フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
記事作成時に完全初見。先の展開は知らずに好き勝手言ってます。
第60話 オニチャン(Oni-Chan)
アドリアンに迫るリラに、マリネットもガブリエルもカガミもぷんぷん。
ストーリー
プロローグ
不機嫌な顔で登校中のリラに、ニノが声をかけた。
リラは大使館のパーティーに招かれているのに宿題があって行けない、アドリアンに手伝ってもらう約束をしたけどもう忘れてるかも、とでまかせをまくしたてる。
人の好いニノはその言葉を信じ込んでアドリアンに頼んであげた。
アクマ誕生
リラはアドリアンとボディーガードとナタリーまで言いくるめて、宿題をやるという名目でアドリアンの家に入り込んだ。
アドリアンの部屋に招き入れられたリラは、部屋の中をじろじろ観察する。お母さんとの写真、レディバグのブロマイド、そしてフェンシング教室でカガミと映っている集合写真。
宿題をろくにやらないままナタリーに約束の30分が過ぎたと呼ばれ、リラはアドリアンにキスしている写真を関係者全員に送り付けてさっそうと退場。
一方マリネットはそんなリラの動向を怪しみ、ジュレカの自転車を奪って後を追っていた。
人の好い消防士の助けを借り、ロープでつないで積み上げたゴミ箱をよじのぼって高い塀の向こうが見えるようになった。が、ちょうどリラからのメールが届いてバランスを崩し、落っこちてしまった。
リラとアドリアンの写真はガブリエルの元にも届いていた。怒ったガブリエルは仕事部屋を出て、帰り際のリラに調子のいい挨拶をされたが厳しい顔で何も言わない。
リラが帰るや、謝罪するナタリーを書斎に呼んでリラを勝手に家に入れたことを叱りつける。
そのころ、カガミは稽古の休憩中にリラから送られた写真を見て、ひどく取り乱していた。アドリアンからもらったバラの押し花を見つめ、傷ついて泣き崩れる。
ホーク・モスは、リラをアドリアンから引き離すためにカガミの感情を利用することに。アクマの蝶をバラに憑りつかせ、リラからアドリアンを守るべき、レディバグとシャノワールはリラの味方をしている、とカガミを唆した。
うなずいたカガミはオニチャンへとアクマタイズされた。
ヒーロー登場
オニチャンはアドリアンのもとを訪れ、リラを懲らしめると告げる。制止するアドリアンの言葉は当然聞かず、バラでできた竹刀を構えて走り去って行く。
アドリアンはすぐにシャノワールに変身。
塀の下でゴミ箱を片付けていたマリネットも、オニチャンが通り過ぎていくのを見かけて、ゴミ箱の中でレディバグに変身。
オニチャンは帰っていくリラの前に立ちはだかり、これ以上アドリアンに近づくなら罰を与えると脅した。
シャノワールがオニチャンの相手をしている間に、レディバグはリラを連れて公園に逃げ込んだものの、リラは助けなんかいらないと大きな態度。
追ってきたオニチャンが竹刀の先端をリラの額に突き刺すと、そこから赤い光が発せられた。
レディバグとシャノワールが戦っている間に、リラは走って逃げて行く。
ヒーローの戦い
リラは警官ロジャーに助けを求めてパトカーに乗せてもらう。その額には赤い角のようなものが生えていた。
と、ロジャーのスマホにオニチャンのマークのメッセージが届く。ロジャーがそれを確認するや赤い光がほとばしり、ロジャーとオニチャンの居場所が入れ替わった。
今度はマリネットの家のパン屋に逃げ込んだものの、オニチャンは同じ方法でサビーヌと場所を入れ替え追ってくる。
またも逃げたリラはレディバグに懐いたフリをして助けてもらおうとするが、今度はレディバグとオニチャンが入れ替えられた。
レディバグはリラの角をアンテナにしたオニチャンの能力を悟り、作戦を思いつく。
シャノワールはオニチャンのアドリアンに対する熱い愛情をぶつけられ、看板に投げ飛ばされていた。
リラの角は嘘をつくと大きくなるため、オニチャンに嘘は通用しない。
そうと分かったリラは、オニチャンに向かって「レディバグを倒したらアドリアンを諦める」とささやいた。
のせられたオニチャンはレディバグに襲い掛かってくる。
シャノワールは足をくじいたとわめくリラの言葉を真に受け、ひとまずその場を避難させる。
