爆笑!シアター・パコーン:ユニークでブラックで生理的にたまらないコントアニメ

2期を作ってほしいなあという期待をこめて海外アニメをご紹介。
爆笑!シアター・パコーン
Right Now Kapow

ディズニーXD(放送休止後はディズニーチャンネル)にて放送されてたオムニバスコントアニメ。
好き嫌いがハッキリ分かれるタイプのクセの強いアニメですが、私は大好きです。

【2023/10/02追記】
ものすごく非常にいかんともしがたいほど遺憾なのですが、
現状ディズニーチャンネルのサイトに番組紹介がありません。
マジかよ。再放送はしないのかよ。
検索するとこの記事がトップに出てきてしまって申し訳ない。
ごめんなさい公式情報ではないです。ただのファンです。

概要

どんなアニメ?

6人のキャラクターが色んな役に扮して、数秒~数分のコントを立て続けにお送りします。
LIFEとか笑う犬みたいなコント番組のアニメ版って感じ。
アニメなので登場人物の外見は自由自在。三頭身の子供になったりマッチョになったりアンドロイドになったりミュータントになったり溶けたり足が取れたり全身骨折したり。

1話30分の中に、軸となる3部構成のコントが2本+その他短いコントが10本ほど。密度ギッシリです。

コントの長さや内容は色々。
分かりやすく子供も笑えるようなネタの合間に、電波だったりブラックだったりするネタがけっこう目立ちます。
生理的にムリな人にはとてもムリ、逆に好きな人にはたまらないという感じでしょう。

原語タイトルは”Right Now Kapow”。
“Kapow”はぶん殴ったときの効果音なので、直訳すれば「今すぐパンチ」みたいな。
邦題の「パコーン」はツッコミの音っぽくていいですね。

ちなみにアメリカのコメディドラマによくある、客席の笑い声が入る演出はありません。そのせいもあってシュールな絵面になることが多々(詳しくは後述)。

どこで見られる?

CSチャンネルのディズニーXD(放送休止後はディズニーチャンネル)で、公開済みの1~26話が繰り返し放送されています。
2期があるとしたら27話からですが、今のところその気配はなさそう…。

各国のディズニーXDがYouTubeにプロモーションで公開してる動画もあり、下で紹介してますので見てみてね。原語版であればたくさんあります。

あとはAmazon.com(.jpじゃなくて)で動画購入も原語版なら可能です。
Amazonジャパンでも配信してくれればいいのに。

(動画配信サービスのディズニーデラックスでは残念ながら配信されてないようです。)

魅力(もしくは欠点)

バラエティ豊かなコント:急に歌うやつから超ブラックネタまで

コントの内容は、日本のリアル芸人もやりそうなネタ、アニメならではのトンデモ演出、出オチやアメリカンジョークまで様々。

特徴とともに、各国のディズニーXDが公開してる動画をいくつか紹介します。
→ここで紹介してた動画のいくつかは公開終了しちゃったっぽいです。が、ディズニーXDのチャンネルが言語版の動画を上げてくれてるので「Right Now Kapow」で検索してみてください。

オーソドックスなネタ

分かりやすい「コント」って感じのネタですね。日本の芸人が同じシチュエーションでネタにしててもおかしくなさそう。

コント動画:銀行強盗

「爆笑!シアター・パコーン」_厳選コント「銀行強盗」

うっかり強盗。ダイヤちゃんの書き文字がかわいめ。

コント動画:変身ヒロイン

こちらは原語版ですが、雰囲気で分かるかと。

Long Transformation | Right Now Kapow | Disney XD

長ったらしく変身したあげく長ったらしい必殺技を始めようとするヒロイン。

期待を裏切るウィット

一般的な言葉を使って想像させておき、予想を裏切るボケで「そっち!?」と思わせる……なんかギャグの仕組みを叙述するのってやですけど。

コント動画:子猫

ディズニーXDで放送「爆笑!シアター・パコーン」_厳選コント「子猫」

子猫を助けるんじゃなくて子猫が犯人。
邪悪な動物シリーズはアライグマとかイルカとか色々あります。

言葉遊びもよく出てきます。第1話の「兄貴の影」とか。
英語の慣用句にちなんだネタもあるので、原語で見ると英語の勉強にもなるぞ。

ツッコミ不在のシュールさ

ボケに対して戸惑いや呆れやドン引きはあっても、いわゆるツッコミはあまり多くないです*1
ボケっぱなしのシュールな雰囲気が基本な感じ。ゆえに笑いどころが分からない人には分からないものもあったりします。私もよく分からなくなります。

