フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第40話 サイレン(Syren)
水没したパリの街を、水のパワーで救い出せ。
ストーリー
プロローグ
動物園から逃げた動物を捕まえようと奮闘している、レディバグ、シャノワール、そしてリナ・ルージュ。
アクマ誕生
プールに来ているキムは、スーパーヒーローの活躍を見て憧れている様子。
そこに友達のオンディーヌが、リストバンドのキーケースに秘密を書いたのメモを入れてプールに投げる遊びを始めた。
喜んで探しに行ったキムがメモを読むと「好きな人が気持ちに気付いてくれない」と書いてあり、どんな鈍いやつだと笑うキム。
次のメモにはもっとはっきり気持ちを書いたオンディーヌ。
だがキムはクロエと映画に行くんだと(⁉)言って、メモを読まずに立ち去ってしまった。
メモに書いたのは愛の言葉だったのに。
一人涙する人魚姫を見ていたホーク・モスが、アクマの蝶を飛ばす。
アクマはリストバンドへと宿り、オンディーヌはサイレンへとアクマタイズされた。
サイレンの涙はとめどなく流れ、プールを満たしていく……。
その頃3人のヒーローは動物を捕まえて事件を解決していた。
そそくさとリナ・ルージュを連れて立ち去ろうとするレディバグに、シャノワールは自分だけ蚊帳の外だと不満げな様子。
ミラキュラスを回収したマリネットは、映画の約束は置いといて急ぎマスター・フーの元へ。
ヒーロー登場
整体院に赴いたマリネットはマスター・フーに促され、シャノワールが隠し事をされるのを嫌がっているのと相談する。
マスターは「沸騰していないお湯で蕎麦は茹でられない」、つまり何事もタイミングが肝心と言い聞かせた。
マスターの方はクワミに特別な力を与える薬を調合中。例の呪文の書を解読し、海藻と真珠が必要なことは分かったが、最後の材料「喜びの涙」が何を意味するのかが分からないという。
と、アルヤに呼ばれたマリネットは、すっかり忘れていた映画の約束に駆け付ける。
なんとか間に合ったのはいいが、突如映画館の床が浸水し始めた。
みんなで屋上に避難して見渡すと、パリの街全体が水で満たされてしまっている。
キムだけは喜んでプール感覚で水に飛び込んだが、現れたサイレンに捕まり、水中に引きずり込まれてしまった。
嬉しそうに笑うサイレンはキムを傷つけるつもりはないらしく、キムも呼吸ができるように泡のヘルメットをかぶせてくれた。
マリネットは助けを呼びに行くと言って一人水の中に漕ぎ出し、物陰でレディバグに変身。
一方、自宅に戻っていたアドリアンは、レディバグに信頼してもらえないことに落ち込んでいた。
プラッグからレディバグの正体を聞き出そうとチーズの銘柄を並べ立てて誘惑していたところで、浸水に気付いてシャノワールに変身。
ヒーローの戦いの前に
息を止めて水中の様子を探るレディバグ。
ヨーヨーの糸を巻き付けてキムを取り返そうとするが、水中では自由に動けずサイレンにかなわない。
水上へ投げ出されたところをシャノワールにキャッチしてもらって、さっそくラッキーチャームを発動。
潜水艦が出ると思いきや、現れたのはオリエンタルな香炉。
察したレディバグは戦場を立ち去るが、訳を話してもらえないシャノワールはやっぱり不満顔。
ヒーローパワーアップ
変身を解いたマリネットはマスター・フーの元を訪れる。
屋上で薬の調合を続けていたマスターは、やはり最後の材料が分からず悩んでいた。
マリネットは「喜びの涙」は比喩ではなく本物ではないかと言って、すっごく面白いギャグを次々繰り出しマスターを笑わせる。マスターの笑い泣きの涙を鍋に入れたら、魔法の薬が完成した!
おいしい薬を飲んだティッキーに、マリネットは「ティッキー・パワーアップ!」と掛け声。
ティッキーの体の斑点が光り、「アクアティッキー」へと姿を変えた。
「アクアティッキー、スポッツ・オン!」でアクアレディバグに変身だ!
レディバグはマスターに「そろそろ蕎麦を茹でるタイミング」と語り掛け、水中に飛び込んだ。
残されたシャノワールはレディバグの隠し事にすっかり拗ねていた。ヒーローなんかもうやめると言い出すが、プラッグがさみしそうに引き留める。
そこに、どこからともなくマスターが登場。アドリアンに先ほど作った薬を渡した。
ヒーローの戦い
キムをプールに連れて行き、用意した王座に座らせるサイレン。鈍いキムに自分がオンディーヌだと明かし、自分と同じようになって水の中で生きていきましょうとキスを誘う。
そこにアクアモードのレディバグとシャノワールが登場!
