マーベルコミックの個人的な感想とおもしろポイントのメモ。
以前の記事に続いて同シリーズの単行本3巻をご紹介。
DEADPOOL TEAM-UP(デッドプール・チームアップ)VOL 3
デッドプール好きならマーベルコミックを読もう。
ライターさんもアーティストさんも、複雑なデッドプールが持ついろいろな魅力を引き出してくれています。
自分は別にデッドプールのファンとかそういうわけじゃないんですけどね、別に、デッドプール大好きとかそういうわけでもないんですけど。
もう読んだ人はもちろん、これから読むところという人、予習してから読んでみたいという人も参考にしてみてね。
話のネタバレ部分は折りたたんであります。
DEADPOOL TEAM-UP(デッドプール・チームアップ)
シリーズ全体の紹介は前の記事をどうぞ。
VOL 3 BFFs
チームアップキャラとストーリーを1話ずつ紹介していきます。
ストーリーはさわりの部分だけとし、結末のネタバレは折りたたんでありますので、読みたい人だけ開いてください。
この記事では単行本3巻「BFFs(ズッ友たち)」に含まれる第888~883話までを見ていきます。
今回は大物ヒーローたちがようやくお目見え。表紙のソーがゴージャスです。
「Deadpool Team-Up Vol. 3: BFFs(MARVEL)」
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アメコミの紙の本はB5のペーパーバックが多いですが、A4くらいのハードカバーもあります。
自分の持ってるこの本はハードカバー。本棚に微妙に収まらない縦幅です。
#892 シング(The Thing)
ストーリーはCullen Bunnさん、アーティストはTom Fowlerさん。
お待ちかね、大物ヒーローとの共演。ファンタスティックフォーの岩石野郎とタッグマッチだ。
チームアップキャラクター
シング1ことベン・グリムは、岩のようなボディと見た目通りの怪力・耐久力を持つパワー系ヒーロー。
マーベル最古のヒーローチーム、ファンタスティック・フォー(FF)2の一員であり、つまり大御所。クロスオーバーものでは必ずと言っていいほど登場します。
FFといえば俺様インテリなリード・リチャーズが中心人物ですが、彼らをチームとして・家族としてまとめてるのはまぎれもなくベンの兄貴力だと言えます。
学生時代フットボールもたしなんでいたベンは、体育会系で若干ガラ悪め。
今回の話ではプロレスの元チャンピオンだと判明してますが、ポーカーみたいなカードゲームもかなり強かったりします。
おなじみの決めゼリフは「鉄拳制裁タイムだ!(It’s clobberin’ time!)」
今回もちゃんと言ってくれます。
デッドプールとの共演もありますが、邦訳本ではパッと思いつきませんね。
昔の「ケーブル&デッドプール」シリーズの最後の方(未邦訳、ケーブルが出てこなくなった後)で、デッドプールがFFに怒られたり手を貸してもらったりする話がありました。
ストーリー
無差別級レスリングの一大イベント、メガ・マッチが開催される。
前チャンピオンのシングことベン・グリムは解説者として招かれていた。
試合を楽しみに語るベンだが、デッドプール率いるヒールレスラーの登場に渋面を見せる。
一週間前、デッドプールはレスラーになりたいと協会に押しかけ自己アピールをかましていた。
ちょうど居合わせたベンは不審者プールを叩き出そうとしたが、ジェネラル・マネージャーのジムが引きとめる。
マネージャをボコボコにすることで知られるヒールレスラーたちのマネージャにならないか(あんたなら回復するから何されても平気でしょ)とスカウトされ、デッドプールは快諾したのだった。
感想とメモ
デッドプールが終始楽しそうでうっとうしい。
テレビでベア・アーサー3銘板のCMを探してたらたまたまメガ・マッチを見かけて、参加すべきと天啓を受けたらしい。
もっともらしくプロレスの良さを語ってるけど、暴力振るっても怒られないどころか褒められるってのが魅力的だったようです。
レスラーとしてではなくサンドバックもといマネージャとして採用されたわけだけど、結局あのヒールレスラーたちに八つ裂きにはされませんでした。
