フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第51話 マユラ(Mayura)
今回は前後編、ヒーローズ・デーのパート2。50話からそのまま続きます。
大量発生するアクマ、黒幕ホーク・モスとの対峙、そしてピーコックのミラキュラスのパワー。
ストーリー
プロローグ
エッフェル塔に降り立ったホーク・モス。カタリストによって力を増幅されスカーレット・モスと化している。
アクマにあがめられる姿を見せつけながら、パリ市民のためにミラキュラスを渡せとレディバグとシャノワールに呼びかける。
プライム・クイーンが実況する中、レディバグ、シャノワール、リナ・ルージュ、キャラペイス、クイーン・ビーが赤いアクマ軍団に立ち向かう。
ヒーローの戦い
5人のヒーローは息のあった動きで、向かってきたアクマたちを浄化した。
レディバグはラッキーチャームでテニスラケットを手に入れ、ホーク・モスを倒す作戦を考える。
だがホーク・モスとカタリストにとってはこれも想定内。
ダーク・キューピッドが放つ矢によって強制的にマイナスの感情が生み出され、ホーク・モスの放つ大量の蝶によって、アクマタイズが解けた人々が再びアクマタイズされていく。
ダーク・キューピッドの矢に狙われたキャラペイスを、リナ・ルージュが身を挺してかばった。
キャラペイスへの愛が憎しみに変わったリナ・ルージュ。抵抗もむなしく、アクマの蝶によってリナ・レイジへとアクマタイズされてしまった。
その様にショックを受けたキャラペイスもまた、シェルショックへとアクマタイズされる。
さらにディスペア・ベアに動きを封じられたクイーン・ビーまでが、クイーン・ワスプへとアクマタイズされた。
大ピンチの状況。
シャノワールのカタクリズムで地面を破壊し、レディバグとシャノワールはひとまず下水道に逃げ込んだ。
帰ってきたヒーロー
二股に分かれた下水道で、それぞれ一度変身を解いたマリネットとアドリアン。
勝てるのかと不安がるマリネットを、壁を隔てた向こうから、いつものコンビなら大丈夫とアドリアンが勇気づけた。
二人はアクアモードのレディバグとシャノワールに変身して水路を進み、サイレンとアニマンのアクマを浄化。
地上に出るや今度はフローザーが街を凍らせたが、これもすぐに浄化した。
プライム・クイーンのドローンカメラに向かって、レディバグとシャノワールが帰ってきたと宣言する。
放送を見ていた市民たちは希望を取り戻した。
街に跋扈する赤いアクマたちに自ら立ち向かい、レディバグとシャノワールを手助けしてくれる。
ヒーローの戦いその2
とうとうエッフェル塔でスカーレット・モスに対峙する二人。
シャノワールはカタクリズムを手にまとい、レディバグはラッキーチャームでミラキュラスの宝石箱を入手。
だがスカーレット・モスを追いつめようとする二人を、ヴォルピーナが陰からうかがっていた。二人の前にいるモスは幻影だったのだ。
ヒーローの背後から忍び寄る本物のスカーレット・モスの姿が、レディバグが手にした宝石箱の蓋に映る。
慌てて身をひるがえしてアクマの蝶を避け、今度こそ本物の黒幕と格闘。
カタクリズムで杖を破壊すると、カタリストに与えられたパワーが消え、スカーレット・モスはホーク・モスに戻った。それとともにカタリスト以外のアクマタイズも解除されていく。
