ミラキュラス レディバグ&シャノワール:ストーリーと感想【第48話 マレディクテータ―】

フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。

話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら

第48話 マレディクテーター(Malediktator)

ハチの新ヒーローが本当にヒーローとして登場。

ストーリー

プロローグ

クラスの課題で、クイーン・ビーとレディバグの対談動画を発表したクロエ
だがレディバグまでクロエが自演している内容に、クラス中が大ブーイング。
クイーン・ビーは街を救ってなんかいないとマリネットやみんなによってたかって突っ込まれ、クロエは怒って教室を出て行った。

アクマ誕生

クロエとママのオードリーが押し掛けたのは、パパであるアンドレ・ブルジョワ市長の執務室。
学校を永遠に閉鎖しろと二人に迫られたが、そこまでの権限はないと困る市長。転校してはと提案すると、それなら今すぐNYに引っ越すと荷造りを初めてしまう。
市長はクロエにダイヤのスマホケースをプレゼントするが、クロエは「娘の望みも叶えられないなんて父親失格」と取りつく島もない。

ヘリコプターに乗って行ってしまった妻と娘に追いすがる市長。
そこにホーク・モスが放ったアクマの蝶が、市長のたすきに憑りついた。市長は宣言したことを実現させるマレディクテーターへとアクマタイズされた。

ヒーロー登場

ヘリに乗ったクロエは学校に立ち寄ると、ここをおさらばしてNYに去ると宣言する。
意地悪なクロエが転校すると聞いて、マリネットや学校のみんなは大喜び。
だがアドリアンだけは、喜ぶみんなを見て悲しそうな顔をする。クロエにだっていいところはあるのに、とつらそうなアドリアンを見て、マリネットもクロエに言い過ぎてしまったと反省。

マレディクテーターは人を命令に従わせる光の弾でヘリコプターを着陸させ、オードリーを優しい妻に変えてしまう。
クロエは自分がレディバグならどうすると考え、隙をついてヘリコプターを離れ、臭い地下鉄へ逃げ込んだ。

娘を見つけるには街に混乱を起こせばいいとホーク・モスにそそのかされ、マレディクテーターは学校へ。命令の能力で生徒や教師を操って学校を破壊させ始め、クロエの仕返しをするためマリネットを探す。

マリネットは自分を責めつつも、ひとまずレディバグに変身。
アドリアンもシャノワールに変身。

ヒーローの戦い

レディバグはさっそくラッキーチャームでそろばんを入手。
使い方を考えているうちにシャノワールがマレディクテーターの気を引こうとするが、命令弾をくらって猫になってしまった。

にゃんこシャノワールがオードリーと遊んでいる間に、マリネットはマスター・フーのもとへ。
マレディクテーターの権力に対抗できる人物を思い浮かべ、今度こそ成功するだろうと信じてハチのミラキュラスを借りた。

新ヒーロー登場

マレディクテーターはマリネットの両親にパリから出て行くよう命令してから、愛娘のクロエを探す。

クロエがホテルの屋上の隠れ家に逃げ込むと、レディバグが待っていた。
レディバグに事情を話すよう優しく言い聞かせられ、クロエは躊躇した後「自分が嫌われ者でパリにいる意味がないから出て行こうとして、パパを傷つけた。全部の自分のせいだ」と泣きながら口にする。
みんなを助けたいというクロエの言葉を聞いたレディバグは、ハチのミラキュラスを彼女に渡す。

クロエはもうがっかりさせないとうなずき、クイーン・ビーに変身した。

ヒーローの戦いその2

オードリーとシャノワールにゃんこを連れて市庁舎に戻ったマレディクテーターは、警官隊を命令で操って武装していた。

レディバグとともにやって来たクイーン・ビーがちょっぴり居丈高な物言いをすると、怒ったマレディクテーターは命令弾を飛ばして攻撃してくる。そしてパリ市民全員に当たるほどの大きな光の弾を出現させた。発射される前に止めなければ。

