フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
記事作成時に完全初見。先の展開は知らずに好き勝手言ってます。
第61話 ミラキュラー(Miraculer)
レディバグに力を貸したいのに呼ばれないクロエ、それを慰めるサブリナ。
そしてクロエの変身を狙うホーク・モスとマユラ。
ストーリー
プロローグ
クロエとサブリナは、レディバグとシャノワールがリナ・ルージュとキャラペイスを呼んで戦っているとニュースで見る。
クイーン・ビーも呼ばれるはずだと屋上で待つが、レディバグたちは四人でアクマを倒してしまった。
自分は重要なときしか呼ばれないのだと強がりながらも、レディバグとのツーショット写真をながめて寂しそうにするクロエ。
だがレディバグはクロエの正体が知られていることを危ぶみ、もうクロエには変身させないと決めていた。そのことを早く伝えた方がいいとシャノワールに助言されるも、時間が取れずにいる。
ホーク・モスはマユラを差し向けてクロエを見張らせていた。
レディバグが警戒しているならクロエを使って無理にでもミラキュラスを渡させようと企む。
ガブリエルの姿でリラに接触し、アドリアンとクロエは幼馴染で深い絆を持つのだと吹き込み嫉妬をあおった。
アクマ誕生
リラは学校でクロエに話しかけ、自分はレディバグの親友であり彼女を呼ぶ魔法の合図を知っていると吹き込む。
強がりながらも合図を教えてもらったクロエは、リラを信じない方がいいというマリネットの忠告をまるで聞き入れない。
マリネットはクロエと話をするためにレディバグに変身。
その頃、マユラがアモクを放って赤ちゃんオーガストのおしゃぶりに宿らせ、巨大キャンディのセンチモンスターを生み出した。
レディバグはシャノワールと合流して先にモンスターと戦う。
クロエとサブリナは屋上で例によってシグナルを送ったが、やはりレディバグは現れない。
それよりレディバグごっこをしようとなだめるサブリナを追い払って、一人になったクロエはリラに聞いた話を思い出し、魔法の合図を試してみた。
もちろんレディバグは来ることなく、センチモンスターは退治された。
見捨てられたと思ったクロエは、レディバグの写真を見て思わず涙する。
コスチュームを持ってきたサブリナはクロエを慰めようとするが、カッとしたクロエはあんたのような一般人とごっこ遊びなんかしないと怒鳴ってサブリナを追い返す。
そこにホーク・モスがアクマの蝶を差し向けた。
手を組んでハチのミラキュラスを取り戻そうと誘うが、クロエはヒーローになるんだという強い意志でそれを拒み、アクマを追い出した。
それならばと標的を変え、アクマはサブリナが着ているコスプレシャノワールのスティックに宿った。
サブリナは他人の能力を奪うミラキュラーへとアクマタイズされた。
一時退却
レディバグとシャノワールのもとに現れたミラキュラーは、レディバグの胸をスティックで突いて能力を奪った。
ラッキーチャームを発動し、大剣を入手して襲いかかってくる。
アモクとの戦いで変身が解けそうになっているレディバグは一旦退却。
シャノワールはカタクリズムを発動してミラキュラーに立ち向かうが、やはり能力を奪われてしまう。
ミラキュラーはカタクリズムをまとったスティックでシャノワールを突き飛ばすと、クロエに気に入ってもらえるはずとウキウキしながらその場を去った。
変身を解いたマリネットはマスター・フーを訪ねて三つのミラキュラスを借りる。
ヒーローの戦い
屋上にやって来たミラキュラーはクロエに、レディバグの能力をあげるから一緒に遊ぼうと誘う。
そこに満身創痍のシャノワールがやってきて、クロエにハチのミラキュラスを渡そうとした。
だがミラキュラスはマユラにかすめ取られてしまう。マユラはミラキュラスを餌にクロエを仲間に誘った。
シャノワールがミラキュラーとマユラと戦っている間に、クロエは物陰に引きずり込まれた。
レディバグがリナ・ルージュとキャラペイスとともに、クロエに作戦を話す。
物陰から出て来たクロエは、ミラキュラーにレディバグのパワーが欲しくなったと告げた。
喜ぶミラキュラーがレディバグのパワーをクロエに移したが、それはミラージュで覆われたレディバグ本人だった。
能力を取り戻したレディバグは、仲間と一緒に戦う。
