ミラキュラス レディバグ&シャノワール:ストーリーと感想【第37話 ロボスタス】

フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。

話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら

第37話 ロボスタス(Robostus)

人間になりたいロボットに翻弄されるホーク・モスはおもしろい。

ストーリー

プロローグ

忘れ物を取りにロッカーに入ったマリネット
そこでマックスがバッグに向かっておしゃべりしている怪しい姿を目撃する。

アクマ誕生

科学教室でPCの不調に困るメンデレーエフ先生に手を貸そうとするマックス
断られてすごすごと席に戻るマックスのバッグから何者かが声を発し、「ウイルスに感染している」と状況を解明した。
校長先生に頼まれてウイルス除去を図るマックス。彼のバッグから飛び出したのは小さな丸いドローンの「マルコフ」だった。
マックスはマルコフと一緒に開発したというワクチンソフトをPCに適用し、ウイルス除去とデータの復旧を果たした。

マックスの技術力とマルコフの存在にクラスメイトたちは大喝采。
マルコフも得意げな様子だが、メンデレーエフ先生におもちゃはしまえと言われ、自分はおもちゃじゃないとむっとする。
結局、校長先生に取り上げられ、マルコフは校長室の引き出しにしまいこまれてしまった。

マルコフの寂しさを察知したホーク・モスは、ロボットだろうと差別することなくアクマの蝶を飛ばした。
アクマはマルコフのCPUに憑りつき、ロボスタスへとアクマタイズした。

ロボスタスは街中の機械という機械を操ることができる。
自動車や自販機に襲われた人々は大パニック。

ヒーロー登場

マリネットは、マルコフを心配するマックスを思いやり、わざと先生を怒らせて校長室行きの罰を食らう。
廊下で校長先生にマルコフを返してもらうよう頼んでいたところ、校長室からロボスタスが飛び出してきた。

ロボスタスは街から重機や自動車を集めて組み合わせ、巨大なロボットを造り出した。

異様な状況を悟ったマリネットは、レディバグに変身!

ロボスタスは巨大ロボットの頭に付けた自動車内に陣取り、マックスを見つけると捕まえて助手席に座らせた。マックスのそばにいることが彼の願いらしい。

アドリアンもトイレに隠れてャノワールに変身!

ヒーローの戦い

レディバグシャノワールはロボスタスに説得を試みるが、機械のすごい力で街の外に投げ飛ばされてしまう。
ロボスタスはマックスを連れてどこかへ飛び出していった。

レディバグとシャノワールが機械に襲われている人々を救っているうちに、ロボスタスは市長の椅子を奪っていた。
新たな市長と名乗る者はテレビ中継で「人間は感情のないモノとして扱われることになる」と宣言した。

ロボスタスの足跡を追ってスタジアムに飛び込んだ二人だが、自動車や重機に待ち伏せされていた。
ショベルカーに捕らえられてしまった二人は、ロボスタスが二つのミラキュラスを奪って人間になる願いを叶えようとしていると知る。
ホーク・モスが止めようとするが、ロボスタスはホーク・モスの地下室に備えられた警備システムを操って攻撃を始めた。

あわやミラキュラスを奪われるという瞬間、マックスが助けに入った。
マックスはショベルカーを操ってレディバグとシャノワールを解放し、ロボスタスに前の姿に戻ってほしいと訴える。

聞き入れずに暴走を始めるロボスタスを前に、レディバグはラッキーチャームを発動。
ハープを出現させたものの、ラッキーチャームが危険だと知っているロボスタスの重機ロボが取り上げてしまった。
シャノワールのカタクリズムで重機ロボを破壊してハープを取り戻すと、上空で勝ち誇っているロボスタス本体の上に投げ上げた。同時にシャノワールが投げたスティックでハープが壊されると、降ってきた弦がプロペラに絡まってロボスタスは落下する。

