フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第36話 ゴリジラ（Gorizilla）
ガブリエル・アドリアン親子の非常に重要な回なので文量が多い。
アクマは今回の主役ではなく舞台装置であります。
ストーリー
プロローグ
ガブリエル・アグレスト氏の仕事中、息子のアドリアンが話を聞いてほしいと部屋に入ってくる。
後でと言って追い返したが、アドリアンが右手の薬指にはめた指輪がどうにも気になる。
シャノワールが同じように右手の薬指にミラキュラスをはめていて、それがアドリアンの指輪と似ているのだ。
まさかと思ったガブリエルが部屋に乗り込むと、アドリアンはいなかった。
ピアノの音だけを流して、部屋にいるフリをしていたらしい。
激怒したガブリエルはナタリーとボディーガードにアドリアンを探させる。
一方その頃マリネットは、家でアドリアンの香水のCMを眺めてうっとりしていた。
アクマ誕生
パリの街はアドリアンの香水のポスターですっかり埋めつくされている。
そんな中をアドリアンがうろついていると、熱狂的なファンらしい男の子（ウェイヘム）に声をかけられた。アドリアンとまったく同じ服を着た彼は本人を前にして大興奮し、勝手に写真を撮ってSNSにアップした。
彼のアップした写真を見たボディーガードは、位置情報をたどってアドリアンの元へ向かう。
アドリアンは見つかるまいとするが、香水のCMのせいでみんながアドリアンに注目し、興奮して追いかけてくる。
その頃まだうっとりしていたマリネットは、アルヤの電話で急かされて大慌てで家を飛び出す。
ティッキーにパジャマのまま出てきたことを指摘され、またも大慌てで家に戻ろうとしたところ、ファンから逃走中のアドリアンとバッタリ出くわした。
噴水に隠れたもののすぐに見つかり、さらに逃げる二人は地下鉄のホームへ。
家を脱走したアドリアンが怒られやしないかと心配するマリネットに、アドリアンは「ラッキーチャームがあるから大丈夫」とマリネットがプレゼントしたお守りを見せて笑った。
が、そこにやってきたボディーガードとファンたちに挟まれてしまった二人。
運よくやってきた電車に飛び乗り、逃走は成功した。
残されたボディーガードはファンにもみくちゃにされた上、地上に戻ればまた駐禁を切られて車がレッカー移動されそうになっており、おまけにガブリエルからは電話で叱責を受けてしまう。
ボディーガードの怒りと苦悩を高めたところで、ガブリエルは地下室へ。ヌールーの力でホーク・モスへと変身し、アクマの蝶を放った。
蝶がアドリアンのラッキーチャームに憑りつき、ボディーガードは巨大怪獣ゴリジラへとアクマタイズされた。
ゴリジラはラッキーチャームに残されたにおいをたどってアドリアンを探す。
ヒーロー登場
アドリアンとマリネットは変装して映画館に逃げ込んでいた。
実は映画館に来るのがアドリアンが部屋を抜け出した理由。
今日一日だけ、アドリアンの母親が主演の映画が公開されるのだ。他に見る手段のない幻の映画を、アドリアンは誰にも邪魔されずに見たかった。
エミリー・アグレストの姿がスクリーンに映るのに、アドリアンは思わず変装でかぶっていたヘルメットを外す。
だがその瞬間をまたも写真に撮られ、一瞬で押し寄せたファンに囲まれてしまった。
そこに地響きと共に現れたゴリジラ。巨大な手で映画館の屋根を突き破り、アドリアンをさらって行ってしまった。
落ちてきたヘルメットを拾ったウェイヘムは、アドリアンを救い出さんと奮起してゴリジラを追う。
残されたマリネットもレディバグに変身して後を追った。
ヒーローの戦い
アドリアンを握ったままビルへと駆け上ったゴリジラをレディバグが追う。
さっそくラッキーチャームを発動してラジコンヘリコプターを手に入れたものの、レディバグもゴリジラに捕まってしまった。
レディバグはラジコンを操作してゴリジラの顔を攻撃、緩んだ手の隙間から抜け出した。ヨーヨーの糸を親指に巻いてこじあけ、アドリアンに「飛んで！」と促す。
レディバグを信じてゴリジラの手から飛び降りるアドリアン。
そのままビルの下へと落下してしまうが、またもゴリジラの手がレディバグを捕まえる。
ホーク・モスはシャノワールなら変身して助かるはずと思ったが、アドリアンはただ落ちるばかり。とうとう我慢できずゴリジラにレディバグを放せと命じた。
レディバグはすぐさまアドリアンを抱えて無事に着地。追ってきたゴリジラから逃走を図る。
アドリアンマニアのウェイヘムは逃げろと言われたものの、アドリアンのピンチを放ってはおけない。ゴリジラの足につかみかかり、その顔にアドリアンの香水を吹きかけた。もうアドリアンのにおいは分からない。
レディバグはシャノワールが来てくれることを信じ、アドリアンをオトリにした作戦を決行。
レディバグが地下鉄に姿を消したところで都合よくやって来てくれたウェイヘム。アドリアンは彼にお願いし、ヘルメットを被ってオトリ役をやってもらうことに。
