フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第85話 クイーン・バナナ(Queen Banana)
クイーンといえばあのおかた。ハチのミラキュラスは正義の手に。
ストーリー
プロローグ
映画の衣装を製作しているマリネット。
夏休み中、学校の美術クラスで映画の自主制作プロジェクトが進められていた。
卒業生のアストラック監督やパリ市が協力するということからニュースで取り上げられて、ダブル主演のミレーヌとゾーイの練習風景がテレビに映される。
ニュースを目にしたクロエは、半分姉妹のゾーイが自分を差し置いて主演を務めることにカンカン。
練習中の美術教室に怒鳴りこんだクロエは悪徳プロデューサーのボブ・ロスを味方につけ、脚本を変えてゾーイの主演の座の奪い取った。
理不尽な真似にマリネットは憤慨するが、プロデューサーの決定には逆らえない。
ゾーイは主演じゃなくてもかまわないと言いつつ微妙な表情をのぞかせる。
アクマ誕生
仕方なくクロエを主演として撮影開始。
だがクロエは衣装がダサいだの自分が悪役なのが気に食わないだのとケチをつけ、権力を行使して脚本を変えさせる。
クロエは思いつきとパパへの脅しでキュートな黒と黄色のコスチュームを用意させ、スーパーヒーローの「クイーン・バナナ」となる。
さらにクールなバナナカーと、さらわれたイケメン(アドリアン)、そして悪者としてバナナ爆弾を投げるゴリラを用意させた。
しかしダンボール製のゴリラはお気に召さず、疲れたからと言ってさっさと帰宅してしまう。
残された映画製作チームはなぜか大人しくクロエの要求を呑もうとするが、マリネットの一喝で目を覚ます。
脚本を元に戻し、クロエがいない隙に撮影を進めてしまうことにした。
翌日、クロエはクイーン・バナナの衣装で意気揚々と撮影現場を訪れたが、既に撮影は完了していた。
映画館に駆け込むと、完成した映画をみんなが褒めたたえていた。ガブリエル・アグレストやボブ・ロス、アンドレ市長も満足しているらしい。
アドリアンにまで「謝った方がいい」とたしなめられてしまい、クロエは激怒して一人車に乗り込んだ。
計画通りクロエにショックを与えることができ、ガブリエルはほくそ笑みながらシャドウ・モスに変身。
アクマとアモクがクロエの帽子のバッジに宿り、クロエはクイーン・バナナへとアクマタイズされた。
センチモンスターはクイーンご所望の巨大ゴリラ、バナナブンブンだ。
バナナ爆弾に当たった人間はバナナに変えられてしまう。
ヒーロー登場
クイーン・バナナは仕返しをしようとゾーイを探す。
映画館が襲われ、マリネットとアドリアンはすぐにレディバグとシャノワールに変身する。
ラッキーチャームでスクーターとタイヤの修理道具を手に入れたが、使い方が分からない。
と、街を襲うクイーン・バナナとゴリラの前に、ゾーイが立ちはだかった。
ひらめいたらしいレディバグは、スクーターでゾーイを助け出す。
シャノワールはカタクリズムでクイーン・バナナを狙ったものの、かわされてセンチモンスターを破壊してしまった。
シャノワールが暴走ゴリラの相手をする一方、レディバグはゾーイを連れて地下鉄に逃げ込んだ。
ヨーヨーからハチのミラキュラスを取り出しゾーイに渡すと、ハチのクワミ:ポーレンが姿を現した。
ためらうゾーイだが、レディバグに励まされ「ポーレン、バズ・オン!」の掛け声とともにハチのヒーローへと変身した。
ヒーローの戦い
センチモンスターに押されるシャノワールのもとにハチのヒーローがさっそうと現れる。
ヴェノムの能力でセンチモンスターの動きを止め、シャノワールに「ヴェスペリア」と名乗った(ポーズも決めた)。
能力を使った二人はいったん変身を解き、再変身してクイーン・バナナとレディバグのもとへ。
シャノワールがカタクリズムでクイーン・バナナの乗るバナナカーを破壊すると、クイーン・バナナはレディバグを捕まえてバナナ銃を向ける。
