【ネタバレ感想と歌詞】ディセンダント3

ディズニーチャンネルオリジナルムービー:ディセンダント3の感想。
ディズニーヴィランズの子供たちが活躍する人気シリーズの第3弾。
やっぱりサントラを買ってしまいましたので劇中歌もしっかり。
たぶん前作の記事より長いでしょう。

「シナリオと感想」欄以降にはがっつりネタバレがありますので、未視聴の方はご注意。
概要とキャラクター紹介はネタバレなしです。

ディセンダント3(2019年、アメリカ)


ディセンダント3(Descendants 3)

  • 公開年 2019年
  • 製作国 アメリカ
  • 監督  ケニー・オルテガ
  • 脚本  ジョーサン・マクギボン、サラ・パリオット
  • 出演  マル:ダヴ・キャメロン、イヴィ:ソフィア・カーソン、カルロス:キャメロン・ボイス、ジェイ:ブーブー・スチュワート、ハデス:シャイアン・ジャクソン

概要

ディズニーチャンネルで制作されたオリジナルムービー。
ディズニーヴィランズ(ディズニー映画に出てくる悪役)の子供たちを主役にしたディセンダントシリーズの第3作にして完結編。
1作目の敵は主人公たちの親、2作目の敵はヴィランズ仲間、そして3作目の敵は……?

今回は日常シーンが少なくいきなり危険な状況に陥ります。が、ところどころのほほんとしてるのでキャラクターの愛らしさを堪能する余裕は充分。
既存のキャラはもちろん(一人除いて)新キャラも多く登場、みんなそろってキュートです。
音楽とダンスはバリエーション豊かでどれも超クール。givin you nothing!!

謎も含みも多いんですが、ディズニームービーらしく正統にまとまったストーリーです。

あらすじ

前作、マルはオラドン王ベンに対する愛情をはっきり自覚し、イヴィは島に残された子供たちをオラドンに招こうと提案しました。

マルはベンからのプロポーズにうなずきオラドンの女王の座に就くことに。
そしてロスト島からは新たに四人の子供を受け入れることになりました。

が、マルたちが子供たちを迎えに行ったとき、ロスト島に住むヴィランの一人ハデスが島のバリアを力づくで破ろうとします。
なんとかハデスを食い止めたものの、マルは魔力を吸い取られてしまい、オラドン内にも暗躍する不穏な気配が。

マルはウーマたちと停戦協定を結び、イヴィたち仲間と一緒にオラドンの事件を解決するため奔走します。
その一方、マルはオラドンの女王としてロスト島のバリアを永遠に閉じた方がいいと考えていました。

オラドン王国とロスト島はやはり相容れることはないのでしょうか?

キャラクター

今回は新キャラにも触れていきます。旧作に登場したキャラについては前の記事も見てね。
第2作は大人のヴィランが不在でしたが、今回はメイン役もちょい役も新たに登場、みんなクールです。

マル(Mal)

おなじみの主人公。眠りの森の美女のヴィラン:マレフィセントの娘
前作で「いい人」として飾るのをやめ、素の自分をさらけだす勇気を持つことができたマル。
今回マルに迫るのは「オラドンの女王としての役目」というプレッシャーです。

1で親離れ、2で自分の気持ちと向き合い、3で社会的な役目を考える、とシリーズを通してしっかり成熟していってますね。

今回、髪の色がちょっと青みがかった紫になってます。単なるイメチェンじゃなくてたぶん意味がある。

イヴィ(Evie)

おなじみマルの親友。白雪姫のヴィラン:イーヴル・クイーンの娘
前作でもあいかわらずいい子だったイヴィ、今回はさらにみんなをなだめるお姉さんの役割を確立しています。
言い方を変えると、良くも悪くもマルと違ってヒネたところがないというのがよく表れてきます。お姫様らしいといえばらしい。

今回のソロ曲は女子からの人気が高いことでしょう。なんせかわいい。

言うまでもなく美貌も歌もダンスも最高です。

ジェイ(Jay)

おなじみヴィランキッズ、アラジンのヴィラン:ジャファーの息子
実は今回、男子組はあまりピックアップされてません。
新キャラが多いのと、ジェイはもういい男に成長しちゃったからね。
今回学校生活はほとんど描かれないので、スポーツのシーンもなし。

ジェイは前作でライバル心を見せていたハリーやギルと和解していきます。
なぜかローニー不在だったので、ジェイはギルといい感じになってました。

カルロス(Carlos)

おなじみヴィランキッズ、101匹わんちゃんのヴィラン:クルエラの息子
今回は相棒のわんこ・デュードの出番は控えめ。
すっかり自他ともに認める動物テイマーとなったカルロスには、もっと大きな獣を手懐ける大仕事が待っています。

ジェーンとの関係はきわめて順調。手作りの誕生日ケーキは絶品だったらしい。
サイズ感もあいまって二人はお似合いですね、

キャメロン・ボイスくんのキレッキレのダンスを堪能しましょう!

ベン(Ben)

おなじみマルの恋人でオラドン国王、美女と野獣の息子
今回正式にマルに女王になってほしいと結婚を申し込みます。
ようやくマルが素直に喜んでくれて良かったですね。

ベンは国王の役目をまっとうしようとしながらも、やはりロスト島の子供たちに希望を見出し続けています。

ウキウキのダンスはエンディングまでお預けですが、第1作のソロ曲がしっとりアレンジで再登場。

オードリー(Audrey)

眠れる森の美女の娘
第1作ではベンの恋人で嫌な女そのものでしたが、マルの改心の際に多少は和解したように見えました。
第2作では不在だったものの、慕ってくるチャドのことをパシリに使っている様子だけが描かれてましたね。

今回、学園に戻ってきたオードリーは見た目をちょっとイメチェン。
親の確執もあって、おばあちゃんのリア王妃ともどもマルのことがやっぱり大嫌い。
ベンが自分を捨て危険なヴィランを選んだという事実に改めて傷ついてるようです。

彼女の思いは、本編公開前から放送されていた「オードリーのロイヤルエステ」というミニ動画で少し垣間見えます。
さらに今回は歌も披露してくれるぞ。

チャド(Chad)

シンデレラの息子、プリンス・チャーミング・ジュニア。
シリーズ皆勤賞の彼は、イケメンだけど「頭の中はお花畑」でおなじみ。

自分を未来の王だと夢見ていますが、オードリーのことが大好きでちょっぴり腰巾着気質。
日和見で意地悪にもなりますがある意味ものすごく素直で、憎めない困ったやつです。

ジェーン(Jane)

シンデレラのフェアリー・ゴッドマザーの娘
ゴッドマザーはオラドン高校の校長で、娘のジェーンも学校のスタッフとして働くことが多い。
第1作では頼りなくマルに利用されてしまいましたが、第2作以降は一番のしっかり者として学校をとりしきっています。

第2作でカルロスに告白されてから仲良く付き合いを続けている様子。
今回は彼女の誕生日から物語が始まります。

ダグ(Doug)

白雪姫の七人の小人の一人:おとぼけの息子
彼は第1作からぶれずに一途。イヴィを愛し、彼女が夢をかなえることをずっと傍らで支えてきました。

地味な見た目に反して意外と大胆で情熱的……というふれがきでしたが、今回髪が伸びて見た目もちょっとユニークに。
イヴィからのキュートなラブソングがうらやましい。

ウーマ(Uma)

「アタシの名前は?」
第2作でロスト島の完全開放をもくろむ敵として登場、リトル・マーメイドのヴィラン:アースラの娘
アタシがオラドンを支配する、なんて言ってましたが、島から脱出した彼女が一番気にかけているのは残してきた手下たちみたいです。

今回はオラドン女王マルに取引を持ち掛けられ、しぶしぶオラドンを救うことに協力しますが、果たして彼女の真意は。

動きやすそうな髪型に変わってだいぶイメチェン。

ハリー(Harry)

第2作から登場のウーマの右腕、ピーターパンのヴィラン:フック船長の息子
他人を舐めた芝居がかった言動と、それでも醸し出す紳士的な雰囲気が魅力です。
奔放に見える男ですが、ウーマのことを何よりも立てており、自分が右腕ということに誇りを持っている様子。

左手のフックは義手なわけじゃなく単に持ってるだけ。彼のヴィランとしての生き方を象徴するものですね。

実はフック船長の子供は彼一人じゃなく、他のディセンダントシリーズで娘の「ハリエッタ」と「CJ」が登場しています。ハリーは真ん中っ子らしい。

ギル(Gil)

第2作から登場のウーマの左腕(?)、美女と野獣のヴィラン:ガストンの息子
ウーマ一味ではあるものの、おとぼけで素直、非常に人懐こい。空気を読まない言動でウーマににらまれるのが得意技。
オラドンとロスト島に最も屈託のない人物の一人で、独特の存在感を放っています。

彼はなぜか歌ってくれませんが、にこにこダンスしてるのが微笑ましい。

ディジー(Dizzy)

第2作から登場、シンデレラの意地悪な義姉であるヴィラン:ドリゼラの娘
ファッション仲間のイヴィを心から慕っており、彼女自身も美容師の卵。

第2作のラストでイヴィから招待してもらった通り、今回3人の子供たちとともにオラドン高校に入学します。

おばあちゃんであるトレメイン夫人が今回登場。
こき使われているようでいて、実は愛情を注いでもらっているみたいです。

セリア(Celia)

今回の新キャラ。プリンセスと魔法のキスで王子をカエルに変えたヴィラン:ドクター・ファシリエの娘
お父さんとは仲良しで彼女もカード占いを得意としています。

オラドンへ新たに招待する一人としてマルに選ばれ、オラドン高校へ。
でかい態度の悪ガキっぷりは第1作のマルを彷彿とさせます。
彼女はオラドンに来たことで何を思い、どう行動するのでしょうか。

地獄に落ちたはずのお父さんのファシリエも登場、歌ってくれないのは残念ですがスタイリッシュです。

ちなみにディセンダントの別シリーズでお姉ちゃんの「フレディ」が登場しています。

スクイーキー(Squeaky)とスクワーミー(Squirmy)

今回の新キャラ。フック船長の右腕ヴィラン:スミーの息子たち

オラドンへ新たに招待する一人としてカルロスとジェイに選ばれ、一緒にオラドン高校へ。
白い髪の双子ちゃんで、まだ小さいためかしゃべりませんがたいへん愛くるしい。
ぶっちゃけ人数合わせのキャラって感じですが、かわいいので問題ありません。

ちなみにディセンダントの別シリーズでお兄ちゃんの「サミー」が登場しています。

ハデス(Hades)

今回の新キャラ。ギリシャ神話に登場する死者の国の神であり、ヘラクレスのヴィラン
青くメラメラした髪が特徴的なワルおじさん。

彼もヴィランとしてロスト島に閉じ込められており、セリアたちがオラドンに招かれる隙を狙ってバリアを破ろうとします。
彼の持つ”燃えさし(ember)”はマレフィセントの杖以上に強力な魔力を秘めており、油断のならないヴィランです。彼の目的はなんなのでしょうか。

ハードな外見に似合うファンキーな歌とダンスを披露してくれます。さすが大物!

