恋愛テクニックがうっとうしい
恋愛テクニックって何なんでしょうか。
「女にはこうしろ」「男にはこうしろ」ってテキトーな人間がそれらしい一般論を言ってるコンテンツが多くて辟易しますよね。うざったいったらありません。
テクニックを使うにしろ、自分が好きなその人個人を知って、その人用に最適化されたテクニックをカスタムメイドしないと意味ないと思います。
なお誰でもいいっていうナンパ師志向なんであれば、以下に書くことは当てはまりません。
個人ではなく傾向を重視し、無理そうなものはさっさと切り捨てる・そもそも手を出さない方がいいでしょう。それこそナンパ師が教えてくれるテクニックを実践してください。
一般論より「自分の場合」
恋愛講座が自分のケースに当てはまるという思い込み
ネット上…に限らず、テレビでも雑誌でも恋愛講座みたいなコンテンツが人気ですね。
「女性の気持ちを知りたい男性へ」
「気になる男性にアプローチする方法」
なんでもいいですけど、こういうのってあなたには当てはまらないですよ。
実際は当てはまることもあるかもしれません。
でも当てはまるという根拠はちゃんと持ってるんですか?
そこに書かれているのがどういう前提なのか把握してるんですか?
たぶん書いてる人はそんなこと考えてないでしょう。
自分のケースを「個別」に考えること
確かに一般論が参考になることはあるかもしれません。
でもまるっと鵜呑みにする前に、まず第一に考えるべきは「自分の置かれた環境ではどうなのか」ということです。
つまり「女性は○○が好き」「男性は□□をすると喜ぶ」みたいなテクニックがあったとして、それは自分が好きな相手に当てはまるのか?という思考をしないと意味がないです。
根拠もなく「女性だから」「男性だから」という思い込みで無条件に当てはめていいわけがない。
「気になる子から相談された。女は話を聞いてほしいだけだから共感してあげよう」ってうんうん話を聞いてたら、「この人自分の意見がない」って軽蔑されるかもしれません。
「女は話を聞いてほしいだけだと言うが、この子もそうだろうか?」という思考に至らないと、バカにされても文句は言えません。
前提を当たり前だと思ってコミュニケーションしていると、実際「それが当たり前」っぽい雰囲気が再生産されていってしまいます。
「統計的に」にだまされないこと
よく言うのが「統計的に女性の多くは~」みたいな言い回し。
確かにアンケート等の調査によって多数派の傾向が示されると、自分の場合も多数派のケースに入るんじゃないかと考えがちです。
ですが、そもそもその調査は本当に統計的でしょうか?
「○○何人に聞いた」のようなアンケートは、たいてい母集団にバイアスがかかっています。
そのアンケートに回答した人というのは既に一定の傾向を持った人だと言えます。
例えば雑誌の読者に聞いたアンケートなら、その雑誌の購読層であること、かつわざわざアンケートに回答しようという積極的な人が集まっていると予想できるわけです。
あなたの好きな人がその雑誌に興味ゼロだったら、その「統計」がどこまで参考になるのか怪しいものです。
よって「多数派」とされる傾向だって、やっぱり無条件に当てはめていいわけじゃありません。
「本能的に」を信じ込まないこと
もう一つよく言うのは、「女性は本能的に○○を求める」みたいな言葉。
これはあたかも科学的根拠がありそうな言葉ですが、そんなものはありません。
本能とは、動物が生まれつき持っているある行動に駆り立てる欲求だそうです。
学習によって得たものは本能とは呼ばないそうです。
ある人が子供の面倒を見るのが好きだったとして、それが本能なのか学習によって得たものなのかをどうやって証明するんでしょうか?
