【第81話 ギャング・オブ・シークレット】ミラキュラス レディバグ&シャノワール:ストーリーと感想

フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。

話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら

第81話 ギャング・オブ・シークレット(Gang of Secrets)

マリネットの抱える秘密が、今度は親友たちを傷つけてしまう。

ストーリー

プロローグ

いつものアクマ退治の後、レディバグは妙にソワソワしてパトロールを続けたがる。
シャノワールはレディバグを言いくるめて映画館に連れ込んでみたが、レディバグはラブコメ映画のご都合展開をムキになってディスりまくったあげく、異様なハイテンションで立ち去った。

マリネットはレディバグの格好のまま自宅に戻ってふさぎこむ。心配するクワミたちに対して口では「気にしてない」と言うものの、明らかに強がりでしかなかった。

アクマ誕生

アルヤジュレカローズミレーヌアリックスも、明らかに落ち込んでいるマリネットを心配していた。
マリネットはルカと別れたことを誰にも知らせておらず、アルヤたちはルカから話を聞いたジュレカを通じて事情を又聞きしていたのだ。
5人はそれぞれ秘密を込めたビーズでブレスレットを作り、マリネットにプレゼントしようと家を訪ねる。

自室にこもるマリネットは、誰にも相談できない秘密に押しつぶされそうだった。
そこに友達5人が訪ねてくれたが、ドールハウスに隠したミラクルボックスを見られそうになった上、秘密を話すまで帰らないと迫られて、とっさに厳しい態度で追い返してしまう。

アルヤたち5人は、マリネットに「みんなと友達でいたくないのかも」と言われてしまいショックを受ける。
公園で落ち込む5人のもとに、シャドウ・モスがアクマの蝶を放つ。
プレゼントしようとしたブレスレットにアクマが宿り、それぞれがレディー・ワイファイプリンセス・フレグランスタイムブレイカーリフレクタホリフィケーターにアクマタイズされた。
5人のギャング・オブ・シークレットは、マリネットの秘密を聞き出し友情を取り戻そうと動き出す。

ヒーロー登場

マリネットはミラクルボックスを新たな隠し場所にしまいこみ、ため息をついていた。
そこにレディー・ワイファイが現れてマリネットに秘密を話すよう迫る。
トリックスミラージュを使ってアクマを陽動している間に、マリネットはレデイバグに変身。

ミラージュは暴走してエッフェル塔が踊り出す幻まで作り出してしまった。
この様子をテレビのニュースで見たアドリアンも、シャノワールに変身して駆けつける。

ヒーローの戦い

ギャング・オブ・シークレットはマリネットの幻を追い、それぞれアクマの能力を使って街中を探し回っている。
レディバグは自分のせいで友達がアクマタイズされたことを悔やみながらも、5人のアクマを相手にするための作戦を練った。

時間を戻せるタイムブレイカーの相手をシャノワールに頼み、レディバグレディー・ワイファイをヨーヨーの糸で捕まえた。
レディバグはレディー・ワイファイの中のアルヤに対して、「秘密があっても私たちはお互い心から信頼できる」「リナ・ルージュが必要」「あなたならアクマの力を跳ね返せる」と説得し、拘束を解く。
アルヤはレディバグの信頼に応え、シャドウ・モスの支配を打ち破りアクマタイズを解除させた。

元に戻ったアルヤから、アクマはアリックスの持つブレスレットに宿っていると知らされる。
レディバグから渡されたキツネのミラキュラスで、アルヤはリナ・ルージュに変身した。

一方のシャノワールは4対1で押さえこまれてにゃんこ大ピンチ。
レディバグラッキーチャームで浮き輪を手に入れる。
リナ・ルージュミラージュでマリネットの幻を作り出し、ギャグたちをプールへ陽動。
タイムブレイカーをプールに飛び込ませて浮き輪で拘束すると、シャノワールのカタクリズムでブレスレットを破壊。

危機一髪で5人のアクマタイズが解け、レディバグの秘密も守られた。
ミラキュラス・レディバグですべて元通り。

エピローグ

再び部屋に来てくれたアルヤたち5人に対して、マリネットは「ルカとの関係もアドリアンに気持ちを伝えられないこともすごくつらかった」と本心の一端を打ち明ける。5人は何があってもマリネットの味方だとハグをしてくれた。