ちなみに今回特に出てきませんが、第2作でハデスのギリシャ料理屋さんの看板が映っていました。

 

シナリオと感想(ネタバレあり)

シナリオをたどりながら感想をつらつら書いていきます。
シナリオ部分は太字、普通の字体は私の勝手なコメントです。

歌の登場するところは英語歌詞と和訳歌詞の解説も。字幕翻訳では字数の関係で省略されちゃう箇所がありますので、その辺補足もしていきます。
※英語歌詞は主にディズニーチャンネル動画から、日本語歌詞は字幕放送からの引用です。

プロローグ:ヴィランキッズの招待

ロスト島に配られた新聞で「ヴィランズの日 来たる(VK DAY IS HERE)!」との記事を見た子供たちは大騒ぎ。
マル、イヴィ、カルロス、ジェイの四人がロスト島に戻り、新たにオラドンに招く四人を発表するというのです。
まずはオープニングダンスで気分を上げていくぞ。

Good To Be Bad(グッド・トゥ・ビー・バッド:ワルって最高)

※英語歌詞はディズニーチャンネル公式動画からです。

From the north to the south From the east to the west
北から南へ 東から西へ

Lost boys, lost girls you all know you’re the best
迷子のみんな 君たちは最高

Hit the streets it’s our day Turn it up now’s your chance
出ておいで 今こそチャンス

It’s time to get up on your feet and dance
立ち上がって踊ろう

島に帰ってきた四人が、ロスト島の子供たちを鼓舞します。
衣装もロスト島らしいレザーと四人のカラーがよく出てますね。

町中には四人のポスターが。誰が書いたんだろう。

Anybody wanna be like us? Everybody wanna be like us!
私たちは憧れの存在

無理してお姫様らしく飾るのをやめ自分らしく戻ったマル
直訳すると「私たちみたいになりたい? みんなそうでしょ!」
第2作ではウーマがマルたちを裏切り者呼ばわりしてましたが、今回は島のみんなからやたら好意的に受け入れられてますね。

All the boys from Auradon and the girls cuz they know what’s up
オラドンは流行の最先端

家の中の子供を叩き起こして回るカルロス
ぴょんぴょん跳ねまわるダンスが気持ちいいね。
“they know what’s up”の”what’s up”は「イケてること」って感じの意味でしょう。

ここでの”cuz(=because)”がどこにかかってるのか?
上記マルパートの「私たちみたいになりたい」にかかってるんだとすると、「オラドンの男の子も女の子も何がイケてるか分かってる、だから私たちみたいになりたがってる」になる。

Your life could change today, your life could change today
今日 人生が変わるかも

イヴィはもちろんディジーを迎えに参上。
寝起きのおさげディジーがかわいいですね。

ディジーには前作ラストでオラドンからの使いが来てましたが、ここで改めて招待されてます。

These streets named after us because we pave the way
俺たちは この道の開拓者

ジェイは今回もアクロバティックな動きがキレてます。
子どもたちに囲まれてるのがすごく似合うな。兄貴!

直訳すると「この道の名は俺たちの名 だって俺たちが敷く道だから」

Everyone come and take your shot
みんな チャレンジして

Now’s the time show ‘em what you got
自分の力を発揮して

Cuz everyone’s gonna get their chance
チャンスは平等

マルの落書きも久しぶり。
扉を開けて子供たちを誘い出すのは象徴的です。

“take your shot”は「やってみて」という慣用表現。
“what you got”は英語っぽい抽象的な言い回しですね、「あんたにできること」みたいな意味。

They said that being from the Isle was bad
島はワルのたまり場

Well it’s good to be bad
でもワルって最高

ジェイの滑り下りる屋根にはジャファーの蛇、カッコイイ!

直訳すると「島から来た子はワルだと思われてた、でもワルだっていいじゃない」みたいな感じ?
ディセンダントの曲は”good”と”bad”の言葉遊びが多いですね。

And we’re proof of that Used to be lost now were on the map
迷子たちが出世して

Used to steal snacks now we’re giving back
盗みは卒業

“we’re proof of that”は「私たちが(ワルでもいいことの)証拠」
「かつては道を失ってた、今は道を見つけた」
「かつてはお菓子を盗んでた、今はそれを返してるところ」

「ワルでもいい(good be bad)」の意味が反語的であることが分かります。

Remember that It’s good to be bad
覚えておいて ワルって最高

If you got pride raise your Vs up high
手を高くつき上げて

Wave ‘em wide side to side feel the vibe
その手を振って バイブを感じて

It’s good to be bad
ワルって最高

路頭に迷った子供たちを守るという「カルロス・ハウス」。
ジェイの歌ってた「通りに俺たちの名前がついてる」というのはただの比喩じゃなかったようです。

この歌の重要なフレーズが二行目。
“If you’ve got pride raise your Vs up high”は、直訳すると「誇りがあるならあんたの”V“を突き上げろ」
ここで”V”は「五本の指=手」を表していると読めますが、”Villans“の”V”でもあるはず。

ワルでもいい、島の出身であり”V”であることを誇るべきっていうのがこの歌のテーマなんでしょう。前作でマルやイヴィが学んだことを島の子供たちに伝えているのです。

「バイブ(the vibe)」はフィーリングとかノリみたいな意味1

I wanna see you all rep your block I wanna see you all rep your block
自分の町にプライドを持って

Show your pride let me hear ya shout
叫んじゃおう

We’re from the Isle of the Lost
私たちは島の子!

We’re here to celebrate, we’re here to elevate
お祝いしよう 気分を上げよう

If you’re down then make your move, but you best not hesitate
ためらわずに動こう

“イヴィ通り”で踊るイヴィと女子たち。
イヴィのヒールがすげーブーツとチラ見せするお尻が魅惑的。
ディジーも今回はしっかりダンスしてます。

“I wanna see you all rep block”は「みんな自分の住んでる場所の代表になってほしい」

“show your pride”は上記サビの歌詞の”If you’ve got pride”を受けてますね。

「ロスト島」は言語で”the Isle of Lost”、歌詞に出てきたのは初めてです。

“we’re here to elevate”の”elevate”は気分を上げるだけじゃなく、実際にオラドンに招待して地位を上げることも意味してる。

最後の行は「準備ができたら動き出すのよ、でもためらうのは絶対ダメ」
“down”は文字通り「沈んでたら」の意味かも。

Today’s the day that you won’t forget
今日は忘れられない日

The best to come ain’t happened yet
お楽しみは これから

Take a bow it won’t be your last
歓声に応えて

You’re from the Isle if anybody asks
だって私たちは島の子

マルはセリアの占いの館(路上)へ。
曲者フェイスのセリアですが、マルは彼女に目をかけている模様。
マルが引いたカードは「旅」でした。

“take a bow”はお辞儀をすること。終劇のイメージですが「これが終わりじゃない」

ここの歌詞はオラドンに招かれたセリアに向けたものでしょうかね。
今日は忘れられない日、楽しくなるのはこれから、(島のみんなに)お辞儀して、でもこれが最後じゃない、あなたは島の子なんだから。

They can try to deny our style, but we were born this way
これが生まれながらのスタイル

Cuz you can take the VK outta the Isle but you can’t take the Isle out the VK
島を出ても 心はいつもここにある

海に面した広場でみんなが踊ります。ディジーもちゃんと着替えてきた。
ダンサーの皆さんも全員ヴィランらしくクール、でも悪目立ちしない絶妙な衣装。

マルたち四人は高台に上ってみんなを鼓舞。
ジェイとカルロスのラップは文字数が多いぞ。

直訳調にすると
みんな俺たちのスタイルを否定しようとするけど、これが生まれながらのスタイル
島からVKを連れ出すことはできても、VKから島の心は取り出せない

“VK”は”Villain Kids”、ジェイたち島の子どもたちのこと。

If you wanna make it hype not a moment to waste Make it loud, make it live, make it jump to the bass
刺激が欲しけりゃ 声を上げて飛ぼう

Make it what you want, but you better make your case Cuz the isle makes us and we’re reppin’ this place
好きにやれ 島に恥じないように

逐語訳にすると
刺激的にしたけりゃ無駄にしてる時間はないぜ 声を上げろ、生き生きと、飛び降りるんだ
やりたいことをやれ、でも筋は通した方がいい 島で生まれた俺たちはここの代表なんだから

“hype”は「大興奮」って感じのスラング。
“make it XX”も抽象的な表現で”it”にそんなに意味はない。
“make your case”の”case”は論拠、主張みたいな意味にとって「筋を通す」。
“rep”は上記イヴィパートにも出てきました、「責任を持つ、代表になる」みたいな意味。

So when I say V you say K
合言葉は”ヴィランズ”

V K V K
ヴィランズ!

When I say all you say day
合言葉は”いつまでも”

All Day All Day
いつまでも!

