フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第39話 ダーク・オウル(The Dark Owl)
ダークナイトじゃないよ。
ストーリー
プロローグ
放課後、アルヤと遊ぶ約束をしようとするマリネット。しかし校長先生に早く帰るよう促されるや、急に用事があったと言い出す。ニノと約束しようとしたアドリアンも、なぜか校長先生を見て用事を思い出した。
生徒たちを帰して一人になったダモクレス校長。
いそいそと校長室にこもったかと思うと、パソコンのAIに向かってなにやら奇妙な声を上げる。
反応しないAIにしびれを切らした校長が自分で隠し扉を開くと、そこにはスーパーヒーローの装備一式が。
スーツをまとったダモクレス校長は「オウル」に変身(お着替え)すると、町の平和を守ると言って外に飛び出していった。ホーホー。
アクマ誕生
飼い猫が木から下りられず困っている市民を発見したオウル。意気揚々と助けに入るが、市民は特に期待していない様子。木によじ登ったはいいが、手を猫に噛まれて落下してしまう。
危うく脳震盪を起こすところを、レディバグとシャノワールが助けに入った。
二人のヒーローは今週ずっと、オウルの「人助け」の尻ぬぐいをしているらしい。
自称ヒーローのオウルはレディバグとシャノワールに呆れられ、テレビでは「ヒーローの真似事」と茶化し気味に報道されている。
だが本人は気づいた様子もなく、オウルミスト(コショウ)の煙幕とともに姿を消した。ホーホー。
オウルの正体はレディバグとシャノワールにはバレバレ。
無茶を繰り返す素人ヒーローのお守に手を焼く二人は、一度ヒーローらしいことをさせて満足させてやろうと作戦を立てる。
翌日の放課後、レディバグたちに頼まれたアルヤが「ダンボールガール」というヴィランのフリをして、校長に電話をかけて誘い出す。
広場にやってきたオウルは悪党に戦いを挑むものの、やっぱりずっこけてしまう。
みんなに笑われ写真を撮られているところで、心配したレディバグがつい「ダモクレス校長、大丈夫ですか」と呼びかけてしまった。
正体をばらされたオウルはさめざめと泣きながら立ち去った。
その後、はた迷惑な自称ヒーローの正体がダモクレス校長だというニュースが報道され、校長先生はがっくり。
なんだか愉快そうなホーク・モスは、さっそくアクマの蝶を飛ばす。
アクマがPCへと憑りつき、オウルはダーク・オウルへとアクマタイズされた。
ヒーロー登場
突如テレビに流れるダーク・オウルの声明。
エッフェル塔に動物たちを捕まえて吊るしていると言うオウルは、助けたければ10分以内にミラキュラスを持ってい来いとレディバグとシャノワールに要求する。
それぞれの自宅でテレビを見ていたマリネットとアドリアンは、レディバグとシャノワールに変身!
ダーク・オウルは高性能AIのアルバートに命令し、闇夜にオウルシグナルを浮かべた。
ヒーローの戦い
スタジアムで待ち受けるダーク・オウル。
シャノワールが気を逸らしている間にレディバグが襲いかかるが、ダーク・オウルは普通に強かった。投げ飛ばされたあげく、オウルタロンのワイヤーでシャノワールもろとも縛られてしまう。
シャノワールのカタクリズムでワイヤーから脱し、スティックとヨーヨーで応戦。
怯ませた隙にレディバグのラッキーチャームで手に入れたのは、万年筆だった。
シャノワールがエッフェル塔爆発のタイマーを止めようとするが、リモコンのボタンを押しても効果がない。
戸惑っているうちにコンテナの中に閉じ込められ、その中がホイップクリームで満たされていく。
とうとうタイマーがゼロになって動物たちを捕まえたバスが落下してしまう――が、仕掛けはただのホログラムだった。
動物たちの心配はなくなったものの、迫りくるクリームは本物。
溺れたくなければミラキュラスを渡せと言われたレディバグは、万年筆のインクでコンテナ内に設置されたカメラを塞いだ。
そしてシャノワールに、信じてと言い聞かせる。
目を閉じたレディバグとシャノワールはコンテナの中で変身を解いた。
相手の正体を知ってつい声をあげそうになるプラッグを、ティッキーが無言でなだめる。
マリネットは目を閉じたまま、渡された指輪と自分のイヤリングをオウルが開いた受け渡し口に入れた。
ダーク・オウルは受け取ったミラキュラスをドローンに預けホーク・モスの元へ運ぶ。
勝ち誇るホーク・モスだったが、ミラキュラスは偽物だった。
ヒーロー再登場
変身を解いたおかげで再びシャノワールのカタクリズムが発動でき、二人はコンテナの外へ脱出。