だが消防士に診てもらうと足はなんともないようだ。さらに嘘を重ねて角を大きくしていくリラに、さすがのシャノワールも呆れ果てた。
一方レディバグはラッキーチャームでホースを入手するも、オニチャンにかすめ取られ、街灯に縛り付けられて大ピンチ。
だが消防士のスマホにオニチャンのメッセージが届き、ミラキュラスを奪われる間一髪でオニチャンが消防士と入れ替わった。
シャノワールはリラを連れてレディバグの元へ。するとレディバグのスマホにオニチャンのメッセージが届き、レディバグと入れ替わったオニチャンが縛られた状態に。
シャノワールのカタクリズムで竹刀を破壊し、ミラキュラス・レディバグですべて元通りに。
エピローグ
マリネットはアドリアンがリラなんかを好きになるはずがないと信じ、気にするのをやめることに。
アドリアンの方もまた、リラがレディバグを陥れようとしたことで同情する気もなくしていた。
周りの人を傷つけないでとリラに言いつける一方、カガミとのフェンシングの稽古で彼女に優しく笑いかける。
一方、ホーク・モスはリラの狡猾さを利用すべきだと企む。
ガブリエルとしてリラを家に招き、今後も付き合っていこうと握手するのだった。
感想とメモ
やっぱりアクマタイズ二周目に入ってるらしい。
リラが正式にホーク・モスの手駒化。カガミはとにかくアドリアンが大好きらしい。
カガミの二度目もアドリアン絡み
カガミが意外とセンチメンタルだったことが発覚。
フローザー回でアドリアンからもらったバラを押し花にして大事に取ってあるし、集合写真からツーショットの部分だけを切り抜いて一緒に保管していた。マリネットと同じタイプか。
そしてアドリアンがリラにキスされている写真を一目見るなりスマホをぶん投げる。いつもクールなのに、どうもアドリアンが絡むと彼女も冷静さを失うらしい。レディバグと同じタイプか。
アドリアンの性格を知ってれば、リラの写真に意味がないことくらい一瞬で分かりそうなものだが。
オニチャンがシャノワールに向かって言うには、「アドリアンはすべてが完璧で私にふさわしい」とのこと。
微妙な言い回し。アドリアンに一つでも欠点があったらふさわしくなくなるってことなのか。
自分に厳しいカガミにとって、尊敬できる人間というのはそれだけで得難いものなんだろう。勝手に神格化してアドリアンにも人格があるってことを考えてないのは悪い恋愛脳だけどな。
で、アドリアンもオニチャンの発言と、自分があげたバラをカガミが大切にしていたことを知って、何か思うところがあった様子。
最後のシーンでは稽古中に「君に釣り合うようになりたい」なんて言ってカガミを喜ばせていた。
サイレンサー回のマリネットだけじゃなく、アドリアンも本命以外との距離を縮めてるようだ。
「オニチャン」ってかわいいけども
アクマの名前は「鬼」と「お兄ちゃん」を掛けた言葉だと思うよな。お兄ちゃんってルカくらいしかいないけど、ルカは前回出たばかり。結局ただの「鬼ちゃん」だった。
名前はおもしろいが、見た目はクールなオニチャン。
白をベースにした衣装で、鬼っぽい仮面に紫の唇がおどろおどろしくて強そう。胸に付いたバラのモチーフがおしゃれ。
アクマの宿ったバラが竹刀になっていて、刀身はトゲの生えた茎がよりあわされたデザイン。切るより殴る武器なんだろうが、トゲが付いてるから殺傷力高そう。
リポストのような戦闘系アクマかと思いきや、スマホを使って瞬間移動するテクニカルな能力。
竹刀で突いた人間をアンテナにして近くにある通信機器にアクセスし、それを見た人(?)と自分を入れ替える。標的を絶対に逃がさない、今回の目的に即した能力と言える。
ただし通信は全自動らしく、オニチャンの意思では制御できない。
で、リラには「アドリアンを諦めるって本心から言いなさいよ!」という謎の要求をする平和的なオニチャン。
他のアクマみたいに石にしたり操ったりしちゃえばいいのに。
そういえばリポストのときも、アドリアンと再戦しようとしてただけで、ヒーロー以外の人に危害を加えるような能力はなかったんだよな。物はぶったぎってたが。
お人好しどもを利用するリラ