そこにヴェスペリアが現れ、自分が新しいクイーン・ビーだと言ってクイーン・バナナを挑発。
その隙にレディバグはクイーン・バナナのガンホルダーに接着剤を流し込んだ。
クイーン・バナナはヴェスペリアを撃ってバナナに変え、勝ち誇りながらレディバグとシャノワールに向き直る。
だがガンホルダーに差してしまった銃を再び抜くことができない。
逃げようとするクイーン・バナナの足をヨーヨーで引っ掛け、シャノワールが髪飾りを破壊。
アクマを浄化し、ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
レディバグはマジカルチャームを渡そうとするが、クロエはレディバグを嫌って受け取らず走り去った。
シャドウ・モスは再びクロエをアクマタイズせんとアクマの蝶を飛ばす。
エピローグ
映画館に再び殴りこんできたクロエに、ゾーイが声をかける。
「みんなが嫌っても私はあなたが好き」と映画と同じセリフをかけ、クロエを抱きしめた。
ゾーイがママからもらったと言ってマジカルチャームを見せるとクロエは欲しがり、大人しく受け取って身に着ける。
シャドウ・モスのアクマが近づいてきたが、クロエに憑りつくことはできなかった。
結局クロエはゾーイにもアドリアンにも悪態をついて立ち去った。
陰から見守っていたマリネットとティッキーは、クロエがいい子になれるようひとまず祈るばかりだった。
感想とメモ
いやークロエお嬢様が絶好調。
前回から引き続き半分くらいクロエがしゃべってるような。
新生ハチのヒーロー、ヴェスペリア
ヴェスペリアの変身シーンかわいいです。
ヘアピンから触覚が生えて三つ編みに。ハチの模様が後から付いていく。
自信なさげだったゾーイだけど、変身したらすぐさま活き活きと飛び回っておられる。
悪党への声のかけ方とか、なんだか慣れた感じ。NY出身だしスーパーヒーローになじみ深いのかな。
普段空気読んで自分を偽っちゃう子だから、変身して自分から脱却したら活き活きできるのかも。
そう考えるとゾーイとアドリアンってちょっと似たタイプかもしれない。
ハチのミラキュラスのパワーは既に紹介済み。
刺した相手の動きを止められるヴェノムは、どんな場面でも役に立ちそう。
ヴェスペリアの身のこなしはほんとにハチみたいに身軽でしたね。
っていうかやっぱり、慣れてない? みんな初変身でこんなもんだっけ?
おかえりクロエ
黒と黄色のコスチュームにかわいいブロンド、これは人気が出る!
今回のクロエ、やっぱりクイーン・ビーになりたがってないように見せてますね。
シーズン3なら「クイーン・ビーに決まってるじゃない!」とか言いそうなものでしたが。
クイーン・ビーはやはりミラキュラスの力によるヒーロー=レディバグの仲間ってことになるので、今のクロエにとっては決別すべきものなんでしょう。
でもヴェスペリアに挑発されたら「クイーン・ビーはあたしだけ!」とか本音が出ちゃうお嬢様でした。
相変わらず、クロエはヒーローの側でいたいんだよね。
でも認めてもらえないからフラストレーションなんだよね。日頃の行いなんだけどね。
クロエは変わらず、環境は変わる
クロエの傷つきポイントも相変わらず、自分を蔑ろにされること。
マリネットをはじめ周囲の人間が成長してクロエの横暴を許さないようになってきちゃったから、クロエにとっては蔑ろにされてばかりな状況になってきてる。
クロエがアクマタイズすることが減ったということは、クロエ本人がアクマタイズされることが増えてしまうはず。
今度はクロエが成長しないとね。まだ子供なんだから。
マリネットはもうクロエなんか相手にしてないし、憎まれ口に憎まれ口を返すのもお手の物。
アドリアンはクロエを見放しこそしていないが、たしなめるところは遠慮はしない。
「もっと人に優しくするっていう約束を守れないのなら、これ以上きみと友達でいるのは無理だから」
英語だとはっきり「前にそう言ったよね」というセリフ。