目を閉じている間、マリネットはオウルをだますために作った偽物のミラキュラスを渡し、非常食のマカロンをティッキーとプラッグに与えて再び変身していたのだ。
シャノワールがダーク・オウルと戦う間、レディバグはアクマを探して再びラッキーチャームを発動。
手に入れたのはコミック「ナイトオウルの冒険(KNIGHT OWL)」。
それを読んだレディバグはオウルに執事がいると知り、アクマはオウルの本拠=校長室にいると悟った。
校長室に行きコンピューターを見つけたレディバグだったが、ダーク・オウルに捕まってしまう。
ミラキュラスを取られて変身が解けそうになりながらも、蹴りつけたコミックで棚のフィギュアを落下させた。落ちたフィギュアが本にぶつかり、あれやこれやピタゴラ・ファイナルディスティネーション・マーフィーの法則を発動させた結果、机の上のPCを転落させた。
壊れたPCから飛び出したアクマを捕まえ、ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
エピローグ
オウルは本当に効果的なやり方で人助けすることを学んだ。
今やすっかり街の人気者となり、今日も親愛なる隣人としてヒーロー活動を続けている。ホーホー。
マリネットはようやくアルヤと遊べるようになって一安心。
感想とメモ
ダモクレス校長、市長とクロエには頭が上がらない割に正義の心はあるのだ。
レディバグの大胆な作戦も光るぜ。
スーパーヒーロー、その名はオウル
空回りしてはいるものの、ヒーローとして実際に行動を起こす姿は決して悪いものじゃない。ホーホー。
ロボスタス回でプログラムが趣味の一つだと言ってた校長先生。あのAIも自分でプログラムしたのかな。
スーツや装備品の数々もお手製っぽい。
「オウル・タロン」はグラップリングフック(タロンってのは猛禽類の爪のこと)。「ホーメラン」はブーメラン。ゼルダの伝説かいな。
オウルは校長オリジナルのヒーローだが、元にしたのは「ナイトオウル」というコミックヒーローのようだ。どうみてもバットマン。アイテムもナイトオウルからのパクリなのかな。
蛇足だが、「なりたい」って願いは妄想の域を出にくいもの。
「○○になりたい」と夢見るとき、周りから「○○」と呼ばれて賞賛される姿ばかりを想像してしまいがち。つまり理想的な結果ばかりに注目している。
「ヒーローになりたい」ということは、格好いいコスチュームを着て格好いいアクションをかましたいということ? みんなから手を振って応援してもらいたいということ? それとも誰にも認められなくても、正しいと信じることに尽力できる人間でありたいということ? 自分を犠牲にしても、無辜の人間を災いから救う力を得たいということ?
世間から死ぬほど嫌われててもヒーローでありつづけるスパイダーマンなら、「あなたを見て自分もヒーローになりたいと思った」って言われたらきっと喜ぶだろう。
堕ちたヒーロー、その名はダーク・オウル
オウルより衣装もロゴもオシャレですね。
ダークナイトじゃあなくダーク・オウル。ラッキーチャームで出てきたコミックはナイトオウル。ロビンもいるよ。
バスに人間を詰めてたら「めちゃめちゃ悪党やんけ!」ってなってたけど、動物ってのがおとぼけな校長らしい。どうせホログラムなのに。
ダーク・オウル「猫を傷つけるわけないだろ」
アクマはマスクか武器に憑りつくと思ったけど、まさかのPC。本人が持ち歩いてないアイテムに憑りつくのは珍しい。アクマタイズによって能力が上がりスーパーコンピューターに。
オウル自身は身体能力運動能力が上がったくらいで、特殊能力らしいものは見えなかった。アイテムを駆使するタイプのアクマも珍しい。
マンガからヒントを得るマリネットはフレッド1に喜ばれそう。もともと別にコミック好きじゃないだろうに、ポイントが分かっておる。
レディバグとシャノワールの悪だくみ
ヒーローのファンの一般人が張り切ってヒーローの真似事をやりたがるってのもよくある話。
やめさせるには満足させてやればいいと思い、校長をだまくらかしてヒーローショーを演じようとしたレディバグとシャノワール。
アルヤとくすくす笑い合う顔なんかは、素のマリネットとアドリアンがやってたとしても不思議じゃない感じだった。ちなみにオリジナルのナンバリングだと、このときのアルヤはまだリナ・ルージュになってない。
しかし、あの作戦が成功したとしたら、オウルは調子に乗ってよりいっそう活動的になってたんじゃないかな。
校長先生も大人なんだから、物理的社会的な危険を諭してあげた方が効果的だった気がするね。