実際、ディセンダントシリーズの合言葉は「VK」。
「ヴィランズ」と「ヴィラン・キッズ」には大きな違いがあると思いますが、字幕は仕方ないね。

カルロスとジェイの力強いダンスとともに終幕。

広場に集まった子供たちに向かって、マルたち四人は今回オラドンに招待する四人を発表します。
イヴィが選んだのはトレメイン夫人の孫ディジー。
カルロスが選んだのはスミーの息子スクイーキー。
ジェイが選んだのはスミーの息子スクワーミー。
マルが選んだのはファシリエの娘セリア。

イヴィの理由は当然として、カルロスとジェイが双子を選んだ理由は謎。まだちっちゃいのにお父さんから離していいのか…。お父さんのスミーはセリフなしですがアニメそのままのずんぐりしたスタイルで登場。
マルがセリアを選んだのは道徳の授業を受けさせたいから、なんて言ってますが、自分に似てるからじゃないかって気がします。

他の子供たちはワルのくせに選ばれた四人を快く祝福してくれます。
たいてい誰が選ばれたとか選ばれなかったとかでドラマが生まれると思うんですが、ここはあっさり。

来週迎えに来ると四人の子供たちに告げ、マルたちは一度オラドンへ。

今回のタイトルロゴは「3」が青く燃えていますね。

マルとベンの婚約

オラドンへ戻ったマルは不安げな顔をして双眼鏡で海の様子を確認。
前作で海に姿を消したウーマが襲ってくるんじゃないかと警戒している様子。
そこにベンがやってきてマルをなだめると「みんなが待ってる」と連れていきます。

不安そうなマルに対してベンは「抱え込まないで。僕も手を打ってる」となだめます。マルが一人で思い悩んで突っ走るのをさんざん見てきましたからね。

今日こそロスト島から新たに四人の子どもを迎える日。
オラドン高校の前庭にはカメラや鼓笛隊、美女と野獣やフェアリーゴッドマザー、それに大勢の生徒たちが集まっていました。

音楽は第1作でベンがマルに告白したナンバー”Did I Mention”のアレンジ。
マルのドレスや髪型はドラゴンをイメージしたものでしょう。

第2作でのブランクを経てオードリーも登場。メッシュの入った金髪とピンクの衣装は「オードリーのロイヤルエステ」で見たものですね。
ひきつった笑顔を浮かべ、隣にはヴィラン嫌いの祖母リア王妃の姿も。

と、ベンが唐突にマルへの愛をささやき”Did I Mention”の一節を歌います。
跪いたベンがマルに差し出したのは婚約指輪。
感激して抱き合いキスする二人。その場にいたほとんど全員が大盛り上がりでマルとベンを祝します。

例外は婚約者の立場をマルに奪われたと感じてしまうオードリーとリア王妃。
オードリーはついマルに憎まれ口を叩き、マルは言い返しこそしないものの相手にもしませんでした。

第1作でオードリーの恋人だったベンにマルが魔法をかけて奪ったのは事実。
ベンは魔法が解けてもマルへの気持ちに変わりなく、今の愛情も魔法のせいではないんでしょう。
でもオードリーからすれば、マルが魔法をかけなかったらベンに裏切られることはなかったと思わずにいられません。

実際どうなんでしょうね。オードリーは「嫌な女」でベンはマルに興味を抱いていたようでしたが、マルが普通に学園生活を送ってたらベンと付き合うことになったかどうか。マルがベンに恋したのは、ベンがマルに恋をして愛を教えてくれたからなんだし。

そしてオラドン王家の恋人選びが本人に一存されてるってのがまたおとぎ話っぽい。「家柄」や「義理」というものはハッピーな結婚の理由にならないのである。

島の子たちを迎えに行こう

マルたち四人とベンは、マルの紫のリムジンでロスト島に行き子供たちを連れてオラドンへ戻ります。

オラドンの話で盛り上がるイヴィとディジー2
ロスト島ではディジーのおばあちゃんトレメイン夫人が初登場。
なぜかアジア系のお顔ながらおばあちゃんとは思えない若々しさですが、この国の歳の取り方はどうなっておるのか。
おばあちゃんは私がいなくてやっていけるのかとディジーに言いながらも、別れることは寂しそうでした。

スクイーキーとスクワーミーをかわいがるジェイカルロス
双子はセリフなしなのに無邪気な表情で言いたいことが分かるのがすごいね。
運転手のジェイがスクワーミーに腕をつかまれて「力あるなぁ」は素っぽくて良い。

セリアはお父さんそっくりの不敵な笑みを浮かべてベンから占い料を巻き上げました。
マルはセリアの”ワル”っぽい態度にどことなく嬉しそうな苦笑を浮かべてます。

リムジンが島のバリアを抜けようとした、そのとき。
何者かが島から走ってくると、閉じかけたバリアの穴に腕を突っ込みこじ開けようとします。
島に閉じ込められたヴィランのハデスです。

ドラゴンに変身したマルがハデスと対峙。
何とかバリアの内側に押し込むことに成功したものの、マルはハデスの”燃えさし”に魔力を吸い取られてしまいました。

ヘラクレスのヴィラン、青いメラメラ頭のハデスが登場!
見た目もクールで、神だけあって強大な力を秘めている様子。
バリアが解除された隙に出て行こうとする彼の行動は、島に閉じ込められたヴィランとしてはしごくまっとう。むしろなぜ今までウーマ以外やろうとしなかったのか。

お祭り騒ぎのマルたちにもオラドンにも、このハデス脱走未遂事件は大きな波紋を呼びます。

オードリーの嘆きと憤激

その夜、自室で独り涙するオードリー3
彼女とベンの関係は幼少期から約束されたも同然のものでした。
今や女王の座をマルに奪われ、それを祖母にも叱咤され、オードリーに残されたのは惨めさばかり4
そもそもヴィランは悪なのに、正義の側である自分が貶められ、悪がさらに仲間を呼んで栄えようとしているという事実が信じられない。

オードリーは自分の正直な気持ちを歌にのせます。

Queen Of Mean(クイーン・オブ・ミーン:邪悪な女王)

※英語歌詞は公式歌詞動画からです。

I’m so tired of pretending
自分を偽るのはウンザリ

Where’s my happy ending?
私のハッピーエンドは?

上品なピンクでまとめられたオードリーの部屋はいかにもお姫様らしい。
でも彼女はそこで独りぼっち。

“pretending(フリをする)”という言葉は、オードリーも今まで何かを我慢してきたということ。

I followed all the rules I drew inside the lines I never asked for anything that wasn’t mine
ルールを守り わがままも言わなかった

I waited patiently for my time But when it finally came he called her name
辛抱強く待ってたのに 選ばれたのは彼女

「お前よっぽどわがままで嫌な女だったじゃねーかよ」というツッコミを入れたくなりますが。
とはいってもオードリーは人にマウントを取ろうとするだけで、ズルや悪だくみをしたことは確かになかったんです5

“drew inside the line”は「線からはみ出さない」=「ルールを守る」ですね。
“I never asked~”は「他人の物を欲しがったことなんてない」ベンの恋人の座は確かにオードリーのものだったからね。

And now I feel this overwhelming pain I mean it’s in my veins I mean it’s in my brain
体中 激しい痛みに襲われる

My thoughts are running in a circle like a toy train
頭の中で同じ考えが ぐるぐる回る

I’m kind of like a perfect picture with a broken frame
完璧なのは写真の中だけ

I know exactly who to blame
あの子のせいよ

子どものころからベンと一緒だったいい子のオードリーには女王の座も約束されていた。
なのに今日、ベンが指輪を渡したのはオードリーじゃなくマルだった。
たんなる「付き合って」じゃなく、「女王になって」は非常に重大なプロポーズであり、オードリーのショックもたまらないほど大きかった。

最後の行は「責めを負うべきは誰かよく分かってる」
マルへの憎しみが募ります。

I never thought of myself as mean
悪とは無縁だった私

I always thought that I’d be the queen
女王になるはずだった私

And there’s no in between cuz if I can’t have that then I would be the leader of the dark and the bad
その望みが叶わないなら 闇の世界を支配する

Now there’s a devil on my shoulder where the angels used to be
天使じゃなく悪魔がささやく

And he’s calling me the queen
私は邪悪な女王

暖炉から火掻き棒を取り上げて恍惚と踊るオードリー。
何を言い出すかと思えば、邪悪になってやるだなどと。
既に決意を決めているオードリーは歴史博物館に向かいます。

“there’s no in between”は「中間はない」=「白か黒しかない」
字幕歌詞だと「いい子と女王の両立はできない」みたいな意味に取れますが、この場合はむしろ「善と悪」を指してる気がします。
私の解釈だと”if I can’t have that then I would be the leader of the dark and the bad”がひとかたまり。”that”はいい子であること、女王になることを指してると考えます6

まとめて訳すとこんな感じ。
自分を意地悪なんて思ったことないの
ずっと女王になるんだと思ってた
中途半端な道はない 善の女王の座が得られないなら闇と悪を支配する道を選ぶから
肩でささやくのは悪魔 かつていた天使はもういない
悪魔が私を女王と呼ぶ

博物館に忍び込んだオードリーが向かったのは、オラドン女王の冠が飾られた間。
さすがの警備の厚さですね。第1作では警報の誤作動ってことになってたから仕方ないか。

Being nice was my pastime
いい子は おしまい

But I’ve been hurt for the last time
傷つくのも おしまい

And I won’t ever let another person take advantage of me
もう人には利用されない

The anger burns my skin 3rd degree
怒りでヤケドしそう

Now my blood’s boiling hotter than a fiery sea There’s nobody getting close to me
私の血は燃えたぎり 誰も近づけない

They’re gonna bow to the Evil Queen Your nightmare’s my dream
邪悪な女王にひれ伏しなさい

Just wait until they fall to my wicked schemes
ワナに落としてあげる

傷つき嘆く言葉から、怒り憎しみの言葉に変わっていきます。

最後の二行は逐語訳だと
皆が邪悪な女王にひれ伏すことになる お前たちの悪夢が私の喜び
待ってなさい 私の邪悪な罠がやつらを陥れるまで

持ち込んだ火描き棒でケースを叩き割り、王冠を奪うオードリー。

the queen of mean
邪悪な女王

ここで「クイーン・オブ・ミーン」というフレーズが登場。
“mean”は”evil”とか”wicked”とかとはちょっと違うニュアンス。パッと浮かぶのは「意地悪」って感じ。
あえてこの言葉を使ってるあたり、オードリーの「元いい子ちゃん」な考え方がうかがえるととれるのかな。

踊りながらオードリーが浮かべる笑みはまるでヴィランそのもの。
確かに今まで無理矢理浮かべてたそれっぽい笑顔よりはるかに似合っている7

王冠を手にしたオードリーの前に、緑色に光る杖がひとりでに姿を現します。
マレフィセントの杖が彼女の名前を呼んでいる。

Something’s pulling me It’s so magnetic My body is moving unsure where I’m headed
磁石のように 何かに吸い寄せられる

All of my senses have left me defenseless This darkness around me is promising vengeance
無防備な私に 悪が復讐を約束する

The price that I’m willing to pay is expensive There’s nothing to lose when you’re lonely and friendless
高い代償を払うとしても 失うものはない

So my only interest is showing this princess That I am the queen and my reign will be endless
あの子に教えてあげる 私こそ永遠の女王!

