フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第77話 ハートハンター(Heart Hunter)
シーズン3のクライマックス「ミラキュラスの戦い」前編。
ストーリー
プロローグ
今日はクロエのパパとママ:アンドレとオードリーの結婚20周年記念。
ホテルブルジョワではパーティーが開かれていた。
オープニングセレモニーでは、ガブリエル(オンライン参加)が特別にデザインしたカップル用マントをブルジョワ夫妻にプレゼント。
アンドレは気に入ったようだが、オードリーは「あなたが着たら台無し」とごきげんななめ。
オードリーは夫アンドレのことが疎ましいようだ。
マリネットはルカに自転車で送ってもらい、パパとママを手伝ってパーティーの料理を準備していたが、いつものドジを踏みまくる。
セレモニーに退屈していたアドリアンとカガミが、マリネットを手伝うと申し出てくれた。
その頃、仲の悪そうなブルジョワ夫妻をタブレット越しに見ていたガブリエルはほくそ笑み、地下室でホーク・モスに変身する。
アクマ誕生
マリネットは、厨房で仲良くはしゃぐアドリアンとカガミを見て嬉しくも切ない笑みを浮かべていた。
そこにボディーガードがアドリアンとカガミを連れ戻しに来たが、とっさに見つからないようやりすごす。
アドリアンとカガミが「抜け出してしまおう」とマリネットを誘い、三人でこっそり屋上へ。
パーティー用のボールプールに飛び込み、いつになく羽目をはずしてはしゃぐ。
マリネットの結んでいた髪がほどけたのを見て、カガミもアドリアンもキレイな髪だと褒めてくれる。
その一方、ナタリーも屋上に潜んでいた。クロエがレディバグを呼ぶビーシグナルに仕掛けを施していた様子。
ホーク・モスはナタリーから準備完了の報告を受け、アクマの蝶を飛ばす。
アドリアンはカガミとマリネットの手を引き、ボディーガードの目をくぐってホテルを抜け出した。
三人と入れ違いにパーティーへ侵入したアクマの蝶は、ブルジョワ夫妻のマントに憑りつくと二人をハートハンターへとアクマタイズした。
巨大なハートハンターは目からビームを出し、愛を抱いている人をハートに変えて食べてしまう。
クロエは屋上へ駆け上ってビーシグナルを出そうとするが、電源コードが切られてしまっていた。
マユラへ変身したナタリーは、すべて計画通りだとホーク・モスに報告した。
ヒーロー登場
アドリアンとカガミ、マリネットは、「恋人たちのアイス」でおなじみアンドレの屋台へ。
アイスの組み合わせを選んでと言われたマリネットは、悩んだ末にブラックベリー(マリネット)を除外し、ミント(アドリアン)とオレンジ(カガミ)の組み合わせを注文。自分は用事ができたからと言って、アドリアンとカガミを二人残して立ち去る。
切なさに顔を覆っていたマリネットだが、街で人を襲うハートハンターを見かけ、路地裏でレディバグに変身。
咳込むマユラのもとに、ホーク・モスも姿を現していた。ナタリーを変身させるつもりはなかったらしい。
レディバグをピンチに陥らせ、後をつけてガーディアンの居場所を見つけようという作戦だ。
ラッキーチャームで遊園地のコインを手に入れたレディバグは、マスター・フーを探す。
途中でクロエに「ミラキュラスをちょうだい!」と呼びかけられ、アドリアンとカガミが仲良くアイスを食べているのを見て気を散らしながらも、メリーゴーランドの受付にいたマスター・フーを訪れる。
変身を解くのをつい忘れてしまっていたが、尾行してきたマユラは撒いてきたと油断していた。
レディバグは迷ったあげくにドラゴンのミラキュラスを借り、アドリアンとキッス寸前のカガミをさらう。
ここでアクマの存在に気付いたアドリアンは、隠れてシャノワールに変身。
レディバグはカガミに見えないところで一度変身を解き、彼女とアドリアンとの関係について少し話をする。
カガミもマリネットのことは傷つけたくないと思っている。だがアドリアンを運命の相手と信じ、身を引くことはできないと言い切っていた。
カガミは再びリュウコに、マリネットはレディバグに変身。
ヒーローの戦い
レディバグを密かに追っていたホーク・モスは、とうとうマスター・フーを見つけ出していた。
マスターはウェイズの力で変身して身を守ろうとするものの、ホーク・モスとマユラの二人に追いつめられる。
レディバグとリュウコはシャノワールと合流し、ハートハンターと戦う。
ホテルの屋上で待っていたクロエは、レディバグがクロエを無視して別の仲間を連れてきたことにひどく傷ついていた。