ホーク・モスがマユラを退却させようとしたところで、シャノワールとレディバグがマユラの手からミラキュラスを奪い返す。
レディバグはミラキュラスをクロエに渡し、マユラを追いかけさせた。
クイーン・ビーに変身したクロエはマユラと格闘し、仲間に誘われるもののきっぱり断る。だがマユラには姿をくらまされてしまった。
ミラキュラーにリナ・ルージュとキャラペイスの能力も奪われてしまったが、多勢に無勢。手足を押さえつけたものの、ミラキュラーはアクマの宿るスティックをプロテクションで守ってしまう。
レディバグがラッキーチャームで羽毛枕を手に入れ困っていると、戻ってきたクイーン・ビーが「くすぐって」とアドバイス。
枕の羽で脇の下をくすぐってやり、ミラキュラーがたまらずプロテクションを脇の下に移したところで、無防備になったスティックを破壊。
ミラキュラス・レディバグでシャノワールの負傷もすべて元通り。
エピローグ
レディバグはクロエにもうクイーン・ビーに変身させられないと告げる。正体を知られている以上、身の回りの大切な人が危険にさらされるからと。
クロエは顔をひきつらせたものの、大人しくミラキュラスをレディバグに渡した。そうは言ってもそのうちクイーン・ビーの力が必要になるはず、自分は常にクイーン・ビーなのだと言って笑った。
ヒーローが去り、もう遊んでくれないのかと落ち込むサブリナに、クロエはそんなことはないと答える。
ただもうレディバグになりきるつもりはないと言って、レディバグとのツーショット写真を破り捨てた。
失態を詫びるマユラにホーク・モスは笑い、クイーン・ビーはいずれ気を変えるだろうと予言した。
感想とメモ
現存するミラキュラスの持ち主が全員登場。すごい密度のエピソードだった。
エンドカードを見るとクロエの動向はちょっと不穏だけど、信じてるぞクロエキンズ。
やっとサブリナ!
冒頭からずーっとクロエの様子をうかがってるサブリナが愛くるしい。
クロエがサブリナを使ってるってだけじゃなく、サブリナもクロエをかわいがって自ら献身してるんだよな。
前は車に乗せてもらえなかったのを普通に乗せてもらえるようになってたし、実はこの二人も絆を深めていたのだ。
サブリナの回想がどれも実にキュートだった。仲良くねんね。「くすぐらないで!」が伏線だったとは。
でもこうやってごっこ遊びをしてたのは、クロエがクイーン・ビーになる前のことだったんだろう。
で、サブリナのアクマタイズ、シーズン1ではクロエ話に吸収されてたが今回は強力なアクマになれた。(メインはやっぱりクロエ話だが)
ミラキュラーはロックスターのようなサーカス団員のようなファンキーな見た目。
武器はトンファーを二つ組み合わせたようなスティックで、これで突いた者の能力を奪ってしまう。
変身を含めたレディバグの能力そのものを奪ったわけじゃなく、ラッキーチャームという特殊技だけを奪った。対ミラキュラスヒーローに特化した力なのかな。
能力を奪う能力、これまたホーク・モス本人を狙われたら危険そう。
もしホーク・モスの「人に能力を与える能力」をミラキュラーが奪ったら、ミラキュラーが自分にミラキュラーの能力を与えたことになるのかな。それはまずそうだ。
強力なアクマだったが、くすぐって倒されるという前代未聞の展開。かわいいな。
クロエ話に新たな展開
ホーク・モスのアクマのささやきを初めて打ち破ったのは、なんとクロエ!
ホーク・モスとマユラはまだクロエを利用できると思っていたようだが、クロエはもうヒーローとして心を決めていた。マユラに挑発されても少しも惑わされることなく、レディバグへの信頼を確固として持ち続けて見せた。
ただ、正義の心に燃えているからというのとはちょっと違う。
クロエは自分がヒーローのクイーン・ビーであるという事実で、誰からも好かれなかった自分の価値を見出すことができた1。
ヒーローじゃなくなることは、何の価値もない嫌われ者に戻ってしまうということ。
だからホーク・モスの誘いに乗って自らヒーローとしての自分を捨てることは認められなかった。
「レディバグがチャンスをくれた。だからアタシも彼女を許す(Ladybug gave me a new chance, so I’ll give her one, too)」
だからこそクイーン・ビーになることをレディバグに奪われたらどうなるか、ちょっと不安ではある。
クイーン・ビー、バズ・オフ……?
