フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
記事作成時に完全初見。先の展開は知らずに好き勝手言ってます。
第63話 デスペラーダ(Desperada)
マリルカ、カガドリアンの鉢合わせ。
そして比較的珍しいアドリアン中心の回なのである。
アントニオ・バンデラスは登場しないがアクマはとてもロックでカッコイイ。
ストーリー
プロローグ
リバティ号でバンドの練習中、マリネットは傍から見ても明らかにルカと仲睦まじい様子。
そこにアドリアンがカガミを連れてやって来た。フェンシングの練習だと言って家を出たらしい。
ルカと一緒にいたマリネットを見て「彼氏の練習を見に来たのか」と尋ねてくるカガミに、マリネットは答えられず硬直してしまう。
アクマ誕生
と、甲板から話し声が聞こえてくる。
みんなで様子を見に行くと、ギタリストを探しているというジャゲッド・ストーンがアナルカを誘っていた。アナルカは昔ジャゲッドとユニットを組んでいたらしい。
アナルカに断られたジャゲッドは、マリネットに助けを求める。
マリネットはアルヤに「『彼』を紹介すればいい」と示され、なぜかアドリアンを推薦する。が、アドリアンが弾くのはギターじゃなくピアノ。
ジャゲッドがギターを持ったルカはどうかと尋ねると、マリネットはなぜか「ルカがアドリアンにギターを貸してあげて」などと頼んでしまった。
呆れるアルヤたちには気づかず、当のルカとアドリアンはそれぞれ快くマリネットの言う通りにしてあげる。
そこに、ジャゲッドがクビにしたギタリストのヴィヴィカが現れた。
彼女はデスペラーダにアクマタイズされており、代わりのギタリストなど認めないと言って襲ってくる。
デスペラーダが撃つトランペット型の銃を食らうと、ステッカーとなってデスペラーダのギターケースに貼りつけられてしまう。
カガミやアナルカ、ローズやジュレカ、ジャゲッドやペニーも次々とステッカーにされてしまった。
ヒーロー登場
マリネットは陰に隠れてレディバグに変身。
アドリアンはルカに連れられて船を離れていた。
ルカはレディバグが一人で戦っている様子を見て手を貸そうとし、ギターを弾いてデスペラーダの注意を惹きつける。
隙を付いたレディバグはヨーヨーで橋を崩してデスペラーダを落とし、アドリアンとルカを連れて地下に避難する。
レディバグはルカの無謀な行動をたしなめながらもお礼を言う。ルカは「もっと自分たちを頼ってほしい」と返した。
シャノワールに連絡がつかないまま、レディバグはラッキーチャームを発動してゴングを手に入れる。
デスペラーダがルカたちを探しているのを悟り、レディバグはルカのギターを借りて地上へ。銅像にギターとパンを貼り付け、鳩にパンをつつかせてギターを鳴らし、デスペラーダの気を惹いた。
アドリアンは地下のロッカー室にルカを隠れさせ、自分も隠れたフリをしてシャノワールに変身。
新ヒーロー登場?
マリネットはマスター・フーのもとを訪れていた。
失敗は許されない今回の任務で、マリネットが選んだのは蛇のミラキュラス。
時間を操る力は賢い者でないと使えないとマスターに念を押されるが、マリネットは人選に確実な自信があるようだ。
再びレディバグに変身し、地下道でシャノワールとバッタリ。
蛇のミラキュラスをアドリアンに渡すのだと言うレディバグに、シャノワールはアドリアンのもとへ案内すると言い、隠れて変身を解除。
プラッグはシャノワールと他のヒーローの掛け持ちはできないと忠告するが、レディバグに信頼してもらって感激するアドリアンは聞き入れない。
現れたアドリアンに、レディバグもまた感激を抑えながら、時を戻す力を持つ蛇のミラキュラスを与える。
クワミのサスに挨拶をして、アドリアンは「サス、スケール・スリザー(Sass, scales slither)」の掛け声によって蛇のヒーローに変身!
ヒーローの戦い
アドリアンと共闘できるレディバグはちょっと日本語が怪しくなりつつも、ラッキーチャームを発動して馬の鞍を入手した。
地上に出る前に、蛇のミラキュラスの能力「セカンド・チャンス」を発動。これから5分間、今の瞬間に戻って来ることができるようになった。
レディバグはシャノワールがいないことに気付きつつも、二人なら問題ないだろうとマンホールから出て行く。が、エッフェル塔でこちらをうかがっているデスペラーダに射撃されてしまう。
アドリアンはセカンド・チャンスで時を戻し、ヒーローのアスピク(Aspik)として改めて意気込みを見せた。
が、二人とも想い人に気を取られて何度も何度もデスペラーダにやられてしまう。
アスピクは何か月もかけて数えきれないほどセカンド・チャンスを発動したものの、一度もうまくいかなかった。
とうとうアドリアンは自分ではダメなのだと悟り、変身を解いてミラキュラスを返した。
新ヒーロー登場
そこにルカがやって来る。
アドリアンはルカこそふさわしいと気づき、ミラキュラスを彼に渡すようレディバグに助言して姿を隠した。
アドリアン・アグレストではレディバグを助けられないと落ち込みつつも、挽回しようとシャノワールに変身!
