アメリカの夏休みは長い!
長い休みの間はいろんなことが起きるでしょう。
新しい友達との出会い、謎の隠れ家での冒険、偶然出会った彼とのはかない恋、気になるあの子を誘ったパーティー、動く蝋人形との対決、死人をよみがえらせる儀式、悪魔との契約、世界滅亡の危機、そして大好きな家族と過ごす温かな時間。
そんなハラハラドキドキの夏を双子の主人公と一緒に楽しめるアニメをご紹介。
怪奇ゾーン グラビティフォールズ
Gravity Falls
なにしろ私の大好きなアニメです。他の記事でも当然のように言及しちゃってるのでちゃんと説明しようかと思い立ちました。
以下にはネタバレは含みませんので、未視聴の方も安心してご覧下さい。
ネタが割れててもおもしろいですが、初見の衝撃はなにものにも替えがたい。
概要
あらすじ
ミステリー好きで理論家のディッパーと、天真爛漫でポジティブなメイベルは12歳の双子。
二人は夏休みの間、オレゴンの森に囲まれた田舎町・グラビティフォールズのスタン大おじさんの家で過ごすことになった。
怪しい見世物小屋「ミステリーハウス」を営む大おじさんは、金儲けに余念のない詐欺師まがいの商売をしている。
ミステリーハウスの手伝いをさせられうんざりしていたディッパーはある日、古びた一冊の本が森に隠されているのを発見する。
本によると、グラビティフォールズはフツーの町ではなかった。
超常現象がひっきりなしに起こり、あちらこちらで謎のモンスターがうごめいているという。
実際にディッパーとメイベルも、毎日のように不思議な現象に巻き込まれることに。
あの本は誰が書いたのか?
グラビティフォールズには何が隠されているのか?
ブタを喜ばせるおなかの撫で方は?
ディッパーとメイベルはプールや花火で夏休みを満喫しつつ、グラビティフォールズの謎に立ち向かっていくのだった。
どんな話?
謎の田舎町グラビティフォールズで夏休みを過ごすディッパーとメイベルの毎日を、基本的に1話完結形式で楽しめます。
グラビティフォールズは何かがおかしい。
ごく普通に見える場所でも必ず不思議なことが起こります。
見所としては、
- 未知との遭遇を楽しむアドベンチャー
- 発生したミステリーの解決
- メイベルの恋への奮闘
- ディッパー/メイベルがどう成長するか
- ディッパーとメイベルの関係がどう変わるか
といったところ。
アドベンチャーメインの話は気軽に楽しめ、
ミステリーメインの話ではキャラと一緒に考察をはたらかせ、
ディッパーとメイベルの成長話はときに大きな感動をもよおす。
それぞれの話によってけっこう色が変わります。
振れ幅が大きいので、日常回で「軽く楽しめる子供向けアニメだな」と甘く見ていると、シリアス回で「!?」と衝撃を受けることになります。
クリエイターであるアレックス・ハーシュ氏の遊び心も満載。
特にSFやミステリーの考察好きな方は、メタな仕掛けも楽しめることでしょう。
どこで見られる?
CS放送のディズニーチャンネル、および無料BSのDLifeで放送しています。
さらに動画配信サービスのディズニーデラックスでも配信中。
見られる環境のある方はぜひぜひぜひ見てみてほしいです。
本編は全41話*1。
既に完結済みで、上記チャンネルでは繰り返し放送されている形です。
物語としてとてもキレイに完結しているのも魅力ですね。
Amazonプライムでも配信されている模様。1話単位で購入できます。
ただし配信している話数は期間によって異なる様子。現在はシーズン1のみ購入可能のようです。
英語版はDVDもブルーレイも販売してます。
アニメをそのままコミック化したシネストーリーブックも出ています(これも英語)。
セリフのスクリプトが分かるのでファンには嬉しいね。
- 作者: Disney
- 出版社/メーカー: Joe Books LTD
- 発売日: 2015/06/16
- メディア: ペーパーバック
※画像はAmazonへのリンク
魅力
謎と遊び心に満ちたストーリー
SF+ファンタジー要素がたっぷりのミステリーをはらんだグラビティフォールズ。
視聴者はまず「本の著者は誰?」という大きなミステリーにディッパーとともに挑むことになります。
話のあちこちにちりばめられた手がかりをめざとく見つける楽しみは、考察好きにはたまらないことでしょう。
クリエイターのアレックス率いる制作陣には遊び心が満載。
本筋のミステリーはもちろん、本筋に関係ない小ネタがたっぷり仕込まれています。
背景にさりげなく配置されたモノを細かく眺めていれば、しょーもない小ネタにも気付いてニヤリとできるわけです。
個性豊かな愛すべきキャラクターたち
主人公のディッパーとメイベルをはじめ、すべてのキャラクターが人間的な魅力でいっぱい。
無邪気で意外と頼りになるスースや、
みんなが認めるカッコイイ女の子ウェンディ、
主要キャラの彼らはもちろん、