今回のチームアップ相手はベン・グリム。重鎮ヒーローとチームアップできてプールもウキウキ。
一方でベンのプールに対する好感度の低さがおもしろいですね。完全にサイコキラー扱い。
つれないベンに対して、プールは「チームアップの様式美だ! 最初は相手を誤解して拳を交えるけど、後に分かり合って共通の敵と戦うのさ」と嬉しそうなメタ発言。的確であります。
#887 ソー(Thor)
ストーリーはRob Williamsさん、アーティストはMatteo Scaleraさん。キャプテン・ブリテン回と同じコンビです。
ゴージャスなソー(噛ませ犬)とお近づきになってデッドプールも大興奮。
チームアップキャラクター
アスガルドの雷神ソーは、北欧神であるトールその人とされています。
コミックファンはもちろん、マーベル映画がお好きなかたには言わずもがなのヒーローでしょう6。
全能の神オーディンの長男で、神の国アスガルドの王位継承者。義弟であるいたずらの神ロキも有名7。
ふさわしい者だけが持つことのできる神のハンマー:ミヨネア(ムジョルニアとも言う)を携えています8。
ソーはアベンジャーズの「ビッグ3」と言われる中心キャラの一人。
登場シリーズも多く、クロスオーバーものにもよく出てきます9。
デッドプールとは、邦訳されているものだと「デッドプールの兵法入門 (ShoPro Books) 」でガッツリ絡んでますね。ソーもロキもプールに振り回されてました。
この本はコメディテイストでめちゃめちゃおもしろいです。
興味があれば紹介記事もご覧ください。自分はソーのファンなので、説明を始めると長くなります。
ストーリー
オクラホマ州ブロクストンにある、神々の国アスガルドの遺跡。
考古学者のノーラン博士は、アスガルドの遺物や金目のものを手に入れようと遺跡に侵入した。
そこには、雇われて盗掘に来ていたデッドプールと操縦士タンの姿が。
兜をかぶってアスガルド人気取りのデッドプールは、博士を捨て置いてあたりを探索する。
何気なく小石を蹴り飛ばしたと思ったら、それはスターク社製のセキュリティセンサーだった。
雷鳴とともに、雷神ソーが盗掘者を捕まえんと現れた。
感想とメモ
雷神ソーが降臨召されるとなったら、デッドプールじゃなくても大喜びです。
仲間が強い分、敵も強力な悪魔でした。デッドプールは通常運転。
「アスガルド」はソーたち北欧神の住む神の国。
いろいろあって滅亡して、ソーが一旦オクラホマの上空に再建して、フィアー・イットセルフという事件でまたぶっ壊れて、その後アスガルド以外の国も含めた連合国アスガルディアとして改めて再建されました。
このエピソード時点ではオクラホマに残骸だけが残ってるみたいです。
飛行機運転手のタン(Tan)は、キャプテン・ブリテン回でデッドプールに憎しみのパラシュートしかくれなかった人。
今回ももちろんデッドプールを置き去りにして逃走。
#886 アイアンフィスト(Iron Fist)
ストーリーはShane Mccarthyさん、ペンシラーはNick Dragottaさん。イモータル・アイアンフィストの個人誌も手がけてるアーティストさんです。
カッコよく決めるフィストとふざけたプールがいい表紙。巻末にこの話の表紙デザイン案がたくさん載ってておもしろかったです。
自分はソーのファンで、アイアンフィストのファンでもあります。前話からの流れの嬉しいことと言ったら。
チームアップキャラクター
アイアンフィスト(Iron Fist)は、チベットの秘境クン・ルン(K’un-Lun)にて修行を積んだ伝説の戦士。
武術の達人で、秘境に眠るドラゴン:シャオラオの強大なパワーを拳に宿しています。
マスクの下はニューヨークに住む社長のダニー・ランド。
クン・ルンのために戦ったり市井で雇われヒーローをやったり友達の代わりに刑務所に入ったりアベンジャーズに加わったりと、迷走幅広く活動してるヒーローですね。
今回の話ではクン・ルンの守護者として任務を負っているようです。
低迷期もあったアイアンフィストですが、2006年の「イモータル・アイアンフィスト」シリーズが高く評価されて息を吹き返しました。
大物ぞろいの3巻に出てるのもその辺がうかがえます……かね。次の話は牛だけど。
