはつい心配になってしまいますね。

彼も原語版の声優さんは映画とテレビシリーズで変更になってます。映画版の方が低めの落ち着いた声。
テレビシリーズの方がテンション高めですが、日本語吹き替えはもっとテンション高くていいですね。

余談ですが、お絵かきが一番難しいのがフレッドでした。似ない。とにかく鼻を大きく顔を長くすりゃいいってもんじゃなく、パーツのバランスが絶妙みたいです。ちょっとオラフに似た顔つきですよね。

コミックとの違い

フレッド
服装的にはほぼ同じだと言えますが、中身は180度反対です。気が合わなそうなことと言ったら。

コミックのフレッドは見た目の通りクールなティーン。2008年版で日本からアメリカに留学してきたヒロたちを現地で案内してくれた新参メンバーでした。
口数も多くはなく、細身の体から想像もつかない体重と腕力を持つというミステリアスな要素も持っていました。要は恐竜の幽波紋を持っていたらしい16

コミックでは控えめな立ち位置でしたが、映画・アニメではビッグヒーロー6結成の立役者と言ってもいい中心メンバーになりましたね。
フレッドがいないと始まらない! フレッドがいないと平和!

サブキャラクター

ヴィラン扱いされてないサブキャラクターたちのうち、よく出てくるキャラクターを紹介。

キャスおばさん(Aunt Cass)

ヒロとタダシのおばさん。ヒロが三歳で両親を亡くしてから、女手一つで二人を育ててきました。
家には家族写真と思われるものがたくさん。和服姿の人のポートレートもあり、よく見てみると家系のことが分かりそうです。

キャスはサンフランソウキョウでラッキー・キャット・カフェという店を営んでいます。
繁盛しているお店のようですが、厨房もホールも店員はキャス一人。ものすごく働き者です。

危険なことをするヒロをいつも心配していますが、ヒロがバレずに家を抜け出してヒーローができるのは、おばさんが忙しいせいもあるでしょう。

いつでも陽気で前向き、かわいい料理を作るのがキャスの売り。料理はかわいさだけでなく手際も味も一流で、闇の料理ファイトで大活躍するほど。

飼い猫のモチはお店の看板猫。まるまる太ったボディはベイマックスと同じく愛くるしいマスコットです。

キャス日本語吹き替えの声は映画から引き続き菅野美穂さん。
オリジナルの声とはまったく違うんですが、菅野さんの声が一度なじんでしまうと、もう他の声じゃキャスに聞こえなくなります。

タダシ・ハマダ(Tadashi Hamada)

ヒロのお兄さんで、サンフランソウキョウ工科大学でロボット工学を研究していました。
映画の黒幕が引き起こした火事により、人を救助しようとして命を落としてしまいました。
たくさんの人を救いたいという彼の思いは、ヒロやビッグヒーロー6のみんなに受け継がれています。

ケアロボットであるベイマックスの生みの親。ベイマックスにあふれる愛情はタダシの魂だと言えます。

タダシは真面目で清廉な好青年。ヒロがちょっとひねくれてるのは、優秀な科学者で誰からも好かれるタダシを見て、自分はそうなれないというコンプレックスがあったからかもしれません。
それでもヒロにとってタダシは最愛の家族の一人です。映画では本当に切なかったですね。

故人のためテレビシリーズではほとんど出てきませんが、ビッグヒーロー6の根底には常にタダシの正義の心があります。

日本語吹き替えの声は映画から引き続き小泉孝太郎さん。まあほとんど出番ないんですが。

アリステア・クレイ(Alistair Krei)

大企業クレイテックの社長。目立ちたがりで金儲けが大好き。
映画よりテレビシリーズの方が若返ってますね。

悪意はないんですが善意もない男。そのおかげで危険な兵器を軽々しくばらまき、事件を起こしたり悪党に襲われたりしてはビッグヒーロー6の世話になっています。叩けば埃が出まくります。

傲慢で見栄っ張り、利益重視のやっかいな人物ですが、どこか間抜けで憎めないところもあります。

日本語吹き替えの声は森田順平さん。映画版では真面目に悪そうな雰囲気もあったんですが、テレビシリーズではうさんくささ100%でとてもいい17。オリジナルの声の方が多少はまともな人に聞こえます。

グランビル教授(Professor Granville)

ヒロの入学時、新しい学部長として就任したサンフランソウキョウ工科大学の教授。
一見厳格そうですが、ご本人の言葉通り実は優しいところもあります。

最年少の学生であるヒロやカルミのことを特に気にかけている様子。
厳しく指導しているようですが、さりげない助言でヒロを正しい方向に導いてくれます。
そっけなく見える態度の端々からは愛情をのぞかせてくれますね。

