ミラキュラス レディバグ&シャノワール:ストーリーと感想【第38話 サポティス】

フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。

話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら

第38話 サポティス(Sapotis)

マリネットとアルヤの仲良し回。狐のミラキュラスをもつ新ヒーローが登場!

ストーリー

プロローグ

マリネットアルヤの家にお泊り。アルヤはお出かけしているママの代わりに、いたずらっこの双子の妹たちを寝かしつけていた。
双子はいたずらがバレても、昔話に出てくるサポティスのせいにしてごまかすのが得意技。
まだ寝たくないとだだをこねる双子だが、アルヤは明日遊園地で元気いっぱい遊んだ方がいいと言いくるめた。

アクマ誕生

邪魔なお子様がいなくなったところで、マリネットアルヤはパジャマパーティーの準備。
レディバグの情報を分析して正体に迫れそうだと語り出すアルヤに、マリネットはレディバグが正体を隠すのには理由があるんだろうと言いかける。
が、ベッドから抜け出した双子がいたずらを繰り返し、その度に話が邪魔される。
アルヤは初めのうちは優しく叱っていたが、仏の顔も三度まで。とうとう双子をベッドに連れ戻し、「明日の遊園地はなし!」ときつく言いつけた。

怒られた双子の不満を感じ取ったホーク・モスは、アクマの蝶を飛ばした。
双子がかぶっていたサポティスの帽子にアクマが憑りつき、双子はサポティスへとアクマタイズされた。

ヒーロー登場

寝室で騒ぐ声を聞きつけたアルヤが叱りに行くと、飛び出してきたのは二人のサポティス
サポティスは部屋中を飛び回ってお菓子をむさぼり食らい、食べるほどに分裂して増えていく。
開いていた窓から飛び出したサポティスたちは、夜のパリを混乱に陥れた。

アルヤが外に飛び出していったところで、残されたマリネットはレディバグに変身。
街中にサポティスがはびこる様をテレビで見たアドリアンも、シャノワールに変身して駆けつける。

ヒーローの戦い

サポティスの一人を捕まえて帽子を破壊してみたものの、アクマは出てこない。
大量のサポティスの中から本物を見つけ出さないといけないようだ。

かたっぱしから帽子を破壊していくレディバグとシャノワールだが、らちが明かない。

レディバグはラッキーチャームでオリエンタルなヤカンを入手。
使い方が分からないと思っていたら、シャノワールが口走った「カンフー」の言葉にひらめいた。
ラッキーチャームが示したのは同じヤカンがある場所に行けということ。つまりマスター・フーの整体院だ。

マリネットは変身を解いて整体院に赴き事情を話した。
マスター・フーは助けが必要なのだろうとうなずき、ミラキュラスの納められた宝石箱をマリネットの前で開く。一つ選んで信頼できる者に渡すよう促した。
力は正義のためだけに使い、決して悪の手に渡してはならないこと。そして任務が終わったら必ず返すこと。
マスターと約束したマリネットは、狐のミラキュラスを選んだ。

新ヒーロー登場

公園でサポティスを説得しようとするアルヤの元に、再び変身したレディバグが姿を現した。
正体を隠す、力は正義のために使う、そして事が済んだらミラキュラスを返すことを約束してもらい、レディバグは狐のミラキュラスをアルヤに渡した。

狐のミラキュラスはしっぽの形のネックレス。クワミはちょっと生意気そうだが元気なトリックスだ。
「トリックス、レッツ・パウンス!(Trixx, let’s pounce!)」の掛け声とともに変身!

一人でサポティスと格闘するシャノワールの元に、レディバグと狐のヒーローが駆け付ける。
リナ・ルージュ」を名乗る新たな仲間をシャノワールも歓迎した。

ヒーローの戦いその2

レディバグはラッキーチャームで一輪車を手に入れ、二人とともに作戦を決行。

まずレディバグが自転車タクシーと三角コーンのメガホンで「遊園地サポティランドがオープン!」と宣伝して回る。いたずらし放題、お菓子食べ放題と誘われ、サポティスたちは無邪気につられてレディバグの後に付いてきた。

