フランス発の日本風変身ヒーローアニメ・ミラキュラスのストーリーと感想です。
本話までのネタバレを含みますので、視聴予定の方はお気を付けください。
話のナンバリングは日本のディズニーチャンネル準拠。
各エピソードの目次はこちら。
第56話 バックワーダー(Backwarder)
ガーディアンであるマスター・フーの、一人の男としての一面が見える。
ストーリー
プロローグ
若い頃のマスター・フー。マリアンヌという女性とともにミラクルボックスをかついで何者かから逃げている。
一人で残って戦うと言うマリアンヌに、フーは必ず会いに来ると約束して去って行った。
アクマ誕生
土曜の朝に友達を集めたマリネットは、アドリアンとカガミのイギリス旅行を阻止すべく作戦を求める。
さっさと思いを伝えればいいと言われてあたふたしていると、窓の外にウェイズの姿が。
慌てて友達を帰してからウェイズを招き入れると、マスターの元に来てほしいとのこと。
マリネットは電車に乗り込みながら、アドリアンに思いを伝える手紙をつづる。手紙ならキョドる心配もない。
マスター・フーは家で病床にふせっていた。が、往診に来ていた先生によると薬を飲めばすぐに良くなるとのこと。
薬をもらいにいこうとするマリネットに、マスターは手紙を手渡し、ある場所にいる漢字のようなブローチを付けた女性に渡してくれと頼む。
愛を伝えるための手紙だと聞いて感激したマリネットは快く引き受けたものの、アドリアンにも手紙を渡すには時間が足りない。
レディバグに変身して、まずは急いで駅へ。
変身を解いたマリネットは、カガミの手を取ってスタートレインに乗り込もうとするアドリアンを呼び止めた。
これが自分の願いだと伝え、手紙を渡すことに成功。
またもレディバグに変身して、次はマスターの手紙を届けに川沿いのベンチへ。
そこにはルノワールと呼ばれる老婦人が座って、胸に漢字のブローチを付けていた。
預かったのだと言ってレディバグが手紙を渡すと、彼女は何も聞かず嬉しそうに受け取ってくれた。
最後にレディバグの恰好のまま薬局へ。だが処方箋だと思って渡したのは、マスターがマリアンヌに宛てた手紙だった。
その頃マリアンヌはマリネットから受け取った手紙を読んでいき、顔を曇らせる。
そこに書かれた「手遅れ」「時は戻せない」との言葉に、彼がもう自分を愛していないのだと誤解してしまっていた。
彼女の絶望の感情を感じ取ったのは、スタートレインに乗っていたガブリエル。
車掌を脅して電車を止めさせ、トイレの中でホーク・モスに変身。杖に仕込んでいた蝶をアクマと化して放った。
アクマはマリアンヌのブローチに宿り、彼女はバックワーダーへとアクマタイズされた。
バックワーダーは杖で突いた相手の時間を逆回ししてしまう。
他の人や物を戻すことによって、彼女自身の顔に刻まれたヒビが癒えていくようだ。
スマホでニュース速報を見たアドリアンも、トイレに隠れてシャノワールに変身。
ヒーローの戦い
バックワーダーに立ち向かうレディバグとシャノワール。
杖を構えるバックワーダーは、二人の時間を戻してミラキュラスを渡したマスター・フーの居場所を突き止めると言う。
杖先を避けながら戦うが、バックワーダーはどんどん時を戻してパワーアップしていく。
物陰に身を潜め、レディバグはラッキーチャームでパイプを入手。
シャノワールの足にタコ糸でパイプを結び、立ち位置や動きを指示するレディバグ。「カタクリズム」を逆さ言葉で言わせ、何やら時間を計り始めると、再びバックワーダーの元に向かって行った。
レディバグはシャノワールを突き飛ばして杖先にタッチさせる。
逆回しされていくシャノワールを横目に、レディバグは時間を計りながら先ほど仕掛けを打った場所へ戻った。
パイプが転がってくる時間にバックワーダーを踏み込ませ、パイプを踏んでよろめいたバックワーダーは、逆回しシャノワールの逆カタクリズムにぴったりブローチを破壊された。
ミラキュラス・レディバグですべて元通り。
レディバグは元に戻ったマリアンヌに正しい手紙を渡した。
エピローグ
川辺のベンチで再会したマスター・フーとマリアンヌ。
ガーディアンとして身を潜めていなければならないフーの立場を承知し、マリアンヌは自分も身を隠すと言って微笑んだ。
翌日の学校で、告白したかどうかを友達に迫られるマリネット。
そこにアドリアンがやって来て、ロンドンで探して買ったお腹の薬(マリネットが手紙と間違って渡した処方箋通り)を渡してくれるのだった。
感想とメモ
トイレで高笑いするのを聞かれるホーク・モスがおもしろい。
マスター・フーの過去に迫る……と思いきや
案外迫らなかった。むしろ情報の少なさにびっくり。
冒頭では若い頃のマスター・フーが登場。今は186歳だそうだが、当時は何歳なんだ?