レディバグはラッキーチャームで巨大な銃を入手。これは強そう……と思いきや、必要なのはレーザーポイントだけ。

レディバグはレーザーポインターの赤い光でにゃんこシャノワールの気を引いて暴れさせる。
うろたえた敵の隙をついて、クイーン・ビーがマレディクテーターをヴェノムで一突き。
固まったマレディクテーターからたすきを取り上げ、出てきたアクマを浄化。ミラキュラス・レディバグですべて元通りに。

変身を解いたクロエは、ヒーローは問題を解決するだけじゃないことが分かったと言って、ミラキュラスをレディバグに返す。二人で勝利の「やったね!」
パパとママの腕を取って、家に帰るクロエだった。

マスターにミラキュラスを返しに行ったマリネットは、クロエもヒーローになることで成長できるはずとほほ笑んだ。

エピローグ

マリネットに呼ばれたクロエが学校に行くと、パーティーが催されている。
パリを救ったヒーロー、クイーン・ビーを歓迎するためのパーティーだった。

戻ってきたことを喜んでくれるサブリナに、思わず笑みを浮かべるクロエ。
さっそく光り輝くダイヤのスマホケースを見せびらかす通常モードのクロエを、マリネットとアルヤ、アドリアンが見守っていた。

感想とメモ

クロエ回、今度こそ一段落。
クロエだって自分が嫌われてることをホントに気にしてないわけじゃないのだ。

クロエは通常営業……だけど

冒頭のクロエは笑っちゃうほど変わらないけど、マリネットを含めたクラスのみんなは大いに変わってる。

学期の初めはみんなクロエの横暴に何も言い返さなかったから、わがまま娘のわがままが通っちゃってた。
でも今はクロエのやりたい放題に対して、各々が思ったことをハッキリ主張してる。
総スカン食らったクロエはたまったもんじゃないだろうけど、健全な状態といえば健全な状態なのだ。

13話で出てきた「悪者が勝つのはいい人が何もしないとき」っていうマジェスティアの名言が実現してる。

で、クロエも悪者じゃいられないんだってことをちゃんと学習していくわけ。

オードリーがただのクロエのママに!

オードリーはクロエに興味を持たず特別扱いもしないママだったけど、マリネットのおかげでクロエに愛情を向けるようになった。

けど、そのせいで典型的な親バカママになっちゃったね。
最強の女王、辛口ファッション評論家のオードリー・ブルジョワ……ではなく、単なる「クロエのママ」。
クロエはさみしい思いしなくてよくなったから、いいことにしよう。

市長がんばれ。

市長、いつもご苦労様です

市長がんばれなかった。

この人が「学校を閉鎖できない」って言ってたのは、「閉鎖すべきでない」ではなく「閉鎖をかなえるだけの能力がない」って意味です。
価値判断をするのはいつも妻と娘。

市長職にずっと当選し続けてるそうだけど、そんなに人望があるとも思えない。このパリはよっぽど市長になりたがる人間がいないんだろう。だよね、市長の仕事多すぎるし。

ブルジョワ市長はシリーズ通してずっと登場してたが、ここに来てようやくアクマタイズ。
というのも彼は権力振りかざす側の人間だったからな。アクマタイズされるよりする側だったからな。(と言ってもロジャーコップ、フライトニンゲール、フローザーくらい。クロエの足元にも及ばん。)

マレディクテーターは「言ったことを実現する」という能力を持つ。
現実改変か、これは強いなあ……と思ったけど、対象者を操るっていうだけであった。サイモン・セッズの二番煎じというか、光の大きさで対象範囲を広げられるあたりは上位互換というか。
「与えられた権限により!」って決めゼリフがあるけど、人からもらった能力で好き勝手やってますって聞こえてちょっと情けない。

ホーク・モスはまた同じ手で負ける

で、ホーク・モスはまたもや「無力化したからいつでも倒せる」っていうアクマの主張を効いてあげちゃう。
で、例によって無力化したはずのシャノワールを利用されて倒されちゃう。

指示に従わないと能力を取り上げられるぞってもっと脅せばいいだろうに、それをしないのは何か理由があるのか。実際に脅かして見せたのは二回くらいだったよな。イラストレーターとピクセラトールと。