そこでリナ・ルージュが初めての能力発揮。
ミラージュによって豪華な遊園地の幻を生み出すと、サポティスたちはますます夢中になり遊園地まっしぐら。

サポティスを細い路地に連れ込んだレディバグ。
一輪車のタイヤに熊手を取り付け、シャノワールのスティックをつっかえぼうにして路地に設置。その下を通るサポティスたちの帽子を、熊手が次々にひっかけて投げ上げる。
それをゴミ箱の中に受け止めて、カタクリズムでゴミ箱を破壊すればすべての帽子が破壊されることに。
飛び出したアクマの蝶の浄化し、ミラキュラス・レディバグで落書きされた市長の肖像画も元通り。

エピローグ

変身を解いたアルヤは大興奮。このままミラキュラスを持っていたいと訴えるが、レディバグは当然認めない。
変身が解けるからと立ち去ったレディバグは、「あなたを信じてる」と言い残した。
アルヤはトリックスに「君は信頼できる人だから、このままヒーローになろう」と言われたものの、「信頼」の言葉を噛みしめると、レディバグが姿を消した扉の向こうにミラキュラスをそっと返した。

アルヤの家に戻ってきたマリネットに事情を聞かれたが、アルヤは自分がヒーローになって解決したことは話さなかった。

安心したマリネットは、「新たな女の子のヒーローがいたらしい」とアルヤをからかってみせるのだった。

感想とメモ

新ヒーローがほんとカッコイイし、アルヤとの正体隠し問題もひとまず解決してよかったよかった。
マリネットとアルヤの仲良さそうなやりとりも微笑ましい。

追加戦士の登場だ!

オープニングにシルエットが映っていたヒーローの一人が登場!

その名も「リナ・ルージュ(Rena Rouge)」、キツネのミラキュラスによってアルヤ・セザールの変身した姿。
テーマカラーはオレンジで、アルヤによく似合う。めちゃめちゃカッコイイ。
ポニーテールがふさふさした尻尾のよう。スーツの後ろは燕尾服みたいに長くなっていてたいへん上品。
背負った長い笛が武器(シャノワールとちょい被り)で、殴るだけじゃなく、吹けば幻を生み出すことができる。
変身時の掛け声は「レッツ・パウンス(Let’s pounce)」。「パウンス(pounce)」は「獣が獲物に飛びかかる」みたいな意味。能力は「ミラージュ(Mirage)」だから飛びかからないけど。

ヒーロー名はアルヤがとっさに命名。
フランス語で「リナ(rina)」は狐(renarde)の略、「ルージュ(rouge)」は赤。赤い狐。お湯を注ぎたくなるね。

マリネットは狐のミラキュラスがヴォルピーナと同じように幻を操る能力だって知ってたみたいだ。
幻を作るのって相当強い能力だけど、ネタが割れてると使いにくくなるかもね。

リラがヴォルピーナにアクマタイズされたときも、確かに似たようなコスチュームだった。見比べると分かるけど細部は違う。
リラの方がアクマっぽくてアルヤの方がヒーローっぽく見えるのは……顔のせいかな。
そもそもリラが持ってたネックレス自体が本物のミラキュラスにそっくりだった。おばあちゃんにもらったって言ってたけど、おばあちゃんはどうやって手に入れたのか。おばあちゃんは狐のヒーローに会ったことがあるのか?

トリックスは、真面目なティッキーとかウェイズよりも、プラッグ系の自由な態度。
一筋縄じゃいかなそうな感じ。最後にアルヤを惑わせたのも、逆のことを言ってアルヤ本人に決断させようとしたんじゃないかとか勘繰らせる。

ミラキュラスはたくさんあった

ミラキュラスの宝石箱は三段構造。
以前までは最上段の七つだけが見えていたけど、一段目二段目の引き出しにもミラキュラスが収められている。

引き出しに描かれた文字の動物は十二支を表してるようだ。
空色の鼠、青い牛、赤紫の虎、青系の兎、赤い辰、浅葱色の蛇、黄色系の馬、白の羊、黄色の猿、黄色系の鶏、柑子色の狗、藤色の猪。
漢字は中国の字らしくて日本の字とはちょっと異なる。
兎は辰の下、鶏は狗の下で、消去法で馬は羊の下。何色なのかってのと、アクセサリーがどういうものかは見えたり見えなかったり。