マレフィセントの杖の前で王冠を掲げた瞬間、オードリーが変化しました。
その姿はまさに邪悪な女王。

オードリーが入り込んだ区画はマレフィセント、イーヴル・クイーン、ジャファー、クルエラの遺物8が収められた場所。
そしてオードリーを呼んだ声はマレフィセントでした。
トカゲになったはずの彼女の悪の魂がここにいるのか? それとも杖が意思を持っているのか?9

最後の二行は逐語訳だと
高い代償だって喜んで払う 孤独で友人もいない者に失うものなんてない
ただ一つの望みはあのお姫様に見せつけること 私が女王、そして我が支配は永遠に続く

ここの一節は放送前の番宣で流れていたのですが、女王を名乗る者が誰なのかは映されていませんでした。
オードリーが歌うの初めてだから声でも分からなかった10

I want what I deserve
女王にふさわしいのは私

I want to rule the world
世界を支配するのは私

Sit back and watch them learn
黙って見てなさい

It’s finally my turn
ようやく私の番が来たの

悪に染まったオードリーが、マレフィセントの杖をその手に掲げます。

金髪は毒々しいビビッドなピンクとブルーに、上品な衣装には煤けたようなくすんだ黒がまざり、アイメイクとネイルもダークに。
堕ちたプリンセスって感じでロスト島のVKたちとはまた違うのがいい。

If they want a villain for a queen
ヴィランズの女王がお望み?

I’m gonna be one like they’ve never seen
それなら私が かなえてあげる

I’ll show them what it means Now that I am that
私の覚悟を思い知りなさい

I will be the ruler of the dark and the bad
闇の世界を支配する

Cuz the devil’s on my shoulder where the angels used to be
天使じゃなく悪魔がささやく

And he’s calling me the queen of mean
私は邪悪な女王

I want what I deserve
女王にふさわしいのは私

“If they want a villain for a queen”の後のカメラ目線が魅惑的ですね。
舞台っぽい大きな踊りがちょっとおもしろい。

マレフィセントの杖は緑色に光り輝き、オードリーに魔力を与えている様子。
ヴィランの女王になると謳う彼女はいったい何をする気なんでしょうか。

この歌でオードリーのヴィラン転向が明らかになります。
上述の「オードリーのロイヤルエステ」で「そろそろお姫様が登場しなくちゃね」というオードリーの意味深発言の意味が明らかに。
といっても悪意そのものから悪事を行ったというよりは、嘆きや怒りといったマイナスの感情が悪意に転化してしまったという方が正しい。
彼女の動向を見守りましょう。

ちなみに、オードリーってベン個人に対する愛情は特にないみたいですね。プリンセスなのに恋愛脳じゃないところは好感がもてる。

オラドンを守るマルの決意

ハデス脱走未遂、そして博物館から王冠と杖が盗まれたという知らせを受けて王室はピリピリとした雰囲気に。
ロスト島のバリアを開くたびにオラドンが危険にさらされるというビーストの懸念をマルもベンも否定できません。
国を守るための対応を求められたマルは「島のバリアを永遠に閉じる」という決断を口にしました。
子どもたちを見捨てられるのかとためらうベンに、マルは国を守るための務めなのだと言い聞かせます。

確かに今までずいぶん能天気でしたが、島に閉じ込めているのはVKではなく本物のヴィランたちの方。ハデスがしたように脱走を企てる者がいないと思う方がおかしいですよねえ。
ひとたび外に出てしまったら魔法もWi-Fiも使えてやりたい放題できるんだから。

ただ、島さえ隔離しておけば悪は生まれないのかといえばそうでもない。

この件をイヴィの家(彼女念願の”お城”!)で彼女に伝えるマル。
バリアを閉じる話になったと聞いて、イヴィはそれが王族の意見でありマルは反対したはずだと思い込みます。
「島の代表のマルがいるお陰で島が守られる」と微笑むイヴィに、マルは自分が言い出したことだと打ち明けることができませんでした。

マルが言い返せなかったのはイヴィをがっかりさせないため。
それと、自分の決断が島の子たちに良くないものだと分かっているがゆえの罪悪感もあったから。
マルはいっつも正直な気持ちを打ち明けないことでトラブル起こすよねえ。

オードリーの復讐始動

今日はジェーンの誕生日、カルロスたちはパーティーに出かけるための支度をしています。
カルロスの手作りケーキはセリアとディジーがつまみ食い。
マルたち四人も新たに来たVK四人もイヴィのお家に住んでるんですかね。
みんなレザーのない服装ですが、ジェイは蛇、カルロスは犬のモチーフをちゃんとつけてる。

家の外に出たマルの前に悪の女王オードリーが姿を現します。
戸惑うマルに魔法をかけ老婆の姿に変えてしまうと、この国にも復讐してやると宣言して姿を消しました。

オードリーの身のこなしがまるでマレフィセント。杖を使ってることでやっぱりマレフィセントの魂的なものに影響を受けちゃってるのかな。
もともとオードリーは魔法を使えないはずなので、やっぱり杖を使っているというより杖に力を与えられてるという方が正しい気がします。

騒ぎを聞きつけて出てきたイヴィたちは、マルの変わり果てた姿にぎょっとします。
マレフィセントの杖による魔法を解くには、ハデスの燃えさしの力が必要らしい。
ハデスの家11を知っているというセリアを連れて、マルたち四人はロスト島に向かいます12

マルの老婆フェイスは特殊メイク。その腰でバイク乗れんのかいというツッコミはしない。
マルに「キレイに年取ってる」と言う前に小首をかしげるイヴィがかわいい。

一方、湖のほとりで開かれたジェーンの誕生日パーティー。ジェーンはカルロスが来ないことが心配そう。
そこに姿を現したオードリー13は、自分こそが女王になるはずだったとの恨みを叫びます。
オードリー大好きなチャドにしもべになることを許し、ピンクの煙による眠りの魔法を国中にかけました。

このときのオードリーによる邪悪なバースデーソングはちゃんとサントラに入ってます。

危険を察知したジェーンは魔法の湖に飛び込み、眠りの魔法を回避。
急いでベンに電話して、オードリーがみんなを眠らせたから外出しないようにと警告しました。
湖から出たジェーンが持ってる青いバトンは後ほど活躍。

ロスト島のハデス

ロスト島に再びやってきたマルイヴィカルロスジェイセリア14
マルに掛けられた変身魔法は島のバリア内に入ることで自動的に解除されたようです。15
とはいえオードリーのたくらみを阻止するためにはハデスの燃えさしが必要ということで、セリアの案内で彼の元居場所に向かいます。

まずやってきたのはセリアのパパ:ファシリエのゲームセンター16
セリアが何かの鍵を取りに行く間、カルロスたちはテレビでオラドン中に眠りの呪いが掛けられたというニュースを見ます。

セリアはハデスの「使いっぱしりをさせられてる」とのこと。ブードゥー呪術師のファシリエと死者の国を統べるハデスにはつながりがあるんでしょうか。
しっかり登場してくれたファシリエは娘ととっても仲良し。ちょっとしかしゃべりませんがスタイリッシュで身のこなしもカッコイイ!

ゲームセンターを出ると、バイクを盗むハリーたちの姿が。
追跡はジェイたちに任せてマルはセリアとハデスの元へ。
鍵を開けて入った先は古びた怪しい坑道17。そこを進んだ先、開けた洞窟にハデスの住処がありました。
ソファでお昼寝中のハデスに忍び寄り燃えさしを盗もうとしますが、やっぱりバレてしまいます。

ハデスと対峙したマルが口にした言葉は「ハーイ、パパ」。二人は親子だったのです。18 ハデスはマレフィセントのことは厄介に思っているだけのようですが19、マルに対しては父親としての愛情を感じさせます。
マルの方はハデスが父親と知っており、ずっと放置されていたことを恨んでいる様子。

燃えさしを渡してと要求するマルに、ハデスは歌で言い返します
マレフィセントのマルに対する曲(Evil Like Me)は邪悪でドラマティックでしたが、ハデスのマルに対する曲はポップでロック。ごきげんか。

Do What You Gotta Do(ドゥ・ワット・ユー・ガッタ・ドゥ:自分の道を進め)

※英語歌詞は公式歌詞動画からです。

Listen, little girl You’re talking to a god
よく聞け 俺様は神だ

And I don’t wanna hear that drama
泣き言は聞きたくねえ

Kindness ain’t my brand
優しさとは無縁

Oh I guess that’s why you ran
逃げ出したもんね

Try bein’ married to your momma
母さんと結婚してみろ

歌で口ゲンカする父娘。
ハデスは神である自分が島に閉じ込められていることに憤りを隠せません。
そしてハデスはマレフィセントと結婚したうえでマルを作ったらしい。でも島の皆は知らないらしい。

You stink at bein’ a dad
最低の父親

Poor Mali… are you sad?
哀れなマル

Not as sad as you without your powers
哀れなのは力を失ったパパ

I didn’t come to fight for once do something right
私は正しいことをしたいだけ

I steal souls were you expecting flowers?
魂を盗む俺に 何を求める?

ハデスはマルのことを「マリー(Mali)」と呼んでますね、かわいらしい。

最後の二行は逐語訳だと
「ケンカしに来たんじゃないの 今回だけは正しいことがしたい」
「俺が盗むのは魂 花がもらえると思ったか?」

映画のヘラクレス見たことないんですが、ハデスって魂盗むんですか?
ハデスのレザーベストの背中にも”SOUL STEALER”の文字が。

I only need you cuz I came here for something
欲しいものがあるだけ

I’ve given you everything
すべて与えた

By giving you nothing
何も与えずに

“I’ve given you everything by giving you nothing”を直訳すると「お前にすべて与えた 何も与えないことによって」
含みのあるフレーズ。マレフィセントはマルの面倒を見ることでマルに大きな影響とプレッシャーを与えてきた一方、ハデスはマルを放置することで自由を与えていたとも言えるわけです。

I did what I had to do
これが俺の生きる道

No you only did what’s best for you
都合のいいこと言わないで

Well you could learn a thing or two
少しは学ぶといい

When push comes to shove You do what you gotta do!
いざとなったら 自分の道を突き進め

逐語訳すると
俺はすべきことをしてきた
違う 一番都合のいいようにしてきただけ
お前にも少しは学べることがある
いざとなったら 自分のすべきことをするんだ

「自分の道」って洒落た意訳ですね。
ここでハデスが言ってるのはマルを放置してきたことなんでしょうけど、島に閉じ込められる前にヴィランとしてしでかしたことも含めてるんだと格好いい。

“when push come to shove”は慣用句なんですね。”push”は「押す」、”shove”はもっと強引に「押しやる」とか「突き飛ばす」。

柱の陰でコーラスするセリアがかわいい。
彼女もまさか親子の言い争いになるとは思わなかったでしょう。

You were never there guess you don’t have a phone
会いに来ないし 電話一本もない

You never called to say I miss you
私が恋しくなかったんだね

Are you kidding? Is this a joke?
何かの冗談か?

