フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第54話 アニマエストロ(Animaestro)
アニメ監督の悲哀が取り上げられる……と思いきや、実はマリネットとクロエの共闘回。
ストーリー
プロローグ
レディバグとシャノワールを題材としたアニメ映画が公開される。
試写会にシャノワールの声優をしたアドリアンが行くと聞いて、がぜん興味がわくマリネット。
パパのパン屋が試写会用のお菓子を用意しているため、マリネットも接客係の手伝いとして現場に行くことに。
アドリアンのために前もって用意していたスペシャルマカロンを渡そうと企む。
アクマ誕生
マスコミに囲まれた試写会会場に次々と歓迎されるゲストのスターたち。
そんな中、トーマス・アストラック監督だけが警備員に止められたあげく、「アニメなんか実物じゃない」とぞんざいな扱いを受けていた。
マカロンを積んだ皿を持ってなんとか給仕をこなすマリネット。
やって来たアドリアンを見て張り切ったものの、ラッピングしたスペシャルマカロンを床に落として転がしてしまう。
マカロンを探しているうちにクロエとばったり。
だが憎まれ口をきき合う前に、アドリアンへの恋敵カガミが母親と一緒に現れた。カガミの母親はガブリエルと何やら契約を交わしており、カガミ本人はこれみよがしにアドリアンの腕を取っている。
アドリアンがカガミと一緒に日本に行ってしまうのではないかと大慌てのクロエとマリネット。
クロエの口車に乗ったマリネットは、カガミという共通の敵を映画館から追い出す作戦を練る。
- クロエがジャゲッドにケーキを持たせる。
- マリネットがドジった振りをしてアドリアンとカガミの足元にすっころび、クロエが噛んだガムを仕掛ける。(ついでにちゃっかりアドリアンにスペシャルマカロンを渡す)
- カガミがガムを踏んだことに気付き、靴から取ってあげようとしたアドリアンがカガミを座らせる椅子を探す。
- 椅子にはマカロンを砕いたかけらをまいておき、椅子を探す時間を稼ぐ
- マリネットがケーキを持ったジャゲッドにサインをねだり、ジャゲッドは隣の椅子にケーキを置く
- アドリアンがきれいな椅子を見つけてカガミを座らせようとしたタイミングで、ケーキを置いた椅子をクロエがロープで引っ張り入れ替える
- カガミがケーキを置いた椅子に座って服が台無し!
回りくどい作戦の6まではうまく進んだものの、カガミが座る前に母親に呼ばれ、アドリアンに支えられながらその場を去ってしまう。
代わりにやってきたのは、子供たちに興味を持ってもらえない哀れなアストラック監督。
監督はうっかりケーキの置かれた椅子に座ってしまったあげく、アドリアンが置き忘れたスペシャルマカロンを食べてしまい、アーモンドアレルギーで蕁麻疹が発生。パパたちが用意したマカロンはアレルギーを考慮してあったが、マリネットのは違ったのだ。
踏んだり蹴ったりな上に、誰も監督のことを気遣ってくれない。
やりきれなさに肩を落とす監督のもとに、ホーク・モスがアクマの蝶を差し向ける。
アクマは監督の入場証カードに宿り、監督はアニマエストロへとアクマタイズされた。
ヒーロー登場
試写会会場に乗り込んできた妙な絵柄のアニマエストロ。
2Dアニメの怪獣に変身すると、2Dのビームで街を破壊し始める。
ウェイトレスマリネットはレディバグに変身。
シャノワールの変身は省略。
ヒーローの戦い
アニマエストロは怪獣からロボットに、さらにカートゥーンアニマルやスーパーヒロインに変身して襲いかかってくる。
レディバグはラッキーチャームでカメラを入手。ひとまず頭に装着したものの、アニマエストロニンジャの煙幕でレディバグもシャノワールも視界が塞がれてしまう。
ピンチかと思われたが、二人が目を開いたころにはアニマエストロはなぜか姿を消していた。
カメラで何が起こったのかを確かめると、アニマエストロは誰かの視界に映っていない間は動けないと分かった。
レディバグとシャノワールは見物人に目を閉じるよう呼びかけ、中継カメラも止めさせる。
アニマエストロが向かってきたタイミングでレディバグとシャノワールも目をつむり、シャノワールがカタクリズムでアニマエストロのマスクを破壊。ミラキュラス・レディバグですべて元通りに。
焦ったホーク・モスはガブリエルの姿に戻って現場に向かって来ていたが、間に合わなかったことに捨て台詞を吐きながら立ち去った。
エピローグ
試写会が始まる前、マリネットは「アドリアンが好きだって本人に言うのはやめて」とクロエに頼む。
クロエはあんたの話なんてする価値もないからと、黙っていてくれるそうだ。
マカロンの皿を持ったマリネットの前にアストラック監督がやって来て、自分はもう何度も観たからと席を譲ると言う。マリネットは監督のことを知っていると伝えてお礼を言い、喜んで試写会へ。席はアドリアンの隣で、もらったマカロンを食べたかったと言ってもらえて幸せ。
監督は存在を知ってもらえていることと、ようやくマカロンにありつけたことに感激していた。
感想とメモ
いろんな意味で監督がかわいそうだな。
とりあえずウェイトレス姿のマリネットと、カガミに焦るクロエと、無邪気なジャゲッドがキュートであった。
アドリアンを狙うカガミを倒せ!
