【マーベルヒーロー】究極ごきげんアニメ アルティメット・スパイダーマン

マーベルの人気ヒーロー・スパイダーマンのテレビアニメシリーズ。
2012～2016年までアメリカと日本等でレギュラー放送されていました。
後述しますが、現在でもBS/CSでイレギュラー放送される可能性があり、
YOUTUBEではディズニー公式で第3シーズン第1話が公開されています。

展開の速さと話の密度の濃さ、そしてテレビの前のみんなに話しかけてくるスパイダーマンに戸惑ってるうちに、気がついたらハマってしまうキケンなアニメを紹介します。

ついでにスパイダーマンのヒーロー紹介も。

基本情報

あらすじ

科学オタクの冴えない高校生、ピーター・パーカー。しかしてその実体は、ニューヨークを守る良い子の味方、スパイディことスパイダーマンなのだ！
ソロ活動していた若きヒーローは、世界平和維持組織S.H.I.E.L.D.の長官フューリーに、新人ヒーローチームに加わり訓練を受けないかと誘われる。
ジェットパックにつられて加入を決めたスパイディ、はじめは一人で充分だと思っていたけれど、次第に仲間と一緒に戦うことの大切さを学んでいく。

テレビの前のみんなもスパイディと一緒に成長し、究極のヒーローになろう！

シーズン構成

第4シーズンまでの全104話。
シーズンごとにタイトルが少し変わります。

• マーベル アルティメット・スパイダーマン
  第1シーズン #1～26
  第2シーズン #27～52
• マーベル アルティメット・スパイダーマン ウェブ・ウォーリアーズ
  第3シーズン #1～26
• マーベル アルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックス
  第4シーズン #1～26

各シーズンごとに芯となるストーリーラインはあるものの、基本的にはスパイダーマンが様々なゲストヒーローと一緒にヴィランを倒す1話完結のスタイルです。

CSのディズニーXDおよび無料BSのD-Lifeでレギュラー放送されていました。
3期と4期はなんとテレ東の深夜（なぜ深夜）にも放送されていたので、目にした方も多いのではないでしょうか。

究極スパイダーマンの魅力

マーベルのアニメシリーズはたくさんありますが、中でもこのアルティメット・スパイダーマンは独特の魅力でファンを惹きつけています。

時を止めるスパイディ

劇中のスパイディは、たびたびアニメを一時停止してテレビの前のみんなに話しかけてきます。
劇中時間の止まった状態で、状況を説明してくれたり、正直な気持ちを話してくれたり、死ぬほどどうでもいいギャグをかましてきたり。

もともとスパイダーマンというヒーローはジョーク好きで、バトル中にもべらべらくっちゃべる特徴があります*1。
このアニメでもスパイディのおしゃべりが嫌というほど楽しめます。
特に他のヒーローがあんまり出てこない話だと、一人でずーーーーっとしゃべってる。
吹き替えの川田紳司大先生が早口なのにたいへん聞き取りやすくお茶目にしゃべってくれるのでご安心ください。

おしゃべりスパイディがおもしろいのはもちろんですが、演出的な二つの意味合いも含まれているでしょう。

1. おしゃべりタイムを好きなタイミングで挟める
テンポの速いこのアニメにとってはとても重要な要素。
何しろ不思議な力で時間をストップしてしまうので、
どんなに目まぐるしいバトルシーンの途中でも、好きなだけ
説明したり突っ込みを入れたりダジャレを言ったりできるのです。

2. 直接的にスパイディの内心を告白できる
スパイディの気持ちが分かりやすいというのも利点。
おしゃべりでなれなれしいスパイディですが、秘密主義でもあります。
他の登場人物には言えないような正直な気持ちも、
時間が止まっていれば口にできるのです。

このアニメは基本的に明言的に分かりやすい描写をするので*2、
スパイディが周りを気にせず思ったことを言える手法は効果的です。

映像を操るスパイディ

スパイディの不思議な力は時間を一時停止するばかりにとどまりません。
ムカつくあいつが失敗する場面をリピートしてみたり、スローモーションにしてみたり、主人公の特権と言ってやりたいほうだい。

さらに、普通にストーリーを進めている最中にも、ひっきりなしに自分の妄想イメージをテレビのみんなに共有してきます。
話してる最中にふと思いついたくだらないことを、全力で映像化してぶちこんでくる感じ。ストーリーには一切関係ないただのギャグなのに、ぜいたくに尺を使ってきたりします。「学園ドラマ」という言葉を聞くや自分と友達をキャストにしたパロディドラマを妄想するとか*3、天才の発想力を無駄遣いしてます。

