ベイマックス ザ・シリーズ:帰ってきたビッグヒーロー6

ディズニーキャラクターとして人気のマシュマロロボット:ベイマックス(原題は「ビッグヒーロー6」)。
映画で有名になったのは分かっているけど、続編のテレビアニメシリーズがもっとおもしろいんだと主張する記事です。

ベイマックス ザ・シリーズ
Big Hero 6 the Series

https://www.disney.co.jp/tv/xd/program/anime/baymax_ser.html

紹介

映画ベイマックス(Big Hero 6)の続編

2014年に公開されたディズニー映画「ベイマックス(原題「Big Hero 6」)」。
日本でもかなりヒットし、ベイマックスの愛くるしく印象的なキャラクターはすっかり有名になりました。

映画のストーリーをざっくり言うと、主人公である天才エンジニア少年ヒロが事故で兄を失い、兄が開発したケアロボットのベイマックスや兄の友人たちに支えられてヒーローになり、事故を引き起こした犯人を捕まえる話。
復讐心に燃えていたヒロが、兄タダシの「たくさん人を救いたい」という強い意志を受け継ぎ、ヒーローとして目覚めるオリジン話に当たります。

映画はディズニーらしくまとまったおもしろい話です。
当時日本では「ケアロボットと少年の絆を描く感動作」的な売り方が誇張されていたので、SFアクションが始まってびっくりした人もいるんじゃないですかね。
逆に、実際観てみたら宣伝よりずっとおもしろかったと思った私のような人間も多いでしょう。嫌厭してた人はぜひ見てね。
ベイマックスがセロテープを自分にぺたぺた貼るシーンが愛くるしいです。

しつこく書いてますが、映画・テレビシリーズともに原題は「ビッグヒーロー6」です。
ヒロとベイマックス、そして4人のタダシの友人が得意の科学でスーパーパワーを手に入れ、ビッグヒーロー6を結成するわけですからね。

ベイマックスは確かにキー要素ですが、彼をめぐる話じゃないんです。ベイマックスはあくまで「ロボット」であり、感情が芽生えるとかヒロと友情をはぐくむとかそういう話じゃありません1
物語の肝は上に太字で書いたように、ヒロが悲しみや怒りを乗り越えヒーローとしての覚悟を決めること。
そのためにベイマックスが果たした役割とは、タダシが持っていた正義の魂をヒロたちに吹き込む媒介だったと言えます。あとマスコット。愛くるしい。

で、事件を解決したところで一度ベイマックスを失ってしまったヒロですが、映画の最後では再会し、ビッグヒーロー6のみんなが再びヒーロースーツに身を包んでいました。

テレビアニメの「帰ってきたベイマックス」および「ベイマックス ザ・シリーズ」では、映画のその後のビッグヒーロー6が描かれます

  1. 映画「ベイマックス」
  2. テレビアニメスペシャル「帰ってきたベイマックス」
  3. テレビアニメシリーズ「ベイマックス ザ・シリーズ」

の順番でご視聴ください。

コメディとアクション満載のカートゥーン

映画はCGアニメーションでしたが、テレビシリーズはカートゥーンアニメ。
オーソドックスな30分1話完結のスタイルで、シーズンごとに大筋のストーリーも展開されます。

映画でも要所要所でギャグをぶちこんでくれてましたが、ヒロがタダシショックの真っただ中であったことで、全体的にしっとりする場面も多かったですよね。
テレビシリーズでは、ヒロはタダシを失ったことを自分の原動力としてしっかり立ち直ってます。

ということもあって基本的にコメディ調で楽しめるのがザ・シリーズの魅力。
映画ではおとなしくしていたらしいフレッドが終始ハイテンションで、事件に首を突っ込んだり自分で引き起こしたりしてくれます。

キャラクターもたくさん登場し、個性豊かすぎるヴィランのみなさんがサンフランソウキョウを脅かしてくれるため、ヒーローの相手に事欠きません。

ヴィランをどう倒すか試行錯誤したり、装備をパワーアップしたりと、ヒーローアクションも毎回趣向をこらしてくれます。趣向をこらしたフリのこともあります。ヒーローものにはよくあることです。

色鮮やかな曲者ぞろいのキャラクター

そもそも主人公のヒロが違法賭けロボットファイトに興じる悪ガキだったわけですが、その他のメインキャラたちもそろって変人。
とぼけたベイマックス、マイペースなキャスおばさん、人騒がせなフレッド、楽天家のハニーレモン、切れ味鋭いゴーゴー、神経質でビビりのワサビ
映画では落ち込むヒロを思いやって変人度合いを控えてたのかもしれませんが、テレビシリーズではみんなマイペースに変人っぷりを見せてくれます。

テレビシリーズで登場したキャラクターたちも魅力たっぷり。
特に町をおびやかすヴィランたちは個性豊かすぎて、変人ぞろいのビッグヒーロー6でも引いちゃうくらいです。
ヴィランでも根っからの悪党という者はあまりおらず、人間的でどこか憎めなかったり。

