【第78話 ミラクルクイーン】ミラキュラス レディバグ&シャノワール:ストーリーと感想

フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。

話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら

第78話 ミラクル・クイーン(Miracle Queen)

77話から続く、シーズン3のクライマックス「ミラキュラスの戦い」後編。

ストーリー

プロローグ

クロエはレディバグに失望し、ホーク・モスから渡されたハチのミラキュラスを使って変身していた。
さらにアクマタイズを受け入れてミラクル・クイーンになると、ハチをパリの街中に送り込んだ。
これに刺された者はミラクル・クイーンに操られてしまう。

ヒーロー登場

マリネットは失恋に加えてマスター・フーが行方不明になったことにショックを受け、偶然通りかかったルカに思わず抱きついていた。
しかしすぐに我に返って何でもないフリをし、ルカの作った曲を聞きたいと話をそらす。ルカはマリネットがまだアドリアンに恋していることを分かって気を遣ってくれる。
そこにミラクル・クイーンのハチが襲いかかり、ルカは咄嗟にマリネットをかばって刺されてしまう。
マリネットはアクマが襲ってきたことを悟ると、アクアフォームのレディバグに変身し、川の中へ逃げ込んだ。

一方その頃、アドリアンはキス寸前のところでカガミを制止した。
心の準備ができていないだなんだと言い訳するアドリアンに、カガミはちゃんと気持ちを話してほしいとまっすぐ告げる。
ここにもミラクル・クイーンのハチが現れ、カガミがアドリアンを突き飛ばした代わりに刺されてしまった。
アドリアンもアクアフォームのシャノワールへ変身し、川の中へ。

アクマの計画

ミラクル・クイーンは命令を下し、ミラキュラスを身につけたことのある者を学校の前に呼びつける。
操られたアルヤ、ニノ、マックス、ルカ、キム、カガミが集まり、ミラクル・クイーンの前にひざまずく。クイーンの指示に従い、ミラクルボックスからそれぞれのミラキュラスを取って変身した。
カメとドラゴンのミラキュラスはマスター・フーとマリネットが持っているため、ニノとカガミは変身できなかった。
クイーンはかつての仲間を操り、レディバグに復讐するつもりだ。

マスター・フーマユラに拉致されていたものの、亀のミラキュラスのパワーでシールドを張り身を守っていた。
ホーク・モスはマユラの体調を心配しながらも助力を求め、マユラはアモクをホーク・モスの杖に宿してセンチモンスターを生み出した。
大きな蝶の姿をしたセンチモンスターが、マスターのシールドを破ろうと襲いかかる。

ヒーローの戦い

レディバグシャノワールは川の中で合流。
シャノワールがスティックを伸ばして外の様子を探り、ミラクルボックスが奪われマスターが襲われていることを知った。

自分のせいだと取り乱すレディバグだが、「過ぎたことは忘れて今をなんとかしよう」とシャノワールに励まされる。
レディバグは思わずシャノワールに抱きついて落ち着きを取り戻し、ミラクルボックスを取り返してマユラとホーク・モスを倒そうと意気込む。
竜のミラキュラスを身に着け、ティッキーロンをユニファイ、ドラゴンバグへと変身した。

ドラゴンバグがウォータードラゴンの力で水のドームを作り、ミラクル・クイーンとハチを外側に隔離する。
バリアの中で操られたヒーローたちと対峙。

まずはヴァイペリオンから蛇のミラキュラスを奪うと、シャノワールがそれを身に着けた。
プラッグサスをユニファイし、スネークノワールに変身。
セカンド・チャンスをうまく使って、リナ・ルージュの幻とペガサスの空間ポータルをかわすと、キング・モンキーのおもちゃをバリアの外にいるミラクル・クイーンにぶつけた。

ミラクル・クイーンの能力がバグり、ハチたちが紙吹雪に変わってしまう。
レディバグがバリアを解いてミラクル・クイーンを引き寄せ、シャノワールがカタクリズムでコマを破壊。
出てきたアクマをレディバグが浄化し、ミラクル・クイーンはクイーン・ビーの姿に戻った。

一時の決着

アクマタイズは解けたものの、クイーン・ビーはミラクルボックスを抱きしめて離さない。
自分がクイーンになると言ってすべてのミラキュラスを身に着けたが、クワミたちは従おうとしなかった。