確かに、クロエのシグナルはレディバグだけじゃなくホーク・モスにも見えてるわけで、居場所を知らせてるようなもの。
見逃さないホーク・モスとマユラもなかなか抜け目ないが、それを察知してるレディバグもさすが。
レディバグに「もうクイーン・ビーにさせられない」と言われたクロエ。
内心の描写はすごく微妙。ホーク・モスは怪しいことを言ったものの、いかにも悪い顔で描かれてたリラに対して、クロエは少なくとも表面上いつも通りのふるまいしかしてない。エンドカードでもクロエは後ろ姿で、表情はあえて隠されている。
クロエがレディバグに「認められたい」「役に立ちたい」と再三主張したり、一緒の写真を見て恋しがったりする様子を見ると、レディバグのことをお母さん的な目で見てたように思える。
今回レディバグに言われたことで、レディバグとの写真を破り捨てたのがどういう意味なのか。
レディバグに幻滅したというより、レディバグに依存するのをやめようって意味じゃないかと楽観してみたり。
クロエが口にする前向きな言葉はリラと違って全部本心だと思うんだよな。最後の「自分はいつでもクイーン・ビー」っていうのも。
だからホーク・モスが示す見せかけのパワーにこだわらず、人の役に立つヒーローであるクイーン・ビーとしての誇りはちゃんと持ててるんじゃないかなと。
以前はレディバグに憧れて、彼女自身になりたがってた。
でも今はクイーン・ビーっていうクロエだけのヒーローができたんだからね。
それにねえ、嫌われ役のクロエが裏切っても意外性も何もないじゃない。
むしろ裏切ったフリしてホーク・モスのアジトに潜入してくれないかな。視聴者をもだますのだ。
ホーク・モスの手足となるマユラ
シーズン3でホーク・モスの作戦が緻密になってきてるのって、マユラ(ナタリー)が今まで以上に作戦を提案するようになったせいじゃないのか。
今までホーク・モスが動かせるのは自分とアクマ一人だけだった。
アクマは言うことを聞くとは限らないし、ホーク・モス自身が現場に赴くことは危険でできない。
そこにマユラが入るとめちゃめちゃ戦略の幅が広がる。
今回のように単純に兵隊が増えたってことはもちろんだし、アモクとの戦いで能力を使わせた後でアクマに襲わせれば、変身が解けるタイミングを突ける。
いつもの「早くミラキュラスを奪え!」「無力化したから大丈夫ですよ」ってパターンに陥っても、マユラが手を出せるんなら話は早い。
レディバグとシャノワールも、罠があることをいつも以上に警戒しないといけなくなってきた。
しかし今回何度もマユラに変身させてるけど、いいのか?
変身して体力消耗するナタリーを気遣うガブリエル、って図の良さが薄れていく。
ガブリエルもナタリーも、どんどん悪に侵食されていっているようでこれも心配。
とうとうクロエVSリラ
これまでリラ回では放置されてたクロエ。クロエはリラに興味がなく覚えてもいなかったらしい。
リラとしては「クロエとかwwww」って歯牙にもかけない扱いだったが、実際アドリアンの好感度はクロエの方が圧倒的に上だよな。
以前のアドリアンはリラもクロエと同じような「困ったちゃん」だと思ってたが、オニチャン回でリラはどうしようもないと愛想をつかしてたから。
リラが教えてくれた「魔法の合図」は、右手をバレリーナのように頭の上に上げ、左手は手のひらを上にしてへその前あたりに、そして右足を左足の膝と垂直になるように曲げる。その場で回転しながら「レディバグ、レディバグ」と連呼する。
……そのポーズのネタは、日本以外でどの程度通じるもんなんだ?