打ちひしがれるクロエのもとを訪れたのはホーク・モス。
マスターから奪ったらしいハチのミラキュラスをクロエに差し出し、レディバグに憧れても無駄だと説く。
クロエはホーク・モスに嫌悪と疑いを示したが、それ以上にレディバグに対する不信が募っていた。
ハチのミラキュラスを受け取り、両親をもとに戻すようホーク・モスに要求すると、静かに「バズ・オン」と変身の言葉を口にする。
レディバグはラッキーチャームで麺棒を入手。
敵を倒すアイデアを思い付いたものの、ホーク・モスの合図によってブルジョワ夫妻のアクマタイズが解除された。
訳はわからないながらも、ミラキュラス・レディバグですべて元通りに。
エピローグ
クイーン・ビーに変身したクロエは静かに怒りを燃やし、ホーク・モスのアクマタイズを受け入れる。
ミラクル・クイーンとして、ヒーローたちを操る能力を手に入れた。
アドリアンと合流したカガミは自分が変身していたことは秘密にしながらも、キスの続きを迫った。
そしてマリネットは遊園地にマスターの姿がなくなっていることに気付き、何かあったのではと心配する。
ティッキーにマスターなら大丈夫だろうと励まされるが、自分が油断したせいだとひどく落ち込んでしまう。
通りかかったルカに声をかけられ、マリネットはたまらず泣き出し「何もかも背負わなきゃいけない」「本当の自分でいられないのがつらい」と抱え込んでいた思いを漏らした。
感想とメモ
冒頭のマリネットモノローグはいつもとちょっと違う雰囲気(オードリーはいつも通りでは)。
不穏な予感を覚えるね。
マリネットの決壊
マリネット、カガドリアンを選ぶかアドリネットを選ぶかカガリネットを選ぶか究極の選択。
アドリアンとカガミのあんなに仲良さそうで気が合ってるところ見ちゃったら、優しいマリネットがしゃしゃり出られるわけもないでしょう。
おまけにカガミとも友達になったから、マリネット的に「カガミにはかなわない」だけじゃなく「カガミのことも傷つけたくない」って気持ちが生まれちゃってる。
すごく傷ついてるはずなのに、アクマを見てレディバグになるときの切り替えがすごい。
でもそれは内心の動揺を表面に出さないよう押し殺してた見せかけだった。
今回のレディバグ、普通に見えたけど内心ではカガドリアンの親密さにめちゃめちゃ動揺していた。
だからついカガミを引き離そうとしてミラキュラスを渡してしまったし、焦るあまり変身を解き忘れてマスターのところへ行ってしまった。
失恋に加えて、ヒーローとしてのミスによってマスターを危険にさらしてしまったと思い込んじゃったら、いくらスーパーマリネットでもキャパシティオーバーするでしょう。
「本当の自分でいられない」のは、ヒーローになっていることもそうだけど、マリネットの性格でもある。
つまり人を傷つけまいと思って自分の気持ちを隠してしまうと。
アドリアンも同じような性格ではあるんですが、アドリアンがシャノワールに変身したときに超素直になれるのに対し、マリネットはレディバグになったときも素直になれるわけじゃない。
マリネットのときは気を遣って本心を隠し、レディバグのときは正体を隠すためにやっぱり本心を隠す。
14歳の少女にはあまりに荷が重いもの。
これをここまでフツーにやってのけてきたマリネットは、よっぽどスーパーガールだったのだと改めて思います。
とうとう爆発しちゃったマリネットだけど、やっぱりルカにすべて打ち明けるようなことはないんでしょうかね。
アルヤといる時間が減ったであろう今、本音で話せる相手(ポシェットに入れて隠さなくていい子)が近くにいるとマリネットも気が楽かもしれない。
でもマリネットのヒーロー精神ってほんとすごい。
ハートハンター
ハートハンター、見た目がすごく気色悪い。オードリーとアンドレの顔が表裏に合体して、ピンクの巨大な卵型に。
巨大モンスター化することはあったけど、人間の顔で巨大化するのは今までにない感じ。妖怪みたいだ。
ダークキューピッドみたいに人の「愛」だけを消してしまうのではなく、その人丸ごと食べてしまう。さらに妖怪みたい。
今回ホーク・モスはこいつらにこの能力を与えることをきっちり決めてたらしい。
というのも、レディバグに恋してるシャノワールは簡単に食べちゃえる→レディバグが一人でピンチになる という流れを狙ってたから。
いや、でも、恋心じゃなくてワニへの愛でもいいんだよね。じゃあレディバグも食べちゃえると思うけど。
それにしてもこのところシャノワールの恋心が利用されすぎている。