「帰ってきたベイマックス」では文鎮にしていた謎のエネルギー増幅器を悪党に狙われていましたが、なんでそんなものを持っているのかは不明。
経歴は少々謎めいており、学校内で怪しい動きをしていることをヒロが見とがめています。

カルミ(Karmi)

バイオテックを研究するサンフランソウキョウ工科大学の学生。
16歳の彼女はヒロが入学するまで最年少の学生であることを誇っていました。

グランビル教授のはからいでヒロと引き合わされますが、カルミは年下のヒロに対抗心むき出し。
露骨に邪険にされるのでヒロもカルミが苦手ですが、大学になじめていない彼女のことを思いやってあげています。

が、ビッグヒーロー6のヒロ(正体は知らない)に恋してるカルミは、やっぱりヒロの天敵です。
お互い悪態をつきながらも、実は気が合ってるんでしょう。

カルミはビッグヒーロー6のファンフィクションを普及させるというすばらしい功績を果たしています。
ビッグヒーロー6は個人のコードネームがないのですが、カルミのファンフィクションでの名前で通りはじめている様子。ヒロは「キャプテン・キューティー」、フレッドは「ファイヤージャンパー」、ゴーゴーは「スピードクイーン」、ハニーレモンは「トールガール」18、ワサビは「チョップチョップ」。
でも自分をキャプテン・キューティーの恋人役にして話に登場させるのはイヤな恋愛脳。

リチャードソン・モール(Richardson Mole)

サンフランソウキョウでコミックショップを営む11歳。
コミックオタクでおそらくかなりの金持ち。コミックショップの地下にはプライベートゲームセンターを作っており、特別なイベントにもよく招待されています。

フレッドの天敵でお互い大嫌い。子供ながらも立派に気取った嫌なやつで、単純なフレッドよりもちょっとうわてです。
「おねえさん」のゴーゴーが好みのタイプらしく、ことあるごとに口説いてきますがもちろん相手にされてません。

ヒーロー好きなのでもちろんビッグヒーロー6の大ファンです。
性格が悪い金持ちですが悪党ではなく、単なる嫌なやつ。

ミニマックス(Mini-Max)

ヒロが作ったちっちゃなヒーローロボット。
野放しにしておくと一人で暴走するフレッドをお守するために生まれました。

典型的なヒーローのデータがプログラムされてるようで、ちっちゃなボディながら性格はいかにもヒーロー。
フレッドの好きなヒーローらしいセリフを高らかに放ち、機敏な身のこなしで戦います。
フレッドは彼が自分のサイドキックだと思ってますが、実はフレッドの方がサイドキック。

普段からフレッドの家で一緒に過ごしており、フレッドのおひざに座って一緒にコミックを読んでいる様は実に愛らしい。
というか何をしてても愛らしい。声は凛々しいのにたたずまいが愛らしい。
オープニングでふにゃふにゃするフレッドの隣で踊る姿も愛らしい。

リヴ・アマラ(Liv Amara)

シコラックスというバイオテックの会社の社長。
若きやり手経営者であり、バイオテックの研究者でもあります。
賢く美しくチャリティイベントにも熱心な彼女は、誰からも尊敬される人気者。冷静なグランビル教授もリヴに会うとなると興奮を隠せません。

バイオテックが専門の彼女はヒロのベイマックスにも興味を持っていたものの、カルミの研究の方にご執心な様子。

人気もビジネスの手腕も美しい金髪の持ち主としてもクレイよりうわて。クレイは一方的に対抗心を燃やす一方、ちょっと気を惹きたいという思いもあるようです。

リヴは主に第2シーズンで活躍することになります。

ヴィランどもの一部

ヴィラン(Villain)は悪党のこと。中でも大物をスーパーヴィランと呼びます。スーパーヒーローの対義語ですね。
日本語では「ボスキャラ」と訳されてますが、最近は日本でもヴィランって言葉が一般的になってきたような。

よく出てくるスーパーヴィランを紹介します。

ネバー(Globby)

ピンクのネバネバで包まれたスライム人間。フレッドが「ネバ―(Globby)」と命名しました。
“glob”は半液状という意味で、”globby”は「ネバネバしてるやつ」ってことですね。

中身は小悪党のおじさんディブス。ハニーのケミバッグとクレイテックの神経トランスミッターを盗んだせいで、ネバネバ人間になってしまいました。
体を包む物質は、神経トランスミッターによって自在に操り形状を変えることもできます19