そこをヨーヨーで捕らえたレディバグ、マックスのバッグから拾ったワクチンソフトを差し込むと、アクマの蝶がCPUから飛び出した。
出てきた蝶をリベール・デュ・マールミラキュラス・レディバグですべて元通り。

再起動したマルコフは何も覚えておらず、元の無邪気な様子に戻っていた。

エピローグ

マスター・フーに会いに行ったマリネットは、レディバグとシャノワールのミラキュラスを同時に手にするとどうなるのかと尋ねた。

二つを手にすると特別な祈りによって究極のパワーを手に入れ、現実を創り出すことができるという。
だが不用意に願いを叶えようとして世界のバランスを崩すと何が起こるか分からない。

だからミラキュラスを守らねばならないと言うマスター・フーに、マリネットは自分が必ず守ると決意を新たにした。

感想とメモ

重要な情報が出てくる回であることに免じて、マルコフの設定は気にしないことにしよう。彼は人間の心を持ったロボットなんだよ、そうだとも。

進化を果たしたマックス

ゲーマー回ではただのゲーマーだったのに、ちょっと目を離した隙にスタークインダストリーもビックリの技術力をつけたマックス。お前はスーパーヒーローか。

マルコフは人間の子どもみたいな物言いをする高性能ロボットで、マックスは彼を育成しようとしてるようだ。
マックスがいいやつなのは分かってるから安心だけど、邪悪だったらかなりキケン。

だからホーク・モスはマルコフじゃなくてマックスを再びアクマタイズした方がよかったんじゃないの。
マックスが邪悪になったらパリ中のカメラやマイクから入ってきた情報を読み解いて、ヒーローの正体が分かったかもしれないぞ。

わがままなマルコフ

自分でプログラムしたロボットを「人間と同じ感情があるんです」と謎の自信とともに言い切るマックス。
ペッパーみたいに疑似的なホルモン分泌を組み込んだのかな?

でも感情があることと、マックスとマルコフの要求を聞き入れてやることは別の話。
むしろ人間扱いするのであれば、マックスが勝手に弟を学校に連れて来たことになるわけで、そりゃ怒られる。
授業中に勝手なおしゃべりをした上にマックスにしがみついてやだやだ離れないとだだをこねるんだから、まるでわがままな子どもである。
マックスも人間扱いを主張するんなら、勝手に学校に連れてくるべきじゃないぞ。マスコットキャラクターを連れたスーパーヒーローじゃあるまいし。

マリネットもなぜか「おもちゃじゃないからマックスに返してあげて」と校長先生に訴えに行くけど、なんでや? マックスが悲しそうだったから?
むしろ感情をコントロールできず問題を起こすかも、って理由で返してもらうべきだったんじゃないのか。

ちなみに「感情を検知・生成する仕組みがある」ことと、それがゾンビでなく人格を持つということはこれまた別の話。
人格があるかどうかなんてサイキックじゃなきゃ証明できないからね。

まあ、ゾンビであろうとベイマックスは愛くるしいし、マルコフはわがまま小僧である。
そして顔はかわいい。

機械を操るロボスタス

ロボスタスは機械を操ることができる。
機械?電子機器?ねじまき時計とかは?

操れたとして、そもそも自動車とか自販機に浮き上がる機能は付いてないんじゃねーのと思うけれど、アクマタイズは魔法なんだから突っ込んじゃダメなのである。

見た目は色が変わっただけで、アクマタイズされたのかバグってるのか判断つかない感じ。
中身としてもあんまりアクマタイズされる前と変わったようには思えない。マックスのそばにいたいっていう一番の思いは変わらないようで、「引き離されたくない……(´;ω;`)」と哀れっぽい声を出すのがちょっとかわいい。

言動にも作戦にも、ロボット感というものはほぼない。
精密な動作とか計算とかを繰り出してくるわけでもなく、それこそマックスが普段言ってるような「分析」の程度。
おまけにわざわざ自動車のハンドルを握ったり、「取り囲め!」って発話で自動車を操ってるような挙動。
「ロボットじゃない感」を表現したいんなら別にいいんだけど、今までにないロボットっぽいアクマなのかなって期待したから……。