逆に裏をかけそうな気がしなくもない。
またマユラ
おいおいおい、前回ああ言ったそばからまたナタリーをマユラにしてるじゃないか。
どうやらガブリエルにその気はなく、ナタリーは勝手にマユラになったらしい。
今回センチモンスターは使わなかったけど、マユラとホーク・モスで二重尾行をすることでレディバグをだませたわけで、確かに意味は大きかった。
そんで咳込むマユラを心配してか、ホーク・モスが不用意に地下から出てきた。
なんだか不安だなあ。
ホーク・モスとマユラにだって愛はあるんだから、今回のアクマにじゅうぶん狙われうるはず。
あんまりホーク・モスとマユラが積極的に姿を現すと、今度はこいつらの後をつけて正体を確かめようって意図も生まれそうだよね。
そう考えるのがヒーローか、他のヴィラン勢力かはともかく……。
クイーンの逆襲
今回のクロエの冷静な怒り方は以前とはっきり違ったけど、原因は割と同じだったりする。
アンチバグのときもクイーン・ワスプのときも、「レディバグが自分をないがしろにしたこと」が原因だったんだよね。
つまりクロエを傷つけたのは「ヒーローとして憧れているレディバグに認めてもらえないこと」だった。
これを言い換えると「自分がヒーローになれないこと」になるような気がする。
他人をアクマタイズするのは得意なわがままクロエだけど、自分がアクマタイズされるほどに大きな意味を持つことは「自分のわがままを通すこと」というより、「ヒーローになること」だと解釈できる。
ここがリラとは大きく違うところ。
クロエは自分が嫌われてることを(内心では)重々承知していて、だからこそヒーローになって認められたいと願っている。
よってクロエは絶対、後半でホーク・モスに一泡吹かせると思います。
それにレディバグのことは憎んでも、他人を害する悪党になることはないはずです。
続きを見てないんですよ、まだ。
全然違ったら恥ずかしいけどまあいいや。
その他ポイントメモ
- ルカはピザ配達のバイト。自転車のカゴにギターを入れてるのがオシャレに見えてしまうから不思議。
- クラシックギターも似合うルカ。スパニッシュギターかな。
- ルカTシャツのジャゲッドの顔にいちいち笑える。
- ルカ「必ずきみのメロディーを見つける」
さわやかな顔で当然のように奇妙な発言するのがおもしろいやつだ。 - ルカって出番少ないのに妙に印象が強い。ジャゲッドみたいだ。
ジャゲッドと一緒にしたらルカファンに怒られるかな。 - パーティー出席者名簿がなかなかおもしろい。
カメラマン、オウル、サブリナのママはいいとして、アリ王子とお母さん、ボブ・ロスとXY、アレク、ミスター・バナナ、そしてジャゲッドとペニー。
クロエのじゃなくてブルジョワ夫妻のパーティーだから、クラスメイトたちがいないのだね。 - ジャゲッドややむっつり顔。しぶしぶ来たのか。
- プレゼント運んで来るクロエお嬢様をちらっと見るオードリーがかわいい。
- クロエお嬢様に気を取られてガブリエルの説明聞いてなかった。
- 「ガブリエルのカップル用マントだ!」だけ聞こえて直後の絵面にたまらず噴き出した。
- (笑っていいところですよね?)
- もちろんアドリアンとボディーガードも出席。なぜかカガミとトモエお母さまも。
- デュパン=チェンはいつものようにケータリング。人気店だなあ。
- カガミがマリネットに対してにこやか!!!
かわいいじゃないか。誰だカガミ嫌いとか言うやつは。 - マリネットが現実で髪を下ろすのは初めて!たいへんかわいらしい。
- 髪をほどいたのに何か意味があるかと思いきや、特になかった。ファンサービスかな。
- クロエ「誰も愛してないから」
いーや、嘘だね。 - ジャゲッド「俺に恋人はいないからな!」
ハートハンター「確かに」
これは笑うところ。 - ペニーは片思いということが明らかになった。そうだよなあ、ジャゲッドってロマンスと無縁そう。
- ジャゲッド、吹き替えの声優さん変わった?最近セリフなかったけど。
- それにしても、打ち解けたカガミってほんとにアドリアンに似てる。上品で親切でちょっとお茶目で変なところで鈍感。
- 変身のときの「イエーイ!」がなんだかカラ元気に聞こえる。
- 最後のシーンほんと切ないのに、ルカのギターにジャゲッドの顔が描いてあるから笑えちゃったぞ。台無しにするな、ジャゲッド。
今回の記事はここまで。
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