気むずかしくてうっとうしく思えたスタン大おじさん、
ディッパーをバカにするスカしたバンドマンのロビー、
意地悪なサイテー女に思えたメイベルのライバル・パシフィカ、
イカれた小汚いおっさんのマクガケットさん、
第一印象最悪の彼らですら、話が進むにつれ好きになっていかずにはおれません。
極悪非道な悪役すらどこかかわいげがある始末。
そうして愛着がわくほど、彼らの言動に注目し、何を考え何を目的としているのかを考察(深読み)したくなっていきます。
本編に描かれない部分に想像力を馳せる楽しみも、キャラクターが魅力的ゆえだと言えます。
爽やかなブラックジョーク
私はブラックジョークがだいすき。
グラビティフォールズもブラックジョークが大きな特徴といえます。
何しろモンスターや悪魔が登場するミステリーなので、命の危険にさらされるのも当たり前。
話によってはエグいホラー演出をしてくることもあります。
が、意外と勇気のあるディッパーやポップなメイベルがうまく対応してくれるので、後味が悪くなることはあんまりないといっていいでしょう。
まあ、そもそも「スタン大おじさんがちょっぴり犯罪者」という初期設定が既にブラックでもあるわけですが。
衝撃的な胸熱展開
楽しい日常回の合間合間にのぞく、ディッパーとメイベル、そして周りの人々の成長。
1話完結でちらちらと見せてきたそれらが大筋のストーリーとして収束したときには、大きな衝撃と感慨を抱かずにはおれません。
単なるコメディ色の強いアドベンチャーアニメだと思って軽く見ていると、良い意味で裏切られることは請け合いです。
それでさらにキャラクターに愛着がわいちゃって、次の展開でさらに感動させられるというズルい構成になっています。
大筋のストーリーはスケールが大きく、クライマックスは特に「次はいったいどうなるんだ!?」と一気見せずにはいられないでしょう。
リアルタイムで見てたらさぞかしやきもきしただろうと想像に難くないですね。
登場キャラクター
魅力的な主要キャラクターをご紹介。
重要なネタバレはしない方向です。
ディッパー
ディッパー・パインズ*2。主人公の双子の片割れ*3。
松の木マークのキャップ*4とベストがトレードマーク。
頭が良く理屈屋で、SFやファンタジー、ミステリーが大好きないわゆるナード。
本やゲームも好きですが、未知の場所を探検するのも好きな行動派でもあります*5。
社交的なタイプではなく、思い立ったら一人でさっさと行動を始めます。
対人よりも対モンスターの方が得意な様子で、ちょっぴり年上の若者相手にタジタジしていたと思ったら、筋骨隆々のモンスターには一人で戦いを挑んでみせたりします。
女の子には興味ないふうでしたが、初恋でキョドりまくったあげく少しオトナになっていきます。
懐疑的で斜に構えたところがありますが、興味をそそるものに惹かれたときの瞳の輝きはとっても純粋。
双子のメイベルをとても大切に思っており、ケンカしつつもいざとなればメイベルを後ろにかばう男気がかっこいい。
メイベル
メイベル・パインズ。主人公の双子の片割れ*6。
色とりどりのセーター*7と歯の矯正器がトレードマーク。
お気に入りは流れ星柄のセーターのようです。
ディッパーとは対照的に、常に明るく前向き、理屈よりもセンス派の女の子。
どんなことでもメイベル流の工夫でキュートに楽しくしてしまうのが得意技。
楽しいことが大好きな一方、宿題みたいなつまらないことは棚上げしちゃいたいタイプ。
社交性がとどまるところを知らず、初対面の相手にもすぐに話しかけて仲良くなってしまいます。
とはいえ少々センスが独特なので、気が合う仲間は貴重な様子。
面食いでミーハー、惚れっぽいところもあり、メイベルの恋回も多数。
人間よりはモンスターにモテやすいのが困りもの。
人の役に立つのが好きですが、やりすぎておせっかいなところも。
ディッパーをからかって遊ぶのが大好きですが、本心ではとても頼りにしており、いつまでも一緒に楽しく過ごしたいと願っています。
スタン大おじさん
スタン・パインズ。双子の大おじさん(おじいちゃんの兄)*8。
メガネと頭に載せたフェズ*9がトレードマーク。
フェズには魚みたいなマークが描かれています。
グラビティフォールズの森の中に「ミステリーハウス」という見世物小屋を営む、通称「ミスター・ミステリー」。
そこでは実在するモンスターの剥製やグッズを展示している…という触書ですが、実際は全部パチモン。
スタンが接着剤やペンキを駆使して作成したつくりものを本物ということにしています。
グラビティフォールズには実際にモンスターが棲むのですが、スタンは見たことがないのか「そんなものいるわけない」と一蹴し、日夜ニセモノづくりに励んでいます。
お金が大好きで、ミステリーハウスの入場料やイベントでぼったくる稼ぐのがライフワーク。
ちょっぴりアウトローで、道路標識に従ったりスーパーでお金を払ったりといった習慣は普通の人より少ないみたいです。