その場その場でテキトーなでまかせを言っているように見えて、実は細やかな気配りを聞かせているリラ。
ニノには「既にアドリアンと約束している」という嘘をつき、他の女の子のようにアドリアンに気があるわけじゃない口ぶりをすることで、アルヤの動きを牽制。
アドリアンから一番低かった成績を聞き出し、それを使ってナタリーまで言いくるめる。
ずる賢い人間が他にいないせいで独壇場である。
アドリアンはリラの調子のいい嘘を分かっているけど、誰かを傷つけたわけでもないし、強く責めることができない。さみしさをまぎらわしているのかも、と寄り添ってあげようとしてるのがアドリアンらしい。
まあ、部屋の中で見られちゃいけないものはないしね。プラッグは自分で隠れられるし。
プラッグ本人はリラの動きをちゃんと警戒しててよかった。
リラを囲い込むホーク・モス
ホーク・モスもシーズン3に入ってからずいぶん狡猾になっている。
今回もサイレンサー回と同様、アクマには「自分たちが正義で、レディバグとシャノワールが悪者を守ってる」という状況だと思い込ませて操った。
目的を正当化することで、単なる私利私欲にかられたアクマよりもずっと強い意志で戦えることには違いないだろう。
さらに、リラというレディバグを敵視する娘を本格的に味方に付けることに。
彼女が周りの人間をおとしめればアクマタイズの種が生まれるし、彼女自身をアクマにすればずる賢く立ち回ってレディバグを追いつめることができる。
ただ、ホーク・モス自身も正体を隠しているという状況は気を付けてほしい。さすがに素性を明かすことはないよなあ?
リラを家にあまり出入りさせるのは危険なような。ホーク・モスも想定外のことに弱いし、寝首をかかれないようにしてくれ。
マリネットはリラを……
「ミラキュラスの秘密」というミニシリーズで、マリネットが日記でリラについて話すエピソードがあった。
そこでマリネットはリラの性悪さを並べ立てつつも、リラに仲間が一人もいないことに同情し、「アドリアンと一緒にリラを救ってあげよう」と心に決めていた。
リラを救う、リラを救う……
今のところ画が見えないが、今後リラの家庭事情なんかが分かってきたら想像できるようになるのか。
正直、リラがホーク・モスの力を奪う展開の方が想像できる。ホーク・モスが案外うかつだからなぁ……。
その他ポイントメモ
- マリネット「アドリアンのボディーガードがリラを車に乗せるわけないよ(笑)」
きみが言うと前フリになるから。 - ジュレカは自転車通学。
- アドリアンは成績優秀。比較的苦手なのは数学。
日本と違ってテストは点数じゃなくて評価ランクなんだな。 - アドリアン(プラッグ)のチーズ庫にドン引きして見なかったことにするリラ。
- 親切な消防士さん。でもハシゴを貸してあげた方がマシだったのでは……。
- アドリアンがレディバグのブロマイドを持ってるのを見て一気に声を低くするリラ、こわい。
- 身長の何倍もの高さを落下しても無事なマリネット。ギャグマンガか。
- なぜか公園で普段着で稽古をしているカガミと母君。スマホが気になっちゃう現代っ子カガミ。
- 竹刀で木を叩き折るカガミ。素の戦闘力が高すぎる……。
- ホーク・モス「オニチャン」
なんかおもしろい。 - リラのフルネームはリラ・ロッシ(Lila Rossi)。
- オニチャンの声だけですぐカガミと分かるアドリアン。
- オニチャン「注目には値しない。必要なのはお仕置きだ!」
カガミの武人しゃべりはかっこいいなあ。
吹き替えの声優さんは森なな子さんだ。スクイレルガールの声も凛々しくて好き。 - 登場時、妙におどろおどろしい演出でリラを脅すオニチャン。
- メールが来ると化け物が来ちゃうってホラー映画感、割と好き。
- いかにも殺傷能力の高いオニチャンに敢然と立ち向かうトムパパ、凛々しい。
- シャノワールがアドリアンのポスターに向かって「何笑ってるんだよ!」
- 「あのリラという少女……(`・ω・)」
「やるじゃないか!(*・∀・)」
褒めるモス。 - リラ回ではクロエの出番がなくなる……!
今回の記事はここまで。
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