You need to let it go! You’re stronger with those daddy issues
もう忘れろ 父親は反面教師だ

Oh Thank you!
ご親切に

マルは今まで何も言いませんでしたが、父親が不在なのを気にしてたんですね。
他の子たちもほとんど父母のどちらかしか出てこないけど……。

“you’re stronger with those daddy issues”は「父親の問題があったからお前は強くなれたんだぞ」と開き直ってます。

Show me some respect It ain’t easy to neglect
敬意を払え 俺もつらい

My attention would’ve made you softer
過保護はお前をダメにする

Oohoo, Should I be proud?
敬意?

Don’t turn this thing around
人のせいにしないで

I guess you’re your father’s daughter
俺たち 似た者親子だな

燭台をマイクにするお茶目なハデス。
「人のせいにしないで」の言葉を返して「似た者親子」と言うハデスはなんだか嬉しそうです。

I did what I had to do
これが私の生きる道

I made it on my own no thanks to you
パパなしで やってきた

well you could learn a thing or two
少しは学ぶといい

When push comes to shove You do what you gotta do
いざとなったら 自分の道を突き進め

二行目は「自力でやってきた あんたのお陰じゃない
マルにとって悪の手本はやっぱり母親。父親はいかに強い力を持ってようとダメ親父にしか見えないようです。

How ‘bout I go with you and we’ll spend some time?
俺も連れてってくれよ

How ‘bout you stay here cuz you’re out of your mind!
ふざけたこと言わないで

Let’s make new memories you can show me the town
一緒に思い出を作ろう

No, you can keep your memories now
思い出は十分でしょ

俺が燃えさし持ってついてってあげるよ、とようやく言い出すハデス。むしろそれを真っ先に要求するかと思ったけど。
親子の愛情を今更主張しますがマルは取りつく島もありません。

逐語訳するとこんな感じ。
俺も一緒に行って二人でゆっくり過ごすってのはどう?
どうかしちゃってるあんたはここに残ったらどう?
思い出を作ろうぜ 町中に見せびらかせる
嫌よ 思い出ならあんたは十分持ってるでしょ

Get over it
もう忘れろ

I am over it
もう忘れた

I’m over you being over it!
“忘れた”はこっちのセリフ

仲良く声をそろえるところは「そっちが忘れたのをもう忘れたもんね!」
バカって言う方がバカ的な。

“over it”は「乗り越える」とか「克服する」とかそんな感じ。

Let’s dance
踊ろうぜ

楽しく一緒に歌って踊ったことで満足したらしいハデス。

懲りずに燃えさしを要求するマルをじっと見据え、その手に渡してくれました。
濡らしたらダメだぞとアドバイスもよこして、「俺の子だな」と嬉しそうに笑います。

セリアが言うには、ハデスはいつもマルの様子を聞いてきたとのこと。
マルにとっては姿の見えない父親でしたが、ハデスにとってはそうではなかったみたい。

一方そのころオラドンでは、オードリーご乱心の知らせを聞いたベンが彼女を行方と目的を探らせていました。
頭を抱えるベンの書斎に現れたオードリー。
彼女は自分を女王にすれば眠りの呪いを解いてあげると取引を持ち掛けます。

ベンはオードリーが誰かに操られているんじゃないかと疑い、以前のきみは国を大切にしていたと説得を試みます。
が、杖を返したら許すと言われたオードリーはカッとしてベンに謎の魔法をかけ、さらに他の人々を石化させてしまいました。

いい子にしてれば当然と思われ放置され、悪い子になればかまってもらえる、というジレンマはよく聞く話です。

オードリーは「許す」という言葉に怒った。もしくは「以前のきみが良かった」と言われたことに戸惑った。あるいはベンがまだ自分を「いい子」だと思っていることが気に食わなかった。
とにかくベンとの会話は彼女の期待していた内容にはならなかったんですね。

海賊との再会

マルとセリアは結局バイクを取り戻せなかったジェイたちと合流し、五人で島を出ます。
バリアを出ましたが、ハデスの燃えさしの力でマルにかけられた魔法は解除できていました。

そこに、閉じかけたバリアの隙間から飛び出してきたのはハリーとギル。
警戒するって言ってるそばから許すなよ、というツッコミは置いといて。
二人と揉み合ううちにマルが手を滑らせて燃えさしを取り落とし、ハリーのフックに弾かれ海に向かって落としてしまいます。
濡らすなって言ってるそばから落とすなよ、というツッコミは置いといて。

燃えさしをキャッチしたのは海から現れたブルーのタコの脚。ウーマだ!
ハリーがすごく嬉しそう。ギルは自分たちを見捨てたのかとすねた顔でしたが、島の外の話を聞いて楽しそうに笑う。
ウーマはマルが懸念していたようにオラドンの隙をうかがっていたのではなく、島のバリアの穴を探していたらしい。

ウーマは燃えさしを海に落とされたくなかったら、島から出たい者は誰でも外に出られるようにしろと要求。
マルは当然断ることなどできず、約束してしまいます。
そして燃えさしを預かったウーマ一味と一緒にオラドンに戻ることに。

イヴィはこれを機会に友達になろうと提案しますが、みんな黙殺。
でっかいガムいつも持ち歩いてるの?

ハリーがハリー節全開でおもしろい。

オラドンに戻ってみれば、みんなが眠りに落ち、中には石にされている者も。
しゃべるわんこのデュードからオードリーの仕業だと改めて聞き、彼女を探すことにします。

学校を探そうとするウーマを呼び止めたマルは、オードリーは王宮に向かったはずだからそちらへ行くのだと主張。
主導権を争う二人をイヴィがとがめつつ、結局王宮へ。

ここで初めて島から出たのはハリーとギルの二人。
植物と果物に感動して楽しむギルと、眠った学生の財布から紙幣を抜くハリー。
ジェイはギルの無邪気さにちょっととまどい、ハリーのことはしっかりとがめてます。

ベンを探して王宮へ

そのころ、オードリーはおとものチャドを連れてどこか森の中の小屋にいました。
杖を使ってマルたちの様子を探り、マルが魔法を解きウーマたちを連れていることに癇癪を起こしてチャドを怯えさせます。
チャドが犬すぎてかわいいですね。

マルたちは王宮にやってきましたが、そこには誰もおらず廊下の壁には大きな獣の爪痕のような傷が。
デュードに付いてベンの匂いを追い、鎧が飾られた広間に入ります。

別れて探そうというウーマに、マルはいいから燃えさしを返せと要求。
まだ主導権を取り合っている二人の前で、オードリーが魔法をかけた鎧が動き出し、剣を構えて襲い掛かってきます。

Night Falls(ナイト・フォールズ)

※英語歌詞は公式歌詞動画からです。

Watch your back, watch your back
敵が来る 背後に注意

We can counter their attack
受けて立とう

Hit ‘em ‘til the armor cracks
ブチのめそう

不穏なアクション曲は第2作の”It’s Going Down”を思い出します。
今回はセリアも歌うぞ!

二行目三行目は「やつらの攻撃にやり返せ」
「鎧が砕けるまでブチのめせ」

This could get a little sticky
醜い争いになりそう

How to win this battle could be tricky
厄介な戦いになりそう

But I know the best way Fall back let me lead
一歩下がって 付いてきて

You hold the line and we’ll bring them to their knees
必ず降参させてやる

まずはウーマの迫力のある歌声から。
各々周りに飾られた剣を取って戦いの準備をします。

逐語訳するとこんな感じか。
こいつはちょいと厄介になりそう
この戦い勝つには巧妙にいかないと
でもアタシなら一番うまくできる 下がって付いてきて
あんたらはそのまま アタシたちがこいつらを打ち負かす

“you hold the line”のyouはマルたちのことかなあ。

Swords in the air if you’re with me
戦うなら剣を掲げて

They got us outnumbered one to fifty
数では負けてる

But victory is ours Cuz I got a strategy
でも勝負はもらった

You take the left And the rest of you can follow me
左に行って 私がリードする

ここでもウーマに対抗するマル。
指揮するのは自分だと主張して見せます。

逐語訳するとこんな感じか。
剣を掲げて 一緒に戦うなら
数ではあいつらの方が上
でも勝負はもらった 私に作戦がある
あんたは左に行って こっちは私がリードする

剣を掲げて、でジェイが「イェイ!
“one to fifty”は文字通り「1対50」っていうより単に数で負けてることの強調でしょうね。

勝手に指示するのをとがめるウーマの手をマルが振り払います。

This is my crew
私の仲間

This is my squad
私の手下

This is my turf
私の縄張り

Oh my gosh
やめなさいよ

Look guys We’ve got bigger fish to fry
敵はあっちでしょ

Put your differences aside Cuz right now we’re on the same side
違いを乗り越え 手を組むの

張り合う二人の間に入るイヴィ。

最後の二行は
二人とも そんなことよりやらなきゃいけないことがあるでしょ
違いは置いといて 今私たちは味方同士なんだから

“squad”には別に上下関係的な意味はないと思います。
“fish to fry”は「揚げるべき魚」つまり「やるべきこと」っていう慣用句。

Until the night falls everyone
夜の闇がおとずれるまで

We’ll stay together ‘til the battle is done
共に戦い抜こう

サビを歌ってリードするのは張り合うマルとウーマではなく、手を取り合おうとするイヴィ。

“night”は”knight”とかかってるんでしょう。
すなわち「ナイト・フォールズ」は「夜の闇が訪れる」と「騎士たちが倒れる」というダブルミーニング。

Until the night falls we’re aligned
夜の闇がおとずれるまで

It doesn’t mean that we’re on the same side
認め合ったわけじゃない

Watch your back, watch your back
敵が来る 背後に注意

Hit ‘em hard and hit ‘em fast They’re too heavy to react
速攻でいけ 敵は反応が鈍い

みんなはまだ「並んで戦ってるけど味方同士ってわけじゃない」と言っています。
そういえば第2作の戦闘もみんな剣を使ってましたよね。

This situation’s getting kinda heavy
戦いは白熱していく

Hold your weapons tight keep ‘em steady
武器を離さないで

Cuz if we stick together we can make it out alive
手を組めば きっと勝てる

I’ll cause a distraction you attack them from the side
注意を引くから攻撃して

ウーマとともに鎧たちと戦うマル。
“stick together”が「協力し合う」、ウーマ個人と張り合うのはやめる気になったようです。

All my soldiers stand at the ready
みんな 態勢を整えて

We can cut ‘em up like confetti
敵を八つ裂きにしよう

We’ll hit ‘em from the front you counter from behind
前と後ろから切り込んで

Don’t forget the fate of Auradon’s on the line
オラドンの未来のために

ウーマも意識を変えてくれた模様。「オラドンのため」というフレーズが感慨深い。

最後の二行は
アタシたちは前から行く そっちは後ろから反撃して
オラドンの運命が危ないってこと忘れないでよ

“confetti”は紙吹雪のこと。八つ裂きより細かい。
“on the line”は「危険な状態にある」、線の上で落ちそうってイメージか。

This is all out war they got us outnumbered
これは総力戦 数では劣勢

the way the swords clash is the sound of the thunder
雷のように剣の音が響く

And we are not going under we will never run for cover
私たちは決して逃げない

We battle for the victory and ride for each other
助け合って勝ちに行く

7人の心が一つになった!