レディバグに蛇のミラキュラスを渡されたルカは神妙に受け取り、サスの力でヴァイペリオン(Viperion)に変身。
シャノワールも合流し、三人でデスペラーダに立ち向かう作戦を決行。
ヒーローの戦いその2
まずはシャノワールのカタクリズムでエッフェル塔の立つ地面を壊し、塔にいるデスペラーダを落下させる。
土俵に載せたところで、ヴァイペリオンがセカンド・チャンスを開始。
レディバグとシャノワールがデスペラーダと格闘する様子をよく観察するヴァイペリオン。いろいろな動きを試し、ハープの音にデスペラーダが気を散らすことに気が付いた。
時を戻して必勝の作戦を決行。
ハープでデスペラーダの気を惹いたところで、手にした武器を弾き飛ばす。デスペラーダがギターケースから新たな武器を取り出す前に、レディバグとヴァイペリオンが彼女の両手を封じ、シャノワールが鞍を使って足を縛り付けてしまう。無防備になったデスペラーダの背中からギターケースを打ち上げ、レディバグがヨーヨーで破壊。
ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
ルカはミラキュラスをレディバグに返し、信じてくれてありがとうと礼を言った。
エピローグ
ジャゲッドはヴィヴィカを理不尽にクビにしたことを謝り、バンドに戻ってほしいと頼んだ。過去は過去だとあきらめ、アナルカを無理に誘うこともやめると反省した様子。
仲良くバンドの練習をするアドリアンとルカを見守る、マリネットとアルヤたち。
そこにやってきたカガミが「恋愛はやり直せるとは限らないから早く選んだ方がいい」とマリネットに助言する。
アルヤがそんなカガミに「アドリアンとルカもまだ選んでない」と笑い返していた。
感想とメモ
もりだくさんなエピソード。
マリネットはルカと、アドリアンはカガミと仲良くしつつも、本命の想い人への恋心はやはり変わらず。
ホーク・モスの出番は削られても、ジャゲッドはジャゲッドワールド全開。
ちなみにこの話はオリジナルのナンバリングだともっと後。ルカ人気狙いで前の方に持ってきたのかな。
やっぱり蛇のミラキュラス!
ほら、サンドボーイ回で言った通り!
クワミのサスからルカと同じ強キャラ感が漂ってたもん!
……と言いつつ、一回目はマリネットに思いっきりだまされてしまった。
なんという面白い回なんだ。
絶対ルカのことだって思わせておいて、マリネットもレディバグもなぜかアドリアンを選ぶ。
ミスリードの天丼を使ってくるとは。
クワミのサス(Sass)はやっぱりただものじゃない感じ。顔のせいか態度のせいか、若干ヴィラン感も感じる。
変身の掛け声は「サぁス、スケール・スリザー(Sass, scales slither)」。蛇キャラがスースー言うのはお約束。スケールはウロコ、スリザーは蛇が這う動き。「ウロコで這え」って感じ?
変身を解く掛け声は「スケール・レスト(scales rest)」。トリックスとかぶっとる。
能力は「セカンド・チャンス(Second Chance)」。
発動してから5分間、ミラキュラスの腕輪のダイヤルを回すことで、本人だけが発動した瞬間に戻ることができる。ただし5分が経過すれば変身は解けてしまう。
何回時間を戻してもサスの体力は失われないのかな。戻してるから平気なのか。
とはいっても、アドリアンを変身させた直後に平気でルカを変身させられるのはなぜだろう。ミラキュラスのケースの中にいると気力が戻るのかな。
ヴァイペリオン、オン・ステージ!