7個+12個で合計19個。
意外と多いね。

マスター・フーはミラキュラスがホーク・モスのような悪の手に渡すことを何より恐れている。だからこそ今回は一時的にレンタルするだけで、任務が終わったら返すようにと約束させた。
マリネットが「わざと」返さないような心配は確かにないけど、「うっかり」なくす可能性は考えなくていいのかな……。レディバグ状態ならまあ大丈夫か。

が、新たなヒーローが即席で登場したことで、ホーク・モスは「ミラキュラスのガーディアンがパリにいる」と確信してしまった。
これからますます危険が高まるぞ。

双子ちゃんとサポティス

アルヤの妹はエタとエラ。

以前からマノンをあやすのが上手だったアルヤだけど、普段から家でいたずらざかりの双子をあやしていて、慣れてるんだね。頭ごなしに言いつけるんじゃなくて、子供たちが興味を持つような言い方をするのがさすが。

サポティス(Sapotis)ってベファーナみたいなヨーロッパの妖怪かと思ったけど、このアニメオリジナルの妖精らしい。

今回は一つの帽子にアクマが憑りつき二人の女の子がアクマタイズされた。
ギター・ヴィランはペットのワニ付きで、ディスペア・ベアはクマのぬいぐるみ付きだったけど、二人が本体としてアクマタイズされるのはこれが初めて。二人の気持ちがぴったり合ってたからこそ一対のアクマになれたのかな。

サポティスは二頭身で赤い肌と牙を持ち、頭にはプロペラ、腰蓑と金の輪っかを身に着けてる。アルヤが一目で分かったあたり、伝説に出てくるサポティスそのままの姿らしい。

増殖するのはグレムリンみたい。
今までにないタイプのアクマで、子供じゃなかったらおびき出すのは大変だったろう。

レディバグの正体を分析するなら

アルヤがレディバグの正体話をするのは割と久しぶり。
ファラオ時代の壁画に描かれたレディバグ像を見つけており、録音した声を分析して自分たちと同じくらいの年齢だとも突き止めたらしい。
声を分析するってんなら、知り合いと照合して一致するかどうかを調べるのが第一なのでは。

レディバグがまさか5000歳なわけないってアルヤは言ってるけど、どうせ魔法なんだし、ありえなくはないんじゃない?

そもそも「普段は一般市民だが、変身してヒーローになる」っていうのがコミックヒーロー的な考え方であって、世を忍ぶ仮の姿なんて存在しないかもしれないじゃない。普段はアストラル体で誰にも見えず、ミラキュラスの力で実体化してるのかも。それは本人たちにしか分からないはず。
正体探られたくないんなら、ヒーロー自ら「正体は秘密」とか「変身が解けたら一般市民に戻ってしまう」とかを口走るべきじゃないんであろう。単にコスチューム着てるだけならそうはいかないけど、魔法の力だってのはみんな知ってるんだから。

一緒に正体を隠せばいいじゃない

正体を探られる前にアルヤ本人に正体を隠させるってのは、レディバグもなかなかの策士。
これは非常に安心する要素なのだ。
今後アルヤにレディバグ=マリネットが知られる展開があったとして、アルヤが傷つく度合いは圧倒的に少なくなったわけ。自分もマリネットに正体を隠していたし、マリネットがアルヤを信頼してヒーローに選んでくれたんだからね。

正体を明かして仲間に引き入れるのはなんか「馴れ合い」感があって好きじゃないけど、正体を隠して仲間に引き入れるってのはいい感じ。あまり見かけないタイプの展開。

自分がレディバグなら親友のマリネットには絶対に打ち明けると言ってたアルヤ。

みなさんがヒーローならどうします?みんなには正体を隠しても、大切な人には打ち明ける?

第一に、マリネットには打ち明けない方がいい。彼女は隠し事ができない。ボロを出して情報が広まる可能性がある。
第二に、誰に打ち明けて誰に打ち明けないかをどう決める?隠し事をしたくないっていうんなら、家族にも打ち明けるのか?もし恋人ができたらその人にも打ち明けるのか?