盾を持った敵の援軍も登場し、これではキリがない。
セリアもカルロスに盾を投げてサポート、ジェイのアクロバットがさりげなく格好いい。

と、列になって同じ動きで迫ってくる鎧たち。
マルは目を緑に光らせ鎧たちに魔法をかけます。

Suit of armor strong and true Make this metal bust a move
“強く賢いよろいたち 私の合図で踊り出せ”

お立ち台で踊るマルたちの動きに合わせて踊りだす鎧たち。
遊んでる場合か。

Until the night falls you can trust
夜の闇が訪れるまで

I’m gonna help you win this battle because
この戦いに手を貸そう

I got your back, got your back All for one and that’s a fact
手を携えて 心をひとつに

Knights fall pitch black
騎士は闇に落ちていく

特に説明はないけどオードリーの魔法を打ち破り、鎧たちは動きを止めた。

思わずハイタッチしようとして気まずく顔を見合わせるマル組とウーマ組(ダンスにウキウキのセリア)。
せっかく協力し合ったのにまた分裂しようとする皆にイヴィはがっかり。
ここで褒め合うゲームをしようと目をきらめかせますが、そんな場合じゃないとマルに正論を言われてしまう。
しゃべり方がいいと褒められたハリーはちょっと嬉しそう。

マルは女子組は学校のオードリーの寮に手がかりを探しに行き、男子組はベン探しを続けてイヴィの家で落ち合おうと提案。
ウーマは「それってアタシの案だよね?」
そうです。

女子チーム

オードリーの部屋を探るのはマルイヴィウーマセリア
日記を読んだウーマはオードリーが妖精の小屋によく行っていることを見つけます。
セリアはオードリーのドレッサーに夢中。

マルたちがイヴィの家に戻ってくると、留守番していたディジーと双子も眠りの魔法にかかっていました。

さらにはダグまでおねんねしている。
心配するイヴィに対し、ウーマが「真実の愛のキスなら起こせるかも」と一言。
ウーマは前作で「真実の愛のキス」でマルにしてやられてたもんね。

ここで今回のイヴィ曲だ!

One Kiss(ワン・キス)

※英語歌詞は公式歌詞動画からです。

Don’t freak out it’s OK Cuz true love can save the day
真実の愛が彼を救う

And I think we feel the same But I don’t know
でも本当に両思いかしら

When we met it was sweet He was oh so into me
出会った瞬間 彼は一目惚れ

Seems like things are meant to be But I don’t know
でも本当に結ばれる運命かしら

歌っとる場合かってツッコミ待ちでしょうね。
すっかりお姉さんキャラになったのかと思いきや天然キャラも発揮してくれるイヴィです。

キスが効くかどうかで二人の愛が真実かどうかが分かっちゃうっていう話。
もし効かなかったらと思うと怖いんですね。

出会ったとき彼を誘惑するようなふるまいをしてたイヴィですが、実はとっても純情な子だったのである。

逐語訳調だとこんな感じ。
怯えることない 大丈夫 真実の愛はすべてを救うもの
私たちきっと同じ気持ち ……でもそうかしら?
ステキな出会いの瞬間 彼は私にぞっこん
きっと結ばれる運命 ……でもそうかしら?

Does he love me or does he love me not?
私を愛してくれてる?

Do I love him and is it strong enough?
私の愛で足りるの?

One kiss one kiss
1回のキス

It all comes down to this
すべてが決まる

One kiss one kiss This moment could be it
1回のキス 運命の瞬間

I wanna know So here I go
はっきりさせなきゃ さあ 今よ

机にごろごろ寝転がって悩むイヴィがたいへんかわいらしい。
マルとウーマがのぞきに来て「はよしろ」

“here I go(さあいくわよ)”と見せかけてやっぱりもうちょっと悩みます。

腕枕でねんねしてるダグがふてぶてしいぞ。

Keep it cool keep it calm Think he’s loved me all along
大丈夫 愛を感じるもの

But maybe I got it wrong So I don’t know
でも私の勘違いかしら

He’s so good got my back But maybe I’m just too bad
私が悪い子だから ほうっておけないの?

Could we be a perfect match? Now I don’t know
私たち お似合いかしら

狭い部屋をいっぱいに使ってキュートに踊ってます。
飾られたドレスやらデザイン画も作りこまれてますね。

逐語訳で、
落ち着くのよ 彼はずっと私を愛してくれてたはず
でもひょっとしたら私の勘違いかも どうかしら
彼はいい人 私を支えてくれた でも私が悪い子すぎたのかも
私たち最高にお似合いになれるの? どうかしら

ダグはずーっとイヴィ一筋でしたよね。
イヴィが悪い子だったから気になったっていうよりやっぱり一目惚れ。
で、イヴィ自身が自分の価値を見失ってたことを気づかせてくれたのがダグ。
どう考えてもお似合いだからはよしろ。

I feel my heartbeat beatin’ saying it’s gonna work
心臓の鼓動が私を励ます

But if I’m dream dream dreamin’ This is gonna hurt
でも幻想だったら胸が痛む

Either I will or I won’t What if I do and he don’t?
私の気持ちは? 彼の気持ちは?

Is he my Romeo?
彼は私のロミオ?

Oh there’s only one one way to really know
はっきりさせる方法は1つ

とうとう外まで出やがった。

ダグをぶん回し踊って志気を高めたイヴィ、とうとう彼に唇を寄せます。

眠るダグにそっと口づけたイヴィ。でも彼は寝息を立て続ける……。
ショックを受けた顔をするイヴィをくすくす笑いながら、意地悪なロミオは身を起こしました。
おとぼけだけにすっとぼけてましたね。

男子チーム

カルロスジェイ、ハリー、ギルはデュードの鼻を使って森を散策中。
木の実をほおばるギルはさっきの褒め合いゲームをやろうと言い出し、ジェイの身軽さを褒めます。ジェイからお返しに明るいところが良いと言われたギルは嬉しそうに笑い、外の世界への憧れを口にしました。
一方のハリーはまだまだ悪ガキモードでジェイのことをからかうばかり。

イヴィがダグを起こしている間、四人と一匹は森で大きな獣に遭遇します。
それはライオンのような野獣――魔法にかけられたベンの変わり果てた姿でした。

暴れる野獣ベンをカルロスがなだめ、手に刺さった大きなトゲを抜いてあげました。

第1作で犬に怯えるカルロスをなだめてくれたのはベンでした。
カルロスもお兄ちゃんになったなと思いますね。ちっちゃい彼女までできちゃって。

落ち着いた野獣ベンのもとに駆けつけたのはジェーン。魔法の湖の水を浴びせられたベンはほぼ元の姿に戻りました。
ハリーたちが同行していることに戸惑うベンをなだめつつ、男子チームもイヴィの家へ向かいます。

ハリーはきざったらしいままですが、野獣ベンの爪攻撃から助けてくれたことに対してジェイにお礼を言います。
このときハリーがフックを外してるのが象徴的に見えますね。

マルの告白

イヴィの家ではカルロスの手作りケーキをみんなで賞味。
マルウーマの案が正しかったと認め、島にいたころからずっと彼女を軽く見ていたことを反省します。

和気あいあいな雰囲気にオードリーはぷんぷん。
やかましいチャドを物置に閉じ込めると、イヴィの家を封鎖しようと魔法をかけました。
木の板がひとりでに窓やドアを塞ぐのを見て、マルは魔法で対抗。相手の力の方が強いかと思われましたが、ウーマがネックレスの力で加勢し、オードリーの魔法に打ち勝つことができました。
とうとう二人で協力したところで、ウーマはマルに燃えさしを返してくれました。

ここでマルとウーマがはっきり和解。
ウーマはこれまでも前作と比べって丸くなった感が強かったですが、このときはいよいよ「本当はずっとマルと仲良くしたかった」顔を隠さなくなってます。イヴィが嬉しそうでなにより。
ウーマのネックレスは魔力のみなもと。巨大タコに変身するときもネックレスが光ってましたね。

と、そこにベンを連れた男子チームが帰還。

再開したウーマとハリーがちょっと雰囲気出してやがる。
髭と牙が残ったベン、ウーマがやっぱり味方になったじゃないかとニヤリ。
ジェーンとカルロスでジャルロス。

ジェーンとダグはギルを用心棒としてフェアリー・ゴッドマザーを探しに。
石になったゴッドマザーを見つけたジェーンはショックを受けますが、なんとか元に戻そうと考えます。

一方、ベンマルたちはオードリーがいると思われる妖精の小屋に向かいました。
日も暮れた薄闇の中、小屋に踏み込んでみればそこには混乱したチャドがいるばかり。
小屋を出てこれまでの事情を尋ねるベンに、イヴィが「マルが島の子を誰でもオラドンに呼んでいいと約束した」と話します。

