フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第84話 ソール・クラッシャー(Sole Crusher)
オープニングにこっそり映りこんでいた感じのいい新キャラが堂々登場。実に感じのいい子だ。どこの家の子だろう。
ストーリー
プロローグ
初めてパリを訪れたらしい感じのいい少女。
彼女が本場のクロワッサンを食べたいと立ち寄ったベーカリーはマリネットの家だった。
そこへ現れたマリネットは例によってドジを踏みながらも、ゾーイと名乗る彼女と仲良くなる。
ゾーイはニューヨークから家族に会いに来たらしい。おしゃれなスニーカーは自分でデザインしたという。
友達が少なかったことをほのめかすゾーイに、マリネットはすかさずおみやげのマカロンをたくさん持たせ、夜に予定しているライブに誘い、自分の電話番号を渡した。
感じのいいゾーイがやって来たのはホテル・ブルジョワ。
これから会う家族を思いやりため息をつきながらも、マリネットに電話番号をもらったことは嬉しそう。
執事に迎えられたゾーイは、ホテルのロビーでくつろいでいるオードリーと話す。
ゾーイはオードリーの娘、クロエの異父姉妹であった。
ニューヨークの寄宿学校で問題があり、パリでオードリーたちと一緒に暮らすことになったらしい。
その後、ゾーイはどうやら初めてクロエと面会。
クロエは彼女を姉妹として受け入れつつも、カジュアルなファッションは許せない。
ブルジョワ家にふさわしい「勝ち組」の立ち居振る舞いを学んだら、黄金に輝くおしゃれな靴を履かせてあげるという。
アクマ誕生
ゾーイはクロエから感じの悪い「勝ち組」言動をレクチャーされつつ、ピンクのリムジンに乗って初めての登校。
マリネットが声をかけてきてくれたが、ゾーイはクロエの顔色をうかがい「あんなマカロンすぐに捨てちゃった」などと感じの悪い嘘をついた。
ゾーイはオードリーやクロエに受け入れてもらうため、嫌々ながら高慢な物言いをしているようだ。
急な途中入学を渋る校長に対しても、クロエの指示通り父親の権力をふりかざして対応。
無事にメンデエーレフ先生のクラスに転入を果たした。
一方マリネットたちは、感じの良かったはずのゾーイがクロエに毒されたことを心配する。
マリネットはとにかくゾーイと話をしようとメールを送り、夜に船で待ってると伝える。
ゾーイはデュパン=チェ~ンとのメールをクロエに見られ怒鳴られるが、相手に恥をかかせるための作戦だと言ってごまかす。
クロエの靴を持って屋上に来たゾーイが落ち込んでいると、アンドレ・ブルジョワ市長が話しかけてきてくれた。
地位のために映画を撮る夢をあきらめたと語るアンドレに、ゾーイも女優になる夢があったが、演技で自分を偽ることに疲弊してしまったと打ち明ける。
アンドレが映画の資料を隠している物入を見せると、ゾーイも自分の夢を込めたスニーカーをその中にしまいこみ、クロエの靴を履くのだった。
落ち込むゾーイのもとに、シャドウ・モスがアクマの蝶を差し向ける。
アクマはしまいこまれたスニーカーに宿り、ゾーイをソール・クラッシャーへとアクマタイズした。
黄金に輝き、クロエにそっくりなソール・クラッシャーは、踏みつけにした人を吸収して大きく強くなっていく。
ヒーロー登場
ソール・クラッシャーに襲われたクロエは、タクシーに乗って逃走。
デュパン=チェ~ン家のベーカリーに逃げ込み、マリネットの両親やマリネット本人を突き飛ばして自分だけ助かろうとする。
マリネットは巨大化したソール・クラッシャーに連れ去られてしまい、ティッキーが急いで後を追う。
ティッキーに促されたカルキがアドリアンの自室にテレポートして事情を説明。アドリアンはすぐにシャノワールへと変身した。