シャノワールがサイレンと戦う間、レディバグはキムに事情を聞き、アクマはリストバンドの中だと悟る。
アクアラッキーチャームで車のキーを手に入れると、キムを連れてこっそりプールを脱出、水上に逃がした。
気づいたサイレンが追いかけてくるのを、ひらりひらりと泳いで逃げるレディバグ。
水中に浮かぶドアの開いた車を通り抜け、サイレンが車の中に入ったタイミングでシャノワールが車を殴ってエアバッグを膨らませる。エアバッグに挟まれたサイレンを車に閉じ込め、鍵をかけた。
水上に出た二人は、シャノワールのスティックとレディバグのヨーヨーの糸で車を一本釣り。
悠々とドアを開けてサイレンのリストバンドを破壊し、ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
エピローグ
マスター・フーは調合作業を続けていたようで、全部で7色の薬を分けてくれた。
いつも持ち歩くよう言われたマリネットは、薬を入れた特製ミニマカロンをこしらえた。
キムはこの間自分勝手に帰ってしまったことを悪く思い、オンディーヌを映画に誘って仲直りしていた。
マスター・フーは中国語の先生の代理だと言って、アグレスト家を訪れていた。
アドリアンの部屋で改めてあいさつ。ミラキュラスを守る最後のガーディアンだとプラッグが紹介してくれる。
マスターはプラッグのための薬を練り込んだチーズをアドリアンに渡した。
そしてガブリエル・アグレストは、自分もパワーを手に入れようとヌールーに迫る。だが呪文の書はガーディアンしか読めないと言われ、パリのどこかにいるガーディアンを見つけ出そうと決意するのだった。
感想とメモ
二段変身、属性変身って興奮する。
今回パリの街が水浸しでいつもと違った雰囲気。
ただパワーアップの話が立て込んだもんだから、水中戦闘シーンは控えめで残念。
新しいパワーのレシピ
レシピはクワミには秘密だというマスター・フー。知りすぎたクワミが悪党に利用されることを恐れているらしい。
それというのも、ホーク・モスに捕まったヌールーの例があるからなのだ。
プラッグが変身嫌いなのは薬がまずいからかと思ったけど、チーズにしてもダメならそういう問題じゃないんだろう。なんで嫌いなん?実はつらく苦しいのかな。
ティッキーとウェイズによると薬はおいしい。
今回マスターがくれたのは7色の薬。
赤、黄色、緑、ピンク、パープル、オレンジ、青。
水の力は緑だった。青いのは水じゃなく「冷たい」能力らしい。きっと赤は「熱い」んだろう。
属性変身ってのは心が躍るね。
新たな力、アクアパワー
今回手に入れたのは水のパワー。
アクアティッキーはおててとあんよが魚のヒレのようになって、普通にそういう生き物みたい。
アクアレディバグは髪と髪飾りがちょっと伸び、マスクとスーツにウロコ模様。腰にベルトのようなポイントと、肘と足には泳ぎやすそうなヒレ。
髪が伸びたせいかいつもより大人っぽい雰囲気。
アクアプラッグとアクアシャノワールへの変身シーンは残念ながらカット。
シャノワールの衣装は、足と肘、それにしっぽもヒレになってるようだ。髪型変わらないんだ。
アクアプラッグの見た目はエンドカードでわかる。手足が緑のヒレになってて、たいへん愛くるしい。
いずれも水中を自由に動き、呼吸と会話もできるようになる。ゾーラの服である。
ただ足がヒレになるので地上での活動には制限がかかるんだろう。
のけものシャノワール
リナ・ルージュの正体や仲間に引き入れた事情を教えてもらえず、シャノワールはすっかりすねてた。
自分がヒーローとして信頼されてないように思えてしまったわけ。
シャノワールはいつでも無条件にレディバグを信じてるから、レディバグに信用されてないと思うとショックなんだね。
マスター・フーの整体院はマリネットも「あまり来ないように」と言われてたし、ミラキュラスを隠してることだって秘密だから、軽々しく教えるわけにはいかないのだ。
整体院の場所を教えちゃったら、シャノワールと鉢合わせするリスクができちゃうし。
でもレディバグが隠していた存在のマスター・フーと会って、レディバグが直接事情は話せないまでも、自分のことを思いやってくれてると信じられたようだ。
レディバグはこれまで何度かマスター・フーと会ってミラキュラスのオリジンとか事情を聞いてたけど、そういえばシャノワールはずっと放置されてたんだね。
呪文の本はアドリアンも見てたんだし、気にはなっていたはず。
今回、マスターは本の話もアドリアンに伝えたのかなあ。お父さんがそんな本持ってるのはなんでなんだって悩みそうだが。
しかし、プリンセス・フレグランス回みたいにプラッグが病気になってたら、やっぱりティッキーと同じようにマスターのところに行ってたのかな。もしくはチーズで治ってたか。