こんなふうに、スパイディが時を止めてしゃべり出したり、妙な映像を突然差し挟んできたりするおかげで終始テンションが高く*4、一話の密度がたいへん濃く感じられます。

これだけ知っておこう：スパイダーマン基礎知識

上述の通り基本は一話完結で、ゲストキャラはスパイディが簡単に紹介してくれるため、どの話から観ても問題ない……と言いたいところですが、
なにしろテンポが速くネタに溢れたアニメのため、最低限の設定を知らないと置いていかれちゃうかも*5。

というわけで、視聴前に知っておけば理解が進む基本ポイントをまとめておきましょう。
これだけ知っていればいきなり3期から見てもだいたい大丈夫*6

またこれらの多くは、スパイダーマンというキャラクター一般に当てはまる設定です。

オリジン

ミッドタウン高校に通う高校生*7のピーター・パーカー。彼は両親を事故で亡くしており、ベンおじさんとメイおばさんを親として育てられました。今は美人で活動的なメイおばさんと二人暮らしをしています*8。

数年前、ピーターは校外学習先で放射線を帯びたクモに噛まれ、スーパーパワーを手に入れました。
しかし、たまたま出くわした強盗を「自分には関係ない」と見逃したために、その強盗にベンおじさんを殺されてしまいます。ベンおじさんを救えなかった自分をピーターは深く後悔し、手にした力を生かして罪のない人々を守ることを決意しました。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」*9というベンおじさんの教えを胸に、スパイダーマンは今日も町を守ります。

そんなわけでスパイダーマンは命を大事にしており、たとえ悪党でも決して見殺しにすることはありません。

能力

ピーターは科学の才能に恵まれています。天才的な知識と発想で、機械や薬品の発明もお手の物。
スパイダーマンが使うウェブ（＝クモ糸）とそれを発射する機械・ウェブシューターは、どちらもピーターの発明品です。手首から直接出してるわけじゃないよ*10。

科学オタクのピーターの知識は、敵と戦う上でもたびたび役に立っています。S.H.I.E.L.D.やスターク*11のハイテク技術を見ると興奮しちゃう癖もあるぞ。

クモから手に入れたスーパーパワーとしては、腕力やスピード、跳躍力や耐久力といった身体能力のほか、壁や天井に体でくっつく能力と、身に迫る危険を知らせるスパイダーセンス*12があります。

秘密主義

スパイダーマンの正体は家族にも友達にも秘密。
スーパースパイ組織であるS.H.I.E.L.D.と、そのヒーローチームの仲間には早い段階で知られてしまいますが、基本的にはひた隠しにしています。

もちろん、卓越した身体能力を持っていることも秘密。
もちろん学校で人気者になることもなく、いじめられっこ気味な冴えないポジションに甘んじています。

秘密にする理由は、家族や友達がスパイダーマンを狙う悪党に目をつけられないようにするため。

守るためとはいえ、親しい人に隠し事をしないといけないことで、ピーターはしばしば心を痛めています。

コミックの「シビル・ウォー」シリーズでは、アイアンマンにそそのか…説得されて正体を公開したせいで、メイおばさんを殺されかけたことがあります。だからシャレにならないのです。

普段の友達

ピーターとしての友達は、幼なじみのエムジェイと親友のハリー。

ジャーナリスト志望でしっかり者のエムジェイ（MJ：メリー・ジェーン・ワトソン）とはロマンスの雰囲気はなく、お互い理解しあっている姉弟のような関係。
スパイディをヒーローとして信じており、ニューヨークの大手新聞社から思いっきり嫌われているスパイディにとって頼れる広報担当です。

イケメンのハリー・オズボーンは有数の大企業オズコープ社の御曹司。ご立派な家柄を気にせずハリー自身を見てくれるピーターのことをとても大切に思っています。
バリバリのやり手社長でもあるパパのノーマンに認めてほしいというコンプレックスを抱えており、精神的に少し危うい側面も。

あと一応、アメフト部のフラッシュ・トンプソン。ピーターをいじめるのが大好きなジャイアンであり、スパイディの大大大ファン*13。

S.H.I.E.L.D.のヒーローチーム

S.H.I.E.L.D.はなんとかかんとかの略称で、いわば国際平和維持組織。
長官であるニック・フューリーは謎の多いスーパーエージェントで、アベンジャーズをはじめ色んなヒーローやヴィランとコネクションを持っています。