こしらえた偽物のミラキュラスが、本物のアクマとの戦闘で役に立つのはよくできたもの。
ホーク・モスって喜ぶと気が逸ってすぐだまされるのがおもしろい。いったん本物かどうか確かめようよ。
「本物のヒーローはこのレディバグと!」
「シャノワールだ!」
そういう名乗り毎回やってほしい。
ろくに説明されなくてもシャノワールはレディバグを信じて従うし、ティッキーはレディバグの意図を察する。さすがの信頼関係。
正体を知ったティッキーとプラッグ
クワミの二人も、シャノワールとレディバグの正体を知ったのは今回が初めて。
ひょっとしたらティッキーは知ってたのかもしれないけど、プラッグは素直にきょとんとしてた。
二人がマスター・フーに送り出されるとき説明を受けてたかどうかは分からないが。
プラッグが口をすべらせやしないかやや心配だが、クワミは持ち主の話はできないとかいう仕組みだったりするのかな。
ミラキュラスがたくさんあることも分かったことだし、クワミが集まるファンシー回もこれから楽しみなところ。
その他ポイントメモ
- オウルの”執事”はアルフレッドじゃなく「アルバート」。音声認識機能は要改善。
- このアニメはみんなディスプレイ一体型PCを使ってる。
- ここまでで、壁にスーツを隠してるのはクロエと校長。自らヒーロースーツを着たことがあるのもクロエと校長。反転ヒーローになったのもクロエと校長だ。
- 木に登った猫を消防士が助けるのはよくある様式美。現実にあるかどうかは知らない。
- レディバグとシャノワールがオウルに手を焼いている間、空気を読んでおとなしくしてるホーク・モス。
さっさと本物のアクマが出てくればオウルも無茶だって分かったのでは。
むしろホーク・モスはこのようにおもしろくなることを予想して見守ってたのかな。 - マリネットお得意の工作。金属加工ができるんだからボール紙なんてもうお手の物。
- 夜なべして工作するマリネットの隣でねんねしてるティッキーがかわいい。
- オウル「誰だ!? どうやって私の正体を!」
一度言ってみたいやつ。
英語では「How do you know my secret identity!」いつ正体がバレても困らないように覚えておきましょう。 - ヴィランっぽい高笑いがうまいアルヤ。何やらせてもうまいんだから。
- アルヤの部屋がじっくり映るのは何気にはじめて?
- アルヤの部屋にはキュートなキャプテン・マーベルことマジェスティアのポスターが。
そういえばサポティス回のアルヤのパジャマはマジェスティア柄だった。 - アルヤの部屋にはレディバグとシャノワールのミニフィギュア。
- アルヤの部屋にはコミックがいっぱい。”THE CRAWLING DEAD”ってのはホラーっぽい。
- アルヤの部屋にはでっかい地図が。押しピンと赤い糸で手がかりをつないでたりはしない。
- ダンボールガールってクソダサいけど、英語のまま「カードボード・ガール(Cardboard Girl)」って言うとちょっとアリな気がする。
- ダンボール衣装が意外とショボかった。一晩で作ったから仕方ないね。
- 毎度きっちりカメラ目線のオウル。
- コスチュームにマントが付いてるのはレトロな風情。
マントってゴージャスには見えるけど、アクションするときは邪魔だよね。絡まりそう。 - 普通に「ダモクレス校長」って呼んじゃうレディバグ。いくらバレバレだからって……。
- クララのPVに合わせて踊るティッキー。
- 突然リアルになったアルバートのお顔は、共同監督のヴァイオレット氏だそうです。男前ですね。
- レディバグとシャノワールが遠隔で会話してるのは、ちゃんとイヤホンマイクを付けてたからだったらしい。ヨーヨーとスティックがまさかのイヤホンマイク付属。
- レディバグのヨーヨーは望遠鏡機能付き。今回オウルに触発されたのかガジェットを見せつけてくる。
- シャノワール、技モーションなしでカタクリズムを発動するのは初めてだ。
- なぜクリームなのか。水でいいじゃん。マカロンがなくてもクリーム食べたらティッキーとプラッグのパワー回復できてたのかな。
オウルクリームなんていう得体の知らないもん食べたくないか。 - ミラキュラスのイヤリングは片方でも取られると変身がとけてしまうらしい。
片方だけホーク・モスが持ってもパワーは発揮できないんだろうけど。
今回の記事はここまで。
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