川沿いまで逃げてきたクロエは、船でライブの準備をしているキティ・セクションの面々を発見。
追いかけてきたソール・クラッシャーに対し、自分ではなくあっちの負け組を踏みつぶせと言いつける。
一方で、捕まえたマリネットに「あなたはあなたのままでいいの」と語りかけられ、ソール・クラッシャーは迷いを見せた。
だがシャドウ・モスに唆されると、ソール・クラッシャーは再びクロエと船に向かって歩み始める。
シャノワールがスティックでソール・クラッシャーの足をひっかけ、転んだ隙にマリネットは脱出。
そこにティッキーも追いついて、物陰でレディバグに変身した。
ヒーローの戦い
レディバグとシャノワールは巨大なソール・クラッシャーと格闘するが、道や建物が破壊されてしまう。
レディバグはラッキーチャームで靴ベラを入手。
アクマが靴に宿っていると踏んで、ヨーヨーでソール・クラッシャーのヒールを破壊したものの何も出てこない。
クロエがソール・クラッシャーを挑発するセリフを聞いたレディバグは、アクマがゾーイのスニーカーにいるはずだと気づいた。
レディバグとシャノワールはホテル・ブルジョワでスニーカーを探す。
アクマタイズの様子を見ていた市長に案内され、屋上の物入にたどりついた。
ソール・クラッシャーの巨大なパンチが迫る中、レディバグは靴ベラで物入の蓋を開け、スニーカーを破壊。
アクマを浄化し、ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
エピローグ
日が暮れ、ゾーイはマリネットにもらったマカロンを持って、ライブをやっている船を訪れた。
昼間の態度を謝り、ニューヨークで自分を偽って居場所をなくしたことを語る。
肩を落とすゾーイを、マリネットやキティ・セクションのみんなは温かく励まし受け入れてくれる。
クロエとオードリーは、ゾーイが負け組たちと仲良くマカロンを食べる様子を遠目からながめて不満顔。
帰ってきたゾーイは金ぴかの靴を返したが、クロエとオードリーからニューヨークに帰るよう迫られる。
だがアンドレがゾーイをかばい、ホテルの別の棟に「追いやって」クロエと会わせないようにすると約束した。
ゾーイはアンドレに礼を言い、夢をしまいこんだままにしないでと言葉をかける。
マリネットはゾーイからの「あなたたちのおかげでほっとできる場所が見つかった」とのメールを喜んだ。
髪にピンクのメッシュを入れたゾーイは、パリで新しい友達と仲良くやっていけそうだ。
感想とメモ
クロエお嬢様が絶好調。アクマタイズしなくても一般市民に対する攻撃力が高すぎる。
そしてようこそゾーイ。
主人公系少女ゾーイ
ゾーイは見るからに感じのいい女の子。からかいたくなるくらい感じがいい。感じの良さのかたまり。
第一印象がこんなに感じのいい新キャラって初めてじゃありませんか。
カガミはツン期が長かったし、ルカは親切だけど個性が強すぎたし、リラとフェリックスはいわずもがな。
感じがいいというか、主人公っぽいと表現するのがふさわしい。
クセがない。何にでも合いそう。仮に別シリーズからのスピンオフキャラだと言われても納得できる。
感じのいい彼女ですが空気を読みすぎるところがあり、周りからの期待に沿うよう演技をしてしまう。
ニューヨークでもおそらくクロエみたいな感じの悪い連中に合わせて無理をしていたのでしょう。
で、うっかり感じのいい態度を取ってしまって仲間外れにされ、笑いものにされてしまったと。
クロエの「ロッカーにゴキブリ」発言を聞いてひどく傷ついたのは当然のことですね。
このシリーズのパリじゃクロエみたいな分かりやすいいじめっ子は少数派ですから、ゾーイにはきっと居心地がいいことでしょう。
彼女はクロエの異父姉妹で、たぶんゾーイの方が年下。