泥棒ではあるものの、間抜けで愛嬌があり憎めないタイプ。
能力的にはかなり万能でめちゃくちゃ強敵になる素養はあるはずなのに、本人が根っからの悪党じゃないのでバランスがとれてますね。

初めは体をうまく扱えずにずっこけてばかりでしたが、失敗を繰り返して立派なヴィランに成長していきます。その能力はオバケに認められるほど。
ハニーレモンの励ましは彼を前向きにしてくれるようです。

数少ない親友はバイク野郎の「極悪カール(本名)」。

ハイ・ボルテージ(High Voltage)

電気を発する派手なメイクで派手なパフォーマンスを行う母娘のダンスユニット。ただし泥棒。
母親はバーブ、娘はジュニファー。ハイ・ボルテージは自分で名乗っているチーム名です。テーマソングもあるよ。

エネルギーオーブが発する電気をリストバンドで操り、踊りながら電撃を放つ姿は非常に華麗。
あからさまに金を盗んでいても、市民たちはダンスのトリコ。泥棒のくせにファンが大勢います。

指揮を執っているのは母親ですが、人気が高いのはやっぱり若いジュニファーの方。
二人は息ぴったりですが、ケンカしてしまうこともあります。

母親の吹き替えの声はご存じ勝生真沙子さんなんですが、オリジナル声優さんの声とそっくり。一瞬でキャスティング決まったことでしょう。二か国語で確認してください。

モモカセ(Momakase)

窃盗犯で寿司職人。冷酷で容赦のない悪党らしい性格です。
黒とブルーの忍者装束が非常にクール。
切れ味鋭いナイフを操り、料理の腕も格闘能力も超一流です。

刃物使いのワサビは、彼女の使うナイフの最先端技術に興味津々。タイマンすることもありますが、基本的には経験豊富なモモカセの方がうわて。

1970年代のデータベースにヴィランとしての情報があったあたり、若く見えてかなり年季を重ねているようです。
一度投獄されたものの、オバケに手を貸してもらって脱獄。彼の計画に加わりました。

名前のスペルを見ると「モマカセ」に読めますが、「モモカセ」です。本名ではなく通称でしょう。
なんせ名前が格好いい。漢字なら「百枷」と当てたくなります。ヴィランらしいダークさがありながら、和の上品な響きをあわせ持っている。

ヌードルバーガー坊や(Noodle Burger Boy)

サンフランソウキョウで大人気のファストフード「ヌードルバーガー」のマスコットキャラクター。
店で働くロボットで、客の情報を学び最適なメニューを提案する優れたプログラムを持ちます。

無邪気なマスコットロボットだったのが、オバケの手によって改造されヴィランになってしまいました。
相手のデータを学習する性質は、敵になると非常に厄介。

ヴィランになってもかわいらしい見た目とマスコット的な性格は変わらず。テーマソングを歌って踊り、相手を「お客様」と呼んで笑いかけながら襲ってきます。「ヒ、ヒ」というロボットっぽい笑い声が不気味。

「ヌードルバーガーボーイ」そのままでも通じそうだけど、あえて日本語の「坊や」にしたんでしょうか。言われてみれば「ぼーい」と「ぼーや」って音はほぼ同じで意味もほぼ同じ、秀逸。

ヤマ(Yama)

映画で最初に登場した、ラッキー横丁とロボットファイトをとりしきるでっかいおじさん。
テレビシリーズでも「帰ってきたベイマックス」から登場し、黒幕の存在をにおわせる重要な役目を果たしてくれます。もちろんいつでもジャージ。

ロボットファイトをぶち壊したヒロを「僕ちゃん」と呼んで忌み嫌っており、基本的には自分の縄張りにおさまっているので積極的に絡んでくることはありません。
が、オバケに雇われて(脅されて?)あれこれ悪だくみをしていれば、当然ビッグヒーロー6に邪魔されてしまいます。

裏社会だと実力者のはずなんですが、他のキテレツな悪党と手を組むとたいてい振り回されてます。

原語だと「ミスター・ヤマ」という名前で紹介されてますが、みんながヤマヤマ言うのでヤマです20

トリーナ(Trina)

闇のロボットファイト大会に参加している少女。
ヒロがロボットファイトを調べるために大会に潜入して出会いました。
有名なヒロのことを知っており挑発的な態度をとってきましたが、ヒロがロボットの改良のアドバイスをしたことで仲良くなります。