そしてなぜかワクチンソフトによってアクマの蝶が出てきた。今までのアレだとCPUの実物を破壊しないとダメだと思うけど、マルコフを踏みつぶすのはグロいから却下だったのかな。

アクマタイズされたから感情があるってアドリアンは言ってるけど、ホーク・モスのミラキュラスの能力は「人に能力を与えること」であって、マイナスの感情があるかどうかは関係なかった気が……。
マイナスの感情を増幅させてアクマ化を受け入れされるのは、ホーク・モスがあの蝶に与えてる能力だとしたらいいんじゃない。

しかし、ロボスタスの能力の方がホーク・モスより強いってのはどう考えてもご都合。今までそんなことなかったんだから、今回だけそうだってのはおかしい。
でも自分の警備システムと格闘して疲れ果てて「二度とやらんもんね!」って言ってるホーク・モスがおもしろいから許そう。

願いをかなえるミラキュラス

久しぶりに登場したマスター・フーと亀のクワミのウェイズ。

創造の力を持つレディバグのミラキュラスと、破壊の力を持つシャノワールのミラキュラス。
二つを同時に手にした者は計り知れないパワーを得る……ということを、レディバグとシャノワールは知らなかった。ホーク・モスがなんでミラキュラスを狙ってるのかも知らなかったんだっけ。

強大なパワーは善にも悪にも使えるけど、悪用されないように善の者が守るべき、というのはよくある話。
悪用されるくらいなら破壊しちゃえばいいのにってのもよくある話だがマリネットは言い出さなかった。
レディバグはアクマを浄化する特殊能力を持ってるけど、シャノワールの方はなくてもなんとかなるんじゃない?
そうできない理由があるんだろうけど。

ともあれ、ミラキュラスを守ると決意するマリネットの面持ちは実に凛々しかった。

その他ポイントメモ

  • 冒頭のクラスメイトと移動するシーンで、クロエとサブリナもみんなの輪の中に入ってるっぽいのがほほえましい。
  • 計算キャラがよく言う「○○の確率は×パーセント」ってのはギャグにしか聞こえない。
  • ティッキー「カバンの中に親友が入ってるってこと?」
    マリネット「そんなの変だよね!」
    ポシェットの中の親友といつもしゃべってるマリネットがなんか言ってる。
  • キムはマルコフのベータ版を見てたらしい。マックスと仲良しだから見せてもらってたんだ。
  • クロエは「人間らしい」ロボットの存在に懐疑的。私もです。でも開発過程は気になる。
  • 校長先生も実はプログラミングが趣味。
  • ホーク・モスがロボットに対してなんのためらいもなくアクマの蝶を飛ばすってことは、やはりアドリアンのボディーガードも……。
  • いつもの「校長室へ行きなさい!」を利用する賢いマリネット。
  • ホーク・モス「ダメだ! ミラキュラスで叶えるのは私の願いだ!」
    ブリブリ王国の秘宝を思い出すのは私だけかな。
  • レディバグ「こんなことしてマックスが喜ぶと思うの!?」
    ロボスタス「(○ ○)!」
    顔がかわいい。
  • 当然のようにスティックをプロペラのように回して宙を飛ぶシャノワール。
    なにその技。そんなんできたの。
  • 元ミスター・ピジョンの鳩好きおじさんことラミエルさんが久しぶりに登場。だから何ってことはないけど。
  • ロボスタスは早く人間になりたい。このへんも古き良きメルヘンのかおり。
  • ホーク・モスの杖は仕込み刀だったらしい。珍しくアクションするホーク・モスが見られるのは今回が初めて。でもその相手が自分の警備システムってのはちょっとかっこわるい。
  • ティッキーにお茶をふるまうウェイズ。
  • マスター「(ロボスタスは)人間になろうとして人間らしさを失いかけたろう?」
    いや、めちゃめちゃ邪悪な人間らしかったけど。

今回の記事はここまで。


 

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