デッドプールとはこのシリーズ以前にもちょこちょこ絡んでます。
「ケーブル&デッドプール 桃色の誘惑」で会社に忍び込んだデッドプールをつまみ出したり、「シビル・ウォー」では取り締まりに来たデッドプール相手にデアデビルの恰好でちょっと戦ったり。
アイアンフィストについても紹介記事がありますので、興味があればご覧ください。
ストーリー
殺しの依頼を受けてロッキー山脈にやってきたデッドプール。
ターゲットはジン・ゴー(Gin Goh)という男。こいつを見つけ出し、邪魔者を含め抹殺するのが今回の仕事だ。
居場所を見つけたはいいが、大勢の敵に囲まれ、弾切れの上に崖に追いつめられてピンチ状態。
そこにアイアンフィストが現れ、デッドプールと一緒に敵をカンフーでなぎ倒していく。
アイアンフィストもまた、故郷クン・ルンの敵であるジン・ゴーを狙っているらしい。
感想とメモ
このシリーズでもっともチームアップしてると言えるエピソードでした。
デッドプールとアイアンフィストの内面的な「らしさ」がよく表れてて、ギャグもありながらシリアスな深みのある良い話です。
今回のデッドプールは格好いいですね。
いつも通りやかましいおしゃべりを振り回しつつ、不死身の体を投げ出す得意の立ち回りでしっかり活躍。
ウザくてクレイジーで孤独で強いデッドプールのヒーローらしさが垣間見えました。
鉄拳先生11は案外デッドプールに自然に接してくれてますね。
プールに対してあからさまに信頼ゼロなヒーローも多いですが、鉄拳先生は割とまともに会話して傷の心配までしてくれました。
もうちょっとカンフーアクションも見たかったですが、話の方が豊かだから仕方ないでしょう。
それにしても鉄拳先生、格好いい!(ファンです)
#885 ヘル・カウ(Hell Cow)
ストーリーはRick Spearsさん、ペンシラーはPhil Bondさん。
大物ヒーローとの共演が続いたところで、満を持して吸血牛ちゃんが登場。
チームアップキャラクター
ヘル・カウ(Hell Cow)は吸血鬼となった牛。
生前の名前はベッシーといい、コンテストにも入賞した立派な乳牛でした。
何世紀も前に吸血鬼のドラキュラ伯爵に血を吸われて死に、墓場から吸血牛としてよみがえったそうです。
ええ、誰も知りませんよね。
なので本編でちゃんと説明してくれます。
ここまで知名度高めのキャラとのチームアップをやってきて突如登場したヘル・カウちゃん。
当時の読者のインパクトは絶大だったことでしょう。
みるみるうちに人気が出てデッドプールの相棒アニマルとして知られるよう……はなりませんでしたとさ。
2017年の「Spider-man/Deadpool」誌にまさかの再登場。
ストーリー
ネットで殺しの依頼を受け、待ち合わせ場所にやってきたデッドプール。
まんまと罠にかかって頭をミンチにされ、気が付くと妙な研究室で檻に捕らわれていた。
犯人はキルゴア博士と名乗る老人で、デッドプールだけでなくヘル・カウも檻に閉じ込めていた。
結核を抱えた博士は不死となるために、吸血乳牛ヘル・カウからしぼったピンクのミルクを飲んでいる。
ヘル・カウはドラキュラに噛まれて死から蘇った乳牛で、吸血鬼のパワーを持っているという。
ハワード・ザ・ダック13によって胸に杭を打たれ埋葬されていたのを、博士が掘り起こして連れてきたらしい。
しかしミルクの効果は一時的なもの。博士は本当の不死を手に入れるため、デッドプールの脳細胞からヒーリングファクターを奪うつもりだ。
感想とメモ
おふざけ100%のゆかいなエピソード。
ポップで明るい色づかいながら、ブラックジョークと吐き気を催すゴア描写が満載です。
科学者にとっつかまって利用されているヘル・カウちゃんに親身なデッドプール。
モーモー言うだけのヘル・カウと確実に心を通わせていく様がシュールです。
それにしてもヘル・カウはセリフないのに表情豊かで愛らしい。
ドラキュラ風のマントは標準装備のようです。
敵のキルゴア博士は絵に描いたようなマッドサイエンティスト。
DP「キル(Kill:殺)とゴア(Gore:血だまり)なんていい名前」
不死になりたいからって、よりによってデッドプールの細胞入れようなんて思いますかねえ。