ヴァイペリオンは蛇の「ヴァイパー(viper)」+ギリシャ神の「ハイペリオン(Hyperion)にちなんだ名前。オシャレである。
なんで武器がハープなんだと思ったが、ルカが変身するとなれば納得。
変身バンクのルカがノリノリで若干フェミニンな動きをするのがお茶目。そんでBGMがカッコイイ。
変身バンクでは髪の色が普段と同じだが、変身したあとは衣装と同じ青緑に変わってる気がする。
さもないとただのコスプレしたルカである。レディバグもただのコスプレしたマリネットだけど。
時を戻す能力は単純なようでいて、有効に使うのは難しい。
根気強く冷静に失敗の原因を分析し、次の手に活かしていかなければいけない。デバッグ作業である。
ルカの一歩引いた冷静さは、チームメイトとしてはいかにも頼りになりそう。
そうそう、彼のような態度を”chill”って言うとぴったりだな。
でもハープって武器かなあ。
すくなくとも打撃には使いにくそう。ブーメランみたいに投げる方がいいかも。
アドリアンに三つ目のミラキュラス
プラッグが言うには、シャノワールをやるなら他のヒーローになっちゃいけないらしい。
リフレクドール回での一時的なチェンジには何も言ってなかったけど、そういうものなんだろうか。
アルヤにキツネとハチ両方のミラキュラスを渡そうとしたときにも何も言われなかったはずだけど。
いや、ミラキュラスをあれこれ使い分けちゃいけないというより、二重のアイデンティティを持つことに対してプラッグは危惧してたのかな。
アドリアンがアスピクとして活動することを選び続けてれば、シャノワールはもう一生登場しないことになるわけだから。
でも一時的なヘルプ要員と違って、レディバグとシャノワールは特別な存在。シャノワールの役目に選ばれた以上、居心地がいいからってヘルプ要員に転身するのは褒められたものじゃないのは分かる。
さて、一時的に蛇のヒーロー、アスピク(Aspik)に変身したアドリアン。名前は蛇を意味する「アスピク(aspic)」そのままだろう。
ポーズ決めるときの顔になんとなくホーク・モス感があって笑っちゃったのは私だけだろうか。
丸い頭がロックマンっぽくて好き。そんでやっぱりちょっとヴィランっぽさもあるデザイン。
ハープは使う機会なかったね。
戦法としては柔軟ななりゆき任せが得意のシャノワールだから、時間を戻す能力なんてのは確かにわーってなっちゃいそう。レディバグにいいところ見せなきゃならないっていう、一番冷静でいられないシチュエーションでもあったわけだし。
羅針盤マリネットの動向は?
ルカに対してはちっともキョドらないマリネット、確かに仲良さそうでお似合い。
しかしマリネットは「ルカはただの友達」と言い張っている。
サイレンサー回ではアドリアンのアの字も言わなかったマリネットだが、今回はアドリアン本人が出てきちゃったせいか終始アドリアン一色。あのとき告白だとみなしたセリフはマリネットの中でどう処理したんだろうか。
レディバグ状態でもマリネット成分が漏れ出ちゃってるし、シャノワールが言ったら呆れるだけの寒いギャグもアドリアンが言ったら笑っちゃう。おまけに落ち込むアドリアンの頬にキスまでしちゃう。
ルカはそんなマリネットのことを何も言わず見守ってるし、アドリアンに対する敵意のようなものもまったくない感じ。
彼の思惑はどうも分からないね。Chllingすぎて。
アドリアンも羅針盤?
アドリアンとカガミも冗談言い合って笑い合ったり、ずいぶん仲良さそう。ただしカガミは徹底してアドリアンにしかデレない。
ルカのヒーローらしい行動と、それに感謝するレディバグを見て、アドリアンが素直に感激してる表情なのがいい。
アドリアンは「ぐぬぬ、僕のレディバグに対してポイント上げやがって」みたいな思考をしないんだよなあ。さすが好青年。
とはいっても、レディバグに指名してもらったことにはさすがに感激しちゃうアドリアン。
プラッグの言うこともまともに耳に入らず、当然「ルカの方が適任」なんて思考に至るはずもなく、喜んで蛇のミラキュラスを受け取ってしまった。
アスピクとして失敗しつづけたことで、アドリアンが「アドリアン・アグレストじゃダメなのだ」と思い込んでしまったっぽいのがちょっと心配。
アドリアンにとって、シャノワールとアドリアン・アグレストは別人だから。レディバグにもシャノワールとしてではなく、アドリアンとして好かれることを望んでる。
アドリアンって孤独が高じて「自分は誰にも愛されてない」って自尊心の問題を抱えてそうなんだもんな。そのうち、ずっとシャノワールでいたいって気分になってしまいやしないかどうか。
過去は過去
過去にこだわってもしかたない、というような最後のジャゲッドのセリフはたぶん今回の話のテーマ。
セカンド・チャンスの能力も、失敗した「過去」に翻弄されず、反省を活かして正しい未来を選ぶことが鍵だった。
マリネットとアドリアンにとっては、「過去の恋」にこだわる必要はないというメッセージなのかも?
