フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第58話 ウェアダッド(Weredad)
とうとうマリネットのパパに魔の手が。むしろシーズン3まで無事だったのが不思議だが。
ストーリー
プロローグ
夜の街で暴れるジャイガンタイタン。
レディバグはラッキーチャームで巨大ドーナツを入手し、シャノワールとともに戦う。
家を襲われたトムは、階上で怯えているであろう娘のマリネットを心配して見に行ったが、ベッドの中には身代わりの人形が。
家の屋上で変身を解いたマリネットは、アクマタイズが解けたオーガスト坊やのおしゃぶりを持ってきてしまっていたことに気付く。
シャノワールもおしゃぶりを返してもらおうと屋上に来たところで、マリネットとバッタリ。
以前にもレディバグと別れてすぐマリネットに会ったといぶかしむシャノワールに、マリネットはごまかそうとして「あなたが好きなの!」と抱きついた。
マリネットを心配して屋上に顔を出したトムは、告白の言葉を聞いて勝手に納得。
立ち去ろうとするシャノワールを呼び止め、翌日のブランチに誘った。
アクマ誕生
シャノワールがマリネットの彼氏になると思い込んだトムは、ウキウキでブランチの支度をしていた。
サビーヌはまだシャノワールの気持ちを聞いていないんだからとたしなめるが、トムはマリネットを好きじゃないはずがないとの一点張り。
アドリアンは約束した通りブランチには行くが、他に好きな子がいるとちゃんと伝えるつもり。
せめて落ち込ませないようにと、一輪のバラを携えていくことに。
花を持ってやって来たシャノワールを見て、まさか自分に気持ちが傾いたのかとショックを受けるマリネット。
かと言って昨日の告白が嘘だったと言い出すわけにもいかず、焦るしかない。
トムの期待のまなざしを前に、シャノワールとマリネットはお互い本心を言い出すことができない。
ようやくサビーヌに促してもらえたシャノワールは、歓待してもらったことへのお礼と寒いジョークとともに、レディバグが好きだから気持ちに応えられないとマリネットに告げる。
つい笑顔を浮かべかけたマリネットは、怪しまれないよう大げさに悲しんで部屋にかけこんだ。
シャノワールは申し訳なさそうに立ち去ったが、トムは娘の心が傷つけられたことに怒りを隠せない。
そこにホーク・モスが飛ばしたアクマの蝶がやってきた。
アクマはトムが持ったバラの花に宿り、トムはウェアダッドにアクマタイズされた。
トムのアクマタイズと同時に、家全体がアクマのオーラに包まれる。
巨大なトゲの生えた蔓が地面から生えてくると、家の床も屋根もつらぬいて雲の上まで伸びていった。
急いで戻ったシャノワールは、サビーヌに励まされながら蔓を上っていく。
ヒーローの戦い
雲の上までやって来たシャノワールは、蔓の先端が丸いカゴになっていることに気付く。
マリネットはカゴの中に囚われており、ティッキーともはぐれてしまっていた。
マリネットを探すシャノワールの前に、屈強なウェアダッドが立ちはだかった。
腰に蔓を巻き付けたウェアダッドは、理想の王子様が現れるまで娘を守るのだと言って、シャノワールを容赦なく痛めつける。
蔓のカゴに閉じ込められたマリネットは、内部に飾られたバラを見つけていた。
トゲトゲの蔓をかわしながらなんとかバラを手にすると、バラが崩れてアクマの蝶が飛び出す。
ウェアダッドのアクマタイズが解けると同時に、蔓でできた足場が崩れて落下し始めた。
マリネットはようやくティッキーと再会してレディバグに変身。
アクマの蝶を捕まえたが、シャノワールとトムと一緒に落下している状況は変わらない。
レディバグはラッキーチャームで大きなヨットを入手。シャノワールのカタクリズムで船体を破壊し、残ったマストと帆を組みかえてハンググライダーを作ると、三人で滑空して無事パン屋の前に着地した。
ミラキュラス・レディバグで、破壊された家もシャノワールの傷もすべて元通り。
エピローグ
マリネットを心配して部屋に駆け上がるパパとママとシャノワール。
レディバグは慌てて部屋に戻って変身を解き、三人を迎え入れる。
もう落ち着いたから友達になろうと言うマリネットに、シャノワールも一安心。
マリネットもシャノワールが「レディバグ=マリネット」を疑っていたわけではないと知って一安心。
二人を信頼するサビーヌの言葉を受けて、パパもシャノワールを許し、レディバグへの恋を応援してくれるのだった。
感想とメモ
ラブコメ回。いつもの様式とちょっと違う構成が新鮮。
てっきりマリネットが夜中抜け出してることに気付いたパパが監視を厳しくする的な話かと思ったが、マリネットのテンパり行動によってもっとおもしろい展開に。
マリノワール展開?
慌てると妙なことを口走っちゃうマリネットの悪い癖が出た。
シャノワールは「僕のファンなの?」と言おうとしただけなのに、「君がレディバグなの?」と言われると思って焦ってしまった。
確かに直球に質問されたらとてもごまかせそうにないけども。
「本当はなんとも思ってない相手となりゆきでカップル偽装することに!?」ってなんかすごいラブコメ感。
でもマリネットの気持ちがでまかせだってことはマリネットしか知らなかったから、ちょっとややこしいことに。
あんなに大げさに嘆いて見せちゃったのは、断ってもらえたことで内心はテンション上がりまくってたからなんだろう。おもしろいことまで言ってたし。
が、シャノワールは本当にマリネットを傷つけてしまったと落ち込み、パパもショックを受けてアクマタイズされちゃった。
パパも勝手なこと言ってるといえば言ってるんだけども。シャノワールにどうせいっちゅうねん。
そういえばパパもママもマリネットはアドリアンが好きだって知ってるんじゃなかったのか?