ウルヴァリンの細胞の方がマシなような。ウルヴァリンがSNSで釣れたらおもしろい。
博士が吸血鬼にならない理由は「太陽浴びたいから」だそうです。ミルク飲むだけなら吸血鬼にはならないらしい。
#884 ウォッチャー(Watcher)
ストーリーはTom Peyerさん、アーティストはJacob Chabotさん。
牛の次に思いがけない重要キャラクターが登場。ひたすら悪ノリです。
チームアップキャラクター
ウォッチャーは文字通り、マーベルユニバースで起こるすべての出来事を「観測(Watch)」する存在。
観測すること自体が彼らの使命、存在意義であり、逆に言えば物事に直接影響を及ぼすことはできない。
言ってみれば我々読者と同じような立場になるわけです。
「ウォッチャー」というのは種族のようなもので、何人ものウォッチャーがそれぞれ担当する並行世界を観測しています。
正史であるアース-616の担当はウアトゥ(Uatu)というウォッチャー。
今回のエピソードに出てくるのも彼ですね。
キャラクターの性質上、物語に直接絡むことはめったにありません14。
当然普通なら他キャラと短編でチームアップするなんてありえないんですが、そこはデッドプールということで。
ウォッチャーもデッドプールも超法規的なキャラクター。きっと良いコンビネーションを見せてくれることでしょう。
ストーリー
冒頭にて、ウォッチャー本人が読者に事情を説明してくれる。
彼はこの世のあらゆる出来事を観測するという任務を負っている。
もちろんデッドプールのことも観察していなければならない。どんなに嫌だろうと。
当のデッドプールは金欠に困っていた。
献血センターにゴミを売ろうとして追い返され途方にくれていると、脳内キャプションたちが「先週稼いだ830万ドルがあるじゃないか」と言い出した。
デッドプールは金の隠し場所をすっかり忘れていたが、キャプションたちは覚えているらしい。
キャプションたちの案内に従い、金を探しに出発した。
脳内からの的確な指示によって、デッドプールはバーの汚いトイレに立ち寄る。
そこにはデッドプールを見守るウォッチャーの姿が。
感想とメモ
なんだこの話は(いい意味で)。
とにかく趣味の悪いおふざけ満載。セリフが全部ネタなので紹介しきれません。
830万ドルってのはアイアンフィスト回での報酬だそうです。
あのときはダーク格好いいデッドプールでしたが、今回はゴアポップ下ネタコメディアンなデッドプールです。
W「諸君ら読者と同じく、私にも善を貴び悪を憎む気持ちはある。……こんなデッドプール誌など読む諸君とは違うかもしれんが」
読者をディスッていくウォッチャーさん。
W「やつは色々なシリーズに登場しすぎだ!」
今はもっと増えてますよ、ウォッチャーさん。
W「助手に押し付けよう。やつには貸しがある」
嬉々として電話するウォッチャーさん。
DP「ミュータントで癌持ちだから血は売れないと思って。代わりに空き缶持ってきた」
さすが、中途半端な常識。
脳内キャプションと会話して、町ゆく人々から不審な顔で見られるデッドプール(当然)。
刀二本とアサルトライフまで持ち歩いてるのに、おまわりさんには素通りされる。
キャプション同士はいつも会話してるけど、キャプションとプール本人が会話することはそんなになかったっけ。
DP「脳内で聞こえる声に従うお仕事? 最高!」
そうだね。
#883 ギャラクタス(Garactus)
ストーリーはSkottie Youngさん、アーティストはRamon Perezさん。
トリを飾るのは惑星食べちゃうおじさん。
この話は小学館から邦訳されている「ガーディアンズ:チームアップ2」にも収録されてます。
チームアップキャラクター
“世界を喰らう者”ことギャラクタスは、マーベルユニバース屈指の大物ヴィランの一人。
宇宙に生きる巨大な存在であり、途方もない飢餓を抱えているがゆえ、惑星を丸ごと食べてしまいます。
つまり惑星を滅ぼしてしまうというわけで、住民にとってはたまったものじゃありません。
ギャラクタス自身は、悪意のある「ヴィラン」というより、人物という概念を超えた「災い」みたいな扱いをされています。
「この惑星にギャラクタスが来るって! どうしよう!」