鈍いキムに恋するオンディーヌ
スイマーの女の子オンディーヌは、フライトニンゲール回のMVにも出演してた。見事な肩幅。
「オンディーヌ」っていうのは水の妖精の名前だったりする。劇団オンディーヌではない。
片思いの恋煩いでアクマタイズされた人って意外と少ない。その数少ない例がキム(ダークキューピッド)だったりするんだけど。
「サイレン」も海に棲む妖精というか妖怪の名前をもじってる(英語だとつづりが違うけど)。
といってもアクマのサイレンは声を使った攻撃をしてくるわけではない。
人魚のような姿で水の中を自由に動き、水の中でも呼吸や会話が可能。
濃いピンクの肌に紺色のそばかす、ヘルボーイみたいな短い角がちょいとおどろおどろしい。
キムはラノベの主人公かってくらいにベタに鈍い。「鈍い野郎だな!」って自分のことと知らずに言っちゃうのもベタ。
キムはまだクロエのことが好きみたいで、みんなで映画に行く約束も「クロエと」だと勝手に思い込んでた。クロエがいないとわかってしょぼんとするのがちょっとかわいい。
鈍いふるまいをしつつ、オンディーヌの秘密のメモに自分への想いが書いてあったことはちゃんと察した……のかな? それともサイレンが直接説明したのかな。察したんだとすると、本当はキムも意外とオトナってことになる。
それにしても、やっぱりキムとマックスって主人公コンビっぽくない?
マルコフが入るとなおさらである。ディズニーチャンネルのドラマっぽい。
マリネットのすっごくおもしろい話
日本語の方はおもしろさがすぐさま100%理解できたと思うので、英語版も紹介。ああおもしろい。泣きそう。
(夜にベッドに行くのはなぜ?)
Because the bed won’t come to you!
(ベッドが来てくれないから!)
(上下するけど動かないものは何?)
Stairs!
(階段!)
「太陽」って答えは秀逸だけどおもしろくはないね。
(カタツムリがカメの背中に乗ったらなんて言う?)
“Wooohooo!!”
(「超スピードだぜ!!」)
(「今何時ですか?」)
It’s the right time
(ふさわしい時だ)
その他ポイントメモ
- また動物園から動物が逃げた。アクマのしわざではないらしい。
- リナ・ルージュはあれからもときどき召喚されているようだ。ニュースでも名前を呼ばれ、すっかり知られる存在になってる。
- 足の親指を耳に入れて嬉しそうなキム。安心してください、履いてますよ。
- ものすごくどうでもいい話だが、男子の乳首を描かないのって日本アニメだけだよな。なんで描かないんだろう。ヘソがないような違和感を覚える。
- クロエト、エイガノ、ヤクソク……?
- 「Je t’aime」は「ジュテーム」と読む。漢字で書くと門構えに火。
- みんなで見に来た映画は「メカモンキー対サイバーシャーク3」。
- マックスはマルコフと一緒。勝手にベラベラしゃべらないようにしつけしたようだ。
- そろってマスターにお願いするティッキーとウェイズが愛らしい。
- チーズでプラッグの口を割らせようとする悪い子アドリアン。
- ウェイズ「塩が足りないかもしれません」
味で判断なの? - マリネットのためにチケット持っててくれるアルヤ、優しい。
よく遅刻する人がいたらスーパーヒーローなんだろうと思うと許せるかもよ。 - アドリアンは映画に誘われなかったのか?変身中だから断ったのかな。
- みずびたシティー。
- ホーク・モスの地下室は防水構造なのかな。
- レディバグがシャノワールに横抱きされてる図は割と珍しい?
- マスター・フーはゲラ。
- ホーク・モスはもちろんパワーアップのことは知ってる。彼も例の本をある程度は解読してたってことなのか。
- ホーク・モスが王子様王子様と言い続けてるのがおもしろい。
- レディバグのヨーヨーは酸素ボンベにもなる。なんでもありかいな。
- 今回はカタクリズムの出番なし。
- マスター・フー「この試験管をいつも持ってるといい」
試験管を持ち歩くマリネットを想像すると笑える。 - ゴリジラ回ではガブリエルの髪がプラチナブロンドに見えたけど、今回は普通にシルバーだ。塗り間違いか。
- 敵の本拠地とは知らずに赴くマスター・フー。視聴者だけが緊張感を味わう。
クワミがいる気配とかわからないのかな。 - アドリアンの部屋にカメラ付けるほど監視体制が厳しくなくてよかったよね。
プラッグがボロ出さないのもなかなかがんばってる……と言えるのか、そもそもアドリアンはあんまり気にされてないのかな。
今回の記事はここまで。
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