「本能的に」は単なるレトリックです。
深く考えない人にとっては説得力があるように見えるただの形容詞です。
この言葉を使う人はむしろ、本当は根拠がないことをとりつくろうとしているように思えます。
反省から向上させること
ここまで書いてきたのは、
根拠のない型に当てはめるよりも、相手個人の特性に応じた態度をとる方が良いという話。
でも初対面の相手や関わりの薄い相手だったら、特性なんて分からない。
結局は「よくあるケース」に当てはめた方が成功率は高いんじゃないの。
と思うかもしれません。
確かにそうです。
相手が何を喜ぶか分からなかったら、「喜びそう」なものを試してみるしかない。
しかし「試す」ということは、結果のフィードバックを得ることが目的です。
試してみて相手の反応を見れば、相手の性格が分かってきます。
性格が分かってくれば、次の態度をどうすればよいかの手がかりになります。
型にはめてみるのはけっこうですが、それを絶対視せず反省して改善していかないと相手からは好かれないでしょう。
つまり、試してみて「失敗したらすべて終わりと思う」必要もないのです。
失敗したというのは、相手がどういうことを嫌がるかが分かったということ。
すばらしい情報です。
相手の嫌なことが分かっていれば、逆に喜ぶことも予想しやすくなるじゃありませんか。
いいところだけ見せようとしない
失敗から学ぶということは当然、相手に失敗した姿を見せることになります。
失敗した姿を見せまいとするのは意味のないことです。
ただ一晩ホテルで過ごしたいだけならともかく、長期的な関係を築きたいなら自分の弱みは見せないといけません。
いいところだけを見せようとしていると、
- 一般的に「良さそう」な態度しかとれない
- 自分の本心を伝えられない
- 相手の本心を聞き出せない
- 一度でも失敗したら終わってしまう
こんなことになって、ほころびが出た結果何もできずに終わってしまいます。
それになにより、自分が疲れますよね。
自分のダメなところ・試行錯誤しているところも含めて相手に伝えた方がいいのです。
そしてできるようなら相手からフィードバックをもらう。
(ただし、相手もあなたに対して誠実な感情を抱いていなければちゃんとしたフィードバックはもらえません。もらえなければ感じ取るしかありませんが。)
自分の目的と相手の目的のマッチング
コミュニケーションを取ることの重要性は、相手の目的を知ることにもあります。
つまり、相手はあなたにどんな感情を向けてコミュニケーションしているのか。
好意(友達・同僚)なのか、
恋愛感情(恋人候補)なのか、
性愛感情(肉体関係)なのか、
なんとも思ってない(知人)のか、
むしろうざったい(めんどくさい知人)かもしれません。
自分の目的と相手の目的が噛み合っていれば、望みの関係になる成功率は高いでしょう。
噛み合っていなければ、相手の意識を変えるように工夫した働きかけが必要になります。
いわゆる「ただしイケメンに限る」というのもこういうこと。
別にイケメンに限るわけじゃなくて、好意を持った相手かそうでない相手かによって受け取り手の印象は違うということです。
イケメンは好意を持たれやすいという一般論から上記のような言葉が生まれてるだけ。
これも結局は「相手を知ろうとするのが大事」って話につながるわけです。
もう一つ、自分の目的も可能であればさっさと相手に伝えた方がいいと思います。
相手が「分かってるはず」と思ったら大違い。
特に肉体関係を持ちたいのなら、まず好かれてから雰囲気を出していこうなんて思ってると失敗するかもしれません。
結果的にうまくいったように思えても、相手を傷つけているかもしれません。
だって友達としての好意しか持ってない相手から急に色っぽく迫られたら、多くの人は引いてしまうでしょうから。
目的が一致していないのをゴリ押ししちゃダメということです。
ゴリ押ししただけのくせに「相手にもその気があると思った」「そういう雰囲気だった」とか平気で言う人間が性犯罪を起こし、普通の男も一緒くたに「本能的に危険」呼ばわりされることになります。
最後に:型にはめるのはやめれ
既製品の中に最適解はありません。
そもそもその既製品が正しい根拠だってないかもしれない。
本当にその「特定の相手」に自分を好きになってほしいなら、
その人のことを知って、その人が何を喜んで何を嫌がるのかが分からないといけません。
そういう意味では、ネット検索で恋愛テクニックを「学ぶ」より、自分のケースを誰かに恋愛相談した方がいいんじゃないでしょうか。今はSNSとかで恋愛マスターの方と連絡とりやすいでしょうし。
最後に、あーだこーだ書いてきましたが、私はアセクシャルで恋愛感情を覚えたことがありません。
上記の内容は何も恋愛に関することだけでなく、人間同士のコミュニケーションすべてに当てはまることだと思っています。
何でもかんでも一般論やそれらしい言説に当てはめるんじゃなく、相手個人がどういう人なのかを理解しようとするべきだと言いたい所存です。そして一般論を振り回して「これが当然」という顔で押し付けるのはやめてください。
恋愛テクニック好きの人が「男は」「女は」と型にはめたことばっかり言ってるのがうぜえなと思ってこの記事を書いた次第です。「恋愛テクニック バカ」で検索してひっかかってほしい。
今回の記事はここまで。ときどき雑記する。
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