みんなが帰っていく中、アルヤだけはマリネットにまだ隠し事があると察し、二人きりで話そうとする。無理に聞き出すつもりはないと言った上で、マリネットの孤独を心配してくれた。
帰ろうとするアルヤをマリネットは呼び止める。誰にも言えない秘密を抱えざるをえない苦しみを吐露し、そして自分がレディバグだと打ち明けた

アルヤはすべてを悟り、何も言わず親友を抱きしめた。

感想とメモ

それはもう重要なエピソードでラストシーンがたいへんすばらしいから、アクマがまた使いまわしやないかーいとかは言いません。

バグったレディバグ

まるでマリネットみたいに様子のおかしいレディバグ。
というのも、トゥルース/ライズのエピソードで、自分が抱える秘密によってルカを傷つけ、別れることになっちゃったから。
スーパーヒーローとロマンスの両立ができない現実にうちのめされてる状態じゃ、そりゃ「愛するあなたにはすべてを打ち明けるわ」なんて言ってるロマンス映画にキレたくもなるでしょう。

「ラブコメなんてつまんないよ!だって現実味がないでしょ!?」
「見るなら特撮モノね!特に疑問もわかないし」

特撮モノにも疑問を抱いてすみません。
ところでこのラブコメ映画って何かのネタですかね?

マリネットの秘密

前々回から引き続き、マリネットとレディバグに架せられた重すぎる重荷のお話。

誠実なマリネットは、「レディバグ」の役目に誠実に向き合えば向き合うほど、「マリネット」の役目を誠実に果たすことができなくなる二律背反に苦しまざるをえない。
ここで「だからレディバグなんてやめちゃう!」って方に少しも気持ちが揺れない高潔さがあまりにも尊い1
むしろレディバグの役目を果たすために「マリネットでいるのをやめる!」って方にまっすぐ向かっちゃうあたりが、マリネットの誰よりも強い責任感を表しているわけです。
だってマスターから受け継いだんだもんね。レディバグが守ってるのはパリ中世界中の人々なんだもんね。

マリネットってほんとに一度もヒーローコスチューム捨てたことないんですよ。すごすぎないか。

心から信頼してるよアルヤ!

アルヤかっこいいよアルヤ。

秘密を持って明らかに苦しんでる人間に対して「とにかく話せ」「友達ならなんでも話すべき」とか迫るのはよくない。その人があえて秘密にしてるんだって意思を軽んじてることになるもの。

とはいえ彼女たちがそういう言い方をしちゃうのは、ひとえにマリネットを心配してるからです。
アルヤの言う通り「ひとりぼっちだって感じてるマリネットを助けてあげられないのがつらい」ということです。
冷静になったアルヤは無理に聞き出そうとするのをやめてくれて、アルヤがそんな態度を見せてくれたからこそマリネットがあまりにも重大な秘密を打ち明けることができた。
ずっと秘密にしつづけて82話ですからね。すごいもんだ。

ラストシーンのアルヤがほんと最高。
「レディバグなの」ってマリネットの告白に、まずハッとして、マリネットの顔をまじまじ見て、それでもって切なそうな表情を浮かべて黙ってハグです。
あの一言で、マリネットの深い深い葛藤をまるっと理解してくれて、苦しみを自分のことのように受け入れてくれたんだと分かるシーンです。本当に親友ですね。たいへんすばらしい。

ちなみに次のエピソードはこのシーンの直後から始まるわけではなく、マリネットが色々事情を説明したであろう後日になってます。

ギャング・オブ・シークレット

1つのアイテムで5人がアクマタイズされるのは今までで最多。
サポティス回では帽子で2人、フェリックス回のパニッシャートリオはタブレットで3人、今回はビーズブレスレットで5人と。
こんなにアクマが多い絵面はスカーレット・モス回を思い出させます。これもモスとピーコックのミラキュラスがユニファイして力が増してることの証になるんでしょうか。専門用語が多いなあ。