「あなたは自分の気持ちに自信を持って」とシャノワールに言うママの言葉が、ちょっと意味深に聞こえなくもない。
過保護なパパに対して、ママはマリネットの成長を信頼しているのが微笑ましい。
ママはいつも聖人だよな、まるでヒーローのようだ。
一つのペルソナを好きになるってことは……
アドリアンは「彼女が好きなのは僕じゃなくてシャノワール」とプラッグに釘を刺した。
レディバグもそうだけど、普段とヒーローを切り分けて考えてるのは正体を隠してるからなのかな。
でも結局は一人の人間。
マスクドヒーローだろうがそうでなかろうが、誰かを「好き」と言うのは自分が見ているある一面の姿に過ぎない。だからって「あなたが○○してるときは好きだけど、それ以外の場面はどうでもいい」にはならないものだと思うが。
マリネットだってアドリアンの知らない面があってもきっと全肯定するだろう。アドリアンがお調子者のシャノワールだったと知っても、アドリアンへの恋心が冷めることはないように思える。
実際はそうじゃないこともあるのかな。心酔してた相手のデート中の仕草が生理的に無理で、一気に熱が冷める……みたいなことがあるって夢原さんが言ってた。
思い込みの激しいパパ
早とちりしちゃうパパ、マリネットにそっくりで微笑ましい。
妄想を膨らませちゃうのもマリネットにそっくり。
トム「ペットのハムスターもね!」
ヒーローの将来設計まで考えてくれるとはなかなかやる。
確かにホーク・モスの悪行さえなくなれば、ヒーローも必要なくなる……のかな?
レディバグとシャノワールは若干、アクマが絡まない場面でも人助けしてたけど。
パリは悪党ひしめくニューヨークと違って治安がいいのかねえ。
ウェアダッドのウェアはウェアウルフ(人狼)のウェア。
野獣っぽいたたずまいといい、天まで伸びる魔法の蔓といい、王子様に言及することといい、今回の話はなかなかメルヘン。
マリネットを厳重に守ろうとするウェアダッドに、シャノワールは珍しく言葉でアプローチ。
守るという名目で独りぼっちに隔離されるのはつらいことだと、シャノワールは経験上よく分かっているから。
シャノワールに恨みを持つアクマってのは、コピーキャット回以来か。
ウェアダッドはミラキュラスを奪うよりシャノワールを叩きのめそうとしてたから、シャノワールがいつになくボロボロ。スティックは破壊されるし、天から落とされかけるし、実に危なかった。
ミラキュラス・レディバグはモノだけじゃなくて人の傷も治すらしい。
死んだ人はさすがに戻らないのか、それとも……。
その他ポイントメモ
- オーガスト坊やも二度目のアクマタイズ。ホーク・モスは味をしめて二周目を始めたようだ。
- レディバグによしよししてもらいたいらしいシャノワール。そんな大声で言わなくても。
- オーガストのおしゃぶり回収されなかったけど大丈夫?
- シャノワール「生まれて初めて女の子に好きだって告白された!」
えっ。 - トム「好きにならないなんてありえない!みんなマリネットが大好きなんだから!」
親バカ~。気持ちは分かる、マリネットはいい子だしおもしろい。 - プラッグ「同時に二つの料理を作ったって別に問題ないだろ~?」
プラッグは色男……かと思いきや、
プラッグ「本当は一つの料理なんだけどな!!」
プラッグはそれ知ってるからね。 - 今日のパリは珍しく曇り空。雲が必要だったからなのだ。
- ティッキー「シャノワールはレディバグに何回もフラれて気持ちが変わったかも」
マリネット「それはないと思う(笑)」
客観的ですね。マリネットの得意げな顔がかわいい。 - でもシャノワールが真面目に返事をしに来てくれるとは思いもよらないマリネット。
マリネット「そんなにマカロンが食べたいわけ……?」
親切なマリネットがシャノワールに対してだけテキトーな扱いするの、嫌いじゃない。 - デュパン=チェン家の建物の構造がちょっと分かった。
あの水色の壁の階段はビルの階段で、居住スペースはその中の一室ってことなのだ。
一階はパン屋さんだけど、他の階には別のテナントが入ってたりするのかな? - マリネットはピンクのバラが好き。
- トム「スーパーヒーローは安定した職業なのかな?」
フリーのヒーローは収入ないから安定とはほど遠いはず。ヒーロー一本で生活していくなら、用心棒とか探偵とかの仕事も引き受けないと。この世界なら芸能人としてテレビショウとか映画に出演したり動画配信したりすれば充分食っていけそう。
敵にやられて急に死ぬかもしれないけど。 - トムのヒゲが黒かったり白かったり。パン屋では小麦粉がついて白いだけか?
- パイをもぐもぐするしかないシャノワール、ハムスターみたい。
- マリネット「ハムスターとさみしく暮らすしかない!ハムスターの名前は”孤独”にする~!」
おもしろいことを言うのはやめろ。 - ホーク・モス「子供の失恋で心痛める父親……」
この人は息子の恋をどう思ってるんだろうか。 - トゲトゲの蔓をかわすアクションを始めるマリネット。ドンキーコングか。
- 珍しくレディバグもシャノワールも変身シーンがなかった。
- ホーク・モスの捨て台詞もなし。
- ラッキーチャームを使ってないから「ミラキュラス・レディバグ」ができなかったのか。
空中で発動すれば元通りになるときにちゃんと地上に戻してくれてただろう。 - マリネットの部屋、屋上から入れる作りでよかったな。部屋にいなくても屋上にいたことにできるし。
今回の記事はここまで。
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