ディッパーとメイベル、そして従業員のスースやウェンディをこきつかいつつも、本心では家族として愛情を抱いています。素直になれないツンデレですね。
スース
ミステリーハウスの従業員。
流線型のぽっちゃりボディと「?」のTシャツ*10がトレードマーク。
店員というよりは修理士(handyman)としての仕事が多めです。
口癖は「よお(dude)」。
とぼけた顔の通り、空気を読まないとぼけた言動がお茶目な魅力。
かと思うと本質を突いた発言を突っ込んでくるあたり、見た目より賢いのではと思わせます。
修理の腕はピカイチで、どんなものでも修理したり改造したりできます。
ゲームやネットが好きで、動画制作やファンフィクションの創作もしているとか。
双子とはとても仲良しで、一緒にミステリーハントに出かけることもあります。
頼りになることも多いですが、ちょっぴりドジを踏むことも多いみたい。
昔からグラビティフォールズに住んでおり、スタンには父親同然に愛情を注いでいます。
スタンからぞんざいな扱いを受けることも多いですが、実際は厚く信頼されているのです。
ウェンディ
ミステリーハウスの従業員。
赤毛にそばかすがチャームポイントの高校生。
クールな彼女は誰が見てもカッコイイです。
ミステリーハウスではみやげもの屋のカウンター番が多いですが、たいていは雑誌を読んでのんびりしています。
スタンに従順なスースに対してウェンディは率直で要領が良く、面倒な雑用はのらりくらりとかわしてしまいます。スタンもそこが気に入っているのかも?
お父さんが木こりで、ウェンディ自身も斧の扱いに長けています。
男兄弟が多くさっぱりした性格ですが、率直でかわいい笑顔は魅力的。
モテる分、恋愛もかなりさっぱりこなしています。
オフでは少々悪ガキで、仲間と一緒にルールを破ったり立ち入り禁止の場所に立ち入ったりとイケないことをするのが楽しみ。若者らしくパーティーやフェスも大好きです。
現代っ子らしく無気力でシニカルな表情が常ですが、ディッパーやメイベルと冒険をするうちに熱い表情も見せてくれるようになってきます。ますます格好良くなっちゃって大変。
本の著者
ディッパーが森で見つけた本*11の著者。
本には著者がグラビティフォールズで見つけた数々の超常現象やミステリーの記録が記されていました。
著者には本の執筆途中で何か異常があった模様。
ページの端々に描かれている三角の落書きは何を意味するのか…。
本の表紙に箔押しされた六本指の手形はおそらく著者のもの。
著者は誰なのか。
どうして本を隠したのか。
著書は今どこにいるのか。
グラビティフォールズ最大の謎をディッパーは解明できるのでしょうか。
リアルタイムで見ていたファンも最も頭を悩ませた謎でしょう。
ちなみにこの本の「実物」は手に入れることができます。
著者の記述はもちろん、ディッパーの書き込み付き。アニメ各話の裏話も知ることができるすばらしい本です。
- 作者: Alex Hirsch,Rob Renzetti,Andy Gonsalves,Stephanie Ramirez
- 出版社/メーカー: Disney Press
- 発売日: 2016/07/26
- メディア: ハードカバー
※画像はAmazonへのリンク
最後に
しっかりしたストーリー構成に支えられた楽しい冒険譚。
考察好きのナードのみなさんには特におすすめできるアニメです。
こうして概要記事を書いたってことは、そのうち各話の感想も書こうとしているということだったりします。
ミラキュラスも書きたいんですけどねーーー。
今回の記事はここまで。金を買え~
*1:本編以外に、おまけの裏話的な1話と2分のミニ番組が数十話あります。
*2:「ディッパー」はあだ名ですが、本名が気に入っていないらしくこっちの名前を名乗っています。本名はm……ひみつで。
*3:本編では特に言及されませんが、一応「弟」です。
*4:これは第1話でおみやげショップからもらったもの。松は英語で「パイン」です。
*5:ディズニーチャンネルの公式説明では「いつも悪だくみしている」とか書いてありますが、いたずらっこなわけではありません。どちらかというと想像力ゆえに陰謀論に思考が向かうタイプ、という感じ。
*6:メイベルが一応「姉」のようです。
*7:夏でも長袖セーター。すべて彼女の手編みです。
*8:英語では大おじさん=”Great Uncle”というところを略して”Gruncle”と名乗っています。
*9:房の付いた四角い帽子。
*10:ミステリーハウスのみやげものとして売ってるもの。スース以外が着てるのは見たことないですが。
*11:英語だと”Journal”。「日記」「日誌」「記録」みたいな意味です。
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