ゴリジラがやってくると、そこにはアドリアンらしき少年とシャノワールの姿が。
二人が同時に存在することでアドリアン＝シャノワール説が否定され、ホーク・モスは安堵する。
シャノワールはレディバグの作戦通り、カタクリズムで地下鉄の真上の道路を破壊。
ゴリジラが道路の穴にはまって動けなくなったところで、地下鉄で待ち受けていたレディバグがポケットからお守りを奪取、アクマを浄化してすべて元通りに。
エピローグ
アドリアンは身代わりを引き受けてくれたウェイヘムにお礼を言う。
写真をアップしたことを謝ってくれるウェイヘムに、アドリアンは追っかけじゃなくて友達になろうとメールアドレスを教えてあげた。
家に戻ったマリネットはアドリアンとの映画デートに今更大興奮。
アルヤからの電話で、プールの前で待ってるからさっさと来いと笑われた。
帰ってきたアドリアンを、ガブリエルは叱らなかった。
互いを信じることが大切だ、隠し事はやめてほしいと言い聞かせると、アドリアンも微笑んでうなずく。
親子二人でエミリーの映画を見ることに。
そんなアグレスト家の地下のどこかには、不思議な空間が秘められているようだった。
感想とメモ
ゴリジラってエピソード名がなんともそぐわない重要回である。
アドリアンがシャノワールである疑いは晴れたものの、ボディーガードがアンドロイドである疑いは濃くなるばかり。
各種要素がいい具合に絡み合っておもしろかった。一番とってつけたのはラッキーチャーム。
息子を疑うガブリエル
ガブリエルはレディブログもしっかりチェックしてる。
サイモン・セッズ回でもアドリアンの指輪が気になっていたガブリエル。きっと息子の身に着けるものは全部把握してるんだろうから、見知らぬ指輪をいつのまにかつけてることが不審だったんだろう。
結局あっさり疑いを拭うのは、その直前にビルから落ちたアドリアンへの心配が高まってたからか、そんなはずはないと願っていたからなのか。
そしてアドリアンがたびたび姿をくらましていることを今更知る。
アドリアンが一人で出かけることはちょこちょこ許可してたはずだが、それも大人しくしてるときは大人しくしてると信用してたから。
抜け出した前科ができちゃうと今後の規制が厳しくなりそうなものだが、最後に和解してた感じだと大丈夫か。
アドリアンを厳しく管理するのは、決して失いたくないから。
とすると今回ボディーガードがアクマタイズされたのは、ホーク・モスが意図して狙ったと考えられる。アドリアンをさらわせるアクマだから、自分の命令を必ず聞き入れる者じゃないと信用できなかったんだろう。
とするとやっぱり、ボディーガードさんはアンドロイド……。
クワミのヌールーは久しぶりに登場。余計な口を利かないよう封じられてた気がしたが、いつもってわけじゃないようだ。
ホーク・モスの変身シーンも久しぶり。最後のポーズでちょっと首を傾げるのがいい。
インクレディブル・ゴリジラ
ボディーガードさん、アドリアンが「わざと」逃げ出してるって気づくきっかけは今までなかったんだったか。アクマ出没のどさくさにまぎれて姿が見えなくなるのはあったけど。
見た目はインパクトあるし、彼がアドリアンのボディーガードっていう認識はみんなあるんだが、なぜか名前を呼ばれない。ガブリエルはもちろんアドリアンすら呼ばない。「ボディーガードとナタリー」である。「ボディーガードと秘書」なら公平なのにね。
やっぱりアンドロイドか。でも電柱殴って痛がってたし、そもそもアクマタイズされてるからには感情があるはず……。
同じように無感情に見えるナタリーは、ちゃんと自分の意思でガブリエルのために働いてる様子は分かる。
でもボディーガードさんには「与えられた仕事をこなす」以外の動機があるのかいまいち読み取れない。ジャイガンタイタン回でアドリアンを見つけたときの表情はなんだか温かく見えたが、それもアドリアンへの愛着があるからなのかは分からないのだ。
アクマタイズはわかりやすい野獣化。キングコング＆ゴジラだけど、ゴジラ成分は特にない。パンツだけ履いてるのはハルクっぽい。
いつもあのガタイで上品な身なりしてるのがクールだから、クールなアクマにしてほしかったけど仕方ない。
しかし、アクマタイズされるとたいがいは「その人の闇の面」が発現させられるものだが、ゴリジラの意思はまるで見えず、どこまでもホーク・モスの命令に従うばかり。
とするとやっぱりボディーガードさん、アンドロイド……。
人気モデルアドリアンと大ファンのウェイヘム
CMで純白の衣装に身を包むアドリアン、シャノワールの漆黒の衣装と対照的。
あまりにも普通に学校にいるから忘れそうになるけど、アドリアンは人気モデルで有名人。
それが香水のCMのせいで一躍時の人になってるようだ。
自分の名前を香水につけられて、そのCMとポスターがパリ中にばらまかれてる状況って、なかなか恥ずかしいね。クロエみたいな子なら嬉しいんだろうけど、アドリアンはそういうタイプじゃない。