自分だけに関する隠し事なら、そりゃ打ち明けるかどうかは本人が決めればいい。「実はファンフィクションを描いてる」とか、「実は『雰囲気』を『ふいんき』だと思ってた」とか。
一方、他人が絡む隠し事ならどうだ。「実は恋愛禁止アイドルのAちゃんと付き合ってる」とか。それはその人の秘密であると同時にAちゃんの秘密でもある。自分が隠し事をしたくないからって、Aちゃんの許可を得ずに誰かに話すのが本当に誠実な人間か?
あるいはアルヤが「実はシャノワールの正体がアドリアン」と知ったとして、マリネットには隠し事をしたくないからといって教えるのか?

つまり、「隠し事をしない」を突き詰めると「人の秘密を守れない」のと同義になってしまうわけで、あんまり自慢できる特技とは言えないよ。

でもアルヤもそんなこと言って、レディバグ本人に秘密にしてと頼まれるや驚くほど素直にうなずいた。
実際にマリネットにもちゃんと秘密を守ってるし、野次馬根性が強いように見えてちゃんと分別のある子なのだ。
……憧れの「正体を隠したヒーロー」になれて喜んでるだけかもしれないけど、まあいいじゃない。

「ヒーロー同士でも正体を隠すべき」ってシャノワールに向かってしっかり言うのが頼もしかった。

クワミの名前の共通点

トリックスの名前が変なつづりだと思ったら、これがクワミの名前の共通点なんだね。

  • ティッキー(Tikky)
  • プラッグ(Plagg
  • ヌールー(Nooloo
  • ウェイズ(Wayzz
  • トリックス(Trixx

アルファベットの重なりがある。
重なってるアルファベットに意味があるんだとするとおもしろいけど、英語だけの話だから、ストーリー上の意味はないのかなあ。ミラキュラスが19個でクワミも19人なんだとすると、アルファベットが余るし。

その他ポイントメモ

  • アルヤの家のリビングにはたくさんの鳥や動物たちのスケッチが。ママはシェフだから、パパの方がそういう関係の仕事だったりするのかな?
    ……と思って調べたら、アニマンの動物園のおじさんがアルヤのパパだった。言ってたっけ?
    そう思うとおじさんがマリネットの誕生日会に来てたのも納得納得。
  • レディバグは作中でもアニメ化してるらしい。日本っぽい絵柄だと思ったら、あの絵はミラキュラスの企画段階で東映アニメが作ったやつらしい。
  • パジャマ姿のマリネットとアルヤが並んでると、体形の違いがよく分かる。
  • アルヤは本当にレディバグの正体を知っても秘密を守るんだろうけど、「助けてあげたいから隠している正体を勝手に探る」っていうのはひとりよがりだよ。正体知られたらミラキュラスの力が消える、とかだったらどうすんの。
  • 双子ちゃんの子どもらしい願いにタジタジするホーク・モス。
    ジャイガンタイタンで子供には懲りたかと思ったけど、言葉の通じる年齢ならイケると思ったのか。結局遊園地に負けて操れてないし。
  • ちゃんとシートベルトをしめてくつろぐジャゲッド。さすがロックスター。
  • 猛スピードの車に乗せられ女子みたいに叫ぶジャゲッド。さすがロックスター。
  • シャマクさんいっつも緊急事態の中継してるけど、毎回テレビ局に駆け付けてるの? 働きすぎでは?
  • チーズを金庫にしまいこむプラッグ。ナタリーが見たらアドリアンがやったと思ってドン引きしないか心配。
  • スパイダーマンみたいにぶらさがるレディバグと、スティックに乗って生えてくるシャノワール。何気なくいい画だ。すき。
  • またパジャマで外をうろつくマリネット。慣れてはダメだ。
  • スーパーパワーを持つと視力回復するのかな。スパイダーマンみたいに。
  • リナ・ルージュは胸が豊かですね。
  • リナ・ルージュにもなれなれしく軽口を利くシャノワール。レディバグみたいに呆れるんじゃなくてジョークで返してくれるのがいいね。
  • シャノワール「ニャオー」
    「チャオ」って言いたいのか。

今回の記事はここまで。


 

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