フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第86話 ギルトリップ(Guiltrip)
スーパーポジティブパワーを持つローズが大活躍。
ストーリー
プロローグ
授業中、「ずっつさんが来た(=頭痛がした)」ローズはマリネットに付き添われて保健室へ。
いつもの通りお茶目にふるまうローズにマリネットも先生たちもそれほど心配していないが、ジュレカだけは顔を曇らせている。
昼になり、ジュレカはローズからのメールを見てひどくショックを受けた。
マリネットが「ランチ食べないとずっつさんが来ちゃうよ」と軽口をたたくと、ジュレカは激しく動揺し食堂を出していってしまった。
ジュレカの悲しみを感じ取ったシャドウ・モスはアクマの蝶を飛ばす。
マリネットは自分のせいだと心配しながら、ちょうど通りかかったアドリアンと一緒にジュレカを探す。
アクマ誕生
ジュレカはボイラー室でうずくまり泣いていた。
アドリアンとマリネットが事情を尋ねると、ジュレカは泣きながらローズのことが心配だと言う。
ジュレカが受け取ったメールには、ローズが病院のベッドでピースしている写真が貼られていたのだ。
ジュレカはためらいながらも、小さい頃病気だったローズが最近また発病するかもしれないと言う。
誰にも言わないようローズと約束していたため、一人で心配を抱え込んでいたのだ。
ジュレカの話は、マリネットに呼ばれてやって来たクラスメイト全員に聞かれてしまった。
秘密をばらしたことを気にするジュレカに、マリネットやアドリアンたちは決してローズに悟らせないと約束する。
シャドウ・モスの放ったアクマは、ジュレカに憑りつくことなく戻って行った。
翌日、ローズは元気に登校してきた。
喜ぶジュレカと、自然に接するアドリアン、そして不自然にローズへの愛情を伝えたりバッグを持ったりクッションを敷いてあげたりするクラスメイトたち(マルコフも)。
不審に思ったローズはジュレカに訳を聞き、病気のことを改めてみんなに打ち明けることにした。
変に心配しないでほしいといつもの調子で笑うローズに、クラスメイトたちも快くうなずいた。
……が、そう簡単に心配はやめられない。
親切すぎるマリネットたちは、ローズがくしゃみをしただけで過剰反応。
ローズが「約束したのに……」と呟くと、自分のせいだと思い詰めたジュレカは教室を飛び出してしまう。
ジュレカの罪悪感を狙い、シャドウ・モスが再びアクマとアモクを放った。
トイレにこもったジュレカは、みんなが気を遣ってメールしてくれることに罪悪感を深くしていく。
ローズの言葉も届かず、ジュレカは手袋に宿ったアクマによりリフレクタへとアクマタイズされた。
アモクはスマホに宿り、センチモンスター:ギルトリップとなる。
シャドウ・モスは罪深いクラスメイトたちをギルトリップの中に閉じ込めろと言う。
だがリフレクタは自分こそがもっとも罪深いと信じ、スマホをトイレのゴミ箱に捨て、自らギルトリップの中に陥ってしまった。
ヒーロー登場
ローズは教室に駆け込み、ジュレカがアクマタイズされそうだと助けを求める。
クラスメイトたち(クロエ、サブリナ、リラ以外)は一目散にトイレに向かい、マリネットとアドリアンはこっそりレディバグとシャノワールに変身。
イヴァンがトイレの個室のドアをこじ開けると、そこにはギルトリップのポータルが。
ギルトリップは周りのものを吸い込み始め、クラスメイトたちを全員飲み込んだ。
ローズもレディバグの制止を振り払い、ジュレカを助けようとギルトリップの中に飛び込む。
レディバグとシャノワールも、スティックをトイレの入り口にひっかけ、ヨーヨーを命綱にギルトリップのポータル内に降りていく。
だがギルトリップの吸引力にかなわず、ポータルの奥へとまっさかさまに落ちて行った。
ヒーローの戦い
ギルトリップの内部は水の中のような半重力の空間だった。
ピンク色の内壁からはボール状のものが次々に沸き出してくる。
ここに吸い込まれた人間はボールが付着するほど罪悪感にかられ、ボールに覆われるとリフレクタの姿に変わってしまう。
シャノワールは親友のニノが自分のことで罪悪感にかられているのを見て、自責の念を覚えてしまう。
マイナス思考に陥ったシャノワールはボールにまとわりつかれ、カタクリズムで自分自身を破壊しようとする。
慌てて制止するレディバグだが、彼女にもまた罪悪感のボールが取り付き始めてしまった。
そこに、唯一ボールに覆われていないローズが現れる。
彼女は自責の念を掻き立てるマイナス思考をプラス思考に変換し、罪悪感を跳ね返していたのだ。
ローズの様子を見て、レディバグも前向きな気持ちを取り戻す。
シャノワールもレディバグにおだてられ、ボールを跳ね返していつもの調子に戻った。
新ヒーロー登場
レディバグはラッキーチャームでピッケルを入手したが、使い方が分からない。
センチモンスターの中にいる以上、シャノワールが下手にカタクリズムを使うわけにもいかない。
マイナス思考に陥りそうになる中、レディバグは前向きな力を持つ助っ人を頼ることにした。
レディバグはブタのミラキュラスをローズに渡す。
ローズはクワミのデイジーと一緒に、「デイジー、リジョイス!」の掛け声でブタのヒーローに変身!