コント動画:マッスル君

こちらは分かりやすい笑いどころで、かつほっこり系として人気の高いコント。

ディズニーXDで放送「爆笑!シアター・パコーン」_厳選コント「マッスル君」

出オチな上にどこまでもツッコミ不在です。彼氏が「マッスル」で娘が「ひよわ」って。

コント動画:ぺっしゃんこバスケットボール

こちらは急に歌うシリーズ。もちろんツッコミ不在。
休み時間にボールを取りに行ったらろくなのが残ってなかった哀しみを切々と訴える子供たちの図。こっちみんな。

やたら長いのがとりわけシュール。
サビは日本語だと「しぼむボール、ヘコむボク、休み時間はじーごくー♪」韻を踏んでます。

残念ながら現状公開されてる動画はありませんでした。残念過ぎる。

急に歌うシリーズでは第1話の「5秒ルール(5 Seconds Rule)」も人気(?)。

一歩間違えるとホラーなブラックさ

上に挙げたようなポップなネタもある一方で、いわゆるブラックジョークも満載です。
心臓取り出したり宇宙人に消されたり脳みそを取り替えられそうになったりといった即物的なブラックさから、サイコパス的なボケキャラの前に周りの人が怯える精神的なブラックさまで。
特にわざと恐怖演出をしてくることがあるので、小さい子供にはちょっと怖いのもあるかも*2

公式動画はあんまりブラックなネタは紹介してないみたいです。そりゃそうか。

コント動画:ベッドの下のお化け

原語版ですが、恐怖演出の例でいえばこんな感じ。
→残念ながらこちらの動画も現在は公開されておらず。

ベッドの下にお化けがいたらと怖がる娘を、「お化けなんかいないよ。それにお化けよりパパの上司がいた方が怖いって」と冗談で励ますパパ。しかしパパのベッドの下には案の上…。

もはや笑えないエグさ

ブラックジョークが行き過ぎて、完全にギャグのレベルから逸脱しとるがなというのもあります。
当然ながら公式紹介動画にはありませんでした。

代表的なのが第16話「ピャッピャカいたずらアカデミー(Prank School)」。
3部構成なのですが、途中まで普通のコントだと思わせて最後に絶望に落とすという鬼の所行。
笑いによるフォローは一切なく、余韻に残るは虚無ばかり…。
興味ある方は原語タイトル「Prank School」で検索したら原語動画が見つかるかも。GoogleやYoutubeで「Right Now Kapow」を入力すると候補の上の方に出てきます。やはり物議を醸した模様。

それからビジュアル的に「キモ!!」と思わせるネタでは、キモさに容赦がありません。
第25話の「下水道ミュータント(Radical Mutants)」はガチでひたすら気持ち悪くて話の内容が頭に入ってこない。

こういった度を超したネタをちょくちょく入れてくるのも、賛否の「否」を増やす要因ではあるようです。
私はこの尖りっぷり嫌いじゃない。

声の出演:多才なフラミンゴのみなさん

日本語吹き替えは、コントグループ「フラミンゴ」のお三方が、老若男女メインキャラからガヤまで全部やっています。

  • 吉田ウーロン太さん:アイスプラント
  • 辻本耕志さん:キャンディドッグ
  • 竹森千人さん:ダイヤムーン

みなさんさすがの芸達者。
声の使い分けはもちろん、しゃべりかたや口癖で日本語版ならではのキャラを作っていておもしろさを増してくれてます。

台本よりも現場の雰囲気を重視したとのことで、やりたい放題なアドリブ満載。
セリフが言えてなかったり噛み噛みだったりするのもまたいい味出してる(主に竹森さん)。

 

登場キャラクター

6人のメインキャラクターについて、特徴と私のお気に入りエピソードを独断によってご紹介。

アイス

黄色いソフトクリーム頭の男。
力任せだが根は天真爛漫な役が多い印象。比較的常識人な方。
おなじみの役は、大統領、王様、スーパーヒーロー、警察官、宇宙人など。

しょーもないことをそれらしく言うしゃべり芸が持ち味。しれっとした顔がいい。
私のお気に入りは第3話の「護身術道場」や第14話の「ランプの魔人」。

 