センチモンスターの攻撃によってマスター・フーのバリアが今にも破られそうになる。
レディバグラッキーチャームキーホルダーを手に入れたものの、使い方が分からず途方に暮れる。
自分のせいだ、自分は最悪のレディバグだと嘆くレディバグに、マスター・フーがそれは違うと声を上げた。
マスターは、過ちを犯しても正しい答えが見つけられるはずだと微笑み、レディバグを新たなガーディアンにすると宣言する。
亀のバリアが割られ変身が解けたマスターは倒れ、クイーン・ビーの持つミラクルボックスが亀甲型からテントウムシの丸い形に変化した。

ホーク・モスは敗北を悟り、マユラを連れて撤退する。シャノワールが後を追ったが逃げられてしまった。

レディバグは逃げようとするクイーン・ビーを捕まえ、ミラクルボックスを取り返した。
クイーン・ビーは身に着けた他のミラキュラスを投げ捨て、NYに行って唯一のヒーローになると言い張る。
だがレディバグにハチのミラキュラスも取られてしまうと、悪態をつきながらもショックを隠し切れない様子で走り去った。

戦いが終わって

変身を解いたガブリエルは、弱りきったナタリーの様子を心配する。
ナタリーは呪文の本の解読内容が保存されたマスター・フーのタブレットを奪っていた。本を使えばピーコックのミラキュラスを直せるはずだと言う。

倒れたマスター・フーは息を吹き返したものの、記憶を失っていた。
レディバグミラキュラス・レディバグですべてを元通りにしても変わらない。ウェイズが言うには、任を解かれたガーディアンは、ヒーローの秘密を守るために記憶を奪われてしまうのだ。

フーはレディバグが持っていたラッキーチャームのキーホルダーを見て、自分も似たものを持っていると懐から取り出し、レディバグに渡す。

一方、ごきげんななめのクロエはNYに発つ気満々で帰宅したが、ケンカしていたはずの両親はすっかり仲直りしてしまっていた。
おかげでママのNY行きもなくなってしまい、クロエは「早くもう一度ケンカしてよね!」とぷんぷん。

エピローグ

マリネットはフーに渡されたキーを使って駅のロッカーを開ける。
そこにはフーが前もって書いてあった手紙と、マリアンヌの写真が。
手紙に書かれた「思い通りにならないことを嘆くのではなく、変化を受け入れるのが大事」という言葉を噛みしめながら、マリネットはスタートレインに乗り込むフーとマリアンヌを送り出した。

マリネットアドリアンは、アンドレの店でアイスを買った。
アドリアンはカガミの隣に座る。
マリネットは彼の姿を気にしながらもルカの隣に腰かけ、ルカの奏でる「マリネットのメロディー」に耳を傾けた。

その頃、ガブリエルは修復したピーコックのミラキュラスを見つめ、不敵な笑みを浮かべていた。

感想とメモ

シーズン3の終わり、とうとう物語に大きな転機が。

大事なのは変化を受け入れること

過ちを犯したとき、ただ後悔するのではなくどう正すかが大切ということ。
望まない展開が訪れたとき、否定してあがくのではなくその中で生きていく覚悟を決めること。

前向きであることが大切だというマスターの教え。
ミラキュラスのガーディアンとして勝手に決められ、自分自身も大きな過ちを犯したマスターの言葉には重みがあります。

フーが失った記憶はなにもかもすべてなのか、ミラキュラスに関することなのかどっちだろうかと考えたものの、そもそもフーの人生はミラキュラスに関することがほとんどだったと気づいてしまった。
運命に翻弄された壮絶な人生だったとも取れるけど、そばにいてくれる人が最後にいたのはほんとに良かったね。

マリネットとアドリアンにとっては、恋に対する教えとも取れるわけだが……。

分かれ道か寄り道か

マリネットとアドリアン、二人の恋には変化があったともとれるし、今までと変わらないようにも見える。

アドリアンはたぶん、カガミに自分の想い人のことは言ってない。
カガミは変わらずアドリアンのことが大好き。

マリネットはアドリアンへの気持ちを失ったわけじゃない。でもアドリアンもカガミも悲しませるようなことはしたくない。
ルカはマリネットの気持ちを分かっていて、余計なことは言わずただそばにいてくれる。

マリネットはもう「アドリアンはカガミとイイ感じ」だと思い込んでるけど、アドリアンの方はどうなんだろう?
今回は取り乱すレディバグをハグして嬉しそうだったし、「僕らは信頼し合ってる」と言ってた。
でもだからといってカガミに「好きな人がいる」と言ったわけでもなさそう。
だとするとシャノワールのあの態度はむしろ、恋愛脳をやめて「ヒーローチームとしての信頼関係」が大切だと悟ったからなのかもしれない。

ところでカガミはアドリアンに「他に好きな人がいる」ってことを知らないんだよね。
リラとのインチキツーショット見たときはかなりショック受けてたし、もし知ったら大変かも?