過去に囚われるな、という言葉はホーク・モスにも当てはまるのかもしれないが……。
デスペラーダはとりあえずクール
アクマタイズの模様はカットされたデスペラーダだが、黒い衣装と音符柄のメイクが実にクール。アクマタイズされてないとしても、ステージでこういう顔の人はいそうである。
素顔のヴィヴィカは思ったより地味なお嬢さんだった。あのメイク、取り入れてもいいんじゃなあい?
ヴィヴィカはジャゲッドにクビにされたことを恨んだ上に、後任のギタリストがポンコツだと思って怒っちゃったらしい。
でも撃った人間をステッカーに閉じ込める能力ってのは、アクマタイズされた動機とはいまいち噛み合わないような。
人を閉じ込めたステッカーのデザインはすごくクール。カガミのがオシャレ。
ただステッカーにレディバグとシャノワールを捕まえても、ミラキュラスを奪うためにはいったん元に戻さないといけないよな。ピクセラトールと同じジレンマが。そういえばピクセラトールもジャゲッド関連のアクマだった。
檻かなんかに閉じ込めた状態で元に戻せば抵抗できないだろう、的な作戦になるのか。
それはそうと単純に戦闘能力が抜群で強敵のアクマだった。近接戦闘も遠隔射撃もこなす。
ラッキーチャームは珍しくアクマに因んだような馬の鞍。
ツッコミが追い付かない
ジャゲッドが出オチすぎる。
- 普通に甲板に立って会話してる図を想像してたら、斜め上を行かれた。ロックンロール。
- まさか道路を走ってる間も上にいたわけじゃないよな?
- でもトラックを停めてからピアノを上に持ち上げさせたんだとすると、それはそれでおもしろい。
- ピアノの上におとなしくお座りしてるファングが愛くるしい。しっぽをぶらんぶらんさせとる。
- すぐギタリストをクビにするらしいジャゲッド。ロックスターっぽい。
- アナルカと「クロコデュオ(Croco Duo)」というユニットを組んでたらしい。サイバーな装い。ジャゲッドはキーボード担当。アナルカの芸名は「ナナーキー」。
- いちいちピアノで効果音をつけるな。
- 例の妙なサングラスがお気に入りすぎる。
- ジャゲッド「カッコイイTシャツ着た子」
ほんと、カッコイイTシャツですね。 - ペニー、トラックにいたの。ペニーが交渉した方がよかったんじゃないかなあ。
- 朝ごはんをヴィヴィカに食べられちゃったのを怒ってクビにしたらしい。
- ジャゲッドやっぱり背が高いな。
- 悪いことしたらちゃんと反省する、よいこのロックスター。
- ジャゲッド「俺とファングの朝食」
※ファングとはワニのことです。
その他ポイントメモ
- 赤ん坊のころからギターを弾いてたってジャゲッドも言いそう。
- アリックス「マリネットってルカのこと好きなんじゃない?」
アリックスはいつも正しい。 - カガミ「あの二人はとっても仲が良さそう」
カガミの興味なさげな顔や。 - ルカ「アドリアンはあの子のおかげで外に出ることが増えたみたいだね」
ルカの複雑そうな顔や。 - 船のリビング(?)の壁に貼ってあるポスターが気になる。
- ジャゲッドの声が聞こえてくるとほっとするね。
みんなも気まずい状況をこれ幸いとばかりに甲板に上がっていくのがおもしろい。 - フルート吹けるマリネット。
- アクマを見て当然のようにアドリアンをかばうカガミ。アドリアンは自分より強いと思ってるはずだけど、大切な人は守りたいと思っちゃうのかな。ヒーローらしい。
- デスペラーダ「ギターをいじめてるのはどいつだ!」
本当にいじめてた。ルカに怒られそう。 - またミラキュラスを失くしかけるレディバグ。マリネット分が出ちゃってるぞ。
- 「馬の鞍だけにウマくいくといいな」ってギャグ、英語だと”I would’ve preferred a lucky horseshoe for my first mission(初めての任務には、鞍よりもまず蹄鉄の方がよかった)”と言ってる。蹄鉄ってのは幸運のお守りの意味があるらしい。
- 時間を戻せるからって、「実は僕がシャノワール」と言ってみたアドリアン。
やけくそで言ったんだろうけど、レディバグの反応は本当に見てみたかったところだよな。 - アドリアンとルカに同じ説明を同じテンションで繰り返すサス。
- ルカの変身バンク長くね?
- ルカの変身バンク、爪が光るのがカッコイイ。
- レディバグ「シャノワールがいなくちゃ勝てない!」
良かったね、シャノワール。ギャグはウケないが。
今回の記事はここまで。
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