プラント

ヤシの木頭の女性。髪を下ろすとなかなか美人。
権力欲を見せたり変わり者になることもあるが、比較的ツッコミに回ることが多い印象。
おなじみの役は、市長、小学校の先生、海賊、天使、眠り姫、ちいさい少女など。

吉田ウーロン太氏の「生理的に○○!」というアドリブが決まり文句に。
第1話の「5秒ルール」はみんなに人気の急に歌うやつ。第6話の「お泊まり会」では結局歌わず世界征服しようとしてました。
私のお気に入りは子供たちに困らされる小学校先生。第3話の「夏休みの思い出」や第10話の「マークシート」とか。

 

キャンディ

ピンクの飴玉頭の女性。
二等兵や助手系の役で説明やツッコミに回ることが多め。
が、常軌を逸するときはとことん逸する。こわい。
おなじみの役は、ティーン女子、人魚、令嬢、宇宙人、ハイカー、占い師など。

ごまかし芸はかわいめ。第7話「新種の生物探検隊」や第11話「襲来」など。
そして第16話「いたずらアカデミー」で狂気を見せる。

 

ドッグ

ブルドッグ頭の男性。
酷い目に遭う系ツッコミといえば彼。
醜男扱いが多いが、辻本さんの吹き替えはやたらイイ声。
おなじみの役は、上司、スポーツ実況、騎士、ヴィラン、警官、おじいちゃんなど。

不憫な扱いをされたと訴えても誰も聞いてくれない系役回りが十八番。第7話「ブルース」とか。
実況や歌もよくやり、セリフが多い印象。そしてイっちゃってるときはイっちゃってる。
私のお気に入りは第13話の「弁護士わんちゃん」と第16話の「ジョニーアップルジロー」。

 

ダイヤ

青いダイヤモンド頭の女性。
女性の中では年上になることが多い。
シーズン初期はおかしなキャラが多かったが、後期はツッコミに回ることも。
おなじみの役は、女王、将軍、ハイカー、キャリアウーマン、幽霊など。

ボケに回った彼女は竹森氏の噛みっぷりもあいまってテキトーに酷いことをし始める。
私のお気に入りは第2話の「スカイダイビング」や第5話の「オールドヤングのバラード」。
逆にテキトーにあしらわれる側も。第3話「スフィンクス」でのあしらわれかたが生理的に好き。

 

ムーン

微妙な水色の三日月頭の男性。
やりたい放題な役が多い印象。子供やガリガリ少年の主人公キャラになることも。
竹森氏のギリギリ聞き取れるしゃべり方が絶妙。
おなじみの役は、医者、パパ、魔法使い、監督、吸血鬼、ファラオなど。

ニヒルな笑顔で好き勝手やりたい放題やるのがムーンの持ち味。第14話の「にゃんこマン」はおもしろい。
ちょいと悲鳴の入ったブラックなネタだと、第21話の「若返りの泉」「ボキボキルー」が生理的に好き。
子供デザインはやたらかわいかったりします。第17話の「遠足の行き先」は憎たらしかわいい。

 

整理してみたら私のお気に入りコントはダイヤとムーンが多かったです。ちょいブラックくらいが好き。

最後に

どうやらアメリカ本国でも「エグすぎてギャグになってない」との声が多いみたいですが、シンプソンズ*3とかアドベンチャー・タイム*4がこれだけ市民権を得てるんだから今更じゃんねーと思う私です。

絵柄がもっとポップなら受け入れられやすいのかも。
でもあの生理的にムリさを表現できる絵柄がいいのに。

賛同いただける方はとりあえずYouTubeの再生数を増やしてあげてください。

今回の記事はここまで。 二期作らないかなあ。


*1:日本のお笑い=漫才的でボケに対するツッコミで笑わせる、アメリカのお笑い=コメディアンが一人で笑わせる、っていう文化的な違いが言われたりしますよね。

*2:私も子供のころ見たシンプソンズがトラウマでした。何がってわけじゃないんですが、全体的に怖かった。

*3:かなーり昔からやってるアメリカのアニメ。黄色い肌にでっかい目の一家がギリギリな社会派ネタを繰り出す。ある意味こわい。

*4:カートゥーンネットワークや動画配信サービスでも視聴できる、アメリカのアニメ。ほんわかした絵柄で脳みそが溶けるようなクレイジーなネタをやりつづける。絵柄の利か、日本でもグッズがいろいろ展開されてます。

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