ミラキュラス レディバグ&シャノワール:ストーリーと感想【第66話 クワミバスター】

フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。

話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら

第66話 クワミバスター(Kwamibuster)

エピソードタイトルからして不穏な空気。キュートなネズミの新ヒーローが登場!

ストーリー

プロローグ

学校での授業中、理科室に忍び込むプラッグと後を追うティッキー
理科室に毎日現れるというチーズにプラッグが飛びついたところ、それはメンデレーエフ先生がしかけた罠だった。
先生は「不思議な生物」を捕まえようするが、不思議な力で逃げられてしまう。しかし監視カメラに映像を収めており、科学的大発見の証拠をつかんだと大喜び。

姿を見られたティッキーは主たちに報告すべきかと心配するが、プラッグの方はどうせカメラには映らないんだからとそしらぬ顔。

アクマ誕生

メンデレーエフ先生は撮影した映像をテレビ番組に持ち込んでいた。
映像には確かにクワミの姿は映っていないものの、チーズがひとりでになくなっていく様子がバッチリ収められていた。さらに先生お手製のイメージイラストは、明らかにプラッグとティッキー。

学校でみんなと一緒に番組を見ていたマリネットアドリアンは事情を悟ってこっそり退室。
マリネットはトイレでティッキーを問い詰めるが、真摯に謝られて許してあげることに。

一方、テレビ番組ではメンデレーエフ先生の主張が却下されていた。
先生は映像が偽物じゃないと言い張るが、スタジオからつまみだされてしまう。

楽屋で落ち込む先生のもとに、ホーク・モスがアクマの蝶を差し向ける。
アクマが先生のカメラに宿り、クワミバスターへとアクマタイズされた。

クワミバスターはスタジオに乱入。番組司会のアレクを金庫に閉じ込めて屋上から落とそうと脅し、ヒーローたちをおびき出そうとする。

ヒーロー登場

スマホのテレビで状況を知ったマリネットは、自分がレディバグじゃないと証明する策を考えながらレディバグに変身。

一方のアドリアンはマリネットが同じタイミングでトイレに入っていくのを見かけて、彼女がレディバグなのかとプラッグにぽつりと尋ねる。
否定するプラッグに考えない方がいいと諭され、アドリアンもシャノワールに変身。

ヒーローの戦い

屋上から落とされたアレクを救ってレディバグシャノワールが登場。
クワミバスターはクワミをつかまえようと掃除機からビームを発射して二人を襲う。

レディバグはシャノワールに正体を探っちゃダメと言いつけるのに気を取られ、掃除機ビームを食らってしまった。
イヤリングから吸い取られたティッキーはクワミバスターの掃除機の中へ。変身が解けてしまったマリネットはなんとか身を隠すので精一杯。

シャノワールはカタクリズムで屋上の看板を倒し、ひとまずレディバグを逃がすことに成功。
ところが自分もビームを浴びてプラッグを吸い取られてしまった。
変身が解けたアドリアンはクレーンに釣られたコンテナを利用して屋上から脱出し、空いていた楽屋に飛び込むとそこにはバナナの着ぐるみが。

新ヒーロー登場

マリネットは急いでマスター・フーを訪ね、今回だけ別人として変身する許可を得た。するとマリネットはミラクルボックスからすべてのミラキュラスを出して身に着け始める。
マスターはミラキュラスの組み合わせは危険だと止めるが、クワミを出すことが作戦に必要だと言うマリネット。

変身に使うのはネズミのミラキュラス。
ミロ、ゲット・スクイーキー!」の掛け声とともに、マリネットはマルチマウスに変身した。

マルチマウスは「マルチチュード」の能力で、自分をたくさんの小さな分身に分けることができる。
キツネのミラキュラスを身に着けた分身の一人が、トリックスとの「ユニファイ」によってキツネの能力を併せ持ったマルチフォックスに変身。
分身たちはそれぞれクワミの口の中に隠れ、みんなで外へ飛び出して行った。

ヒーローの戦いその2

バナナの着ぐるみに身を隠したアドリアンは、あっさりクワミバスターに見つかっていた。
ミラキュラスをとられそうになったそのとき、たくさんのクワミたちがテレビ局に乱入。

アクマがクワミを捕まえるのに夢中になっている隙に、バナナドリアンは再び身を隠す。
そこに竜のクワミに運ばれたマルチマウスが声をかけてきた。マルチマウスはレディバグに頼まれたと言ってシャノワールのミラキュラスを預かる。
バナナドリアンはマルチマウスを信じ、レディバグからの伝言に従って屋上へ。

屋上ではクワミバスターがクワミを捕まえまくっていた。
マルチマウスは計画通り、クワミの口に含まれたまま掃除機の中に潜入。

プラッグユニファイした分身がカタクリズムを使い、内部から掃除機を破壊してクワミたちを解放。
ティッキーユニファイした分身がラッキーチャームでヘルメットを入手し、アクマを捕まえた。
バナナドリアンにプラッグを返した後で、トリックスユニファイしておいた分身がミラージュを発動。