これでエピソードが一本できます。隕石が落ちてくるのと同じような感覚。
ギャラクタスはただお腹が空いてるだけであり、惑星の住民たちを苦しめようというつもりはありません。
目についた惑星を無差別にむしゃむしゃしちゃうような獣でもありません。
彼は使者(ヘラルド)を使ってめぼしい惑星を探させるとともに、「これから食べに行くからね。覚悟しといてね」という予告を住民にちゃんと伝えるようにしています。
この使者の役割を長らく果たしてきたのがシルバーサーファーと呼ばれる一人の宇宙人なんですが、いろいろあって任を離れたこともあります。
今回の話ではまさに、使者のポストが空いちゃってるようですね。
ストーリー
デッドプールはまたしても金欠。モルモットを買ったせいでクレジットカードも止められてしまった。
仕方なく仕事を求めてヴィラン達に連絡するが、誰も相手にしてくれない。
ネットで暗殺以外の仕事を探してみると、「使者募集」という妙な広告が目に入った。
長時間労働でスキルも必要だが、計り知れない力が得られるとの触書。
「使者(ヘラルド)」と口に出して言えばすぐに面接するとのこと。
デッドプールが「使者ってなんだよ」と呟くと、突如天井に穴が開き、空の上に吸い上げられる。
大気圏外で待っていたのは巨大なギャラクタスであった。
面接の結果(?)、デッドプールは使者として採用された。
ギャラクタスのコズミックパワーを分け与えられ、ハードなエンジンを搭載したプール印のボードを入手。
空腹のギャラクタスのため、食事となる惑星を探しに出発する。
感想とメモ
スケールの大きいコズミックなアートが美しいですね。
今回は完全にヴィランモードですね。罪悪感のなさがすがすがしい。
ギャラクタスにまでウザがられるおしゃべりは平常運転。
25万ドル分のモルモット(guinea pigs)を何のために買ったのか。たぶん誰かへの嫌がらせ。
ナチュラルにヴィランから仕事をもらおうとするデッドプール。しかも指折りの大物たち。
マグニートー、レッドスカル、キングピン、メフィスト、ドゥーム、オクトパス、アポカリプス。
アイアンマンには間違えただけ。
メフィスト「誰に番号聞いた?」
サターナじゃない?
外でスパイディがゴブリンと追いかけっこしてる中、求人を探すプール。マーベル編集者にちょっと迷う。
バスローブにうさちゃんスリッパでくつろぎモードでもマスクは脱がない。
壁には「No.1 Villain」として自分が書かれた記事の切り抜きが。
おまけ:ウルヴァリン&デッドプール ザ・デコイ
ストーリーはStuart Mooreさん、アーティストはShawn Crystalさん。USエース回と同じコンビですね。
大親友のローガンが巻末に登場。プールは安心してクレイジーに振り切ってます。
チームアップキャラクター
ご存じX-MENの暴れ玉、ウルヴァリンの登場です。通称ローガン。
野性的で毛がもじゃもじゃ、アダマンチウムの爪で悪を切り裂くミュータント。
デッドプールと同じウェポンX計画の被検体で、ヒーリングファクターによる超回復能力を持ってます。
デッドプールはもともとX-MEN畑のキャラクターのため、X-MENとは対抗したり協力したり多くの場面で関わってきました。
ウルヴァリンとはウェポンXの共通点もあり、もちろんふかーい交流があります。
このチームアップシリーズの頃のX-MENは、デッドプールと関わり合いになりたくないスタンスだったことでしょう。後にはデッドプールの手を積極的に借りにいくことになるわけですが。
ウルヴァリンといえばX-MENのアイドル:ジーン・グレイのことが大好き。
サイキックのジーン・グレイはフェニックスフォースという破滅的な力を宿してしまったがため、犠牲となって命を落としました。
今回の話でもウルヴァリンのジーン・グレイへの想いが強く表れてます。
ストーリー
ニューメキシコの砂漠にて、ウルヴァリンはロボットと戦っていた。
宇宙帝国シーア製のロボットは突如地球に降り立った。半ば壊れかけながらも、ある獲物を探して侵攻しては通りがかった人々を攻撃している。
ウルヴァリンは一人ロボットに挑むが、敵の強力なブラストと短距離テレポート能力は手に負えない。
