フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第65話 スタートレイン(Startrain)
マリネットたちが数話前におひろめされたスタートレインに搭乗。馬のヒーローは近未来チックでたいへんクール。
ストーリー
プロローグ
今日も町を救ったマリネットは、借りていた狐のミラキュラスを返しにマスター・フーを訪れる。
ティッキーに促されて「明日イギリスへの校外学習があるが、自分はパリを守るため行かないつもり」と話す。
マスターは我慢することはないと言って、テレポート能力を持つ馬のミラキュラスを貸してくれた。
アクマ誕生
校外学習の日、娘のサブリナを車で送る警官ロジャーは、窓からマナーの悪い市民たちを見るといちいち注意したくなる。今は仕事中じゃないでしょ、とサブリナに言われてなんとか我慢しようとしていた。
ロジャーのフラストレーションを察知したホーク・モスは、さっそくアクマの蝶を飛ばす。
だがサブリナを急いで友達のもとへ送ろうとするロジャーの怒りは次第に収まっていった。ホーク・モスは逃がすまいとアクマにロジャーを追跡させる。
マリネットとアルヤはマックスとマルコフと一緒に、スタートレインの運転士であるマックスのママ:クローディに駅まで送ってもらっていた。
父親に黙ってやって来たアドリアンもニノと合流。それを見たマリネットはもうウキウキ。
マックスのママはパリからロンドンまでスタートレインを運転する。
宇宙でロケットを操縦するのが夢だという彼女は宇宙飛行士の試験を受けており、結果のメールが今日届くはずだとずいぶん気にしている様子。
ロジャーは結局アクマタイズされないまま駅に到着。
後を追っていたアクマは、サブリナがクロエ用の旅行グッズを入れたでっかいスーツケースの中に閉じ込められてしまっていた。
スーツケースはファーストクラスのクロエの席にしまわれ、スタートレインが出発する。
今度こそアクマ誕生
ロボット給仕が徘徊するハイテクノロジーな列車で、思い思い旅を楽しむマリネットたち。
昨日の戦いの疲れで寝込んでしまったマリネットに気を利かせたアルヤは、アドリアンに席を替わってもらった。
マリネットの隣に座ったアドリアンも外国語のレッスン音声を聞きながらまどろんでしまい、二人は身を寄せ合うように眠る。素敵な光景に女子たちはにんまり。
邪魔してやろうとしたのをアルヤに止められたリラは、「乗り物酔いしたからマリネットなら助けてくれるかも」とごまかす。
それを聞きつけたサブリナはファーストクラスに薬を取りに行ったが、スーツケースを開くと、中に閉じ込められていたアクマの蝶が飛び出してしまった。
乗客が大混乱で逃げ出す中、クロエは落ち着き払ってドアを閉め、アクマを車両内に閉じ込めた。
しかしアクマは通気口から脱出し、運転席にもぐりこんでいた。
そこには試験結果のメールがまだ来ないことに不安を募らせるクラウディが。アクマは運転レバーに憑りつき、マックスのママをスタートレインへとアクマタイズした。
アクマの力はスタートレイン全体を覆いつくした。
ロケットと化したスタートレインは線路から浮き上がり、あっという間に大気圏を超えて宇宙へと飛び出していた。窓から星空が見え、重力がなくなり、乗客たちは車内をふわふわと浮かぶ。
ニュースでスタートレインの暴走を知ったガブリエルとナタリーはアドリアンを心配するが、レディバグとシャノワールが助けてくれることを祈るしかなかった。
ヒーロー登場
乗客たちはスタートレインのアナウンスを聞いて、運転士がアクマタイズされたと気づいた。
マックスは運転席に向かって地球に帰してと呼びかけるが、スタートレインは聞く耳を持たない。じっとしていろと乱暴に運転され、クラスメイト達は無重力の中を振り回される。
そんな中、マリネットとアドリアンはそれぞれ身を隠し、レディバグとシャノワールに変身。
たまたま乗っていたと言うシャノワールに対し、レディバグは馬のミラキュラスの力で来たとごまかした。
レディバグとシャノワールはバスティエ先生に乗客たちを後ろの車両に避難させるよう頼むと、運転席へ向かう。
強化ガラスのドアにはばまれたが、マックスとマルコフにドアのプログラムをハッキングして開けてもらった。
そのまま四人でスタートレインの中を進んでいく。
新ヒーロー登場
ヒーローたちの進入に対し、熱風を吹き込んだり酸素の量を減らしたりと妨害するスタートレイン。
先頭車両の前まで来て生身の人間では進むことが困難になったことを悟り、レディバグは馬のミラキュラスによるスーパーパワーをマックスに与えた。
メガネをミラキュラスに替え、「カルキ、フル・ギャロップ!」の掛け声とともにマックスが変身!