映画やドラマで大人気のエージェント・コールソンも在籍。このアニメでは、ミッドタウン高校の校長やいじられ役としても活動しています。

ここからはこのアニメの独自設定。
S.H.I.E.L.D.は若手ヒーローの教育事業を行っており、フューリーが最初に結成したチームにおいてスパイダーマンをリーダーとして招きました。

チームメンバーはこの四人。

• パワーマン：弾丸をも跳ね返す強靱な肉体。
  普段は頼れる兄貴のルーク・ケイジ。
• アイアンフィスト：鋼鉄の拳で戦うカンフーの達人。
  普段は穏やかな禅ボーイのダニー・ランド。
• ホワイトタイガー：鋭い爪で切り裂くアニマルガール。
  普段は負けず嫌いな秀才のエヴァ・アヤラ。
• ノヴァ：バケツを被って空を飛ぶ人間ロケット。
  普段は軽口のお調子者サム・アレキサンダー。うさぎが怖い。

四人はスーパーパワーを持つものの、ヒーローとしてはまったくの新人。
初めは非常にぎくしゃくした関係でしたが、ともに学び戦ううちに公私ともにピーターの友達になっていきます*14。

また、S.H.I.E.L.D.はミッドタウン高校をこっそりヒーロー養成施設扱いしています。
この四人もピーターと一緒に高校に通うようになり、放課後には地下に隠された秘密通路からS.H.I.E.L.D.の訓練場に直行できます。

宿敵

スパイダーマンには何人かの宿敵がいます。
ゲストヴィランはたくさん登場しますが、メインストーリーに関わって登場するラスボス的なヴィランはこいつらでしょう。

• グリーン・ゴブリン
  空飛ぶ円盤に乗ってカボチャ爆弾を投げてくる緑色の怪人。その正体はハリーのお父さんのノーマン・オズボーン。もともと武器開発を専門とし、スパイダーマンの力を我が物にしようと狙ってきます。
• ドクター・オクトパス
  本名オットー・オクタヴィアス。元はノーマンに雇われてスパイダーマンの力を兵器化する研究をしていましたが、クビになって独立。自分の肉体まで改造し、強大な権力を手に入れようとします。
• ヴェノム
  他の生き物に寄生して攻撃性を増加させる宇宙生物・シンビオート。一度はスパイダーマンに寄生してその力と一体化したものの、拒否され引き剥がされました。スパイダーマンの能力を記憶したまま色々な生き物へと感染を続け、進化を繰り返していきます。
• J・ジョナ・ジェイムソン
  スパイディ最大の天敵。大手新聞社デイリービューグルのデスクで、スパイディの大アンチ。スパイディが何をやっても悪意で受け止めこきおろしまくる頑固なおじさんです。ヴィランじゃないです。

簡単に整理とか言って全然簡単じゃないんですけど、とりあえずこのくらい。

で、どうやって観ればいいの？

動画配信サービスの「ディズニーデラックス」で配信されています！

また、第3期の1話がYOUTUBEで公式に公開されています。

「アルティメット・スパイダーマン　ウェブ・ウォーリアーズ」　本編_第1話

スパイダーマンがS.H.I.E.L.D.のヒーローチームからアベンジャーズに移籍する！？というお話。みんな大好きロキとの愉快なコントもあるよ。

続きを見たい場合は以下の手段をご検討ください。

1. 動画配信サービスのディズニーデラックスを利用
2. 無料BSチャンネルのDLifeで放送されるのを待つ
3. 有料CSチャンネルのディズニーXDを契約する
4. 輸入盤DVDを購入する（英語のみ）

最後に

このアニメではたいていスパイディがツッコミ役なのですが、スパイディ自身もボケ倒してきます。ただスパイディのボケにはどうも誰も突っ込んでくれないので、我々の方で処理してあげないといけません。

豊富なゲストキャラも登場し、マーベルヒーロー＆ヴィランへの知識が蓄積することも請け合い。

溢れるジョークとネタの中に、ときおり孤独なヒーローとしてのスパイディの優しさや切なさも感じられる、味のあるアニメです。

ぜひどうにかして観てみてください。少なくとも声優の川田さんのファンにはなることでしょう。

今回の記事はここまで。

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