倒れたウルヴァリンを尻目に、ロボットは本来の獲物――ジーン・グレイを探して歩き去って行く。
ジーンは既にこの世にいない。このままでは地球上のすべてを侵攻してもロボットは止まらないだろう。
ロボットの足を止めるためのタフな囮が必要だ。
ウルヴァリンは囮に最適な味方を探すため、一時退却した。
その頃、デッドプールは隠れ家でシャワータイムを楽しんでいた。
そこにウルヴァリンが現れて、ロボットと共闘してほしいと平和的に依頼してくる。
感想とメモ
今回のデッドプールは端から尻までクレイジー。完全に躁状態のヤバイ奴でした。
いっちゃってるプールに対し、引き気味に面倒見てあげつつ、自分のためにちゃんと利用もするウルヴァリンのふるまいが情緒深い。
一応共闘って意味でしっかりチームアップはしてましたね。
ウルヴァリンはジーン・グレイへの想いをずるずる引きずっていることでおなじみ。
今回の敵であるロボットも、今は亡きジーン・グレイを抹殺せんと無為な目的を目指し続けています。
象徴的ですねえ。
ハードボイルドなウルヴァリンのシーンから、プールの出オチがすごい。
DP「この野郎、宿敵とまた戦いに来たってわけだな!(You have returned to resume our endless battle!)」
WV「別に宿敵じゃないだろ(What endless battle?)」
DP「宿敵じゃないっけ?(We don’t have an endless battle?)」
WV「ああ(Nope)」
DP「そう(Oh)」
宿敵じゃないです。
最後に
第三巻は急に有名どころのヒーローが出てきます。
ウォッチャーやらギャラクタスやら、違う意味で大物過ぎるキャラクターとも謎の共演を果たしました。
次元の違うキャラと平気でチームアップできるのは、やっぱりデッドプールならではという感じですね。
豊富な解説付きの邦訳コミックがすばらしいことは言うまでもないですが、今やKindleで手軽に買える原書もぜひ試してみてほしいです。
気軽に試しすぎると自分のように読んでないシリーズが溜まっていきますけどね。
デッドプールが好きならコミックを読もう(念押し)。
- 日本語だと「ザ・シング」と書かれてることもある気がしますが、固有名詞っぽくただの「シング」と呼ぶ方が多いでしょう。ハルクも英語だと「The Hulk」だし。
- 体が伸びるミスター・ファンタスティックことリード・リチャーズ、体が透明になるインビジブルウーマンことスー・リチャーズ・ストーム(リードの妻)、体が炎になるヒューマントーチことジョニー・ストーム(スーの弟)、体が岩になるシングごとベン・グリムのチーム。4人のうちベンだけが変身を自分の意思で制御できず、岩の姿をコンプレックスに思うこともありました。
- デッドプールの大好きなベテラン女優さん。プールはことあるごとに推してきます。
- SF系カートゥーンアニメのこと。
- これもカートゥーンのルーニー・チューンズネタ。
- ソーはアイアンマンやキャプテン・アメリカと比べて人気も知名度もいまいちですって? そうなんですよね、実にふしぎ。
- なんならロキの方が有名で人気ですって? それはロキじゃなくてヒドルストン氏の功績です。
- ハンマーはソーのトレードマークでしたが、コミックシリーズでは事情がいろいろあってしばらく手放してました。
- 一時期は死んでおったため、その期間のシリーズには登場しません。シビル・ウォーとかハウス・オブ・Mとか。
- 関係ないですが、ベヨネッタ1でもこのセリフのネタがありました。誰か気付きましたかね。自分は神谷監督の解説動画で知りました。
- 念のため説明するとアイアンフィストのことです。小学館の邦訳本でニューヨークの道場の子どもが「鉄拳先生」って呼んでて気に入ったんです。一般的ではないです。ぐぐってもまったくヒットしません。ふしぎです。
- アイアンフィストは両親を殺した男に復讐を果たしたものの、今度は自分が彼の娘に復讐を誓われてしまったのでした。
- オハイオ州クリーヴランドに住む探偵(アヒル)。名前はハワード。ディズニーの水兵服着たアヒルとは一切関係ない。
- それだけに「オリジナル・シン」シリーズでウォッチャーが殺害されたというのは大きな事件でした。