アクマ浄化

再び変身したシャノワールはバナナから脱出。同じく現れたレディバグが、ミラキュラス・レディバグでアクマを浄化した。
ミラキュラスを外したマルチマウスの正体は、なんとマリネットだった。
レディバグはシャノワールに見られてはいけなかったとたしなめつつ、マリネットを連れて行く。
シャノワールはプラッグが高校にいたことを知らないフリをして、高校生ではないとごまかしておいた。

残されたシャノワールは、パリの安全を守るためクワミのことを秘密にしてほしいとメンデレーエフ先生を説得する。先生はコペルニクスのように時代を先取りしすぎたのだと納得してくれたらしい。

一方、ホーク・モスはたくさんのクワミがパリに潜んでいることを確信し、不気味に笑っていた。

エピローグ

シャノワールが見たアクマ浄化はミラージュによる幻だった。
皆が去った後で、マルチフォックスが幻を消去。

ミロをディバイドして単体のレディバグになると、本当のミラキュラス・レディバグですべて元通りに。

アクマ退治に成功、ミラキュラスはすべて無事で、シャノワールにマリネットがレディバグではないと思わせ、シャノワールも高校生ではなさそうだということで万事解決。

たくさんのミラキュラスを同時に扱ってのけたマリネットを、マスター・フーは感慨深そうに見守っていた。

感想とメモ

クワミ総出演の濃密な回。
正体に関しては今後の心配を拭ったようだが、ホーク・モスに与えた情報も大きかった。

ちょっとアホなメンデレーエフ先生

メンデレーエフ先生、科学的な発見だと言いながら映像を変なリアリティ番組に持ち込む謎行動。家族を亡くした人が心霊番組に調査を依頼するみたいな。

メンデレーエフ先生は学期の始まりからプラッグのことを見かけていて、チーズで釣れるってところまで突き止めていた。なかなか有能だ。
言われてみればクワミの姿は主以外にも普通に見えるし声も聞こえるのである。ティッキーがクロエに拾われちゃったこともあったな。
つまりクワミが油断して飛び回っているのは危険なのだ。黒いプラッグはまだしも、真っ赤なティッキーはすっごい目立ちそう。

とっても有能なクワミバスター……のはずが

クワミバスターはSFチックでかっこいいデザイン。あんまり邪悪そうじゃない。ゲームのキャラにいそう。
いわずもがなゴーストバスターズのパロディ。ファンキーな見た目は2016年版の映画を思い出すね。
あの緑のビームはどことなくルイージマンション。

ともあれクワミバスターはクワミを捕まえるというとんでもない能力を持ってる。
名前と武器を見れば、誰がどう考えても超危険なアクマなわけだが、レディバグもシャノワールもおそろしくあっさりクワミを奪われてしまった。シーズン1ならもう詰んでた。

クワミだけでもホーク・モスのもとに連れていかれなくてよかったね。
ミラキュラスとクワミのどちらか一方だけでは能力が発揮できないだろうが、ホーク・モスはティッキーとプラッグを人質にできたはず。

しかしクワミバスターっていうんならクワミ探知機的な装備はなかったのかな。
パリを回ってクワミの隠れ場所を探知できたらよかったのにね、ホーク・モス。
それかタイミングよくテレビ局から飛び出して行く人を見張ってれば、レディバグ候補がしぼりこめたかも。やっぱりナタリーがいないとダメだな。

実は正体探り回だった

今回のティッキーは珍しくマリネットに隠し事。ごまかし笑いが愛くるしい。
報告しなかったのはそれこそシャノワールが同じ高校にいるって手がかりを与えないためだったかもしれない。
でもメンデレーエフ先生に警戒されてるってことは言っといた方がよかったね。

クワミが目撃されたことで、レディバグとシャノワールが同じ学校に通っているとお互い気づいてしまった。

マリネットとプラッグは「相手の正体を知ったらミラキュラスを持っていられなくなる」と言ってたが、文字通り変身不可能になるって意味なんだろうか。もしくは危険だからやめるべきってマスターと決めてるとか?
ともあれ、レディバグとシャノワールのミラキュラスはそれだけ特別な存在らしい。狐とか亀のミラキュラスとは扱いが違うわけだ。

レディバグはシャノワールの正体を探るまいとしているが、シャノワールはそうじゃない。なんせレディバグのことが好きだから、素顔を知りたいと思わざるをえない。
こういうところにもレディバグとシャノワールのスタンスの違いが出てくる。レディバグはヒーローとしての存在だが、シャノワールはヒーロー以前にアドリアンのもう一つの顔だからね。

そんなシャノワールにピンポイントで「マリネットはレディバグじゃない」と信じさせたレディバグ、冷静で巧み。ある意味では非情ともいえる。
まさかシャノワールも自分に対して幻影使われるなんて想像もしてなかったろう。

隠し事はしない、と約束しあうティッキーとマリネットには深い信頼関係がある。
一方で、レディバグとシャノワールはそういう関係になれないってことが強調されてる気もした。
ヒーロー同士の信頼関係は「事情を知らなくても無条件で信じられる」っていう方面だから。

ミラキュラスの組み合わせ

ミラキュラスを全部身に着けたやりすぎオシャレのマリネットがおもしろい。

ユニファイ(Unify)」という掛け声で、別のミラキュラスとの組み合わせが可能。
ディバイド(Divide)」で再び分離する。
(マリネット、「使うのはネズミだけ」って言ってたけどあれはどういう意味だったのだ? 新しく登場させるのはネズミだけって意味?)