ピンクの衣装とタンバリンを携えたピゲーラが、ジュレカを救うため手を貸してくれる。
リフレクタはギルトリップの奥で罪悪感のボールに覆われていた。
ピゲーラはギフトの能力で、ジュレカが最も望んでいる光景:みんながローズに自然に接する教室の様子を見せる。
安心したリフレクタから罪悪感のボールがはがれていき、レディバグがアクマを浄化。
リフレクタはジュレカの姿に戻った。
だがギルトリップを生み出したスマホはトイレのゴミ箱にある。
レディバグたちは残っているリフレクタたちをかわしながら、ピッケルを使ってギルトリップの中を脱出。
スマホを壊してアモクを浄化。ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
ローズはこっそり変身を解いてから、元に戻ったジュレカに抱きついて喜ぶ。
レディバグにお礼を言いながら、こっそりブタのミラキュラスも返してくれた。
エピローグ
教室でローズに気を遣いすぎたことを謝るマリネット。
ローズが「笑いすぎて倒れそう~」と冗談を言っても、クラスメイトたちはただ自然に笑い合う。
いつものみんなが戻ったことを喜ぶローズだった。
蚊帳の外と思われたクロエも、なんだかんだクラスになじんでいるようであった。
感想とメモ
見終わった後にいい気分になれる回ですね。
ポジティブヒーロー、ピゲーラ
ローズも変身せずともスーパーパワーを持つ一人。
何でも前向きにとらえることができ、自分のことも他人のこともむやみに責めたりしない。
(若干、劇場版ローズな感はあるけど気にしない。)
喜びを生み出すブタのミラキュラスはローズにぴったり。
ミラキュラスは繊細な細工のアンクレットでした。屈強な大男には身に付けられないよな。
クワミはデイジー(Daizzi)で、「リジョイス(Rejoice=喜びましょう)」の掛け声で変身。変身を解くときは何ていうのかな。
ヒーロー名はピゲーラ(Pigella)とのこと。こうやって登場してすぐ名前決めてくれると助かります。
ギフトの能力は、その人がもっとも望む光景を見せ安心させてあげることができる。
今回のような状況を打開にするにはちょうどよかったが、ジュレカがいい子だからいい方に働いたと言えるのかな。
例えばリラみたいな悪党に対してこの能力使ったらどうなるんでしょう。
彼女も安心してniceなふるまいができるようになるのか、あるいは自信満々にいつもの悪行を働くだけか。
もし前者だとしたら人間の善の心を優勢にする能力ってわけで、シャドウ・モスなんかには非常に有効だったりして。
がんばれ、ジュレカ
ジュレカはいつも自己肯定感の低さでアクマタイズされちゃう。
何かまずい状態に陥ると、「自分のせいだ」と思い込んで自分を責めてしまうようです。
こうなってしまうと、周りからいかに励まされても「励まさせちゃってる、迷惑をかけてる」と自責の念を強くするばかり。
今までアクマタイズされたときは他人を責めてたリフレクタだけど、今回は徹底して自分だけを責めていた。
人を恨まない点はジュレカの成長とも言えるけど、その反面自分だけで抱え込みすぎるようになっちゃってました。
一方のローズは「あなた(自分)のせいじゃない」ではなく、「そもそもまずいことに陥ってなんかない」とポジティブ変換することで対処できるんですね。
彼女もジュレカに秘密を抱えさせてしまったことを反省しつつも、それでむやみに落ち込んだりはしない。
失敗があろうと、これからの行動でいくらでも好転させられると信じてるんですね。
今後のジュレカの成長にも期待していきましょう。
ところで今回、悪意のある人間は一人もいなかったんですよね。