ともあれ嫌われ者二人の絡みはなんか面白い。
クロエはリラにビシっと言える数少ない子だが、単純に言い負かされるから勝てないな。
ヒーローが正体を隠す理由
周りの人が悪党に襲われるから……というレディバグの主張も正しいが、どうせパリに住んでれば絶対襲われるんだよな。
ことこのシリーズに限っては、変身時に使うアイテムが狙われているからってのが一番の理由と言える。
今回のようにミラキュラスを受け渡す瞬間に隙ができるわけだし、レディバグやシャノワールのように常にミラキュラスを身に着けている場合は、私生活でも常に狙われ続けることになる。
アルヤが変身するようになって正体を追及される話はなくなってたけど、リラが今後そっちに動き始めるかどうか。
その他ポイントメモ
- 冒頭で戦ってたアクマは「デストロイヤー」。ギャラクシーから来たのか、もしくはアスガルドから来たのか。
エピソード化されない部分でもヒーローたちは戦っている。 - クロエのビーシグナルは現役。HALP!
- シャマクさん「大変です、エッフェル塔が破壊されました!」
破壊されない日ってあったっけ? - リナ・ルージュの変身解除呪文は「レッツ・レスト(Let’s Rest)」=「休みましょう」。Pounceの反対がRestなのかは微妙な気が。
- やっぱりガブリエルはリラを利用しているだけであって、仲間に引き入れるつもりはなさそう。
結局今回は特別な働きをしたわけじゃなく、クロエに嫌がらせしてアクマタイズの芽を作っただけ。 - まさかクロエを見張るためだけにマユラに変身させたのか?
デストロイヤーにアモクを与えてたんだと信じたい。 - クロエに「リナ・ルージュとキャラペイスダサすぎ!」って言われても平然のアルヤとニノ。
リナ・ルージュはダサくないじゃない。 - アルヤとニノがラブラブしてるのは別にいいんだけど、二人で一緒にヒーローになってると思うといらぬ反感を覚えるなあ。お互いの正体を知らない状態であれば気にならないんだが……。
- レディバグにはデレデレだが、マリネット・デュパン=チェ~ンにはツンツンのクロエ。
リラのおかげか、マリネットはクロエに歩み寄ろうとしているのにクロエの方が受け付けない。 - サブリナが車に乗せてもらってるぞ!
- なぜか背中合わせに立つホーク・モスとマユラ。カメラ意識すんな。
- そういえばマユラは外に出ても問題ないのか。
- また狙われるオーガスト坊や。赤ちゃんはアクマタイズするには向かないが、センチモンスターを暴れさせるには充分?
いや、センチモンスターって宿主が操れるんだっけ。だからこそ理性的に操れないだろう赤ん坊を狙ったとか? - アドリアンを両手に持って部屋にしまうボディーガードさん。この人はどうも動物みたいで愛くるしい。
- クロエにミスター・カドリーをお持ちして追い返される執事さん。そのギャグも好きです。
- めちゃめちゃ俊敏にレディバグごっこのコスチュームを持ってくるサブリナ。自分の着替えまでちゃんとしてる。スーパーパワー使ったの?
そんでシャノワール姿がキュート。 - アクマを捕まえるときは「リベール・デュ・マール」だが、アモクを捕まえるときは掛け声なし。
- ミラキュラー「不愉快だわ、ホント不愉快すぎる!(Ridiculous! Utterly ridiculous!)」
伝染していくオードリーの口ぐせ。 - カタクリズムを生き物に食らわせても、モノと同じように破壊するわけじゃないと判明。大ダメージは負うようだが、多少は安心。いや、シャノワールの様子からすると、体全体じゃなくて肋骨が破壊されてたのかも。
恐竜も耐えられないくらいのダメージってことは、普通の人ならやっぱり致命傷か。 - シャノワール、いくらなんでもアクマがいる前でミラキュラスを渡すのは……。
- クロエ「後悔させない、レディバグ!」
このセリフが出たらもう安心! - リナ・ルージュとキャラペイス、能力使った後の活動時間長くなかったか?
- 活動時間と言えばマユラも長い。ホーク・モスが「お前たちは未熟だから能力を使うと変身が解ける」って言ったのをうのみにすると、ナタリーは実はホーク・モスと同じくらい経験豊富ってこと?
ピーコックのミラキュラスはかつてエミリーが使ってたんだと思い込んでたが、実はもともとナタリーが主だったんだろうか。 - ウェアダッド回といい今回といい、最近ボロボロになりがちなシャノワール。
今回の記事はここまで。
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