エンドカードではマリネットとアドリアンが別の方向に向かっていたけど、どうなることやら。

ヒーローせいぞろい

ミラクルクイーンのおかげで、リナ・ルージュ、ペガサス、ヴァイペリオン、キング・モンキーが再登場。
操られていたとはいえ、それぞれが能力を発揮してレディバグとシャノワールをしっかり追いつめてたのがすごくよかった。みんなかっこいいね、やっぱり。パーティークラッシャー回のような無駄な登場じゃなかった。

ヴァイペリオンのセカンド・チャンスはあまりにも厄介。
使う方が難しいのは分かるが、使われる方はどう対策すべきなんだろう。今回みたいに腕輪を回せないように手を封じるとか、有効期間が過ぎるまで時間を稼ぐとか?

ペガサスのボヤージュも相当厄介。
何しろ空間移動させられてしまったら、もう戻る術がない。今回だってセカンド・チャンスがなかったらおだぶつだった。容赦のない能力だ。カタクリズムと同じくらい、悪党に使わせたらまずそう。

リナ・ルージュのミラージュだって普通に厄介。
幻かどうかは触って消すまで分からない上に、有効範囲が広すぎる。いくらでも忍び寄ることができそう。

こう考えてみると、レディバグは一番「ハズレスキル」だと言えるわけだが、誰よりも強いってのがすごい。
ラッキーチャームをどう使うかはマリネットのひらめき次第なんだから、レディバグの強さはミラキュラスに与えられたものだけでなく、マリネット自身の能力でもあるのだ。

ミラキュラス・ユニファイ

クワミバスター回で衝撃を与えた、複数ミラキュラスの「ユニファイ」が再び使われる。

シャノワールが「一緒にパワーを使っちゃダメ」と言ってるのは、マスターから教わったのかもしれない。
でもユニファイできるシステムがあるってことは、禁忌ってわけじゃないよね。手練れじゃないと制御が難しいって意味なんだっけな。

ドラゴンバグかっこいい!
中華なドラゴン風の装飾は、レディバグの赤と黒によく似合う。
逃れようのなさそうなミラクル・クイーンのハチに対して、水のバリアが効果絶大。
さすがレディバグ、クイーン・ワスプ回でも水中を利用したことをちゃんと覚えていたのだ。

さらに今回はシャノワールも蛇とユニファイ!
スネークノワールは、デスペラーダ回のアスピクが黒くなった感じ。黒蛇さん。
しかも今回はセカンド・チャンスを的確に使ってる!
レディバグを励ましたときも含め、シャノワールの精神的余裕がうかがえて感慨深いね。

レディバグがカガミの、アドリアンがルカのミラキュラスをユニファイしたわけか。なんだか意味深。

ピーコックのミラキュラス

ナタリーが今にも死にそうだったけど、大丈夫だよね?
ともあれ有能なナタリーはマスターのタブレットからちゃんと情報を抜き出していた。

ガブリエルはその情報から、壊れたピーコックのミラキュラスを直した……っぽい。

ピーコックのミラキュラスの故障はエミリーの昏睡状態に深く関わってるのかと思ってたけど、どうやら違うらしい。
本の情報はエミリーをよみがえらせるのには役に立たないのか。つまりエミリーが眠ってるのはミラキュラスのせいじゃない。ふーむ。

あと、ディズニーチャンネル8月の番宣でのホーク・モスの姿の意味も理解できました。
なるほどなのか……? どっちにしろミラキュラス直ったならそんなに意味ないような……。

クロエお嬢様!

どうやらクロエに対しては何事もなく、ただ通常運転に戻りそうな感じ。
期待は外れてしまったが、まあ悪に走らないだけよかった。

しかしレディバグ、もうちょっと説明してあげてもいいんじゃないのかなぁと思ってしまう自分はクロエびいきが過ぎるでしょうか。
身から出た錆だといえばそうなんだけどね。マリネットの身になってみれば、クロエに優しくしてあげる筋合いはないって思うのは仕方ない。

でもただのわがまま娘だったクロエが、ヒーローだからっていう自負によって人助けをしようとしてるのは確か。
今回も世界のクイーンになろうとしたんじゃなく、「ヒーローの中のクイーン」になろうとした。
「レディバグに裏切られたから悪に走る」んじゃなく、「レディバグなんか頼らず自分が唯一のヒーローになる」って方向性に走ろうとしたのは悪くないと思うよ。