マリアンヌは自分がレディバグに、フーがシャノワールに変身しようと言っていたが、かつては二人がその役目を負っていたんだろうか? 今のマスター・フーは亀のミラキュラスを持ってるが、昔は実はシャノワールだったのか。あるいはミラキュラスを場合場合で使い分けて色んな力を得ていたのかもしれない。
で、マリアンヌも同じ歳の取り方をしてるってのはどういうことなのかな。
長寿がミラキュラスのパワーによるものだとしたら、今のマリアンヌはミラキュラスに関わってないはず。彼女と逃げてた時点で、フーは見た目より歳をとってたってことなのか。
もしくは別に長寿とミラキュラスは関係ないのか。二人とも波紋使いなのか。
マスターの最愛の人、マリアンヌ
彼女の素性も結局不明。
元はレディバグだったかもしれない彼女だが、今回はあっさりアクマタイズされちゃった上にホーク・モスにミラキュラスを渡してしまおうとしている。引退して長そうだから仕方ないか。
ホーク・モスに「マスター・フー」という名前だけばらしちゃったけど、その他の詳細な説明は特になし。
ホーク・モスもどういう経緯でガーディアンと知り合いなのかとか聞けばよかったろうけど、今度こそ勝つと思ってたもんね。勝ってからゆっくり聞けばいいと思ったんだよね。
時を戻すと聞いてタイムブレイカー的な能力を思い浮かべたが、バックワーダーの能力はもっとミクロなレベル。
杖で突いた対象物だけを戻すってことで、その対象物を持って別の空間に移動させたら、移動したその場で動き出す。どちらかというと巻き戻ししかできないムーディーブルース1的な。
「時間を戻す」とのたまっているからには、運動だけじゃなくて体内の血流の流れとかも物理法則を無視して逆流してることになるんだろう。ベンジャミン・バトンか。
ってことは脳内の電気信号の動きも逆流してるわけで、そのとき意識はどういう状態なんだ? シャノワールの何も覚えてない様子からするとやっぱり意識も正常には機能してないのか。
またコント回じゃないか
マリネットが同じような紙を2枚バッグに入れた時点で、もう何が起こるか分かる。
マリネットからアドリアンへの手紙にも愛がしたためられてたはずだったのに、なにゆえ誤解を生んだものか。
「最愛の人へ
愛する人にはためらわずに気持ちを伝えた方がいいと思う。
なぜなら、いつか手遅れだって気づくかもしれないから。
夢や希望を失ったって悔やんでも、時を戻してやり直すことはできない。
だからあなたが旅立つ前に伝えておきます。
この思いを受け入れてほしい。
あなたが戻ってきたときに真剣な気持ちを直接伝えようと思います。
あなたを愛してます」
マリアンヌが早合点して最後まで読まなかったせいか。
マリネットがなかなか結論を書かないせいか。
確かに最後の一文を読まないと、伝えたいのがどういう気持ちなのかようわからん。特にマリアンヌは、既にお互い愛し合ってると思ってたわけだから。
その他ポイントメモ
- アグレスト家とツルギ家はイギリス王室にもゆかりが?
冒頭でフーもイギリスに逃げようとか言ってたし、イギリス編があるように思えてならない。キャプテン・ブリテンが登場か。 - ミレーヌ「電車を止める」
ローズ「マリネットが変装してパーティーにもぐりこむ」
ジュレカ「カガミをさらう」
さらおうとしても返り討ちにあいそう。どっちにしろ、家族ぐるみの付き合いになってるからその場しのぎだよな。 - 脅すアリックス。
- 友達を一方的に呼びつけて一方的に追い帰すマリネット。今日はずいぶんテンション高いですね。
- マスターはちょっと困るとすぐウェイズをよこすらしい。メール代わり。
- 手を動かしながら口も動いちゃうマリネット。恥ずかしい。
- 妄想の絵柄が少女マンガみたい。
- マスターのお医者さんへの偽名は「チャン」。でもミラクルボックスのある部屋に人を入れていいのか。
- ベーカリックス回でおひろめされてたスタートレイン号。
- スパイみたいに壁に貼りついてマリネットを見送るカガミ。
- 短期間で二回変身してティッキー大丈夫?おやつのマカロンを与えたのかな。
- 今回はガブリエルもお出かけ。以前は何があっても外に出ないことになってたが、若干妥協するようになったようだ。
- 車掌(この人トイレにこもってぶつぶつ言ってる……)
- 鳩おじさんことラミエルさん、マリアンヌとは顔見知り。彼女の落とした手紙を最後まで読んでちゃんと愛の手紙だと気づいてあげていた。
- 「巻き戻す」……「早戻しする」……
- シャノワールのムーンウォーク、待ってました。
- 杖で触られたらまずいのに、いつものように接近戦を挑むシャノワール。
- ホーク・モス「なぜシャノワールのミラキュラスを奪わないんだ!」
バックワーダー「シャノワールはもう無力だ!」
あっ、いつものパターン……。 - 謎のメモを見てお使いしてあげるアドリアン、優しいなあ。カガミはどんな顔してたものか。
今回の記事はここまで。
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