それを聞いたマルは、もう潮時だと真実を話すことに。
オラドンの安全のため島のバリアを永遠に閉ざすのだという決定を打ち明けます。

信じたのが愚かだったと失望した顔で立ち去るウーマとハリー。
嘘をつかれたことに激昂し、燃えさしを水桶に投げ入れ去ってしまうセリア。燃えさしは力を失います。

ウーマが声を荒げず、ただ残念そうな顔をするのがきつい。
ハリーもおどけてない口調で話すのはここがほとんど初めてでは。
セリアはマルを立派なヒーローだと信じていたからこそ、うじうじちっちゃい嘘をついてたことがショックだったみたい。

そして家族であるマルに裏切られたことに傷つくイヴィカルロスジェイ
言い訳しようとするマルの前で、ピンク色の煙がイヴィたちとベンを石に変えてしまいました。

イヴィが怒ってるのはマルが島の子たちを見捨てようとしたことと、嘘をついて隠していたこと。
イヴィがマルに対して声を荒げるのはシリーズ通してこれが初めて。自分の気持ちを正直に口にできないのはずっとマルの悪い癖だったんだけど、今回は島の子どもたちという大切な存在が絡んでいるから怒らずにはいられない。

でもなんでこの時点でもマルの中でバリアを閉じる決定が揺らいでないのか不思議。
脅威だと思ってたハデスは娘とウキウキ踊ったあげく燃えさしを貸してくれたし、もっと脅威だと思ってたウーマとも和解できると分かった。
ここでもう一度ちゃんと考え直してたら「よく考えたらバリア閉じる必要なくない?」に落ち着いたような気がするけどな。

独りぼっちになったマルは自分の愚かさを反省します。

My Once Upon A Time(マイ・ワンス・アポン・ア・タイム:私の物語)

今作のしっとりナンバー。おとぎ話っぽい曲調がドラマティック。

※英語歌詞は公式歌詞動画からです。

Here you are alone and you deserve it
独りぼっちなのは 自分のせい

Your friends have turned to stone and that’s on you
友達が石になったのは 私のせい

You had a cause to serve but did you serve it?
私は自分の役目を果たせたの?

Or did you see yourself in a way that wasn’t true?
それとも自分を見誤ってただけ?

Why tell all those lies? You feel unworthy
自信がないからウソをついた

Like there isn’t solid ground for you to stand
足元がグラグラする感覚

But a stack of lies is not a firm foundation
ウソを重ねたって 土台にならない

You cannot build a castle on a mountain made of sand
砂の山にお城は築けない

自分の行動がせっかく集まったみんなをバラバラにしてしまったことを悔やむマル。
嘘による絆は簡単に崩れてしまう……そうなのかもしれません。

“You had a cause~that wasn’t true?”の二行がポイント。
果たすべき正義があったのに果たしたの?
 それとも自分を見誤ってただけ?
自分が正しいと信じていたことが本当は独りよがりだった、というのはちょうどさっきウーマに対して思ったことと同じですよね。

もちろんこの歌の”you”は全部自分で自分に対して言ってること。

This is not your father’s fairy tale
これはパパの作り話じゃない

And no it’s not your mother’s fault you fail
私の失敗はママのせいでもない

So when your story comes to light
私の物語がこの世に出る時

Make sure the story that they write goes
こんなふうに伝えてほしい

第2作ではあまり「親」のテーマが登場しなかったわけですが、今作は少し戻ってきます。
自分の生き方は自分が責任を持つということ。

Once upon a time she fought a dragon
昔々 彼女はドラゴンと戦った

Once upon a time that beast was me
昔々 私こそ野獣だった

Once upon a misspent youth she faced herself she spoke the truth
まだ若かりし頃 彼女は恐れず真実を語った

That’s how I see my once upon a time this time
そんな物語を紡いでいこう 今度こそ

これが自分の物語だと誇れるようにね。

物語は”once upon a time(昔々)”で始まって”happily ever after(幸せに暮らしました)”で終わる。

一行目は第1作でマレフィセントドラゴンと対峙したマルを思い出させる。
二行目だけ「彼女」ではなく「私」なのはどう解釈すべき?

歌の途中ですが、マルはウーマを追いかけ助けを求めます。
オラドンを見捨てないでと必死なマルにウーマは一瞬言葉に詰まりますが、自業自得だと立ち去ってしまいます。

Life is not a storybook but life unfolds in chapters
人生は童話じゃないけど 数々の章がある

Turn the page and start to make amends
ページをめくり 償いをしよう

There’s no prewritten guarantee of happily ever after
ハッピーエンドは約束されてない

Step into your greatness before your story ends
何か成し遂げよう この物語が終わる前に

So when your story ends They’ll say
最後には こんなふうに伝えてほしい

邪悪な母親に立ち向かった頃を思い出しマルは自分を奮い立たせます。
やっぱり1作目のころはみんな子供だねぇ。

Once upon a time a girl flew higher
昔々 彼女は空高く飛んだ

Once upon a time she made things right
昔々 彼女は世界を救った

Once upon a tie that binds she changed her heart to changed their minds
彼女は心を改めて 人々の考えを変えた

2作目のウーマはやっぱりすごく悪そう。

“make things right”は「物事を正しくした=正義を成した」
“a tie that binds”は「結ぶ絆」、オラドンとロスト島を結んだのがマルという存在だったからね。

That’s got to be my once upon a time
それこそ語られるべき物語

This once upon a time
これが私の物語

I’ll finally see my once upon a time this time
そんな物語を紡いでいこう 今度こそ

今からでも遅くない、やるべきことをやろうと決意したマル。

その耳にセリアの悲鳴とオードリーの高笑いが聞こえます。
マルはドラゴンに変身し、塔の上へと飛び立ちました。

最後の戦い

セリアを人質にしたオードリーは、杖の魔法でドラゴンのマルを襲います。
ドラゴンマルはなんとか燃えさしに再び力を与えようとしますが力が足りません。

セリアがオードリーの気を引いている隙に、マルのピンチを見て取ったウーマがたまらず駆けつけました。
自分がついているとマルを励まし、ウーマの魔力が合わさって燃えさしに再び炎がともります。

ウーマたった今冷たくあしらったところなのに、いざピンチを見たらいてもたってもいられないのがかわいいね。
前作でのウーマのマルに対する恨みは「自分を置いていった」ことに対したものだったのかも。
今回はウーマ自身も島の外の世界を見たあとだから、懐広くかまえていられたんじゃないかな。

燃えさしの魔法を全開にしてオードリーに立ち向かうマル。
マレフィセントの杖の力に打ち勝ち、セリアを救い出しました。

魔法は解け、眠りについたディジーたちや石になったゴッドマザー、イヴィたちも元に戻りました。
ジェーンたちは座って待ってたらしいです。なんとかするんじゃなかったんかい。

元の姿に戻ったオードリーは、眠りについたまま目を覚ましません。
燃えさしの力が暴走したからだと考えたマルは、力を使いこなせるだろうハデスに助けを求めることに。

ここで「自分も島に行く」と言っているウーマ、ハリー、セリアは、今後バリアが永遠に閉ざされることを前提としています。すなわちこの先オラドンではなく島で生きることを選んだということ。
そして島を閉ざすというマルの決断を受け入れてくれたということでもある。

ハリーがウーマにベタベタしながらも自分を「手下」って呼んでるのはなんだかいい。

翌日、連行されてきたハデス
ハデスは「ヒーロー側」であるオードリーは悪事を犯しても許されると皮肉りながらも、燃えさしの力を発揮しオードリーを眠りから覚ましました。
アニメみたいに頭がメラメラするハデスおじさん。

目覚めたオードリーは深く反省し謝ります。
マルもまた自分がオードリーを軽んじていたことを認め、素直に謝罪しました。

オードリーは本当に世界を支配しようなんて思ってたわけではない。ただ自分だけが傷つき独りぼっちであるという痛みを、悪意へと変えてしまっただけ。
それにつけ込んでアクマタイズ邪悪な存在に変えたのはやっぱりマレフィセントの呪いだったんじゃないかと思えます。

マルにキスしてもらったハデスはおとなしく連れて帰られます。
こっそりマルの手に燃えさしを渡し、ウインクを残して。

ハデスの笑顔が普通にキュート。ただのいいおじさんじゃないか。

エピローグ:婚約の式

ベンマルの婚約、すなわちマルの女王着任式に集まったオラドンの人々。
海に面した広場でマルは正直な気持ちをスピーチします。

バリアを閉じようと言い出したことを告白し、それは間違いだったと認めます。
バリアの外か中かで善と悪が決まるわけではない。誰もが二つの面を持っている。
オラドンと島両方の女王となるため、バリアを完全に外すことを提案します。

ベンも皆もマルの決意を受け止め、フェアリー・ゴッドマザーの杖により、オラドンと島に完全な橋が架けられました。

でも危険なヴィランも野放しになるんじゃない?という野暮なことは言わない。
ハデスはたまたまただのおもしろいおじさんだったけど。

島の子どもたちも異変に気付き外へ出てきました。
嬉しそうに顔をほころばせるウーマは「アタシの案!」その通り。
ウーマはまたすごい衣装になってる。そういえばアースラのテーマカラーって藤色な気がするけどウーマは青緑ですね。

二つの世界が結ばれたところで全員参加のラストソングだ。

Break This Down(ブレイク・ディス・ダウン:壁を取っ払って)

※英語歌詞は公式歌詞動画からです。

It’s time to bring it together
手と手を取り合って

Time for a brand new start
新しいスタートを切ろう

We’re gonna put it in motion
そろそろ動き出そう

Break down what keeps us apart
邪魔な壁を取っ払って

No more no division we down New team got the vision
争いを終えて1つのチームへ

Unite!
1つに!