窮地に焦るカタリストは、ガブリエルが隠していたピーコックのミラキュラスを手にした。
捨て身のホーク・モスは手ごわかったが、アクマタイズが解けたリナ・ルージュ、キャラペイス、クイーン・ビーが応援に駆けつけてくれる。
今度こそ追いつめたと思われたそのとき、白い羽根がホーク・モスの杖に宿った。
ホーク・モスに語り掛けたのは、ナタリーがピーコックのミラキュラスで変身したマユラ。マユラは彼の絶望から巨大な蛾の怪物を生み出した。迫りくるヒーローたちを吹き飛ばした隙に、ガブリエルは逃げおおせることができた。
残されたレディバグたちは、ピーコックのミラキュラスの持ち主がホーク・モスの仲間だと悟っていた。
ミラキュラス・レディバグでパリの街をすべて元通りにし、ひとまず一件落着。
エピローグ
ガブリエルが家に戻ると、ナタリーは疲弊しきった様子だった。ピーコックのミラキュラスは壊れているから使うなと言ってあったことを指摘しつつも、ありがとうとナタリーに笑いかける。
マリネット企画の試食会は、みんなの持ち寄りピクニックに変更していた。リラはみんなの楽しそうな様子を家の窓から見て渋い顔。
アドリアンもせっかく参加しに来たものの、急にチャリティイベントに呼ばれてしまった。残念そうにしながらも、アドリアンはマリネットに「人助けをする君はみんなのレディバグだ」と笑いかけてくれる。
立ち去ろうとするアドリアンをマリネット呼び止め、思い切って頬にキスして「ありがとう」と返した。
感想とメモ
ヒーロー終結も、アクマラッシュも、マリネットの成長も、ホーク・モスとミラキュラスの謎の手がかりも、シーズン2のクライマックスにふさわしい。
変身を解いたレディバグとシャノワール
下水道のシーンはぐっとくるものがあった。
目を閉じてお互い変身を解いた状態になるのはダーク・オウル回でもやったけど、今回はその状態で会話をしてる。
いつもは冷静にリードするレディバグが不安を口にするのを、お調子者のシャノワールが明るく勇気づけた。
なんだか象徴的で、レディバグの変身を解いたマリネットは精神的な武装も解けて不安になっちゃった感じだけど、アドリアンはいつものシャノワールとほとんど変わらない発言。
マリネットの変身は「マリネットの上からレディバグという鎧を着こむ」もので、アドリアンの変身は「アドリアンからシャノワールに着替える」もの、という構造がなんとなく見て取れる。
それはそうと、声で「あれっ?」と思わんのけ?
変身してるときは不思議な力で声が判別できなくなってるんだろうとこじつけてたけど、変身解いてたらそうはいかないよね。特にマリネットなんか、アドリアンの声なら一瞬で分かりそうだけど。
ヒーローズVSヴィランズ
スマブラみたいでわくわくする。
スカーレット・モスに再びアクマタイズされたのは、プライム・クイーン、ギター・ヴィラン、フライトニンゲール、ストーミーウェザー、リポスト、マイム、ファラオ、プリンセス・フレグランス、ロジャーコップ、ダークキューピッド、アニマン、ホリフィケーター、ゴリジラ、ジャイガンタイタン、ゲーマー、グラシエーター、スタイル・クイーン、マレディクテーター、ディスペア・ベア、サイレン、ダークブレード。
格闘系のアクマはともかく、
ファラオ、ロジャーコップ、フレグランス、フライトニンゲール、マレディクテーターみたいにビーム当てたら動きを制限できる系の能力はもっと積極的に使うべきだったのでは?