しかし今のクロエはアドリアンのためだと思っても変わる気にはなれないみたい。変わろうとしても結局受け入れられなかったって思っちゃってるんだもの。
で、ゾーイだけは今までクロエの周りにいなかったタイプ。
「嫌われても私はあなたが好き。みんながあなたを嫌ってもね」
私もクロエが好きです。
じゃなくて、ゾーイのこのセリフはきっと本心で、家族のクロエに対して理由のない愛情を抱いてるんですよね。ほんとに主人公みたいな子だな。
クロエは周りの人間を「思い通りになる=愛してくれる」「ならない=愛してくれない」の2種類に分けて見てるようだけど、ゾーイが「思い通りにならないけど愛情を示してくれる」って初めてのタイプになってくれたら、何か感じ入るところがあるかもないかも。
……と勝手なことを言ってみたものの、今回のエピソードでゾーイの内心はほとんど描かれてない。
クロエ代わりに用意されたヒーローらしい子なんだろうなと思ってるけど、もうちょっと彼女の人物を理解できるエピソードが欲しいところです。
その他ポイントメモ
- 「バナナ食べる?」
エピソードタイトルはクイーン・バナナかぁ。 - 前もホラー映画撮ってたし、靴下人形映画も撮ってたし、マリネットのクラスにとってはお手の物か。
ゾーイは別学級だけど美術クラスでやってるプロジェクトから関係ないのかな。 - 「プロデューサーのボブ・ロス」
もう嫌な予感。他に芸能プロデューサーいないの? - 市長は映画撮影に意欲的。でも相変わらずワガママ娘に逆らえない。
- 「マリネットは不愉快、ホント不愉快」
「アタシそう言いました?」
「感じ悪くね」 - この話からゾーイの髪にピンクのメッシュ。パンツも破いてロックな感じになってる。
性格は別にロックな感じじゃないけどよく似合ってるね。 - 監督「プロデューサーの都合で、最後の最後で脚本を変えることは珍しくない」
そうなんですね。 - かわいい。
何がとは言わないでおきますが。 - かわいくないですか?
つまり、髪型とか、スカートとか……。 - アドリアンに持たれてるガブリエル、遺影みたい。
いつものツッコミができるとなんだか安心。 - 英語のクロエはアドリアンを「アドリキンズ(Adrikins)」って愛称で呼んでる。みんなもクロエキンズと呼んであげましょう。
- シャドウ・モスはクロエをアクマタイズしてやろーと思って映画から省いたらしい。
- 車の中でうずくまってるお嬢様愛くるしい。ミスター・カドリーをお持ちしろ。
- 「正体はバレない」とレディバグはおっしゃいますが、タイミング的に察せるような。
疑わないのかなあ、クロエ。あんな子をレディバグが選ぶはずないとか思ってるのかな。 - ゾーイはクロエがクイーン・ビーだったこととか知らないのでは……。
そもそもクイーン・ビーがなんなのかを知らないのでは……。
とか野暮なことは言わない。学校で話題になったりしたんじゃない? - 最後、アドリアンに呼び止められてビンッってなるクロエかわいくないですか?
今回の記事はここまで。
コメント
身も蓋もないことを言うとゾーイはヴェスペリア出したくて作ったキャラなんでしょうね。ていうか、この頃のクロエはゾーイの当て馬にされているところがありますね。そのせいでゾーイにもちょっと嫌な感じがしてしまいます。
クイーンバナナがクイーンビーカラーなの、まだ、クイーンビーに執着しているんでしょうかね。しかし、想像したヒーローの名を持つヴィランってのはなんか皮肉。
ゾーイには主人公補正的な不自然なものを感じちゃいますね。エピソードが足りなすぎる。
どっかからのスピンオフキャラだと思えばうなずけるなーと思うようにしてます。
クロエはミラキュラスはどうでもいいけど「クイーン・ビー」というアイコンを手放したくない感じですよね。
しかし、今までクロエがアクマタイズされるのは特別な話だけでしたが、もう普通にアクマタイズされるんだよって宣言されてる感があります。