ツルギ親子がそろって登場。実は有名人だったようだ。
カガミの正装姿は実に凛々しい。日本というより中国っぽい服だけど、混同されるのはよくあること。
「また会えて嬉しい」とアドリアンが言ってるってことは、きっとしばらく日本に戻ってたんだろう。
カガミのママは盲目なようで、なぜか竹刀を杖代わりにしている。ガブリエルとはなんらかの交流があるらしい。書類がどんな内容なのかは不明。映像に映る文章はダミーなので解読不能1。
クロエとマリネットの作戦は、食べ物も大事なお洋服も粗末にするので良い子のみんなは真似しないように。やってることはクロエっぽいけど、誰が悪いのか分からないようにするまわりくどさはマリネットっぽい。
直接マリネットがすっころんでカガミにケーキをぶんなげる、みたいなのはマリネットが却下したのかな。もしくは正面からじゃカガミにさっそうと避けられそうだからか。
カガミは二人のアドリアンへの恋慕を分かっているようだが、だからって自分が控えてやるいわれはないと言うようにアドリアンにガンガンアプローチ。
クロエに死ぬほど冷たかったけど、あんな風に話しかけられて愛想よくしてやるようなお人好しじゃないってことで。
マリネットがすっころんだときにそっぽ向いてたのは、普通に恋敵を前にした女の子な感じだったな。フローザー回の感じだと、カガミはアドリアンがマリネットを好きだと思ってそうだし。
クロエとマリネット
アドリアンに恋する少女として、クロエとマリネットはもはや息ぴったり。クロエの方が顔がでかいな。
でも二人が束になってもカガミにはかなわない気がする。単純に、戦闘力的に。
クロエはマリネットのアドリアンに対する恋を今まで知らなかったらしい。そこまで自己中心的だったか。
今までマリネットがアドリアンとの間に割り込んできてたのは、単なるファン的な好きだと思ってたのか、もしくはクロエに対する意地悪だと思ってたのか。
が、クロエにとってマリネットは取るに足りない相手(逆にカガミは大いに危険)。
最初はアドリアンに「あの子、あなたのこと好きなんですってwwww」と伝えて笑ってやろうとしていたが、最後にマリネットに頼まれたときには考え直してくれたようだ。
共通の敵が出てきたことで、宿敵だったマリネットとクロエが仲良くする余地が出てきたのは良い感じ。
しかしクロエ、リラに対しては突っかかってなかったよな。
哀れなアニメ映画監督
トーマス・アストラックは本物のミラキュラスの監督であるアストラック氏をもとに作られたキャラ。実際は別にアーモンドアレルギーはないらしい。
アニメの監督は実写の監督と同じように扱ってもらえない、という嘆きが業界人にはあるんだろうか。
テレビアニメはともかく、最近はアニメでも映画監督がもてはやされがちな気はするが。
監督「まだ見てもいないのに俺の映画を悪く言うな!」
ほんとな。でも映画そのものを悪く言ってるんじゃなくてプロモーションを悪く言ってるだけだよ。
レディバグ「悪く言ったんじゃなくて前向きな意見を伝えただけ!」
実在のレディバグが勝手にモチーフにされてるんだから、意見を言う権利はあるよね。これが事実だって思い込む人もいるだろうし。スクリーム2的な二次被害があると困ろう。
アニマエストロは2Dであればなんにでも変身できるようだ。どの角度から見ても2Dに見えたのかな。
誰かに見られてないと動けないという謎の性質を持つ。映画は視聴者がいないと意味がないから、という監督の考え方が投影されてるらしい。逆に一人でも見て認めてくれる人がいれば多くの支持はいらない、とも言える。
ホーク・モスがあまりにも無防備に外に飛び出してきたんだが、特に何事もなくて良かった。
しかし監督、個包装されてテーブルの上に置いてあるマカロンなんてどう見ても人のものでは?