アクマの能力がホーク・モスにも効いちゃうから……だったりして。でも本当に危なくなったらそれこそ能力取り上げればいいじゃんね。
マレディクテーターの元気玉が本当に発射されてたら、ホーク・モスにも作用してたのかな。

クロエにもいいところはある……

本人がいないところで、とはいえ、その人が存在しないことを喜ぶってのは褒められたことじゃないよね。
子どもたちはともかく大人は止めなさいよ。お前のことだ、オウル。
ティッキーの感想も「アクマタイズされる人が減りそう」ってなんかドライだ。

クロエにいいところがあるかどうかなんて別に関係ないって、今こそバスティエ先生が教えてあげてほしいんだけど。先生、冒頭の授業でクロエがみんなに笑われてたときも口出さなかったし。やっぱりゾンビズー回は映画版ジャイアンだったのか。

クロエが怒るときは傷ついてるとき。攻撃することで自分を守ってるんだけど、だから外から見ると「なんか勝手にキレてる」としか思われないんだよね。落ち込んだ顔見せてたらマリネットも「さすがに悪かったかな」って自分で思ったかもしれないけど。

「クロエのこれまでの行いを考えたら当然の報いでは?」って思う人もいるよね。
そんなあなたはヒーローよりはヴィジランテ向き。

クロエとマリネットとレディバグ

クロエとマリネット、最初は圧倒的ジャイアンとのび太だったのが、今やマリネットの方がみんなの人望を勝ち取り立場を強くしている。
それもマリネットがヒーロー活動によって成長したおかげなんだとしたら、クロエにも希望はある。

クロエは口ではマリネット・デュパン=チェンが全部悪いとか言ってるけど、本当はそうじゃないと分かってるらしい。自分の非を受け入れるのは難しいことだ。

みんなの前では弱いところを見せられないクロエだけど、信頼してるレディバグには見せられる。
レディバグも前みたいにクロエを責め立てず、励ましながら話を聞いてあげた。私憤にかられず信じてあげられてよかった。それもアドリアンのおかげ。

マリネットを「ときどき意地悪」と言ってたクロエだけど、「ときどき親切」だってことにも気づいてほしいね。

その他ポイントメモ

  • 今回突っ込んだのはイヴァン。
    サブリナも笑ってるけどマリネットだけムッツリ。
  • アルヤ「だいたい髪の毛の色が全然違うから!」
    なんか今更感のあるツッコミ。アンチバグのときにジャゲッドが疑問を呈さなかったのはやっぱりただのポンコツか。
  • クロエに「アンタはクビよ!」って言われたくなってきませんか?きませんか。
  • 「ホント不愉快!(Utterly ridiculous!)」は、もはや決めゼリフ。
  • パリの市長って結婚宣言する権限もあるの?逆になんの権限がないの?
  • 「マレディクト(maledict)」は「呪いをかける」、「ディクテイト(dictate)」は「指示する」。
  • マレディクテーターの頭はナポレオンの帽子。ゆえに下品ではない。
  • オードリーは、市長がアクマタイズされても「他の人と同じように」だから興味なし。
  • オードリーが帽子とサングラス外すのは初めてか?かわいいんだけど。
  • シャノワールの変身バンクは省略。
  • シャノワールをかわいがるオードリー。
  • 最初はミラキュラスを渡すって命令してたくせに、猫になる命令に変えたらアカン。
  • 本人に向かってではないけど、クロエが「マリネット」って呼ぶのかわいい。
  • クイーン・ビーの変身バンク好き。ポニーテールがなびくときに口尖らせるのがかわいい。サングラスはしてない。
  • レディバグの話聞いてないクイーン・ビー。さすが。
  • シャノワールときたらいっつも操られる。今回はクイーン・ビーに譲ったと考えよう。
  • 「ごめんね」って言いながらハグしつづけるサブリナ。
  • 「でもクロエやっぱりきらーい」って声が少なからずあるようだ。クロエをお子ちゃまと思えばかわいいんだけどな。私はたいがいクセの強いキャラが好きです。

今回の記事はここまで。


 

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