ダークキューピッドの能力は活用してたけど、それよりマレディクテーターに直接「ミラキュラスを外す」命令をさせてた方が手っ取り早かったような。
カガミが「レディバグのアクマ化」にショック受けてアクマタイズされたってのはちょっと意外。動じなさそうなのに。
アクマタイズされたことがあるけど今回は回避できたのは、ジュレカ、バスティエ先生、オウル、ノラ、エタとエラ、ジュレカ、ルカ、アナルカ、マノン、ジーナ、マーク。
ヒーローチームの活躍はまだまだ
まあ、今回アッセンブルした3人は噛ませ犬だったわけだが。
冒頭の連携プレーでヒーローチームの強さを見せておいて、それがアクマに転じてしまったときの絶望を強化した。視聴者たる我々にもマイナスの感情を生ませにかかったわけである。
ともあれ今回はお祭り状態って感じで、アクマとヒーローがたくさん入り乱れるのは見てて楽しかった。
だが、素でアクマタイズされちゃったのはきみだけだよ、カメくん。
彼がヒーローになったのもアルヤを守るためだったから、必然といえば必然。
クロエもパパママの登場で戸惑ってアクマタイズされるかと思えば、単にディスペア・ベアに隙をつかれたってだけ。意外にも精神的に脆弱なところはなかった。サブリナをいじめるのだけは通常営業。
ピーコックのミラキュラス
すっかり忘れていたが、サンドボーイ回でサスが言っていた「ピーコックのミラキュラス」は、ガブリエルがエミリーの写真と一緒にしまいこんであったのだ。
ピーコックのミラキュラスは「壊れている」という衝撃の事実。そのせいで使った人間のエネルギーを著しく消耗させるらしい。クワミが一体どういう状態なのか気になるところ。もしくはクワミがいない、とか。
マユラはアクマみたいな禍々しめの見た目だった。
能力はどうやら人の絶望を利用して、その人を守護するモンスターを召喚すること。
マイナスの感情を利用するというのは限りなくホーク・モスの能力に近く、かつミラキュラスの本来のパワーとは思えない。これも「壊れている」ことに起因するのか、もしくはホーク・モスの能力が邪悪になっているのと同じ理由なのか。
とにかく、もともとピーコックのミラキュラスを使って変身していたのがエミリーであろうことは明らか。
でもレディバグのように正義感の強いエミリーが、あんな能力を使っていたとも考えにくい。
そしてエミリーの写真とピーコックのミラキュラスと一緒に、意味ありげに見せてくるチベットの地図。
チベットでエミリーとピーコックのミラキュラスに何かが起こった、ということか。
「お前の願いがなんだろうと、いいことのはずがない!」ってシャノワールに言わせる脚本家は非常に人が悪い。
ホーク・モスの能力
ホーク・モスはやはり力を使っても姿を保ち続けることができるようだ。
変身が解けるのはミラキュラスによる変身の必然ではなく、制御する能力が未熟だからなのか。
そうだとしたら、ホーク・モスは実は長いこと活動しているのだとうかがえる。ひょっとして昔はヒーローだったってことなのか。だからスーパーパワーの扱いに成熟してるのか。
そうだとしたら、マユラもまたヒーローとしての彼のバディだったんじゃないか。何らかの理由でミラキュラスが破壊されてエミリーは眠り続けてしまい、ホーク・モスは悪のホーク・モスになった……的な。
マスター・フーはホーク・モスの正体を知らないし、ホーク・モスもガーディアンのことを知らない。
でもエミリーの昏睡状態がミラキュラスの故障のせいだとしたら、マスターなら直し方を知ってるんじゃないのか?
ホーク・モスはどうしてミラキュラスを強奪しなければならないという発想に至ったのか?
そう信じさせるだけの「邪悪」がホーク・モスとは別で存在したと考えるのが自然な気がする。
ホーク・モスがレディバグたちに自分の願いを教えないのにも、何か理由があるはず。恥ずかしいわけじゃあるまいし。
レディバグはそれを知ったら助けようとするだろうに、なんとも歯がゆい。
その他ポイントメモ
- 真面目な話だから小ネタが少ないな。
- ギター・ヴィランとフライトニンゲールはBGM担当で特に仕事しない。舐めプか?
- 「最初は強敵だったのに、再登場するとそんなに強くなくなる」現象。
- シャノワールのカタクリズム状態の手でさわったものは問答無用で破壊されるのかと思ってたけど、スティックはちゃんと持ってる。制御できるのか、スティックは例外なのか?
ホーク・モスの杖と同じようにスティックはシャノワールの変身の一部だからかな。だとしたら、ヴォルピーナの幻みたいにシャノワール自身がカタクリズムで破壊されるってことも起こりえないのかもしれない。 - ナタリーに対するガブリエルの笑顔、なんとも純粋だった。
最後のセリフは英語だと「thank you…for everything」。今回のことだけじゃない。ナタリーはきっとエミリーを失ってからずっと(もしくは失う前から)ガブリエルを支え続けてきたんだろう。 - うまくやったと思えば、土足でキッシュを踏んでるマリネット。
今回の記事はここまで。
コメント