その他ポイントメモ
- 映画として紹介されてるのは東映アニメ版レディバグとシャノワール。レディバグの長めの髪がなびいてるのがヒーローっぽい。
- マリネット「私はヒーローでスターじゃない。私の仕事は試写会に行くことじゃなくて街を守ること」
さすがレディバグ。 - のこのこアニメの試写会に行くロックスター。知ってた。
- のこのこアニメの試写会に行くトップデザイナー。デザインの監修でもしてんのかな。
- のこのこアニメの試写会に行く上に声優までやったらしいイケメンモデル。たぶんお父さんにキャスティングされたんだろう。バレない?
- 普段のマリネットのドジっぷりが芸人すぎる。
- 毎週アドリアン用のマカロンを一つだけ焼き続けているらしいマリネット。こわい。
- アドリアンがパッションフルーツ味が好きってことは事前調査済み。いつものこと。
- ジャゲッド登場時のペニー、顔どうした。
- 主題歌と劇中歌はクララ。聞きたかった。っていうかジャゲッドは特に関係してないのに来たのか。
- 警備員さん「実物が見たかったのに」的なこと言ってるが、そもそもアニメだって理解してないのか?
- ウェイトレスマリネットが非常にかわいらしい。アップにした髪がよく似合う。
- マリネット「大丈夫、ちゃんと気を付けるから!」
芸人みたいな前フリをするな。 - 別に曲を提供したわけじゃないロックスター。レディバグと聞いただけでホイホイやって来たのであろう。
ふざけたサングラスを着けてごきげん。マリネットとは仲良しだけど、レディバグともそんなに仲良しだっけか? - イベント会場でマカロンを配るのって普通なのか?おいしくても口から水分が奪われそう。
- 床をはいずりまわるウェイトレス。
- ガブリエルはまたリモート参加だった。ナタリーのタブレットの持ち方が遺影みたいなんだが。
- カガミ「触らないで。話しかけないで。私のこと見るのもやめて」
クロエ「ハァ……」
珍しいすごすごクロエ。クールな相手には弱いのか。 - 英語版でも、アドリアンとガブリエルはツルギママを迎えるとき日本語しゃべってる。中国語だけじゃなくて日本語も勉強してたのか。
- アドリアン「僕は犬の方が好き」
カガミと無邪気な話してる。 - クロエ「いい、マリネット!」
「デュパン=チェ~ン」って呼ぶのやめてる……と思ったらすぐ呼んでくれました。 - いいように使われるジャゲッド。
クロエに渡されたケーキを「なんだろなぁ」って思いながらも持ち続けてあげるいい子のジャゲッド。 - 監督に向かって「話も書いてないし絵も描いてないの?」って、ジャゲッドと子どもたちの理解度は同レベル。
- 手でガムを取ってあげる紳士のアドリアン。マリネットと出会ったときも椅子についたクロエのガムを取ってあげてたな。
- クロエ「アンタ、アドリアンのことが好きなのね~?」
えっ、今さら。マリネットがカガミを嫌いなのはなんでだと思ってたんだ。 - 今回はウェイストレス姿からレディバグに変身。
- ストリートファイターのリュウっぽくなるアニマエストロ。
- プリキュアっぽくなるアニマエストロ。
- ガブリエル、ホーク・モスモードで街を出歩くのはやめた方がいいぞ。独り言おじさんになる。
それにしてもみんな目を閉じてる状況でよかった。ガブリエルは計画の範囲内では冷静なんだが、想定外のことにはやっぱり弱いようだ。
今回の記事はここまで。
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