これにより追加したミラキュラスの能力も使えることができるようになると。
今回はマルチマウスを基に二段変身してたが、別のミラキュラスを基にすると見た目が変わるんだろうか。

「ミラキュラスを組み合わせると力が強すぎて正気を保てなくなる」とマスター・フーはおっしゃってたが、マリネットはちょっとふらつく程度で持ちこたえた。
彼女はやっぱり「たまたまミラキュラスを手にしたどこにでもいる女の子」じゃないよね。生まれながらのヒーローとでも言うべき強靭な精神力を持っている。

マリネットさすがの機転

よくとっさに思いつくわな、というマリネットの有能っぷり。
ちなみに今更だが、マリネットは全部のミラキュラスの効果を把握してるらしい。ユニファイについてもちゃんと知ってた。マスターに教わったのかな。
その知識を必要な場面ですっと出すってのはそうそうできるもんじゃない。

今回は確かに最初から「正体をごまかしたい」という意図はあったけど、クワミを奪われるっていう前代未聞の危機の中で、アクマを倒しつつ正体もごまかすって手段を思いついちゃうんだから。

いつもの案は成功するのか微妙に思えることが多いが、今回は大胆さに見合う高い勝率があった……かなあ? 掃除機の中で自由に動ける前提ではあったよな。まあ結果オーライである。

キュートすぎるマルチマウス

かわいいね、マルチマウス。マリネットはお団子頭が似合う。

クワミは白いネズミのミロ(Mullo)、セリフはなかったので性格は分からず。
日本語だと「ミロ」と言ってるように聞こえるが、英語の発音は「ムロ」に近いような。しかも元の名前は「ティッポ(Tippo)」だったらしく、英語だとトリックスとユニファイするときにティッポって呼んでる。なにがなにやら。

変身の言葉は「ゲット・スクイーキー(Get Squeaky)」。スクイーキーはネズミみたいなキーキー甲高い鳴き声を上げること。

ミラキュラスは黒くて丸いペンダント。
ライトグレーとピンクのパステルな衣装がマリネットによく似合う。変身するときにピンクのリボンが踊るのもオシャレでマリネットらしい。足の裏にはピンクの肉球マークが。

武器は汎用性の高そうな腰に巻いたロープ。
これで縄跳びして「マルチチュード(Multitude)」を使うと、自分を小さな分身に分けることができる。

分身っていつも気になるんだが、意識は別個にあるんだよな。でも一人の人間であることには違いないから、それぞれが同じように考えて行動すると。
文字通りの「分身=本体が小さく分かれた」感じだったけど、もし分身が怪我したり死んだりしたら、元に戻ったときどうなったんだろうか。

その他ポイントメモ

  • 「すべてが正しいわけじゃない、だが偽りとは言えない!」
    番組の決めゼリフ、語呂がよすぎる。
  • アレクさんが出てきた時点でろくな番組じゃないぞ。かと言ってシャマクさんが出てきてもろくな番組じゃない。
  • 審査する専門家はミスターXY、ミスターバナナ、マノンちゃん。XYとバナナのシルエットが似ているし名前も似ている。
  • アリックスのおにいちゃんジャリルが超久しぶりに登場。ピラミッドは宇宙人の船だった説を唱えて審査員も納得納得。
  • 無言で恥ずかしそうに親指立てるアリックスがかわいい。
  • ジャゲッドのストーカー(元)ヴィンセントが超久しぶりに登場。たぶん誰も覚えてない。
  • メンデレーエフ先生が一番背が高い。ヒールのせいか。
  • チーズでシャノワールのクワミが釣れるって、それこそホーク・モスに利用されてたらやばかったのでは。
  • プラッグ「深く考えるのをやめるとなんかうまくいく」
    プラッグが言うと妙な説得力がある。
  • 今回はいつもの変身バンク省略。このあとやること多いからね。
  • 変身が解けるとキリっとしたしゃべり方ができなくなるマリネット。
  • プラッグがカタクリズムを使うととんでもないことになるらしい。
  • ミラキュラスヒーローの武器はとても汎用性高そうだが、蛇のハープはちょっと異質だったな。ルカじゃないとまともに使えなさそう。
  • 指輪をベルトみたいに巻いてるマルチマウス。
  • トリックスの幻影は「リアリティ(Reality)」の掛け声で消えるらしい。
  • 今さらだけど、プラッグの英語声と日本語声はそっくりである。

今回の記事はここまで。


 

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