レディバグに決別するとき泣き出しそうなのをこらえてた感じだったから心配しちゃったけど、ホテルではいつも通りに戻っててよかった。

(でもこれって、「クロエのことはヒーロー仲間扱いしません」っていうシリーズの宣言ですよね。そんなにファンから嫌われてるんだろうか。いや、でもハチのミラキュラスが二度と使われないとも考えにくいし、まだ期待はできる。)

とにかく自分はクロエのファンです。悪しからず。

その他ポイントメモ

  • アルヤの家にお父さんお母さんが集まってる光景は初めて。お父さんが動物園の人だって今はじめて分かるような……。
  • ノラはいつも試合用のコスチューム。グローブくらいはずしなよ。
  • アドリアンに急に肩をつかまれたカガミ、目を見開いて頬を赤らめる。
    かわいいな、もう。
  • アクアシャノワールの尻尾がおたまじゃくしのようで愛らしい。
  • ミラクル・クイーンの言動が前回と違って普通にいつものクロエ。ほっとする一方で「あっ、これは一泡吹かせないな」と気づいてしまう。
  • マックス(メガネ)→「オタクのマックス」
    アルヤ(メガネ)→「インチキレポーター」
    ニノ(メガネ)→「つまんないDJ」
    キム→「単純で幼稚なキム」
    ルカ→「誰だか知らないけどイケメン(服はイケてない)」
    カガミ→「この子はダメ!」
  • ルカの服はジャゲッドのTシャツです。
  • クロエ、ルカのこと知らないんだ。クラスメイトしか知らないのかも。
  • メガネはずしたアルヤがすごい美人。
  • アリックスが刺されてたら招集に応じてたのかな。この時点のアリックスはまだミラキュラスもらってないからそうはならないか。
  • レディバグって普段あまりにも強くしっかりしてるから、こんなふうに弱いところ見せられると魅力的で困るね。
  • センチモンスターの後を追ったのにあっさり見失うシャノワール。尺の都合だね。
  • クロエったら、ニューヨークなんてヒーローの最大激戦区じゃありませんか。
  • オードリー「過ちは犯すもの。大事なのはそれを改めること」
    的確な教訓を言いやがる。ブルジョワ夫妻がどうすれば仲直りできるのかマジ不明。
  • 記憶を失っても性格は変わらないものなのかなぁ、と考えていたらグラビティフォールズのことを思い出してしまった。記憶喪失ってのはほんと、キャラを殺すことなく周りの人にショックを与えるのにちょうどいい道具だ。まったくもう。死んだわけじゃないのにやたら切なくなるよね。
  • マックスとアリックスって仲良かったっけ?
  • ルカのギター、ジャゲッドの顔でいちいち笑えちゃうんですけど。
  • 制作チームはサブリナのことを忘れちゃったのかなぁ。

今回の記事はここまで。


 

コメント

  1. 蜂子 より:

    自分もクロエがクイーンビーとして活躍する姿をもっと見たかったです。

    クロエがヒーローになれないのは、ファンの意向ではなく、ミラキュラスのクリエイターであるトーマス·アストラックが、クロエをかなり嫌いだったのが理由らしいです。

    • yakan3(管理人) より:

      みたいですねえ。監督がクロエを「更生できない子」として扱ってるのはツイッターでチラチラ見ました。
      せっかく面白いスタンスのキャラになってきたのに、安直ないじめっこに戻っちゃうのはもったいない気がしますね。
      と言いつつ、シーズン5はまだ見てないので諦めてはいません。笑

  2. グローテス より:

    クロエは完全にクイーンビーではいられなくなってしまったんですけれどやっぱりイジメッ子がヒーローなのは不味いって言う判断なんでしょうか。

    あと、クロエは一応大切な人が巻き込まれるからクイーンビーにはなれないって説明を受けていたんですがそれでも自分は必要とされるはずって信じているんですよね。そういう正論以前に。

    あと、いつかフルユニファイフォームは見てみたいです。最強フォームみたいな感じで。

    • yakan3(管理人) より:

      個人的にはクロエみたいな「嫌なやつ」ほどヒーローになってほしかったですが残念です。
      愛想の良さとヒーローであることは必ずしもイコールじゃなくていいな、と。キッズショーではそうもいかないんですかね。
      シーズン3クロエのアンビバレントさは等身大の人間らしくて大好きだったんですが、シーズン4ではもとに戻っちゃいました~。でも自分はクロエのファンです。

      フルユニファイ、そのうちしそうですよね。ミラクルボックスごと変身みたいな。