Web検索の心理的効果と心得+ヴェノム公開楽しみ

ある日の検索

アダンソンハエトリというクモを見たことはあるでしょうか。
体が黒くて白い模様の入った小さなクモで、家庭にも比較的よく出没する一般的なクモだといえます。
虫が苦手な方は黒いスーツを着たスパイダーマンを想像して下さい。クールですね。

あるときこのクモに遭遇した私は、真っ先に「ヴェノムにそっくり!」と感嘆しました。
そして彼と死闘を繰り広げた後、いそいそとスマートフォンを取り出してGoogle先生に検索をお願いしました。

「クモ 黒い カッコイイ」の画像から彼の名前が「アダンソンハエトリ」であると判明し、今度は「アダンソンハエトリ ヴェノム」で検索。
すると「アダンソンハエトリってヴェノムみたい」という私と同じ感想を記したブログ記事を見つけることができ、ほくほくした気分になったわけです。

ちなみにヴェノムというのはスパイダーマンのライバルの一人です*1
黒いマッチョボディと長い舌を持ち、体の一部を触手にして自由自在に操ります。
やり口が過激なために悪者=ヴィランと取られがちですが、実は彼らなりの正義の心を持っており、ダークヒーローとして戦う姿はカッコよく愛くるしいこと請け合いです。

と、2018年秋公開のソニー映画の宣伝はさておき。

Web検索するということ

話が脱線しましたが、ここで私がやっているのは次のことです。
自分の考えを確かめるためにWeb検索をする
これは何のためにやっているのでしょう?
それは良いことなのか、悪いことなのか?

他の人の考えを知ることの安心

検索はよくやりますよね。
何しろWebは広い世界です。
リアルに共感してくれる友達がいなくたって、Webの中を探せば見つかるかもしれません(クモだけに)。
それで同じ感想を持つ人が見つかれば共感を得られたということで、当然ほくほくした気分になります

「共感を得る」の他にも、困りごとがあったときに検索してみることがあります。
自分がどうするかを判断する前に、とりあえず一般的な解を確認してみるのです。
ひょっとしたら参考になることが見つかるかもしれませんし、自分では思いつかなかった新しい視点を得られるかもしれません。

ここで欲しいものは「安心」です。
自分の考えが理解してもらえるという安心。
悩んでいるのは自分だけではないという安心。
自分の考えは間違っていないという安心。

Web上で多くの人が情報発信を行っている現代、上記のような「安心」は簡単に得ることができます。

安心を得ることの危険性

ただ、こうして得た「安心」が危ない効果をもたらしうることも決して忘れてはいけません。

自分は正しいという認識は、突き詰めれば「別の意見は全て間違っている」という極論に達します。
上の例でいえば、
黒いクモといえばヴェノム思い出すのが常識! 知らないなんてクソ!
だなどと言い出すわけです。
お門違いだということは誰にでも分かると思います。

検索とは、Web上の無数の情報の中からあえて自分の望みに適合するものだけをフィルタリングすることです。
つまり自分の意見に合致しないものの存在は無視しているということになる。
これを自覚していないことが危険です。
無視しているだけなのに存在しないと思い込んでしまえば、「自分が正しい」という確信がさらに強まってしまう。
その結果、意見が異なる人を攻撃することにつながるのはよろしくありません。

よって、もし何かの証拠を得ようと思ってWeb検索を使うときは(特にそれを根拠に議論しようとしているときは)、結果が偏っているという前提を意識しておかなければなりません。
そもそも「Web上で情報発信している人の中から探す」という時点で既に偏っているわけですが。

安心を得られない可能性

もう一つ、せっかくWeb検索してみたものの、求めていた「安心」は得られない可能性があります。

不特定多数の考えは分かったものの、結局自分には当てはまらない。
参考できるような有意義な情報ではない。
むしろ反対意見ばかりが見つかる。

こんな結果に終わってしまえば、検索なんてしない方がよかったと後悔するかもしれません。

たとえ深い悩みを抱えて検索してみたところで、それに対して発信している人が、自分と同じように重い意志を持っているとは限りません。
軽い気持ちでどこかの記事を転載したりまとめたりしていたり、独り言をつぶやくような気軽さで主張しているだけかもしれません。
期待を持てば持つほど、それがかなわなかったときに傷ついてしまうものです。

「検索によって安心が得られる」ということに大きな信頼感を抱くのは賢明ではないのです。

Web検索での心得

簡単に情報を得られるからといって、それに依存してはいけません。
「情報」ではなく「意見」を求めているときはなおさらです。

検索に限らず、Webを使うときの心得として次のような戒めを持っておきましょう。
発信は重く、受信は軽く

色々言いましたけど、結局つい検索しちゃうよね

今回の記事はここまで。


*1:わあ、最初の「スパイダーマン」は伏線だったんだ!

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