今回のエピソードでは日本語だと「妹」になってますが、英語だと”sister”としか言われておらず、公式に明言はされてないようです1。
オードリーがNYに行ったのはクロエが生まれた後だったから、順当に考えればNY生まれのゾーイが妹かな。だとすると2歳くらいは差があるのかな2。
それにクロエお嬢様の方が顔がでかい2。
転入先のクラスはメンデエーレフ先生のクラス。マークやオーロラとおんなじ。
それにしても主人公っぽいですね、ゾーイ。レディバグの弟子になってもおかしくなさそう。
どう見てもクロエと思いきや
ソール・クラッシャーのソールは「靴底」の”sole”。踏みつけ攻撃するアクマに似合う。
しかし”sole”には「ただ1つの」って意味もあって、solitudeにも掛けられてるのが含蓄ありますね。
スタイルクイーンみたいな黄金色に、ファッションはどう見ても角付けたクロエ。
しかし、クロエお嬢様ならきっとこんな能力を持ったアクマにはならないことでしょう。踏みつけにすることに罪悪感ないもの。
今回のゾーイは、クロエみたいにならねばならぬという強迫感にかられてこんなアクマになってしまった。
久しぶりにクロエがアクマタイズしたとも言えますが、オードリーのせいもあるし、本心は隠すのが正しいと促した市長が一因とも、ゾーイを追いつめたらしい前の学校での生活とも・・・つまり育ってきた環境のすべてかな。正当である。一概にクロエの閻魔帳に追加とは言えまい。
踏んだら吸収して強くなるってのは、アクマの能力としてはそこまで有用じゃなさそう。
あれだけ巨大化したら単純に踏むだけで十分な攻撃だろうし、逆に踏みにくそう。
ゾーイにはヴィランの才能はあんまりないってことでしょう。
初見でそう思いますよねえ、つまりゾーイはむしろヒーロー側というかなんというか。
あんたはクビよ!
クロエお嬢様が、ヒーロー仲間として完全にクビになったことが分かりますね。
今回アクマに襲われても、レディバグを見ても「ミラキュラスを貸して」ともう一言も言わなかった。
それはそうと、クロエお嬢様が勝ち組ムーブというものを教えてくださるのでありがたく学びましょう。
まず権力を持った後ろ盾をアゴでこき使うこと。特に意味のないことをわざわざさせましょう。権力を持った後ろ盾がいないことにはお話になりません。
次に取り巻きに崇拝され、理不尽な命令をきかせましょう。取り巻きがいないことにはお話になりません。
そして敗者を笑いものにして楽しむこと。笑いものにできそうな負け犬を見つけ出してケチをつけましょう。そいつがアクマタイズされたら仕返しされること必至ですが、しょせん負け犬なので怯える必要はありません。
「あたしにも(笑いものが)1人いたけど、スーパーヒーローになってからなんかうまくいかなくて。甘くなったのよ」
クロエお嬢様、クイーン・ビーになってからマリネット・デュパン=チェ~ンをからかいにくくなったそうです。
どちらかというとマリネットがクロエをうまくいなせるようになったってのが正しいような。今回も軽くスルーしてるし。
だが言われてみればクロエ、マレディクテーター回よりこっちほとんど誰もアクマタイズしてない3のでは。
マリネットに限らず、特定の誰かを笑いものにしてひどく傷つけるようなふるまいは確かに減ってる感じ?
いや、やっぱり周りがクロエを相手にしなくなってるだけかも。
クロエがゾーイにアドリアンを説明した言葉がけっこう意外。
「ボーイフレンド」とか言うのかと思いきや、「思い通りにできる男子の親友、イケメンでお金持ち」とのこと。
言われてみれば、クロエは別にアドリアンのことを想ってぽーっとしたりはしないんですよね。
彼のことがお気に入りではあるものの、あくまで「自分の持ち物の一つ」という見方をしてる。クロエお嬢様は恋愛脳じゃないのだ!