みんな悪気はいっさいなく、むしろ良かれと思って行動してる。
善意からの行動でも思いがけないところで誰かを傷つけうるのだと、現実的な教訓も感じられるエピソードでありました。
(マリネット、秘密を抱えたり共有したりすることのつらさはよく分かるだろうに……)
それにしても、アドリアンだけ自然なふるまいできるのはさすが。
彼は友達付き合いに慣れてないと言う割に、人間付き合いそのものは成熟してます。
ちゃんといる憎まれっ子たち
教室が一丸となってローズとジュレカを心配する中、クロエ、サブリナ、そしてリラだけは平気な顔。
平気な顔してるところがちゃんと映されるのがいいですな。
クロエとサブリナはいつも通りだけど、リラもこういうときみんなと一緒に行動したりはしないんですね。
たぶん突っ込まれそうになったら「心配で具合が悪くなっちゃって動けなかったの」とかうまい言い訳をするんでしょう。
リラこそ難病で心配されるキャラづくりをしてるのに、ローズが「病気だけど普通にふるまってる」ことがみんなに知られたら気まずくないんでしょうか。
みんなお人好しだからそんなこと気にしないのかな。
そういえばリラも当初は今回のローズくらいチヤホヤされてましたが、もうみんな慣れちゃって構わないようになったのかなあ。
最後にクロエお嬢様が自然に入ってきたことが個人的に大満足でありました。
みんなにからかってもらえるなんて、クロエもちゃんとクラスの一員ですよね~。
その他ポイントメモ
- 冒頭でポカーンとしてるクロエお嬢様。すぐクロエの話ししてすいません。
- ローズの背中の天使の羽の刺繍がかわいいです。いつもあったっけ?
- 「ユニコーンのリリみたいなローズにしか見えない友達?」
マリネットの説明セリフ。英語では”imaginary friend”って言ってます。 - 「through rose-colored glasses(ローズ色のメガネを通す)」
- 「ずっつさん」は英語だと”Miss Heady”。
マリネットの言ってた「保健医さん」=”Nurse Sissy”はいまいちよく分からない。日本語でもよく分からないってるってことはたぶんみんなよく分からなかったんでしょう。 - ランチプレートはあんまりおいしそうじゃないですね。パサパサしてそう。
マリネットの家のケーキはいつもおいしそうだけど。 - ローズとジュレカのツーショット写真がキュート。
- ジュレカの手袋がクールだ。ネイルもいつも通りオシャレ。
- ジュレカのアイシャドウもクールだ。今回みんなのアップの顔が多くて良いですね。
- マルコフ、お前もかい。
- (● ●)「任せて」ってマルコフに言われたら任せてあげたいね。愛くるしい。
- ローズの歌、フルで聞きたい。コンサート回はないのか?
- シャドウ・モス「そこからは決して出られない!ミラキュラスは私のものだ!」
毎度ながら、ミラキュラスをどうやって取り出すつもりなんだろうか。
センチモンスターを操れてれば、ミラキュラスだけペッて吐き出させられるのかな。 - イクラにかこまれて漂うシャノワールがシュール。
スタバの気色悪いけどおいしいパイみたいだ。 - モスおじさんが決して出られないとか言ってた割に、ピッケルで普通に出られるギルトリップ。
- ローズの「ンン~」ってやつ好き。
- オープニングのプリクラで、ローズにはブタさんのシールが貼られてましたね。アルヤはキツネで、アリックスはウサギでね。なるほど……。
今回の記事はここまで。
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