ファンの彼はグラシエーター回でマリネットをぬか喜びさせたやつ、名前はウェイヘム（Wayhem）。
Tシャツの模様と靴の色が違うけど、パッと見はおんなじ服装である。
等身大パネルまで持ってるあたり、マリネットに負けず劣らずのアドリアンマニア。いつもそれ持ち歩いてるの？
うっとうしいアドリアンのコスプレ野郎かと思いきや、非常にぴったりの場面で登場。
- ホーク・モスはアドリアンがシャノワールなんじゃないかと疑っている。
- ウェイヘムは首から下がアドリアンと似た格好で、等身大パネルを持ち歩いている。
- アドリアンはヘルメットをかぶって変装している。
これ以上ないってほどの彼の出番。香水でにおいを消す作戦もあまりに有効。
しっかり役に立ててよかったね。
悪気があるわけじゃないし、勝手に写真をアップしたこともちゃんと反省していたウェイヘム。
いい友達になれればいいね。挙動不審っぷりはマリネットで慣れっこのアドリアンなら大丈夫でしょう。
アドリアンのお母さん
アドリアンのお母さんについてここまではっきり触れられるのは初めて。
ものすごく美人なのは分かっていたが、女優だったのだ。
名前はエミリー・アグレスト（Emilie Agrest）。
冒頭でアドリアンが父に相談しようとしたのは、映画を見に行く許可がほしいということ。
以前よりは距離が近まったように思えた親子だけど、アドリアンはまだ父親に相手にされてない・愛されてないんじゃないかっていう思いを拭えていないらしい。
だから禁止されるのが怖くて正直に相談できなかった。
ガブリエルがアドリアンに「信頼してほしい」って言うのは本心なんだよね、お互いだましてるなんてつもりはないんだから。
サイモン・セッズ回でもそうだったけど、この親子が仲良くなればなるほど先の絶望的な展開を心配してしまう。
最後に映された謎の場所。
細い通路の先に大きなカプセルらしいものが置かれていたように見える。空間全体は無機質なのに、その周りには緑が飾られ、光が注いでいた。
ホーク・モスは妻を取り戻すことを望んでいると思われる。とすると、あのカプセルの中には……。
その他ポイントメモ
- 「きらめく心地よい夢の香り、アドリアンフレグランス！」
新しいヒーローかな。 - ガブリエルは巨大なタッチパネルで仕事をしてる。いつも立ってますね。
- ガブリエルってよく見たら、眉は白髪だけど髪はプラチナブロンドだな。
- マリネットが出オチすぎる。
- マノンの2Pカラー。
- おっ、水着回……と思わせるだけ思わせておいて水着はなし。
- 冒頭からふにゃふにゃしてたマリネットが、アドリアンがファンの大群から追われてると分かって「こっちに来て！」とキリッとするのがかっこいい。ヒーローモードになっちゃうんだから。
- アドリアンの写真の通知が届くのはなぜ？特定のタグの写真が上がったら通知しろって設定してるのかな？ガブリエルがいつもいつもアドリアンの評判をSNSでチェックしてると思うとおもしろいけど、ガブリエルが持ってたスマートフォンはアドリアンのものだったのかな。置いてったってことか。
- マリネット「嫌……かな……？」
うわめづかいがかわいい。 - オリジナルのエピソードナンバーだと、フライトニンゲールよりこっちが先。マリネットがあげたラッキーチャームが先に再登場したのはこっちの話だった。
- ウェイヘム「アドリアンのボディーガードだぁ！」
もうアドリアン関係ならなんでもいいのか……と思ったら、まさかのスマートフォンを奪ってアドリアンに電話をかけるウェイヘム。番号メモるような狡猾さはなくてよかったね。 - マリネットはホラーが苦手。あれ、ホリフィケーターはホラー映画じゃなかったんだっけ？
- アドリアンママの映画の製作「A・ブルジョワ」はたぶん市長（アンドレ・ブルジョワ）。
- チケット買ってないやつを通すなよ、映画館。
- なんかあちこちでスパイダーマン感がただよう。
レディバグがビルのフロアを突っ切るところとか、ビルから落ちたアドリアンを救ってヨーヨーの糸を垂らして着地するところとか。 - ホーク・モス「アドリアンとシャノワールが同じ場所にいる。勘違いだったのか……まあ良かった(´ω｀)」
にっこりホーク・モス。本当に安心してるっぽい。 - アクマタイズが解けて地面にすわりこんでるボディーガードさんがなんかかわいい。動物みたいだ。
- 早々にラッキーチャーム使った割に、その後のレディバグの活動時間がいつもより長かった気が。まあ今回ラッキーチャームの意味はほとんどなかったしね。
- パジャマ姿でアドリアンといちゃつく写真がネットに出回ったマリネット。大丈夫かな。ファンの子に刺されたりしないかな。
今回の記事はここまで。
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