夢をあきらめた市長
ゴリジラ回で、アドリアンのお母さんエミリーが出演する映画「Solitude」のクレジットにはブルジョワ市長の名前があった。今回しまいこまれていたのもこの映画の台本やフィルムと思われる。
映画製作を志していたばかりじゃなく、実際に携わっていたってことですよね。
で、ガブリエル・アグレストもデザイナーとして映画に関わってたと。きっとオードリーもなんだろう。
アグレスト家とブルジョワ家の仲がいいのは、そういう個人的なつながりのたまものなのか。
アンドレがなんで夢をあきらめちゃったんだろうかと思えば、やはりオードリーのためでしょうね。
オードリーは彼が映画界では成功できないと思ってたのか、あるいは政界で実力を握ってほしかったのか。
ガブリエルを見出したオードリーのことだから、先見の明があるのは確かなんでしょうけどね、
そして見逃してはいけない、アンドレの物置の中にカガミっぽい女性の写真があったこと。
普通に考えて、あれは若かりし頃のトモエ・ツルギに違いない。ツルギ家とアグレスト家のつながりが見受けられる。
むむ、トモエお母さまも女優だったってことか?
話はつながるけどイメージが違うような。
その他ポイントメモ
- マリネット、ゾーイを一目見て「この街の人じゃないみたい」だそうで、パリってそんな狭いん?
いや、狭いか。少なくともこのシリーズのパリはとても狭い。 - クロエとゾーイのやりとりにちょっぴり「リブとマディ」みを覚えて微笑ましかったのは自分だけでしょうか。靴のくだりとか。あっ、リブのファンに怒られそう。ごめんなさい。
- クロエは上着がイエロー、ゾーイはパンツがイエロー。並んで立つとほんとに姉妹っぽい。
- ゾーイにはそばかすが描かれてるがクロエには描かれてない。だいたいの女の子には描かれてますよね。クロエはメイクバッチリって表現でしょうか。クロエのノーメイクはいつ見られるのですか?
- クロエが「お辞儀しなさい!」を言い直したのは「甘くなったのよ」の一端かなあ?
- 「世話を焼きに来たの?(パン屋の娘だけに)」は、英語では”loafing around?”。”loaf”がパンのことですね。
- サブリナの取り巻き芸がおもしろすぎる。
- オウルのいつものやつ。
- 「ヨウシニシテアゲラレナイカナ?」なぜかおもしろいローズ。俊敏な動き。
- クロエお嬢様、そのゴキブリは誰が捕まえるの?
- ベッドでウキウキと嫌がらせを考えるクロエお嬢様。ああ平常運転だ。
- クロエ「あたしに許可なくあたしの姿してるなんてありえないんだけど!」
コスプレに厳しいクロエお嬢様。ここで怯えないのがいつものお嬢様。 - ゾーイ「あなたってほんと、ミラキュラスね!」
このセリフが言うあたりも主人公っぽい。 - レディバグ「バグアウト!」
久しぶりに聞く気がする。平常運転な感じで安心するね。 - クロエ「今すぐあの子をクビにして!」
平常運転な感じで安心するね。 - ゾーイをぎゅっとしてくれるイヴァン。彼も強面で誤解されがちだから気持ちが分かったのかも。
- さらっと髪にメッシュを入れてるゾーイ。ジュレカとローズにやってもらったらしい。ここはエピソードとして見たかったけど、とにかく似合ってるよ。
今回の記事はここまで。
コメント
私は小学一年生の小林りんかといいます
私は毎日6時から始まるミラキュラスを録画したり、ニューヨークユナイテッドヒーローズ、上海オブレジェンドレディドラゴンを繰り返し見ていました
そのくらい大好きです
私はミラキュラスのことを応援しています
小林りんかより
コメントありがとう。
ミラキュラスは面白いですよね。一緒に応援していきましょう。
感想とか好きなポイントをまとめて、こんなふうに書いてみるのも面白いですよ。
後の話をみる限りジュレカとルカは双子らしいですね。ていうか、ゾーイがクロエの異父姉妹だとするとオードリーは不倫したんですかね。だとするとこういうのは日本では多分、やらないから珍しいキャラにはなりそうですけれど。
ゾーイのオリジンとか経緯に付いては後のエピソードでも全然触れられてないですよね。
パパのリー氏がどういう人物なのかも描いてほしいところです。
誰かしらはゾーイのniceなロールモデルになってるはず。
双子にしてはとてもかわいい双子ですよね
ジュレカは可愛く、
ルカはかっこいいですよね
私もそう思います
2人ともユニークで魅力的ですよね。
ジャゲッド・ストーンにはもったいない子供たち・・・