これらクセの強いキャラクターたちはカートゥーンの絵柄にぴったり。
感情がよく分かる表情の動きを見ていると、どのキャラクターもどんどん好きになっていきます。キャラクターが好きになると話が多少つまらなくても許せてくるから不思議なものです。

動画配信かCS放送か

どこで見られるかという話。

有料CS放送のディズニーXDでは定期的に放送され、ディズニーチャンネルでもときどきやってます。
録画してダビングできるのが最大の魅力。いつ配信が終わるか、サービスが終わるかとビクビクする必要がありません2。二か国語放送だし。

今はディズニーデラックスという動画配信サービスがホットなようです。
配信シリーズは実に多様。CS放送ではいつ放送されるか分からないものも、見たいときに見たい話を見られるのが魅力ですね。
2分のミニシリーズ3が配信されているのも地味ながら嬉しいところ。

下に載せましたが、YOUTUBEで無料動画として第1話やミニシリーズの一部が配信されてます。

ちなみに元ネタはマーベルのコミック

そこそこ有名な話ですが、映画の元ネタになったのはマーベルコミック「Big Hero 6」の2008年版ミニシリーズ。
このシリーズが日本を舞台とした日本のヒーローチームを描いたもの。キャラクターデザインや表現も日本のコミックっぽいエッセンスが入っています。

2008年版は全5話と短く、電子書籍でも売ってるので興味がある人は読んでみよう。
話は割とオーソドックスなものですが、映画・アニメ版を知った上で読むとおもしろいです。知った上じゃなくておもしろいかどうかは責任を負いかねます。

キャラクター紹介(コミックとの比較も)

色々語ったら長くなったので別の記事に。

ベイマックス ザ・シリーズのキャラクター紹介
テレビアニメシリーズ「ベイマックス ザ・シリーズ(Big Hero 6 The Series)」に登場するキャラクターの紹介。魅力的なキャラクターばかりで、語ることが多いです。

第1話「フレッドの社交界デビュー」動画

Youtubeで公開されている第1話です。
お坊ちゃんのフレッドがお堅い社交パーティーに怯え、ベイマックスが踊り、ワサビが古臭い悪党にさらわれる話。
ゴーゴーの名言「オードブルに感情移入は禁物だよ

 

これだけなんとかしてほしい

CS放送の番組説明も、配信サービスの番組説明も、両方なんですけど。

なぜ声の出演に、主人公の6人を差し置いて日本の有名俳優さんの名前を先に載せるのか。やむをえない理由があるの? あたかも彼らが主人公を演じているという誤解を生むのを容認させるほどの理由なの? 誤解を誘発した結果期待を裏切られてアニメ自体をおもしろく思えなくなった人が増えることも容認できるの?

二人の吹き替えは日本版ならではの独特の魅力を生んでます。棒読みっぽいけどそれがいい。特にキャスおばさんの声はずっと聞いてると洗脳されてしまって原語の方が違和感覚えるくらい。

だから誤解を生むのはほんとやめてほしいなあ。いらない反発を覚えてしまうよ。

最後に

シーズン2のクライマックスを超え、まだまだ先が続きそうなベイマックス(ビッグヒーロー6)ザ・シリーズ。
新しく見始めるシリーズを探してる人はぜひ候補に入れてください。

映画がヒットしてベイマックスは有名になりましたが、日本で「ビッグヒーロー6」の名前があまり知られてないのがまことに遺憾。
日本が舞台のコミックシリーズ発祥で(おもしろいかどうかはともかく)、映画・アニメも日本要素がふんだんに入ったものですので、アメリカンジャパンを知ると思うとおもしろいですよ。あえて英語で視聴するのもよいでしょう。

ビッグヒーロー6目当てでキングダムハーツの最新作を買おうか悩んでる筆者でした。一つもやったことないから……。

今回の記事はここまで。シックスパワー・ゴー4


 

  1. そういう話きらーい。感情が芽生えた疑いをめぐる周囲の人間を描くんならいいけど。本当に「自我が宿った」設定にするんならせめて人の肉体やDNAを組み込んでるとかそれらしい理由をつけてくれないと、電子部品とプログラムだけなのに突然自我が宿るなんてご都合主義。ベイマックスはそういう話にはならないので大丈夫です。
  2. DLife放送終了ショックからは立ち直りました。
  3. テレビでは番組と番組の合間に番宣的な意味で放送されてるものです。ベイマックスで言うと「ベイマックス&ビッグヒーロー6」、「ベイマックス&モチ」、「ベイマックスドリーム」など。新しいアニメを知るきっかけになってたいへんよろしい。自分は「なんだかんだワンダー」と「エイリにゃん」はミニシリーズから入ったくちです。
  4. その後誰も決め台詞は言わない。