ヒロにとっては初めての同年代のロボット発明仲間になるかと思われましたが、トリーナの後ろにはオバケがついてました。
そして彼女自身も、ロボットだったのです21

オバケ(Obake)

ヒロたちビッグヒーロー6の活動を陰から見張る謎の男。第1シーズンのフィクサーでラスボス。
怜悧な容貌と、顔の左半分がときおり怪しく光ること以外の情報はなかなか明かされません。

どこかにある研究所には非常に高度な設備がそろっている様子。
ネバーやヌードルバーガー坊や、モモカセやヤマを使って、最先端技術の部品やビッグヒーロー6の情報を集め、何か大きな計画を企んでいるようです。

ビッグヒーロー6の中でもヒロの天才っぷりに目を付けており、彼を試すような言動が目立ちます。

暗い部屋でモニターを眺めて独り言を言ったり、ヒゲをつけて変装したり、フレッドの喜ぶスーパーヴィランらしいこともきっちりしてくれます。

「オバケ(Obake)」というのは彼自身がヒロたちに名乗ったもの。これまた雰囲気のあるいい日本語をチョイスしたもんです。

最後に

チームものだと推しは誰って話になりがちですが、全員推しなこともありますよね。

他にもキャラクターは大勢出てきますので、確かめてみてください。
ワウワー先生とかミスター・スパークルズとかマッドジャックスとかムライハラの森のおじさんとか、出番は少なくても22インパクトのある変人ぞろいです。

日本風なサンフランソウキョウの街並みに、キャラクターの名前も日本風が多いですね。
「モモカセ」って名前は全コミックの中でも指折りのお気に入り。

今回の記事はここまで。


 

  1. このまま誰も恋愛要素を持ち込みませんように。だってヒーローの話だから。アルヤとニノみたいに戦闘中にキャッキャしてるのがいたらヒーロー精神もへったくれもありゃしない。
  2. 映画ではタダシの作ったケアプログラムに加えて、ヒロの格闘プログラムが入っていました。破壊プログラムはもうないはず。
  3. 原語では”Chemi-Purse”。パース(Purse)は小さめのバッグのことですね。
  4. 天真爛漫なラプンツェルと気が合いそう、とはよく言われてるようです。
  5. 普通に「ゴーゴー」と表記したくなるんですが、ディズニー的に単語が切れている場合には「・」を入れるルールがあるんでしょうか。原語でも「GoGo」とか「Go-Go」とかいろんな表記がありますけどね。
  6. シャツにワサビをこぼしたのをフレッドに見られて名付けられたそうです。グランビル教授もワサビ呼ばわりでした。そういえば第1話でも「俺はフレッドじゃない!」って言うばっかりで「フレッドじゃなくて○○だ!」とは言わなかったですね。
  7. ディズニーXDのキャラクター紹介では「チームのまとめ役」とか書いてありますが何を見誤ったんだって感じ(いい意味です)。
  8. 第1話でヒーロースーツを着せてもらえないとは。
  9. アメリカ産の日本刀を使うキャラって、二刀流で背中に十字に差してるのが多い気がしませんか。ワサビもそうです。普通に腰に一刀流の方が渋いのに。
  10. お母さんの旧姓がミドルネームらしいので、「フレデリック・フラマリオン・フレデリクソン四世」が正確かもしれません。
  11. お気に入りは「ケンタッキー怪獣」。グリーンの帽子もピンクのシャツも首飾りもケンタッキー怪獣のモチーフがくっついたものですね。
  12. ゴーゴーたちも知らなかったってことは、映画の時点では意外と付き合い短かったんでしょうか。
  13. マーベルコミックのスタン・リー御大にそっくり。
  14. 中でも「キャプテン・ファンシー」シリーズがお気に入り。
  15. 肘を肩の位置まで持ち上げるのが大事。勝手にガイズガイズダンスと呼んでいます。
  16. 変身するのかと思ったら違った。
  17. クレヨンしんちゃんの組長先生の声もうさんくさく聞こえちゃう。
  18. 決め台詞は「背の高さで勝負!」。ハニー自身はまったく気に入ってません。
  19. チョコレートに変えて食べることもできるらしいけど、自分の腕を食うな。「俺っておいしい」
  20. ロボットファイトのトーナメント表には「カワ(Kawa)」「タニ(Tani)」という名前が見られたあたり、ヤマの名前もテキトーな感じ。
  21. 登場話でいきなりここまで明かされます。
  22. スパークルズは第2シーズンでえぐい感じで帰ってきますが…。