So we stand now we livin’ marching In the light 1, 2, 1, 2 like
光の中で行進しよう 1 2 1 2

I see you
私も

You see me
あなたも

Imperfect
弱さも

Perfectly
強さも

Face to face we can see clearly our similarities like
向き合えば 私たちは似た者同士

Day and night
昼も夜も

Wrong or right
善も悪も

We come together for a good time
全部まとめて楽しもう

We’re gonna break this down
一緒に乗り越えよう

We’re gonna rock the town
町を揺さぶろう

Everyone all around
みんな 集まって

Let’s be whoever like this stronger together like this
一緒なら もっと強くなれる

マルとウーマが仲良く歌ってるのは本当にいいもんですね。
この歌のテーマは分かりやすい。違いなんてない、みんな仲間なんだってこと。
オラドン側とかロスト島側とか、ヒーロー側とかヴィラン側とか。ディズニーらしいなあ。

Believing in second chances
セカンドチャンスを信じて

And we’re all starting today
今日から生まれ変わろう

Marching on in a new land
新たな世界に踏み出そう

Our world’s a better a better place
よりよい世界のために

セリアも今回は歌う!ファシリエ風のコスチュームがオシャレ。
ハリーもやっぱり歌う!胸のフリルが船長らしい。
ギルはソロパートないけど楽しそう。

Welcome the addition new love
愛を広げて

Unity new beginning for us
新しく始めよう

Harmony that’s the mission marching
ハーモニーを奏でて

in the light 1, 2, 1, 2 like
光の中を行進しよう

橋を渡ってくる島の子たちと迎えに行くオラドンの子たち。
パステルカラーとレザーが橋の上で交差し、みんなでオラドンへ。
向き合って踊るみんながかわいいね。

Just be whoever like this stronger together like this
一緒ならもっと強くなれる

We reunited like this
手を組もう

Bringing it Bringing it Bringing it down
壁を取っ払って

オラドンで迎えるベンたち。
オードリーもダグもチャドもジェーンもディジーもいる(んだけどローニーがいない)

みんなそろって地面を鳴らして踊ります。
楽しそうな笑顔がいいぞ!
ノースリーブ担当は今回ジェイではなくハリー。
ベンとダグが大振りに踊るギャップがおもしろい。
オードリーが上品なピンクのドレスで力強い振付するのがいい。

女の子にすぐ色目使っちゃうハリーを小突くウーマ「アタシの名前は?」
それが聞きたかった!

お祭り騒ぎの中、島から来たのは子供たちだけじゃない。
ファシリエ、トレメイン夫人、スミーに会えてよろこぶセリア、ディジー、双子。

そしてギターサウンドとともにお義父さんことハデスも再来!
娘の婿になるベンにはきっちり目を光らせているようです。

みんなが落ち着いたころ、マル、イヴィ、カルロス、ジェイは四人で島へ向かいます。
親たちが待っているはずだから。

そして幸せに暮らしましたとさ。

エンディングソング

スタッフロールに流れるエンディングソングはウーマを演じたチャイナ・アン・マックレーンが歌います。

セリアのパパ:ファシリエの登場する「プリンセスの魔法のキス」での挿入歌。
カエルに変えられ人間に戻りたいという主人公たちに、本当に必要なものは何か考えなさいと諭す呪術師のおばあちゃんの歌です。

Dig A Little Deeper(もう一度考えて)

※英語歌詞はmusixmatchを参考に、和訳は筆者によるもの。

It don’t matter what you look like
見かけなんかどうでもいい

It don’t matter what you wear
着ているものも関係ない

How many rings you got on your finger
指輪をいくつしてようが

We don’t care!(No, we don’t care!)
どうでもいいことさ!

You got to dig a little deeper
もう少し考えてみな

For you it’s gonna be tough
あんたには苦しいことだろうけど

You got to dig a little deeper
もっと深くのぞきこんで

You ain’t dug near far enough
それじゃまだ足りないよ

Dig down deep inside yourself
心の奥底を見つめるんだ

Find out what you need
自分にとって何が必要か

Blue skies and sunshine guaranteed
青空と太陽が見守ってる

本当の自分のありかた、自分の望みを見つけようとしていたマルへの歌に聞こえますね。

最後に

明るく終わっていい感じでした。
最後のシーンは本当に全員楽しそうでたいへんよろしい。

上にも書きましたが、今回番宣では誰が”ヴィラン”なのか一切明かされませんでした。
「どのヴィランの仕業か不明」っていうセリフを取り上げたり、ハデスやセリアを意味深に映したり。
自分もオードリーがはっきり悪役として立つとは想像してませんでしたが英語wikiのキャラクター紹介トップページで一瞬でネタバレされた。せめて写真を写すな
でも本編見たらすぐに分かってどんでん返しも何もないので、ミステリー調を期待してはいけない。

シナリオ的にはまあご都合な感じでしたが、キャラクターがみんないい子で愛らしいからそれだけで満足ですね。
むしろキャラクターが増えちゃったせいで、せっかく魅力的なのに描き切れなかった感があるのがもったいない。セリアにももっといたずらしてほしかったし、ディジーと遊びまわってほしかった。
ファシリエもちょっとしか出ないくせにいちいちいい動きしてた。

さて、ディセンダントシリーズはこれで一度幕を下ろしたことになります。
カルロスを演じたキャメロン・ボイス君が亡くなってしまったこともあり、彼抜きで続編を…というのは考えにくいみたいですね。確かに彼がいないとさみしい。

愛すべきキャラクターを生んでくれたキャストとスタッフのみなさんに心から感謝を送りましょう。

欲を言えばハデスのスピンオフでもひとつ。

おまけ:Rotten To The Coreの新バージョン

ディセンダント3のサントラには1作目の名曲”Rotten To The Core(ロッテン・トゥ・ザ・コア)”の新バージョンが収録されてます。
これが単なるリミックスではない。新キャラがボーカルに参加しており、さらに一部の歌詞が現在のマルたちの心情に書き換えられています。

ということで歌詞を紹介。英語歌詞はMusixmatchおよびYoutubeを参考に聞き取り、和訳は筆者の個人的解釈です。

They say I’m trouble they say I’m bad
“悪い子”だとか 人は言うけど

That ain’t my badly so don’t make me mad
本気はそんなもんじゃない 怒らせない方が身のため

A dirty no-good down to the bone
悪にまみれて 骨まで真っ黒

I’ll take that trophy back to my zone
トロフィーを勝ち取るぜ ゾーンに戻れ

So I’ve got some mischief in my blood
この体は悪に染まってる

My fashion’s wicked hands off my gloves
ワルなファッション 手袋に触らないで

They think I’m callous a low-life hood
ただの不良だと思うなよ

The times are changing bad is the new good
変革のとき ワルこそ新たな正義だ

Mirror mirror on the wall Who’s the baddest of them all?
鏡よ鏡 鏡さん この世で一番 悪いのは誰?

Welcome to my wicked world
どうぞ いらっしゃい キケンな世界へ

I’m rotten to the core
根っからのワルさ

Who could ask for more?
救いようがない

I’m nothing like the kid next like the kid next door
子どもと思って なめるなよ

I’m rotten to the core
骨の髄まで腐ってる

マル、ジェイ、イヴィ、カルロスの懐かしい歌いっぷり。

Long as I’m leader of this lost isle
ロスト島のリーダーはこのアタシ

There’ll always be a little evil behind my smile
笑顔の裏にあるのはいつも 邪悪な企み

うーううーま!
ウーマは今回ちっとも邪悪じゃなかったですね。
でも無法者な感じが格好良かった。衣装も何気にバリエーション豊か。

Don’t double cross me I’ll get you hooked
裏切るんじゃないぜ フックに吊るしてやる

You think I’m kidding? Just take a look
冗談だと思うか? 試してみよう

ハリーは真面目に歌わない。今回も終始ハリー節が全開でした。
前作からウーマのこと無条件に大好きな感じでしたが、今回はいっそうストレートな愛情表現が。
でも安易に恋愛っぽくならない姐御と手下の関係が好きですよ。

I’m not a sweetheart I’m not your friend
かわいいお嬢さんでも あんたの友達でもない

But you better invite me or taste revenge
でもパーティには招待しなさい 復讐されたくなければね

やらかしたオードリー。今回は役割も衣装もすごく印象的。
第1作での嫌な女はどうなってもいいというディズニーにありがちなシナリオに一石を投じ……られたかなぁ。
今作の前にオードリーが「いい子」であるってのがもっとちゃんと描かれてたらよかったよね。

I’m on a hustle Take what I can get
ペテンにかけてあげる もらえるものはもらう主義

Show me the money
有り金見せてみな

番宣ではセリアがヒジョーに怪しい顔で映っていました。
セリアの存在自体が実は本当の悪役を隠すためのペテンだったということだ! 納得納得。
本編でももっといろいろやってほしかったけど、スピンオフを待ちましょうね。

You ain’t seen nothing yet
お楽しみはこれからだ!

シリーズファンもそれを期待していることでしょう。

死ぬほど長くなった今回の記事はここまで。
英語版で見て追記したくなったら追記するぞ。

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  1. 日本でもギャルとかが使ってる「バイブス」はこの意味なんですよね。
  2. ディジーの「イーッ」って喜び方好き。
  3. オードリーも絵が超うまいという事実が明らかに。日記には特に新しい情報は書いてないです。
  4. どうやらオードリーを気にかけてくれる友達もいないようです。チャドは犬だし。
  5. CGアニメのミニシリーズ「キケンな世界」なんかではいい子ちゃんな言動もしばしば見せてくれました。映画第1作だけの描写だとちょっと不足だよね。
  6. 日本語字幕では”And there’s no in between cuz if I can’t have that”で塊にしてます。その場合”that”は「中間がない」ことを指してることになると思いますが、そうすると”cuz”がどこにかかるのかが分からない。
  7. 関係ない話ですけどオードリー役のサラ・ジェフリーちゃんは「ウェイワード・パインズ」というドラマに美少女役として出てきます。それがちゃんとした上品な美少女になってるもんだから女優さんってすごい。
  8. マレフィセントの杖、クイーンのリンゴ、クルエラのハサミ、あと壺みたいなやつはジャファーの? あと次のカットではイーヴル・クイーンの手鏡もあるのが分かります。
  9. 最後まで特に明かされません。マレフィセントが復活してオードリーを操る展開かと思ったけど。
  10. 自分はてっきりマルがまた悪に染まるのかと思ってた。
  11. どこにあるのか誰も知らないらしい。ギリシャ料理の店出してたけど?
  12. 魔力とられたはずのマルがなんで海を渡る魔法使えるのかってツッコミはしないでおきましょう。
  13. マレフィセントのように「自分だけパーティーに呼ばれてない」状況。ジェーンほんとに呼んであげなかったのかな。
  14. さっそくバリア破っとるやないかいというツッコミはしない。
  15. でもマレフィセントをトカゲに変えた魔法とか犬のデュードがしゃべる魔法は解けなかったよね?というツッコミはしない。邪悪じゃない魔法は解けないってことで。
  16. 入口に書いてあった”PA DERANJE”はハイチ語で”DON’T BOTHER(邪魔すんな)”という意味らしい。
  17. ディズニーランドみたい。
  18. 今回マルの髪が青みがかってるのはこれを強調するためだよね。
  19. ハデスとマレフィセントの恋愛関係というのは、ディセンダント以外のディズニー作品でもチラチラ登場していたみたい。二人とも人間じゃないしね。

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