名乗りはカットされたようだが、ヒーローの名前はペガサスだ。
ヒーローの戦い
先頭車両に侵入したヒーローたちだが、内部が酸素が失われ凍り始めている。
マルコフが運転席のドアをハッキングする間、襲ってくるロボットにペガサスとシャノワールが応戦する。
とうとうマルコフも凍り始めてしまったが、レディバグはさっきラッキーチャームで手に入れたヘルメットにサブリナのカイロを詰め、マルコフに被せ温めてやる。
とうとうドアが開き、運転席に突入。
作戦通りレディバグが運転士の動きを封じ、シャノワールがアクマの宿るレバーをカタクリズムで破壊。
そしてペガサスのボヤージュで、スタートレインを地球へテレポートさせた。
スタートレインはうっかりビッグベンに突き刺さる位置にテレポートされてしまったが、ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
変身を解いたマックスはミラキュラスをレディバグに返して一件落着。
エピローグ
スタートレインは改めてパリから再出発。
クラウディには試験の合格通知メールが届いており、マックスと一緒に喜んでいた。
アドリアンは家から迎えが来て帰っていってしまったが、マリネットはアドリアンと寄り添って眠っている写真をアルヤに見せてもらって大感激。
感想とメモ
やっぱりイギリス編だな! ……と思わせてまさかの宇宙編だった。
マックスがすげー格好良い変身を見せてくれたが、割と駆け足展開で残念。馬だけに。
マックスは活躍するに決まってる
ロボスタス回でスーパーエンジニアとしての力を見せてくれたマックス・カンテくんが、とうとうヒーローに。
校外学習でも当然のようにマルコフと一緒。ロボットと一緒なのは許されたんだっけ?
キムはマックスの隣をクビになって変なキャラになってるけど、彼は彼で楽しそうだからいいか。
変身しなくても充分活躍できるマックスに、今回変身する理由を与えてくれたのがママなのである。
エピソード内では出てこなかったが、マックスのママの名前はクローディ(Claudie)。
スーパーエンジニアであるマックスのママは宇宙飛行士。納得納得。
大人になってなお大きな夢をかなえようとするママと、素直に応援するマックスは実にいい親子。でもママ、仕事に集中しろ。
でも結局、基本マックスってミラキュラスいらないよね。普通に有能だよね。彼のことは「椅子の男」にすべきだよね。
ペガサスは舞い降りた
マックスが変身したヒーローはペガサス。レディバグは当然のように呼んでたが、名前決めるシーンはカットされたんだろうか。
白いドレッドヘア、サングラス、黒いスーツに蹄鉄のマークが実にクール。トロンみたいな近未来風。ロボットダンスはちょっとおもしろい。
武器は背中につけた蹄鉄ブーメラン。反射角度を計算して飛ばすさすがのマックス。
せっかくの初変身だけど酸素がなくてほとんどしゃべれなかったのが惜しい。
馬のクワミはカルキ(Kaalki)。馬ってスピードを司るから瞬間移動の能力なのかな。
気だるげな面持ちで、挨拶するマックスに対して「偉大で有名なのぉ?」と返す。たぶんだけど、マックスは偉大で有名になるんじゃないかなあ。
変身の言葉は「フル・ギャロップ(Full Gallop)」。
能力は「ボヤージュ(Voyage)」で、空間移動のポータルを作り出すって感じ。ボディスライドというより、どこでもドアを開けるって感じ。
そんで移動先には正確な座標を定めないといけないらしい。使いこなすの難しいな。
列車の中のすごしかた
列車の座席はいつも通り……と思いきや変化球も。
- おしゃべりするマリネットとアルヤ
- カードゲームするアドリアンとニノ
- 一緒に音楽を聴いてるミレーヌとイヴァン
- 本を読むジュレカにもたれてねんねするローズ
- 悪ふざけしあうキムとアリックス
- お互いガン無視でスマホをいじるリラとサブリナ(笑)
- バスティエ先生の美しい横顔をスケッチするナタニエル
- マルコフとビデオゲームに興じるマックス
この組み合わせ方で今後の方針が分かるね。
シーズン1だったら100%「キムとマックス」だったはず。
クロエはおとなしく寝てたのかなあ。実はさみしくなってそわそわしてたんじゃないかと思うとかわいいね。
最大スケールのアクマ
キャプテン・ハードロックは船ごとアクマになってたが、今回はさらにでかく列車丸ごとアクマ化。
宇宙を思うまま飛び回ろうとしたり「宇宙を支配する」とか言い出したり、いまいち何がしたいのかようわからん。ホーク・モスの呼びかけがない分、文字通り暴走しちゃってたような感じ。
付属物が大きい一方で人間への影響っていうのはないタイプのアクマだった……のかなあ?