ただやっぱり、モス一人でアクマ5人全員を監督するわけにはいかないからか、手に負えない風にも見受けられました。
クジャクのミラキュラス直ったんなら、ナタリーにマユラになってもらって2人でやった方がよさそうな。
でもナタリーはまだ体調が治らないのかな。それとも2人とも悪党やってるとデザイナーの仕事の方が回らなくなっちゃうのかな。

ところでシャノワールもマスクドヒーローだけど

状況で言えばシャノワールだって誰にも言えない秘密を抱えてるわけだけど、マリネットみたいな悩みはほとんどないと言っていい。しいて言えば前回のカガミとのすれ違いくらい。

じゃあマリネットとはどこが違うのか?

①そもそも何でも話せるような相手が少ない。
ニノは親友だろうけど、アグレスト家の事情に関してはニノに何でも話してるわけじゃなさそう。
家の事情を知ってる唯一の相手がカガミだったから、ライズ回で初めて問題が浮上したと。

②シャノワールの姿の方がむしろ秘密から解放されてる側面がある。
こっちも大きいんじゃないかなあ。
普段のアドリアンは基本的に自分を抑圧してる。シャノワールに変身することで、ようやくやりたいことができるようになっている。つまりアドリアンにとっては、シャノワールこそ重荷から解放された状態だとも言えるわけです。

マリネット/レディバグとアドリアン/シャノワールは対比的な状況に置かれてるんだと分かりますね。うまくできてるなあ。

その他ポイントメモ

  • レディバグ「プール行こ! プールだ!」
    異様だけどかわいい。
  • ホントにプール行っとる。
  • ルカはキティセクションのコスチューム着てもクールだ。
  • 悲しむ兄貴の顔を接写するジュレカ。なんて言って撮ったんだ。
  • ガールズ連絡網:ジュレカ→ローズ→ミレーヌ→アリックス→アルヤ
  • アリックス「(マリネットが失恋したことを)アルヤにも言わないから事情があるんだよ」
    察するところがさすがアリックス。代わりにアルヤに知らせて行動を起こさせようとするのもさすがアリックス。
  • アルヤ「マリネットに必要なのは友達!」
    普通ならそうなんだろうけど、例の件は友達にも秘密にしてるから逆に重荷になっちゃうわけだよね。マスクドヒーローの悩みは深い。
  • 「ラビットチェック!」
    なんだそれは。ピースがうさぎっぽいからか。仲良しハンドサインかな。
  • ここんとこのマリネットはマイナスの感情まみれだったろうけど、ホーク・モスに狙われなかったんだね。
  • ついホーク・モスって呼んじゃうけど、今後は基本ずっとシャドウ・モスなんでしょうか。めんどくさいからシンプルに「モス」って呼ぼうかな。
  • トリックスのミラージュが暴走するととんでもない幻が生まれちゃうらしい。実害はないけども。
  • クロエお嬢様はサブリナと美術室でバッグを作ってたっぽい。っていうか今は放課後なの?
  • アクマタイズ状態を振りほどいたのはアルヤが初めて!
  • ちなみにアクマタイズされる前のホーク・モスからの誘いを跳ねのけたのはクロエお嬢様が初めて!
  • アルヤの変身久しぶり。耳を生やすところの上目遣いが好きです。
  • これでようやくマリネットは肩の荷をちょっぴり下ろすことができました。
    反面、新たな心配の種も出てきちゃうわけで、そのへんが次回以降のエピソードに出てきます。お楽しみにー。
  • 91話までは視聴済みです。記事はこれから順次…。追いつかない…。
  • 4月のディズニーチャンネルでは毎週新エピソードが…。

今回の記事はここまで。


 

  1. スラング的な意味ではないです。ジャゲッド・ストーンのレースの手袋はたいへん素晴らしいとは思うけど別に尊くはない。クロエお嬢様のなんとも微妙で他に例を見ないヒーロー心は大事に見守られるべきと思うけど別に尊くはない。こーやっていちいち脚注付けたくなっちゃうから「尊い」に対するスラングが生んだ印象を滅亡させてほしいなあ。

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