いや、あのスタートレインはひそかに、中にいる人間の負担を最小限にする力を発揮してたんじゃないか。ロケットの打ち上げなんて常人なら吐くだろ。
だとしたらスタートレインには「みんなに宇宙を楽しませてあげたい」という思いもあったのかもしれない。
ともあれアクマタイズを引き起こしたマイナスの感情と、実際やってることがいまいち噛み合わない気がするアクマだった。
ホーク・モスの怠慢のせいだぞ。アクマを見失ったからってあっさり仕事に戻りやがって。
ホーク・モスは大丈夫なのか?
距離が離れすぎるとアクマと通信できなくなるらしいホーク・モス。なんだと。
通信圏内に戻ってくれば操れるようになるのかな。
「宇宙はさすがに遠すぎる」とか言ってたが、スーツケースに入った時点でもうつながれなかったじゃないか。
しかもアドリアンが乗ってるのに「どうすることもできない」とあっさり言っちゃうガブリエル。
つながれないアクマに対しては力を奪うこともできないんだとしたら(もしくは力を奪ったら宇宙空間に投げ出されちゃうからできなかったのかも?)、かなり危険じゃないのか。
知らないうちに野放しになってるアクマもいるんじゃないのか。
ともあれ今回のケースから、アクマの能力は必ずしもホーク・モスのコントロールに依存してるわけじゃないと分かる。
力を与えたアクマによってホーク・モスに反撃がくわえられることは充分ありえるってことだよな。今までも心配してたけどさ。一番の反撃に遭ってたのはそういえばマルコフ回だった。ホーク・モスは機械に弱い可能性。
その他ポイントメモ
- 当然のように「スーパーヒーローの使命を果たすため」に校外学習を諦めてるマリネットがあまりに尊い。相談する気すらなかったのか。と言っても、アドリアンも来ると分かってたらマスターに頼んでただろうな。
- 一方のアドリアンは「昨日アクマが出たし今日は大丈夫」とタカをくくってウキウキと乗り込む。友達と旅行なんて初めてなんだろうね、仕方ないね。
- サングラスのレンズを指ではさみやがるマリネット。メガネかけたことないのか!
- おまわりさんロジャーの帽子の下が明らかに。なかったのか……。
- サブリナがパパと一緒にいる場面ってめちゃくちゃ新鮮な気が。
- やっぱり娘はかわいいパパ。
- 職業病のパパ。アクマになったのも職業病のせいだったな。
- サブリナなにそれ、クロエお待たせタイマー?
- 宇宙ブログを始めたアルヤ。実に精力的。
- 運転士さんはトイレにも行けないの?
- クロエのためにあれこれ用意するサブリナに、ロジャーパパは単純に感心してる様子。献身の心が大事なのだ、相手がクロエでも。
- クロエの冬コーデかわいいね! でっかいファーにタイトなブーツが似合うね!
誰も言ってあげないとかわいそうなので自分が言っておきました。 - サブリナをいったん追っ払ってからすぐ呼びつけるクロエ、嬉しそうに従うサブリナ。完成された二人である。
- あの画期的なリクライニング方式ってフランスでは普通か? ファーストクラスだから?
- ナタニエルの爪が白い。着色エラーだろうか。マニキュアだとしたら割とクールだ。
- おめめで表情を表すマルコフが愛くるしい。(●●)(??)
- アクマに対するクロエの落ち着きっぷりがたまらん。変身してなくても自分はヒーローのクイーン・ビーだとしっかり自負している。サブリナをあごでこきつかっておいてこれだから。
- クロエを愛でてるのは私だけじゃないはずだ。
- スッ…と無言で登場するはだかのキムがおもしろすぎる。
- 一旦目を開けたマリネット、アドリアンがすぐ近くにいるのににやけてまた眠る。夢だと思ったのかな。
- 「前にアクマタイズされたことがあるから分かる!」
この車両の人半分くらいは分かるんじゃない?
ちなみにこの人はサイモン・セッズの人。たぶん誰も覚えてない。 - クロエはまだやっぱりミラキュラスを渡してもらえると思ってて、レディバグとシャノワールはごまかすしかない。ショボンとするクロエ。
- マルコフは防水。熱には弱い。
- マルコフは酸素少なくても平気。
- あれっ、カイロってあったかくなるのに酸素が必要では……。
今回の記事はここまで。
コメント
カイロのシーン見て、母が生暖かく微笑んでいました。
カイロだけに…。座布団一枚どうぞ。